クルルのおじさん 料理を楽しむ

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大雪 

一月の第二週から風邪をひいています。最近は、たかが鼻風邪とバカにせず素直にお医者さんに診てもらうようにしています。年を取ると治りが遅くなっているように思うので、長引かせたくないですから。予想通り、鼻風邪でした。鼻水とくしゃみが止まらない。喉が思った以上に腫れているとのことでした。インフルエンザではなかったので一安心。金曜日は念のため会社をお休みにさせてもらって家で休養しました。夜の会食、土曜日の予定は全てキャンセル。外には出来るだけ出ず、マンションの中に閉じこもる生活になっています。熱はそれ程高くは無く、寝込むほどのものではありません。丸々一日中、閉じこもっていると、何も用事がなくとも外に出たい、外の空気が吸いたくなります。買い物をする必要がある訳では無いのですが、気晴らしも兼ねて近くのスーパーに買い物に行きました。

近頃は便利なもので休んでいてもメールの交信で簡単に近況の確認も出来てしまいます。友人からお見舞いを頂きました。「・・・単身で風邪をひくと何とも寂しいもの。メシと風呂、汗をかいた下着などの洗濯等々。調子が悪い上に、全部自分でやらなければならない。いやはや・・・」。この友人も単身赴任の経験のある方で、まことにおっしゃる通り。気力が弱っている相手にわざわざダメ出しをしてきてくれるこの親切さには、アタマが下がる思いがします。傷口に暖かく塩を塗り込んでくれる友人がいるというのは本当に有難いことだと痛感しました。”ほっといてくれー”と思いながらも、普段の単身おひとり様の気軽さの裏返しで、病気の時のこのモノ寂しさにはホトホト参ってしまいます。

 

スーパーの総菜・食品コーナーを見ても、もともと食欲が無いわけですから、あまり気晴らしにもなりません。しかし、その時、お疲れ様コーナー=賞味期限切れに近い食品をデイスカウント価格で売っている棚の上に、「春の七草」のセット、フリーズド・ドライもの、を発見。この瞬間、風邪薬で普段以上に朦朧としている頭脳がやや機能を回復し、留守宅で食べた七草粥を思い出し、それと同時に、いまのマンションにしまってあった電気お粥鍋マシーンの存在が見事に蘇りました。この鍋は、おじや・お粥・雑炊の専用の道具で、材料を入れてセットすれば後はスイッチを押すだけの優れもの。1-2回使った後、しまい込んだままになっていました。理由は分かりませんが、俄然、やる気が出てきて賞味期限切れに近い春の七草粥セットを買い込み、その晩は、春の七草の雑炊を作りました。病気で体力・気力が減退していても、文明の進歩で、マシーンが単身おひとり様の強い味方になってくれました。食欲はそれ程無かったですが、お腹に優しいモノを簡単に作ることが出来て、満足して美味しく頂けました。

 

天気予報では、14日の土曜日から日本列島は強い寒気に覆われ、広い範囲で大雪が懸念されていると。丁度、この土・日曜日は大学入試センター試験です。この冬、一番の冷え込みということですから、受験生の方々は十分に準備して対応されます様に。

僕の大学入試の時も稀に見る大雪の日でした。大学だけでは場所が十分でないためでしょうか、僕たちの受験は大学のある神戸の地元高校で分散して受けることになっていました。”地元神戸の受験生が有利やないか。これは不公平や”などと嘯いておりましたが、今から思えば、隣の大阪にいながらこんな文句を言っていたわけで、遠方から泊りがけで受験に来ている方々も多数いたわけですから、全く、自分本位な高校生であったかと思います。とにかく予想以上の積雪でした。雪対策を全くやっていなかった僕は底がツルツルの靴を履いており、駅からの道を普通に歩くことさえ困難で体力をかなり消耗しました。更に更に、受験場所の高校に入るところが結構な登り坂になっていて、雪が氷になりつつあるその坂を一人で立って登ることが出来ない。滑りに滑って、ヘトヘトの状態に、”かくなるうえは、四つん這いになってでも登らねば”、と思いかけた時、見るに見かねた係の方が両脇を持って支えてくれました。やっとのことで坂を上り切り教室に到着したのは、試験の開始時間ギリギリになっていました。体力には自信はあった方ですが、息を整える余裕もなく、集中力を失っているのが自分でも分かるほどでした。”もはやこれまでか”と思った時に、開始時間を一時間ほど繰り下げるとのアナウンスがあり、文字通りホッと一息。助けられたと思いました。

合格発表の日、朝一番に大学の掲示板を見に行きました。合格を見届けて、そのまま友達と時間を潰して、家に帰ったのは夕方になってから。結果を心配していた母親からたいそう叱られました。『不合格、ショック、最悪の事態、・・・』悪いことばかりを心配していたようです。申し訳ないと思いつつも、煩く言う母親に「うるさいなあ、落ちるわけないやろ、そんな心配することないで」などと不遜なことを言ったように思います。その場にいた、兄が上手く取りなして収めてくれました。兄からは、その後すぐに母親のいないところに連れていかれ、一言注意されました。「あほかお前、ちゃんとあやまっとけ!」。

 

 天気予報の通り、週末は各地で大雪となりました。センター試験も、14日の午前中で9会場で試験開始時間の繰り下げがあるなど対応が大変であったようです。僕は、結局、金・土・日の三日間のお休みになりました。晴耕雨読ならぬ、風邪のため閉じこもりの読書。メール、電話以外は外部との接触がほぼ無しの状態が三日間続きました。今の僕にはこれくらいが限界かと思います。一人で無人島の生活には向いていないかと痛感しました。お陰様で、本は沢山読めました。

 

その中の一冊、「あなたの体は9割が細菌」ーー微生物の生態系が崩れはじめたーーアランナ・コリン著、矢野真千子訳。河出書房新社

今回は、体調不調もあってか、メランコリックなお話になったかもです。この本も病気で体調がよくない時に読むのはややツライところがありますが、大変に面白い本です。別途、元気になってから紹介したいと思います。

 

日経の土曜日「プラス1」にポン酢の有名ブランドが紹介されていました。大好きな日向の平兵衛酢が入っていません。日向の平兵衛酢を知らずして、ポン酢を語ることなかれ、と言いたいです。 「平兵衛酢=へベす」と読みます。

 

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自慢の調味料、写真の真ん中が、日向のへべす(平兵衛酢)使用の「幻のへべすポン酢」。雑炊にももちろん合います。美味しく頂きました。そのほか湯豆腐にも最高です。池波の正ちゃんにも教えてやりたかったなあ。小鍋だてにも絶対合いますよ。