クルルのおじさん 料理を楽しむ

蕎麦屋さん

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武相荘」に展示されている軽井沢ゴルフ倶楽部のTシャツと白洲次郎さんのゴルフメモ。ご自分が理事長をされていた軽井沢ゴルフ倶楽部では「リゾートで気取る必要な無い。倶楽部Tシャツでラウンドしてよし」とTシャツでのプレイを許可したそうです。Tシャツの背には直筆の「PLAY FAST」が印刷されている。「スコアばかり気にする人もいる。私などは如何にその夜の酒の味をよくするか、と云うことでやっている」とのコメントは全く同感。いい人だったんですねえ。撮影は2018年8月10日、武相荘にて。

 

 

茨城県にゴルフに行きました。"since1958”の歴史と伝統のある名門ゴルフ倶楽部です。コースコンディションも素晴らしくまさにチャンピオンコース。残念ながら次郎さんのような理解ある理事長さんではないからかドレスコードは結構うるさかった。男子半ズボンにはハイソックスの着用がmustとなっています。女子には適用されていないのが不可解。同伴のメンバーの方がマスター室に問い合わせしてくれましたが「ダメなものはダメ」という凛々しいお答しかありませんでした。

 

 

この日は、昔の商社時代に苦楽をともにした仲間との懇親会。お盆を過ぎて暑さも和らいだと思ったのが、またぶり返していたのが心配でした。幸いなことに曇り空、風もそこそこ気持ち良く、雷は全く無し、雨も瞬間だけ霧雨程度のお湿りと、この2か月の天気を考えるとほぼ最高の状態でした。

皆さん、それなりの腕前ながらも、懇親会の趣旨を弁えてか、はたまた、もともと次郎さん流の考えに近い方ばかりなのか、和気あいあいに徹しきったためかスコアはボロボロ。それでも”おにぎり”はそれなりの動きが出ましたが、勝者が終了後のかき氷をご馳走して丸く収まる程度の楽しい懇親ゴルフとなりました。帰路も倶楽部バスに乗車して常磐線の駅に。

 

東京・関東でのゴルフは往復に時間がかかるのが大変です。名古屋はゴルフ天国の一つだと思います。30分程度で行けるゴルフ場が何か所があるし、一時間かければ沢山のゴルフ場があります。それに比べて、東京・関東地方の広がり・大きさには改めて驚いてしまいます。神奈川の自宅から電車を乗り継ぎ、倶楽部バスを利用してこのゴルフ場に到着するのに2時間以上、3時間近くかかります。読み物をしていれば良さそうですが、普段あまり乗車しない線では乗り換え等々で間違いがないか、乗り過ごしたりしないかと心配になります。余り落ち着いて読書という感じではありません。

 

 

それでも帰りは皆さんと一緒ですから、あっという間に秋葉原の駅に。のんびり歩いて神田須田町にある老舗の蕎麦屋さんに予定通り6時に到着しました。「神田まつや」さん。ゴルフをしていないもう一人の仲間がちょっと前に席を取ってくれており、待つこともなく入口近くの席に座ることが出来ました。もうこの時間でお店はほぼ満員。海外の方々のグループもあちこちにいる様子。西洋人が慣れた手つきで音を立てて蕎麦を啜って食べているのも何やらヘンテコな感じがしないでもありませんが、日本食も本当にポピュラーになったものだと実感します。この「神田まつや」さんは「神田やぶ蕎麦」に並ぶ名店。もちろん、全部手打ちのおそば。つなぎには鶏卵を使用しているそうです。

 

 

モノの本によると「藪そば」というのは、もともとのお店が本当に藪の中にあった由。1750年ゴロに雑司ヶ谷鬼子母神近くの藪のなかに「藪の蕎麦切り」というお店が有り、現在あちこちにある「やぶ蕎麦」の元祖になるとか。ついでに江戸のそば屋は「二八そば」の看板を立てていたそうですが、この「二八」は、僕はそば粉とつなぎの小麦粉の配合割合と思っていましたが、そうではなくてお蕎麦の値段との説もあるそうです。それもちょっと捻ってあって九九の2x8=16文で食べられるという意味だったとか。当時、田舎から出てきた人はこの意味が理解出来ずにお店とひと悶着あったこともあるとか。京都にしても東京にしても自分が世界の中心にいるという気分が強くなると自分たちだけに通じる決め事をそれを知らない人にも押し付けることになっていたのでしょうねえ。

 

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文字通り自分が世界の中心にいると信じ込んでいるであろうお二人。人形遣いとその人形という見立てです。面白いというよりは最近の報道を見ていると何やら怖いですね。この写真記事にはコメント一切なし。日経新聞に掲載されていました。 撮影したのは2018年7月30日なので、7月の新聞であったと思います。本文とは全く関係ありませんが、痛く印象に残っていたので。

 

 

 

美味しいそば屋さんのお酒(=もちろん、日本酒です)は”安くて旨い”という定評があります。また酒の肴も旨い。酒飲みには堪りません。このお店も勿論そうでした。最近は味わいながらゆっくりと頂くことを漸く理解しつつあるのか、深酒することもなく気持ちの良いほろ酔い気分を楽しむことが出来ました。ただ一つ残念だったこと、だし巻き玉子がメニューにありませんでした。何故かしら?。そば屋さんには必須アイテムと信じていたのですが。

 

 

来月には、ほぼ同じメンバーで我々のホームグラウンドであった港区青山の本家やぶ蕎麦で懇親会をやる予定になっています。ここも「まつや」さんと同じく昔からのお店。そば屋さんは概してテーブルの席と席の間隔が狭く、椅子も”腰掛け”的なものが多い(立派なひじ掛けがついているような椅子ではない)。満員になると関係の無いお隣のグループの会話も耳に入ってくるように思いますが、どういう訳はあまりうるさいとは感じないで、心地よい喧騒のなかで飲食を楽しめるような気がします。古いお店の佇まいが上手く馴染んでそういう気配になっているのかと感じます。

とにかく、青山のやぶ蕎麦には”だし巻き玉子”は間違いなくあるのです。今から楽しみです。

 

 

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「有次」を使って。今年の夏はオクラ、厚揚げ、この写真では使っていませんが、油揚げ、ゴーヤに挑戦しました。2018年8月22日、料理と撮影。

油揚げ、厚揚げは親しい料理の師匠が得意の食材としていることに影響を受けて。それと料理研究家小林カツ代さんが「油揚げは日本のベーコンです」と書いていたのが大変に印象に残って。もともと大豆製品大好き人間だったのですが一層好きになりました。カツ代さんは2014年に76歳で亡くなられました。今でも沢山の本が本屋さんに並んでいます。僕も何冊か本を持っています。あまり料理の決め事をとやかく言わずに指導されているのが良いと思います。「誰もが料理できるようにしたい」と。「誰もが」というのは「女性の誰もが」ということではなくて「男も女も誰もが」という思いだそうです。