クルルのおじさん 料理を楽しむ

沖縄旅行、その2.

f:id:hayakira-kururu:20171123074444j:plain

 ●今帰仁城跡の入り口近くにある”さとうきびジュース”のお店。その場で絞りたてのジュースが飲めます。辛口コメントですが、ここのさとうきびは刈り取ってからこの家の裏で保管されており、絞るまでにかなり時間が経っている様子。その為、ジュースの風味がやや新鮮さに欠けたものになっています。もちろん、それでも十分に美味しかったです。2017年11月4日撮影。

 

 

沖縄で泊まったのは名護市喜瀬にある有名なリゾートホテルでした。九州・沖縄サミットの会場にもなった場所・施設です。かなり贅沢なホテルですが、おばあちゃんの初めての沖縄旅行ということでもあり全員が賛成してくれたのでここに決めました。但し、個人で高級リゾートに泊まった経験はほとんど無かったので、ホテルでの食事は予約しておくものだ、ということに頭が回っておりませんでした。連休の初日ということもあり、なんとホテルのレストランは予約で一杯。ブッフェ形式の食堂だけは予約の必要がなく食事は可能ということでしたが、値段が高い割には何の特色も無さそう。余りにも芸が無いので遠慮することにしました。

 

”さあて困った、夕食を食べにホテルの外に出かけなくてはならない。ムウッ、再度、車の運転か、運転するとお酒は飲めない、これはチト辛いなあ”、一人悩んでいると、横にいて何の役にも立たないと思っていたホテルの案内係の人が「ちかくの沖縄料理のお店は、このホテルに送迎サービスをしてくれますよ。送迎は無料ですよ。」と僕の心の中を見透かしたようなアドバイスをしてくれました。

 

部屋に荷物を置いて身支度を整えて(シャワーを浴びる時間もありましたが、やや肌寒いので止めておきました)一服したら丁度よい時間になってお迎えの車が来てくれました。大変に人気・評判の沖縄郷土料理のお店でした。初日の夜から、沖縄の(かつての)長寿の秘訣に迫れるか!。

 

僕は何人かで食事を注文する時に、ついつい沢山注文する傾向にありますが、この時もそうなりました。折角だからイロイロな種類の料理をたのんでみんなで分け合って(取り合って)食べると旨い!(註:これは、沢山食べる人・早く食べる人が割り勘勝ちする鉄則です。こんな食べ方をしていると”腹八分”には程遠くなるのは頭では分かっているのですが、食いしん坊のサガですねえ)。

 

一人がドンドン注文し始めると、他の人も負けてはならじと思うのでしょう。あれも食べよう、これも食べよう。沢山の種類を頼んで、みんなでつまみ食い。チャンプルーもゴーヤとお麩の二種類。野菜は新鮮なサラダだけでなく煮込み、炒めモノも注文。豆腐も、島豆腐と落花生豆腐。お店の方のお勧めに従って、白身のお魚の唐揚げ(グルクン)と、豚の煮込み・角煮も。おそばも汁そばと焼きそば。〆は五穀米の焼きメシのような料理。ビールはもちろんオリオンビール、それから泡盛を水割り、ロックで。女性陣も負けじとカクテルを。おばあちゃんはお酒は飲めませんが、お茶、ジュースを楽しみ、料理のお皿には全てに箸を付けていました。あっぱれ、あっぱれ。

 

 

食べ過ぎ、飲み過ぎだあ、これでは長寿に結びつかないと反省しつつも、お陰様で、部屋に戻ってから時間をかけてゆっくりと風呂に入り、ぐっすりと休むことが出来ました。翌朝、爽やかな目覚めで、あれだけ食べて飲んだというのに、お腹の状態も爽やかでした。これが沖縄料理の素晴らしさかと。

二日目は観光。美ら海水族館今帰仁城跡、古宇利島(ハートの形に見える岩が見られます。ミーハーのおばあちゃんのご所望でお連れしました)。お昼は街道添いの雰囲気の良さそうな沖縄郷土料理のお店を見つけて飛び込みで入りました。沖縄そば、野菜サラダ、野菜・果物のジュースを美味しく頂きました。

 

 

