クルルのおじさん 料理を楽しむ

「世界の文化と食を学ぶ」講座・ドイツ編

ドイツ料理!。シュワルツワルド風ポテトスープ、ドイツ東南部のフリカデレ(ドイツのハンバーグ)、キャベツのサラダ(コールザルト)ときゅうりのサラダ(グルケンザラト)、ドイツパン。椙山女学園大学での最終講座。目玉焼きは材料の卵が中途半端に余ったのでオマケで目玉焼きにして僕だけ頂いたもの。全て美味しく頂きました。2019年9月19日、料理と撮影、食事。(一番最後にメニューを撮って添付しておきました。)

 

 

 

鯱城学園の二学期が始まった日の翌日に椙山女学園大学での「世界の文化と食を学ぶ」講座の四回目=最終回が開催されました。椙山女学園大学と千種生涯学習センターの共催講座です。今回は「ドイツ編」。一週間前に三回目があり、ドイツ人の先生から「ドイツとは?」の講義がありました。この日最終回はドイツ料理の実習です。欲張っていろんなところに顔を出すようになって、”申し込んだはイイが欠席することが増えてしまうかも?”と心配していましたが、ナントカ、この講座は全四回とも出席することが出来ました。四回すべて内容の濃い楽しい講座でした。来年も参加したいものだと思っています。

 

 

 

三回目の講義のお題は「ドイツとは?」。講師は1985年生まれのドイツ人の方。マーセル・アイカマン=Marcel Eikermannさん。日本語で「真世流 藍花万」と漢字表記されています。言語学者。犬が大好き、奥さんは日本人、椙山女学園大学では非常勤講師をされていると。もちろんこの講義は日本語で。イントネーションは少しだけ外国人特有のものが入っていましたが、それはそれはキレイな正しい日本語を話されていました。書く方も、ひらがな・カタカナは全く不自由無し。漢字もかなりのレベルのものをスラスラと書かれていました。「真世流 藍花万」のそれぞれの漢字の意味も分かった上で使っているそうです。エライもんですね。日本文化では、茶道、能に関心がある由。

 

今回の講座のテーマは「ドイツ文化」でしたが、「日本文化」を語らせても面白かったかもしれません。多分、ご専門の分野では、僕たちの知識以上に深く勉強されているような気がします。アイカマン先生、普段から、講義は出来るだけ双方向で、学生が参加する形を心掛けているとのことでした。

 

 

講義は、この先生がドイツを深く愛していることが素直に感じられる内容でした。スクリーンに写真、資料を映し出しながら講義がスタート。最初の切り口は「ドイツはおとぎ話みたい」!、ノイシュヴァンシュタイン城をはじめとしておとぎ話の舞台になるようなお城・田園風景を紹介。このノイシュヴァンシュタイン城はデイズニーランドのお城のモデルになっているそうです。僕は全く知りませんでした。受講していたかなりの方が訪問したことがあると手を挙げていました。日本からのドイツツアーの有力コースの一つの由。「おとぎ話」のあとは「ドイツは伝統を大切にしている」「ドイツは動物が好きだ」「ドイツは歴史を大切にしている」「ドイツは色々な発明をしている」、そして最後は「ドイツは美味しい」。ドイツが勤勉・質素、派手ではなく質実剛健な国民気質の国であることが良く理解できる説明でした。

 

 

「ドイツは色々な発明をしている」の件では、参加型講義の面白さを堪能させてもらいました。この講座ではその折々に、学生にイロイロな質問をしながら進めていくやり方をされていました。「発明」の件では、ガソリンエンジンジェット機、ロケット、アスピリンICカードのチップ、等々がドイツでの発明であることを紹介。そのあとで、質問が出されました。「ドイツは機械・医学/薬品等で沢山の発明をしている国ですが、ドイツで発明され、その後の世界の文化の発展に大変に寄与・貢献した発明とは一体何でしょうか?」

 

ナント僕は質問を聞いた瞬間に答えが分かりました。というよりも「ドイツ」と「発明」のキーワードから、直ぐにこの発明のことが頭に浮かんでおり、質問されるまでの説明の中で、何故、この発明のことを話しないのかと不思議に思って聞いていたほどでした。

”そうか、質問するためにドイツのこの発明を残しておいたんや!”

あまり間髪入れずに答えを言うのもやや憚られたので、先生の目が皆さんを一巡するのを確認してから「はーい、印刷、活版印刷でしょ」と答えました。先生は、やや驚いたような気配。皆さんは答えを聞くと”そうだそうだ”という感じ。先生が「誰の発明が知ってますか?」と聞いた時には、何人かの方から「グーテンベルグ!」と答えがありました。「さすがにこの講座に来ている方はよく勉強されている。最近の学生さんは、知らない方がほとんどです」と笑っていました。

 

