クルルのおじさん 料理を楽しむ

ビックリ仰天

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 三月にシンガポールに行きました。二泊+機中泊の旅。ホテルの部屋でハウスキーピングの方が洒落た対応をしてくれたのでメモで褒めたところ翌日お返しのメモを添えてくれました。タオルが象さんになって出されていました。なかなかの技ですよね。もちろん相手の方にお会いした訳ではありませんが、筆談でもコニュニケーションが出来たというのが何やら楽しく感じました。3月24日撮影。

 

 

 

ラソンの賞金に一億円!?ビックリ仰天しました。ご褒美というには桁が違い過ぎる金額。たまたま平昌オリンピックが閉幕したタイミングでメダリストへの報奨金のことが記事になっていたこともあり、その金額の差の大きさに何やら釈然としないものを感じてしまいました。

 

注目のマラソンは、2月25日の日曜日に行われた東京マラソンでのこと。設楽悠太(ホンダ)選手が日本新記録をマークして日本勢最高の二位となりました。16年ぶりの日本新記録ということでマスコミ・新聞各紙も大きく報道しておりました。彼は箱根駅伝のスター選手ですから僕もニュースを見て「よくやった、あっぱれ」とエールを送りました。その時は賞金一億円は知りませんでした。翌日の新聞記事で賞金一億円を初めて知って、ビックリ仰天。

 

”誰がそんなお金を出すんや!。国民の税金が使われているんと違うんかいな。そもそも誰がそんなことを勝手に決めたんや!”。というのが第一印象。別に設楽選手に文句を言う筋合いは全く無い話ですが、貰った選手にまで変な印象を抱いてしまう。やっかみなのでしょう。賞金を出すのが悪いと思う訳では無いのですが、金額の妥当性とか他の競技とのバランスとかイロイロなことを考えないと不公平な印象をもってしまうと強く感じました。皆の納得を得られないと折角の日本新記録を素直に喜べなくなってしまうような気がしました。僕の狭量のなせる気持ちかも知れません。

 

 

日本実業団陸上競技連合」という社団法人が2015年3月の時点でマラソンの記録に対して褒賞を出すことを発表していたそうです。この法人は1964年の東京オリンピックに先立つ1957年に結成されており「選手の育成・強化を通じて日本の陸上競技会の発展に寄与することを目的」とした歴史のある由緒正しい団体のようです。少なくとも国民の税金がこの褒章に使われている訳ではなさそう。企業の協賛・寄付が原資になっているような印象を受けます。なんとなくホッとしました。

 

設楽選手はこの日本新記録褒章の一億円に加えて、主催の東京マラソンから二位賞金四百万円、同じく日本新記録ボーナス五百万円をゲット。”2時間6分11秒”で一億九百万円を得たことになるようです。おまけに所属するチームに対しても「監督・チーム賞」が準備されていてホンダチームには五千万円。更に、この大会で5位に入った選手にも日本記録挑戦奨励賞として一千万円、同じく監督・チーム賞が五百万円与えられたと。ナントも手厚いご褒美かと思いました。

 

 

ちなみに平昌五輪メダリストへの報奨金は、新聞報道によると、金メダルに対してはJOC日本オリンピック委員会)から五百万円、日本スケート連盟から五百万円、合計で一千万円になります。団体追い抜きとマススケートで二つの金メダルを獲得したスピードスケートの高木奈那選手が合計で二千万円をゲットしたそうです。これが全選手のなかで最高金額のはずです。四年に一度の大会で見事に日の丸を挙げた選手に対してのご褒美という意味からは、誠に抵抗のない、違和感のない金額水準でなかろうかと感じます。

一方では、僕の大好きなカーリングでは報奨金の規定がないそうです。練習場の確保に苦労しつつも、今回、多くの日本人に夢と感動を与えてくれたチーム・選手を考えるとやや不憫な気になってしまいます。もちろん報奨金目当てに頑張った訳では無いでしょうが、比較してしまう対象が表面に出てくると人間の心理というのは微妙なところがありますよね。

 

 

陸上競技に話を戻すと、男子100mで何時誰が10秒の壁を破るか、というのは大変な関心事であったと思いますが、何でマラソンにだけこれだけ手厚い報奨金を制度化しているのですかね。それとも僕が知らないだけで、10秒を切った桐生選手はそれなりのご褒美をゲットしているのかしら。ゲスの勘ぐりになってしまったり。嫌らしい。

まあ、2015年に褒章制度を発表してから三年間、一億円の対象者がいなかった訳ですから、”やっと制度の効果が出てきた”、という意見・見方が大勢を占めているのかも知れません。