さて、二日目の夕食はどうするか。ホテルで予約可能な料理は和食、中華、イタリアン。皆さん結構食欲はある様子。夜・昼と沖縄料理を食べたから、ホテルのレストランを希望するかと思いきや、再度、沖縄料理でOKと。調べてもらうと”純血アグー豚のしゃぶしゃぶと沖縄郷土料理”というお店が良さそうということに。

結果、大正解、大満足でした。前夜と同じようにイロイロな種類の沖縄料理を注文して、〆にアグー豚のしゃぶしゃぶを頂きました。さすがに注文は控えめにしたはずなのですが、それでも食べ過ぎ状態に。昨晩が130%だとするとこの時は110%くらいかと思います。

 

僕はもちろん(量だけではなく、内容も)満足していたのですが、お食事が終わって勘定をしている時に、店のご主人が見送りの挨拶に出て来てくれたので思い切って聞いてみました。「アグー豚シャブも美味しかったし郷土料理も美味しかった。昨日から夜・昼・夜と沖縄料理を続けて食べた。大変に満足しているのではあるが、もう少し沖縄料理としてバリエーションを工夫すればよいのでは?例えば、名古屋では、一日目に”ひつまぶし”を食べたら、二日目はコーチン鶏鍋の店に行くとか、味噌煮込みうどんとか。ジャンルの違う料理がある。はたまたB級グルメで、土手煮、手羽先、ラーメン、おでん。その土地・そのお店ならではのバリエーションがイロイロとあるでょ。」

 

嫌味な客のモノ言いに対して、ご主人様は、怒ることもなく嫌な顔一つする訳でもなく、淡々と「それが沖縄料理の良さなんですよ、同じように感じるかも知れませんが、お店(=各家庭)によってそれぞれの味付けがある。毎日、同じようなものを食べて飽きないかと言われますが、飽きが来なくて美味しく頂けるのが沖縄料理の良いところだと思っています。バランスも良くとれていますから、健康にも良いのです。もっとも、最近の(沖縄の)子はやはり飽きてしまうのか、アメリカ的な料理を食べることが多くなっているかも知れませんねえ」。僕よりもはるかにお若いご主人ですが達観されていて、かつ、沖縄料理を愛されているのでしょう、なかなかに含蓄のあるしっかりされたお言葉でありました。

 

今回、食べた沖縄料理のベスト5.を平均年齢70歳が選びました。

ゴーヤチャンプルー。素直にゴーヤが美味しかった。本州で食べるゴーヤの味と違う気がする。②島ラッキョー(テンプラ、浅漬け)。③紅芋のテンプラ。④海ブドウ(おひたし、サラダ)。これも新鮮さが全く異なる。⑤もづくの酢の物。

以上、意外と在り来たりのものが並びました。健康に良さそうなモノばかりです。最近は、沖縄の食材は人気がありますから、名古屋でも東京でも同じものが簡単に手に入りますが、食べ較べてみると、似て非なるモノかと思うくらい。新鮮さ、素材の美味しさが選ばれた理由でしょう。

 

 但し、幸か不幸かお値段が張らないモノばかり。これらを食べるためにわざわざ沖縄に足を運ぼうということに繋がるものか。せっかく、沖縄に行くんだから、是非、これを食べるぞというものは無いのかしら。なんとか工夫して「xxを食べに沖縄に行こう」ツアーを企画出来ればもっとお客さんが増えるのではなかろうか。

お節介なおじさんは何かもったいないような気がして仕方がありません。尤も、沖縄に行ったらあれを食べるぞ!というものが無くとも、それ以上に人を引き寄せる魅力が沢山ある訳ですから、料理屋のご主人が言われる通り、今のままの体に優しい沖縄料理が丁度良いのだろう!とも思うのですがね。

 

 

f:id:hayakira-kururu:20171123074528j:plain

世界遺産今帰仁城跡(ナキジングスク)。14世紀の中国の史書にこの頃の沖縄本島の支配者である琉球国三王が登場するそうです。北部地域=北山、中部地域=中山、南部地域=南山の三王がそれぞれ支配していました。北山王の拠点がこの今帰仁城。2017年11月4日撮影。