クルルのおじさん 料理を楽しむ

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図書館

 辰巳芳子先生のレシピを紹介しようと思い久しぶりに「展開料理」を開けました。「肉料理・鍋にポトフがある幸せ」の欄に、すごいコメントを再発見。以下に引用します。

 

「結婚してもよい条件というものがある。生命の場に必要な条件。八十歳の観察。

1.人の喜び、悲しみがわかり、それに添ってゆける感性

2.健康状態

3.日々の無事を保証しうる基本的経済力

4.暮らしを維持発展させる生活の「力」

多くの人は食事つくりに生活の力の50-60%を投入するであろうか。料理という作業の位置付けを考える。「食」と人間の関係から見ると料理はその一部分。二十一世紀は「地球環境→食糧→安全→食方法→料理→誰と食すか」という図式をおおつかみに意識にたたみこむことが必要」

と書かれています。この本は、2009年10月が初版第一刷ですから、計算すると、この年に辰巳さんは86歳かと。僕もあと20年ほど経ってもこのような磨かれた感性を持ち続けたいものだと感心します。

 

・・・ 南仏風トマト焼き、展開:にんにく入りのひき肉で。2016年9月19日・・・

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この「私の本棚」の取材を受けたことが、僕の「料理」に対する関心を一段階アップさせるキッカケになったのは間違いないように思います。それまでは、「今日の料理」に代表される、所謂、料理本を読んでいた訳ですが、辰巳芳子先生の影響もあり、「食」と人間の関係という観点から面白そうな本を探すようになりました。

 

先に書いた通り、本を読むのは元来好きなほうです。本屋さんに行くのも好きですし、この時期には、よく近くの図書館に行き本を借りて読んでいました。図書館には、イロイロな本があります。当たり前のことですね。敢えて書くのは、当時の僕は、まだバリバリの現役ですから、読書といっても 晴耕雨読 のイメージからはチョット離れていて、まだ、生臭い仕事に関係する本を読むことが多かった。読んでおかねば、という若干の脅迫観念に駆られて読んでいる。お仕事の場面では、ある程度の知識は必要ですから、政治・経済・経営に関する流行りも含めて知識を得るための本。こういう本は自分で買って読んでいました。自分の本箱に入れて後で必要な時には振り返ってみる・・・もっとも振り返ってその本を見るというのは、めったに、ほとんど、まず無いですね・・・。本を飾って満足するという効用を求めて読んでいたと言ってもよいかもしれません。

 

図書館に行くと、イロイロな本があって「只」で借りて読むことが出来る。図書館で借りる本は、気楽な小説、趣味の世界、文化・教養の世界の本が多かったです。この図書館を発見して借りて読むようになるまでは、この手の本も、自分で買って読んでいたのですが、そして、これらの本も本棚を飾るという観点からは、飾りがいのある本が多いのですが、残念ながら、本棚のスペースには限界があり、すぐに一杯になってしまう。司馬遼太郎記念館の本棚くらいのスペースがあると心が豊かになると思いますが、普通人は本を置くスペースに苦労することになる。

最近は、流行りの本をさっと読んだら、すぐに古本屋さんに持って行って処分する、という方が多いと耳にしましたが、僕らの世代は、どうも処分するのが不得手かと。残してしまう。狭い家が、本のお陰でさらに狭くなる。「スラムダンク」の特別版は未だに蔵書として留守宅に残してあるし、「美味しんぼ」のシリーズは友人が処分するといっていたものをわざわざ譲り受けて今住んでいるマンションに置いてある。集めるのも好き、残すのも好き、処分するのは不得手=捨てられない世代・・・これが昭和の世代の一つの特徴かとも思うほどです。

 

当時、図書館でよく借りて読んでいたのが、料理本と「アガワとダンフミ」の本でした。話が横道にそれっぱなしになりますが、「アガワとダンフミ」は、寝る前によく読んでいました。仕事から(飲食して)帰ってきて、まあまあ疲れてはいるが、そのまま寝込むにはチョット勿体ない。重たい本は読む気にもならない。そういう時には、丁度よい一服感を味わうことが出来る本。注意しないと面白いから読み進んで睡眠時間を短くすることもあります。アガワは阿川佐和子さん、ダンフミは檀ふみさん。お二人とも、お父上が、文壇の大物、阿川弘之さん、檀一雄さん。

最初の本は「ああ言えばこう食う」だとか。お二人の交換随筆という面白い構成の本です。「ダンフミ」という言い方はお二人の記載のなかで双方に見られましたが、最初は、檀ふみさんと「ダンフミ」が一致しなかった。段を踏む、という言葉に何か隠された意味を持たせているのかしら?と。とにかく、この二人は本当に面白い。「残るは食欲」という言い回しが、ダンフミさんの随筆に出てくる。こんな言い方をしらっと書けるなんて。血筋なのかもしれないが、やはり、これは天性のものなのであろう。ちなみに、この交換随筆のなかで、ダンフミがアガワに対して「このオンナはいつかミリオンセラーを!狙っているが、まだ、実現出来ていない」と揶揄するようなエールを送るようなフレーズが出ていました。後日、阿川さんは「聞く力」というタイトルの新書版で大ヒットを飛ばして、恩返ししたことになります。また、阿川さんの随筆の一つには「残るは食欲」というのも出されていた。お二人の相乗効果は凄いものだと感心します。

 

 ・・・阿川佐和子檀ふみ、交換エッセイ・三部作?・・・

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