クルルのおじさん 料理を楽しむ

学園生活、その2.

平兵衛酢の花が咲いていました。昨年3月、名古屋の隠れ家のベランダで苗木を大きな鉢に植えたものです。早いモノで1年強が経過しました。花は初めて見ました。意外と可憐な花でした。神奈川の自宅では庭に直植えしましたが、そちらの方が育ちが悪いように感じます。(『平兵衛酢の苗木』(2018年3月31日付け)を参照ください。)

 

 

5月22日(水)、鯱城学園での共通講座の第二回目です。今回のお題は、「人・物・事、出会い重ねて健康寿命」、まさにこの学園の設立の趣旨そのもののようなテーマです。 中京大学名誉教授の小林義雄さんの講義です。ちなみに、このタイトルは全国生活習慣病予防協会が募集したスローガンの最優秀の入選作品だとか。

 

 

ご存じの通り僕は故日野原重明先生の大フアンです。日野原さんは、75歳以上の高齢者を”新老人”と呼ぶことを提唱して元気に自立しよう!とエールを送ったり、新老人のモットーは「愛し・愛されること、創めること、耐えること」と言い切ったり、そもそも、成人病を「生活習慣病」と言い換えたのも日野原さんでありました。お医者さんとしての知識と経験から「人は心と体と(そして)魂の三つで出来ている」と考えておられたと理解しております。

 

日野原さんのことはこのブログで何回も書いてますが、●2017年7月31日付け「日野原先生のこと」、これは逝去された時のものです。●2017年12月31日付け「感謝;スピリットを揺さぶってくれる方々へ」、そして、●2018年9月30日「日野原先生のこと、その2;讃歌」を参照してもらえれば嬉しいです。

 

 

という訳で、今回のお題については講義をお聞きする直前までは、頭のなかで勝手に、今までに読んだ日野原さん本の内容と比較しようとしている、日野原さんと比較して評価をしてやろうという意地悪な気分になっておりました。”講師の方のお手並み拝見”と構えている嫌味な聴講生ですね。ところが、講義が始まる前には、”嫌味な聴講生ではこの学園に入れてもらった意味が無い、もっと素直に拝聴しなければ”と考えるようになっていました。”少しは自分も成長したのか”と思いましたが、さにあらず。これは近くの席におられる年配の方の聴講の姿勢に感化されたものでした。年配の同期生の方。多分、僕よりも一回り以上の年長さん。園芸の専門講座でもそうですが、熱心に質問もされるし、元気な声で挨拶もされる。見ていて清々しい気分を感じさせて頂ける方です。年長の同期生から自然に教えられる、ということもこの学園の良いところだと思います。ちなみに、共通講座は鯱城大ホールで行われていますが、座席は各専門講座の固まりごとに席のブロックが指定されています。共通講座を聞きながらも、専門講座メンバーどうしが自然に交流出来るように設計されている訳です。

 

 

結論的に言えば、内容の濃い、面白くてよく纏まった講義でした。僕自身の備忘録として概要を記載します。

●講義はソクラテスの言葉から始まりました。曰く、

「夢・希望が無くて生きていることは、生きているとは言えない」

「人と触れ合わず、人と協力する素晴らしさを知らなければ、生きているとは言えない」

「人はただ生きるのでは、『善く生きる』ことが重要である」等々の言葉を引用され『出会い、触れ合いを大切にしよう』と強調されました。

●その上で、健康長寿を支える三つの要素は

①知的好奇心を旺盛に

②コミュニケーション=相手を思いやる気持ちを大切に

③運動=自分の脚で健康を勝ち取る

ことであると。この先生の専門はスポーツ科学、米国留学を基に「ストレッチ」の重要性を日本に普及された第一人者の由です。ご自分の専門分野からの経験を踏まえ「体の健康と同等ないしはそれ以上に頭=”脳”の健康が重要である」ことを力説されていました。介護が必要になった原因として従来は脳血管疾患が一番であったのが、最近では、認知症がトップになっていると。厚労省が3年ごとに行う「国民生活基礎調査平成28年度)」で認知症が18%でトップ、脳血管疾患(16.5%)を抜いたそうです。上記の①②③は、健康寿命を支える=『脳を活性化させる』!大切な三要素であるとのことです。

●長寿の里、沖縄県大宜味村(オオギミ、と読みます)の紹介をされていました。長寿日本一宣言をしている村。「老いては子に甘えるな」。村民・高齢者の意識として、”生きている限りは現役”、畑仕事は当たり前。一人暮らしの方が多いそうですが、決して孤独で無い。行事・ボランティア活動への参加が極めて高いそうです。

 

盛況のうちに講義は終了しましたが、最後まで日野原先生のことについては触れられませんでした。やや、残念でした。

 

 

前述の通り、日野原先生は「人は心と体と魂!の三つで出来ている」と言われていましたが、ちょうど、この前後に読んでいた本にこの言葉が出てきました。河合隼雄さんの「こころの最終講義」。新潮文庫、2013年(平成25年)7月三刷。もともとは1993年岩波書店刊行の「物語と人間の科学」(講演集)を改題、編集された本です。

河合さんが実際に心理療法に携わりクライアントさんとの対話の中での出来事を通じて、心、体、魂について述べている件がありました。面白いので抜粋して記載しておきます。

「人間を(見る時に)心と体に分割して見るのではない。これは心の問題だから、体の問題だからなどと言わずに、心も体も全体として人間を見ていこうとする場合に『魂』という言葉が大変に強力である。」

「人間は心と体だけでできているものではなくて、人間を全体として、”私も知らない私として”、存在させているものがある。それを魂と考えたらどうか。」

 

河合隼雄さんも、僕のブログにはよく登場して頂いてますが、改めて調べてみましたら2007年(平成19年)7月に逝去されていました。79歳でした。もう12年も経過するのですね。もっと、最近までご活躍されていたように感じておりました。沢山の著書を残されていますから、本の力ですね。改めてご冥福をお祈りします。

 

 

2回目のお弁当。前回同様、ご飯は2段重ねノリベン(ご飯→千切り焼き海苔→ご飯→焼き海苔)、4種ハーブ入りのソーセージ炒め、卵焼き(卵2個に千切り海苔を加えて。形が整わず、残念。)、絹さや。おかずは、カボチャ・豚肉炒め(黒砂糖、しょうゆ、お酒で味付け。黒砂糖を入れ過ぎた、反省。)、ミニトマトスナップエンドウ南高梅(=平成29年6月漬け込み=四国の親分に戴いたものです)。

自己評価:まずまず。見かけは今一歩ながら美味しかった。2019年5月29日、料理と撮影。

結構、「お弁当作り」というのも面白いモノですね。まだ、要領が悪くて時間がかかりますが、その分、早起きするようになっています。左のおかず入れは、神奈川の自宅にあった(かつてカミさんが子供用に使っていた)モノを拝借。