クルルのおじさん 料理を楽しむ

正月の風景

あけましておめでとうございます。年末年始は、留守宅・我が家に戻り、のんびりと過ごしました。大晦日の夕方、体重計に乗ったところ前年同時期より約4㎏減少していることを確認出来ました。特に減量しようとナニをした訳では無く、多分、前年に比べて仕事上の忘年会・会食の機会が減ってくれたお陰と思っています。僕はお酒大好き人間なので、会食の時には間違いなくお酒を飲みますが、飲んでも食事の量が変わらない、いや、かえって沢山食べてしまうという体質?のため、飲む機会が多い=体重が増加する、という構図になっていました。

少し心がけたことは、食べ過ぎた・飲み過ぎたと感じた時には、翌日は、自分が本当にお腹がすいたと思うまで食事をとらない。特に週末は、金曜日の夜に飲みすぎ・食べ過ぎ状態になった時、土曜日が家で休息出来る場合には、朝ごはんは食べない(食べる気がしない)、それから、お腹がぐうーっと信号を発信してくれない限りお昼ごはんも食べない。夕方、間違いなくお腹が減ったと感じてから食べる。但し、水分は十分に補給します。朝から、ミネラルウオーターは飲みますし、お茶=日本茶は大好きです。以前は、規則正しいことがカラダに良いと信じ込んでいたので、二日酔いの翌日の朝ごはんも、お腹がすいたと思わなくとも食べていました。これを修正して自分の体の声に素直に耳を傾けるようにしています。これが食事の仕方として健康の観点から適切なのかどうか知りませんが、美味しいものを頂きつつ、ある程度の体重管理をしたいと思う時、まあ、やむなしの方法かなあと思っています。

 

元旦の夕方、朝からの飲みすぎ・食べ過ぎを反省しつつ、街を散歩しました。なんと!(というほどのことではないのかも知れませんが)、大手の百貨店系のスーパーが正月初日からオープンしておりました。コンビニは年中オープンしてくれているという認識はありましたが、スーパーは元旦はさすがにお休みと思っていました。お店を覗いたところ、食品・総菜コーナーでは刺身をはじめ、ほぼ、通常通りのラインアップとなっていたようです。おせち料理を家庭で準備するという必要性はほぼ完全になくなったかと思います。もはや、おせち料理はデパート・コンビニ・料理屋・総菜屋さんで売っているものをハレの日に買う料理、てな感じですかね。

1月8日付けの日経・文化欄に歌人の馬場あき子さんが ”1945年の大みそかの夜「何を食べたか」”についての随想を寄稿されていました。その最後の件に「今年の大晦日、ついにわが家の食卓にも手作りならぬ料理が並ぶようになった。色彩豊かな御馳走を眺めながら、あの日の大晦日の切実な食への思いがよみがえり、食の原点を忘れていく今日に感慨無量であった」と書かれていました。世代的には僕の母親に近い方ですから、僕らよりももっともっと感慨無量かと思いますが、僕らの世代でも結構感慨深いものを感じます。

 

お正月には、朝からお酒を頂きます。おせちがツマミで、お雑煮がメインデイッシュのような。今年は、長女のダンナが元旦を付き合ってくれました。二人の長男(僕の孫)が今四か月なので、長女のダンナの里帰りにはまだ連れて行かないほうがよいだろうとの判断。朝、うちの家に連れてきて、うちで一杯やってから、その足でダンナだけ長野の実家に大急ぎで移動するという忙しいスケジュールです。何やら申し訳ないような気がしましたが、お陰様で僕は飲む相手が出来て楽しくお酒を頂くことが出来ました(彼もお酒大好き人間なので)。

 

うちのお雑煮(今回初めてレシピをカミさんに教えてもらいました)は、すまし仕立てです。角モチを焼いて、具はカシワ、大根・人参・里芋、なると、絹さや、みつば・ゆずの皮。出汁はアゴ出汁、味付けは、薄口しょうゆ、白だし、みりん少々とか。結構、具たくさんです。僕は大阪の母親のお雑煮と同じかと思っていたのですが、大阪では、丸モチであったらしい。すまし仕立ては同じですが、具は、かしわ、茹で白菜、蒲鉾のみであったと。そうそう、そうでありました。大阪の実家は丸モチでした。長い年月の間にカミさんなりに自分の実家とダンナ(僕のこと)の実家の味を融合させて今の形を造り上げたのか?。一緒に気持ちよくお酒を飲んでいた長女のダンナが、自分の実家(長野県下伊那郡)でも同じ系統(すまし仕立て)の雑煮であり、うちの家の雑煮と味も結構似ているとコメント。すまし仕立ての雑煮の味は地域によってそれ程大きな差はないのかとも思いました。関西は、味噌仕立てが多いようですから、僕の実家の雑煮が変わっていたのかとも今更ながら思いました。

 

櫂美知子さんの「食の一句」に面白い句があります。

===  馴染むとは 好きになること 味噌雑煮 === 西村和子

”「すまし汁」から「味噌仕立て」への転換・・・ときに妥協し、口論しながもゆっくりと馴染んでゆく味。年明けを祝う一椀の湯気にこそ、家族の歴史があるのでは” と解題されてます。

兄の亡くなった嫁さんの神戸の実家は味噌仕立てであった由。この句とは逆に「味噌雑煮」から「すまし仕立て」に転換していたんだ。うちの家は「すまし」から「すまし」だから平穏な転換だったと思うのですが、それでも、結構イロイロな家族の歴史が刻まれているのでしょう。 

 

三が日の後、いったんは単身生活に。名古屋の単身マンションで教わったばかりのお雑煮(モドキ)に挑戦してみました。おモチは無し。それなりのモノに出来上がったのですが、やはり、何かピンとこない。風情に欠ける。モチが入っていないせいか、一人だけで食べる食事だからか、はたまた、お雑煮(含む、モドキ)とはそもそもお正月三が日に頂くから美味しい料理なのか。 

 

7日、また、留守宅・我が家にて七草粥を頂きました。七草粥セットの野菜を使ってです。余り文学的センスがあるとは思えない長男が以前から七草は諳んじています。これは57577調の威力と思っています。これも日本と日本人の歴史なんでしょうね。

=セリ・ナズナ ゴギョウハコベラ ホトケノザ スズナスズシロ これぞ七草

食べ過ぎのお正月の後には、確かに胃腸を整えてくれる、ホッとするお粥さんだと思います。思わずお代りをして食べ過ぎました。七草粥を食べ過ぎて体重が増加したらシャレにならないと思いますが、久しぶりに体重計に乗ったところ、予想通り年末からは順当過ぎる増加ぶりでした。ただし、サクタイ(昨年同時期・同期間との対比の意味、一種の業界用語です)では、まだ減少幅を維持しており一安心しました。

 

本年もよろしくお付き合い下さい。健康一番でやっていきたいと思っております。

 

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 えらぶのユリ。三号鉢も無事に発芽してくれました。みんな元気に花を咲かせられるかな。2017年1月9日撮影。