クルルのおじさん 料理を楽しむ

『Ryuichi Sakamoto:CODA』

 名古屋市千種区東山公園・植物園のライトアップ。今年は天気が異常すぎたせいか紅葉の当たり年では無さそうとのことでしたが、池の周りの景色はそれはそれは何とも言いようのない幽玄の世界でした。2018年11月17日、撮影。

 

 

テレビの番組表で11月10日・土曜日の真夜中、正確に言えば11月11日・日曜日の午前零時から映画「Ryuichi Sakamoto:CODA」(2017年日米)が放送されるというのを目にしました。最近、坂本龍一さんに関係することに興味を持っていたので、早速に録画の手配をしました。

 

 

戦場のメリークリスマス」という映画があります。この原作を書いたのはロレンス・ヴァンデルポストというオランダ系の英国人の方です。彼は第二次大戦中に日本軍の捕虜になり、その時の体験を書いたのが「影の獄にて」という小説なのですが、この小説が後に「戦場のメリークリスマスMery Chrisitmas, Mr.Lawrence)」の題名で映画化されました。日本の鬼軍曹ハラと捕虜のロレンス英軍中佐の間の「友情」を描いたものとのこと。まだ僕は原作も読んでおらず映画も見ていないのですが、この映画のテーマ音楽を作曲したのが坂本龍一で、この映画には俳優として日本軍大尉役で出演しています。

 

 

このテーマ音楽に興味を持っていた時に、偶々、河合隼雄さんの『大人の友情』(朝日新聞社、2005年2月初版)という本を読んでいたのですが、ほぼ最終章に近いところでこの話が紹介されていたのです。「境界を超える友情」という章で、ハラ軍曹とロレンス中佐の友情の成立を解析しています。"捕虜収容所での全く立場の正反対の二人が自分の世界に立った対話をしていたものが、両者がそれぞれの世界に半歩踏み込んだことで深い友情を結ぶことになった”という「大人の友情」です。

原作は知らない方がほとんどだと思いますが、映画のほうは、監督:大島渚、出演者がハラ軍曹:ビートたけし、大尉:坂本龍一、英軍少佐:デヴィッド・ボウイという異色のメンバー。テレビの宣伝で軍曹役のビートたけしが「メリークリスマス、ミスター・ローレンス」と話かけるシーンが何度も何度も繰り返し放送されていたことを記憶されている方も多いかと思います。ビートたけしはこの頃から大変に存在感のある役者だったですね。尤も、この映画は1983年公開作品ですから、このテレビの宣伝シーンを覚えているのはかなりの年代の方だけですかね。

  

 

河合隼雄さんのこの本『大人の友情』には「裏切り」とか「友の出世を喜べるか」とか「友情と同性愛」とか、いつもながら結構きわどい切り口からの記述が沢山あります。一方では、「夫婦の絆」=「戦友」という見立てもされていて、やはり、このオッサンはただモノでは無いと感じます。オモロイおっさんです。

 

 

 

Ryuichi Sakamoto:CODA』は1時間42分の長編ドキュメンタリー映画でした。2012年から2017年の坂本龍一の軌跡を描いたもの。「坂本龍一の音楽と思索の旅」と紹介されていました。”時間が長すぎる”と感じることは全く無く楽しむことが出来ました。

 

冒頭、『3.11』で津波に襲われた宮城の高校を2012年に訪問しているシーン。その高校の講堂に置き去りにされている死骸のようなピアノ。その弦を弾き、鍵盤を叩いて音を出している坂本龍一の姿に驚きました。そのあと、避難所として使われていた中学校でのコンサートで「戦場のメリークリスマス」が演奏される場面が。ヴァイオリンとベース、もちろんピアノはご本人の演奏。やはり、良い曲、良い演奏だなあと感じ入りました。彼は名ピアニストでもあります。

 

坂本龍一ご本人は2014年にガンを宣告された由。その治療のため活動を停止していた時でも敬愛する映画監督からの依頼には「No!」という事が出来なかったと。曲・音楽作りに心血を注いでいる様が自然体で描かれています。

懐かしいYMO時代のロスアンゼルスでのコンサートの映像、映画音楽を製作している風景、当然「戦場のメリークリスマス」の映画シーンも織り込まれていました。また、森の中に入って行って「音」を拾い集めるシーンとか、雨だれの音をバケツを頭から被って聞いているシーンとか、「音」そのものに対する感性の高さは流石に”世界の坂本”ですねえ。

病気のほうは何とか克服されているのでしょう。彼が「No!」と言えなかったアレハンドロ・G・イニヤリトウ監督の映画「レヴェナント、蘇りし者」の音楽が何とも象徴的でした。

調べたら坂本龍一は1952年1月生まれ。年齢不詳のような風貌ですが、一学年後輩のオッサンでした。これからも元気に活躍を続けて欲しいものです。

 

 

映画「戦場のメリークリスマス」を観たいと思って最大手のDVDレンタル店に行って調べてもらったのですが”今はもう取り扱いしていない”と。

”ない”と言われると余計に手に入れたくなるのですが、残念ながら今日に至るまで、まだ観ることが出来ておりません。

 

 

最近「梅干し」を使う料理に凝っております。 と言っても、同じ系統の料理のみですが・・・。一回目の「鰯の梅干し煮」。2018年11月7日、料理と撮影。

 

 「鰯の梅干し煮」三回目。さすがに、これが最も良く味付け出来ていたと思います。盛り付けに失敗。開いたところが見苦しい。2018年11月16日、料理と撮影。

別途「秋刀魚の梅干し煮」もやってみました。これは久しぶりに圧力鍋を使って。”骨”も全く気になりませんでした。撮影を忘れておりました。残念。