設楽選手のお父様は「うれしい反面、胡坐をかいてしまわないかと心配だ。」とおっしゃったそうです。親父の気持ちはよく分かりそうに思います。

 

天の邪鬼の僕は、次回また彼が日本新記録を更新したら世論的にどういう反応が出るのか心配になります。一回に一秒づつ記録を更新してオリンピックまでのマラソンで複数回も日本記録を更新したら、もう、悪役扱いにならないかしら。はたまた、この褒章金制度の資金が底を着いたから、”はい、もう報奨金は出ません”、という時が来たら、これはこれで不公平の極致になったりしないかとも。更には、一億円、いや、何億円単位の褒章を出したはいいが、肝心のオリンピックでメダルを取れなかった時には、誰かの責任問題になったりしないのですかね。

 

カーリングのように褒章制度がない競技の選手で日本で初めての金メダルを取ったりしたら、その選手は何か割り切れないモノを感じてしまうかもしれませんね。

 

唯一、分かり易いだろうなあと思うのは、ビルゲイツさんくらいの大金持ちが全くの個人の好みで、例えば自分が大のマラソンフアンだから「よっしゃ、俺が賞金だしたるから、気張って走れや。いつまで賞金を出すかは分からへんで。一戦ごとの勝負や。俺の気分次第や。」というような漫画的なノリのほうが理解しやすいように思います。誰も何も文句言えないでしょうね。

  

 

僕らの世代=前の東京オリンピックを知っている世代は「オリンピックは参加することに意義がある」と真面目に刷り込みされています(いました)。アマチュアスポーツマンシップが大切なことなんだと。改めて考えるとプロスポーツ選手とアマの選手の違いは何なのでしょうかね。分かりそうで分からないような気持ちになっております。

 

 

米大リーグ、エンゼルス大谷翔平選手が大活躍です。打者として三試合連続のホームランを打った後、4月8日には本拠地アナハイムで先発出場して7回を一安打無失点、なんと毎回の12三振を奪って開幕2連勝。9日には米大リーグの週刊MVPを受賞したことが発表されました。彼は昨年の11月にポステイングシステムを活用して大リーグ挑戦を決めたそうですが、前年に大リーグ機構のルールが改訂されており26歳未満であることからマイナー契約に甘んじるしかなかったそうです。松坂選手、ダルビッシュ選手、田中選手に比較すると一桁違う金額での移籍ですが、それも止む無しと判断したと。お金のことを考えれば移籍のタイミングはずらした方が有利であったのに、当時すでに現地のマスコミで「金ではなくて夢の実現の為に」と評価されていたそうです。モチベーションはお金だけで左右される訳ではない。

設楽選手のお父さんのご心配、もっともなことと思いますが、この際、いっそのこと東京オリンピックまでプロ宣言して日本新記録の更新とオリンピックでの金メダルを目指すと言い切る方がフアンが増えるかも知れませんね。モチベーションももっと高くなるかも。大谷選手の顔が晴れ晴れとしているのが大変に印象的です。

 

 

全くの蛇足ですが、本当のビックリ仰天は、スポーツの世界では無くて、最近の財務省の「森友」「加計」、自衛隊の日報問題のほうでした。残念ながら、こちらはビックリ仰天を通り越して、開いた口が閉まらない状態になり、今では、公文書の改ざんや隠蔽に驚きすら感じなくなってしまったような。こんなことに慣れてしまいつつあることが本当に怖いことだなあと感じている今日この頃です。政府・行政そのものが税金の無駄遣いに思えてくるとやはり日本はヤバいですよね。ああコワっ。

 

その瞬間、感動を与えてくれるスポーツ・芸能・芸術の世界は益々大切にしなきゃあ、と痛感します。もちろん、お料理も。 

 

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 シンガポールマーライオン公園。プロジェクションマッピングで新しいマーライオンが浮かび上がってます。この海側に有名なマリーナベイサンズホテルがあります。僕たちが駐在していた時にはこんな景色は無かった。全て新しく埋め立て造成された地区です。相変わらず国を挙げての開発には目を見張ります。SFの映画に出てくるような光景です。

到着した当日の夜です。このベイ沿いのオープンハウスのレストランで久しぶりにチリクラブを頂きました。陽が陰るとそれなりに過ごしやすくなり、タイガービールが大変に美味かったです。大満足でした。昨年末にシンガポール駐在になった甥っ子にも会う機会を持てて充実の二泊+機中泊でした。3月22日撮影。