クルルのおじさん 料理を楽しむ

『サピエンス全史』

『サピエンス全史---文明の構造と人類の幸福』。原書のタイトルは「Sapiens---A brief history of Humankind」。さり気無い表現でクールですね。2019年1月10日撮影。(今、気づきましたが、下巻の帯に書いてある池上彰氏、白熱対談!というのが再放送されたのですかね)。

 

 

『サピエンス全史』 を再読しました。キッカケはまたまたNHKの番組に刺激を受けたからです。最近、僕はNHKにはかなり刺激を頂いているように思っています。チャンと料金を支払いしていますので何も後ろめたさは無いのですが、ニュース番組はやや食い足りないものの、特集番組とかドキュメンタリー番組とかは値打ちがあると評価しています。

 

年末年始は今年もゆっくりとのんびりと過ごしました。年末に家族全員集合の食事会、夫婦二人だけの大晦日とお正月、親戚との賀詞。コスパの大変に良い定例行事です。この期間は全く自堕落に過ごします。僕の頭はそのように刷り込まれているようで、ついつい動くのが億劫になりボケっとテレビを見る機会が多くなります。大晦日紅白歌合戦、良いですねえ。この二年ほど、内容が充実していると思います。今回は、サザンとユーミンが圧巻でした。チコちゃん、表情に変化なかったのが残念。箱根駅伝、新年のスポーツはグッドです。次女家族が鶴見中継所で東海大を応援していました。食べて飲んで、お陰様で本年も素直に体重アップしてしまいました。

 

週末は、名古屋の隠れ家に移り、名古屋のお友達との新春ゴルフを楽しみました。所謂、初打ちです。その後、日曜日からの三日間は一切予定無し。体調管理(体重調整)を主眼に、散歩、ウオーキング、読書、料理、音楽を楽しみたいなあ、と。反省を込めて、少しは食事を節制しようかと?。 

 

 

ノンビリ日曜日、まだ、正月気分が抜けきらない状態でお昼からお酒を頂いてテレビを見ていました(注釈;普段は原則アルコールは夜しか飲ンでいません、念のため)。

 NHKBS放送で、「『衝撃の書』が語る人類の未来(再放送)、「サピエンス全史」、「ホモ・デウス」」が放送されていました。前編は午後の一時から、後編は二時から。テレビを見ながら自慢の本棚に飾ってあったこの本を取り出しました。

 

 

『サピエンス全史---文明の構造と人類の幸福』は、上下巻ともに、2016年9月30日に初版が発行されています。僕が買ったのは、上巻、2017年2月2日、第14刷。下巻、同年1月25日、第6刷。出版と同時にベストセラーになっていたと思います。2017年の2月初めに買ったモノと思います。買ってすぐに読みました。とにかく面白かった。

 

「何故、人類が生き残り、繁栄できたのか?!」。著者は「認知革命」「農業革命」「科学革命」が歴史の道筋を決めた!と指摘しています。食料・食品の仕事に従事してきて、かつ、料理大好き人間の僕としては、いきなり「調理をする動物」「火を手なずけたこと」の記述が出てきてワクワク・ドキドキしたことをよく覚えていました。また「農業革命」が格差の始まりであったとの見方は大変な驚きでした。種の繁栄を”DNAの数の増加”という観点から眺めると「小麦が人間を家畜化した!」という見方にも驚かされたものです。

 

「認知革命」というのは最近の言い方をすれば「モノガタリ」能力ということになるのでしょう。「虚構が協力を可能にした」、これも以前から指摘されていたことではあると思うものの、ここまで鮮やかな記述はなかったのではと感心します。テレビでは、もっと過激なお話でした。著者は日本の修行僧を思わせる風貌です。インタビュアーの池上彰さんの巧みなリードもあるのでしょう。「”天地創造”はハリー・ポッターのお話と同じ。虚構である。”神”はポケモンと同じ、実際には存在しない!」と。この人、原理主義的過激派から狙われたりしないのかと心配になります。

 

 

『サピエンス全史』の続編で、『ホモ・デウス』上下巻が出版されていることは知っていましたが、柳の下の二番煎じ、かと感じて買うことは控えておりました。でも、改めて、このテレビ番組をみて『サピエンス全史』を再読すると、この著者が言いたいのはこの二番目の本に書かれていることなのかしらと思うようになりました。

『サピエンス全史』の一番最初、第一章の第一頁に「科学革命は歴史に終止符を打ち、何か全く異なる展開を引き起こす可能性が十分ある」と何やら暗示的な記載がされています。

 

 

著者、ユヴァル・ノア・ハラリさんは、1976年生まれのイスラエル歴史学者。バイオテクノロジーとAIの進化をベースにした次元の異なる次の革命の可能性を想定しているようです。テレビのインタビューでは真剣な表情で「人類は神になろうとしている。これは比喩では無い」とのコメントをしていました。「人間の頭脳には、知能と意識、がある。知能は問題解決に、意識は喜怒哀楽、感じること。人間は両方を補い合うが、AIは知能のみ。問題解決には最適であるが、意識=感情、主観は無い」。また「テクノロジーの進歩は人間の手に負えないモノになる」とも。インタビュアから「それでは、これから人類はどうしていけばよいのか?」との質問には「自分を知ること。人間力を鍛えること。テクノロジーを追うだけではなく現状に満足する方法を考えること」等々、すごく平板なコメントです。「人間は『幸福』になったのか?この本でそれを問いかけている」とのコメントが印象的でした。このオニイチャンの頭の中では、一体全体、人類の世界がどんな風に見えているのか覗いてみたくなります。

 

 

本屋さんをブラブラしていたら、やはり、この本に出会いました。『ホモ・デウス---テクノロジーとサピエンスの未来』。上下巻ともに2018年9月30日、第一刷。本屋さんに置いてあったのは、上巻は2018年10月2日、第二刷。下巻が2018年10月4日、第四刷。何故、下巻の刷が早いのか不可解ですが、買いました。

 

 『ホモ・デウス---テクノロジーとサピエンスの未来』。これも原書のタイトルはシンプルに「HOMO DEUS---A brief history of tomorrow」です。2019年1月10日撮影。

 

明日は神奈川に移動します。今回は「ぶらっとこだま」を初めて利用します。利用する際の制約が多く時間は「のぞみ」に比較すると倍近くかかりますが、割安料金なので読書を楽しむには有難いサービスかと。『ホモ・デウス』を読むのが楽しみです。

 

一月上旬の体重調整は上手くいかず、中旬以降に持ち越しとなりました。

本年も宜しくお付き合いくださいませ。

今回で100回目になりました。

 

  

追記;兼高かおるさんがご逝去されたことが報じられていました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

 

おまけ:久しぶりに「タジン鍋」料理。かぼちゃ、玉ねぎ、にんじん、ピーマンを炒めて、酒を加えて蒸し焼きに。櫛が通るくらいになったら、ソーセージを加える。柔らかくなったら溶けるシーズとケッチャプをかけて。ワインに合います。2019年1月9日、料理と撮影。