そして先生から追い打ちの質問。「そうです。印刷はドイツが生んだ偉大な発明です。この発明はそれ以降の世界の文化の発展に大きく貢献したのです。それでは、皆さん。同様の、日本の偉大な発明は何だと思いますか?」。皆さん、しばし、無言の状態。”うーむ、日本は発明というのは不得意やからなあ。難しいなあ”と思ったのですが、この日は、珍しく冴えている日でありました。NHKの朝ドラが蘇りました。

「はーい、インスタントラーメンやあ!」。先生も、皆さんも笑って納得していたように思います。

印刷技術の発明の話は、ハラリさんが『サピエンス全史』か『ホモデウス』のなかで触れていたように思います。懐かしい記事です。久しぶりに埋め込みしておきます。

 

kururupapa.hatenadiary.jp

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「ドイツは美味しい」では、ドイツの食材を紹介。「美味しい」と言いながら、先生は、ドイツのハム・ソーセージ、チーズ、ポテト・じゃがいも、そして、白ワイン!みんな大好きなのですが、30歳を超えてからは健康を考えて、すべてに控えめな食事を心掛けているそうです。基本的には「お酒は止めた、お肉は控えめに」の食生活を実践していると。なんと自己制御が自然に出来ることか。”さすがドイツ人!お若いのに素晴らしい、けど、美味しいモノ食べないでもったいないなあ!!”。最後は、ドイツ語会話=挨拶言葉をみんなで発音練習してお開きに。

 

 

四回目、いよいよ最終回。ドイツ料理の実習です。講師は、前回同様の加賀谷みえ子教授。有難いことに前回の班と同じメンバー構成でした。僕たちの班だけが5人。他の班は4人。この5人が面白い発見に繋がりました。フリカデレ、というのはドイツのハンバーグのことですが、タネをビニール袋に入れて良く混ぜ合わせる=捏ねてなじませる。ちょっとは力仕事ですから、この作業は僕が担当。リーダーの指示に従って真面目にやりました。良く捏ねたあとは、タネをビニール袋からボウルに出して、人数分に等分に分けて、それを一人二個分に円盤状に成形する。

 

ここで僕にとっては問題・課題が発生。他の班は四名ですから、ボウルに出したタネに指で十文字を書けば簡単に四等分出来る。しかし五等分にするのはどうすればよいの?瞬時には適切なやり方が頭に浮かびませんでした。星の形とかヒトデの形を考えながらもどうすればよいのかイメージが湧いてこない。頼りになるリーダーの方に”何か良い方法ありますか?”と聞いたのですが、やや困ったような表情。その時に、各テーブルを回っていたこの講座の助手の方が横からアドバイスしてくれました。

 

「はい、簡単に出来ます。最初に、六等分する線を入れてください」。その通り、縦・斜め・斜めに指で線を入れました。「1/6分を更に五等分する線を入れるのですか?邪魔臭いですね?」とお聞きしたら、「そんな厳密に分ける意味ないでしょ。このひと切れを少しずつへつって、それぞれに少しずつ加えていけば大体五等分の出来上がりですよ」。なるほど、数学的に分割する話ではないから、作業的に簡単で分かりやすいやり方が台所の知恵なんだあ、といたく納得しました。

 

リーダーと話したら、この方は「Yの字(の線)を書いて、その左右を更に半分に線を入れればよいかなあ」と考えたそうです。ピザとかホットケーキを五等分する時にはこうしていると。これもグッドアイデア!台所の知恵か。読売ジャイアンツフアンの方は、簡単に出来そうな気がします。

 

「ケーキを切れない非行少年たち」というタイトルの本を思い出しました。彼らに料理を教えてあげるのが良いのではと。ベンツのマークを見せてあげたらケーキも簡単に三等分出来るだろうと思いました。(この本も書評欄で書名だけ見ただけなので内容は存じておりません。勝手に引用して申し訳ありません。)

 

 

ちなみにこの作業をしている時には、料理用の手袋をつけてやっております。加賀谷先生のアドバイス。「料理する時に手を汚さないように(というよりも最近の学生さんは手が汚れるのを嫌がるので)料理用のビニールの手袋をつけてやってもらうようにしています。大事なことは、手袋を付けた後で自分の手を洗うのと同じように手袋を付けた手を洗ってください!これを習慣にするように教えています。」とのことでした。これも目から鱗。良い指導だと思いました。

 

 

食事の後は、前回も同様でしたが、使った食器・調理道具・器具を全てキレイに洗って拭いて所定の場所にしまって終了となります。みなさん、ほんとにテキパキと。僕は洗う、拭く、というのは大の苦手です。隠れ家で一人で料理をする時もシンクがいっぱいになるまでㇹっておく、どうしようもなくなってから嫌々やることが多い。これもその時々にテキパキと習慣になればよいのでしょうねえ。

 

 

 

料理の講座の二回ともに班構成は同じメンバーに恵まれ大変に楽しかったです。班の割り振りは アイウエオ順の由。そして、来年もこの講座は継続されるそうです。皆さん揃って、来年も参加したいねえ、と。一年後に、また元気に参加出来て、お料理講座でまた再会!なんてのも面白いでしょうねえ。

 

  

 ドイツ料理のメニューを添付しておきます。ご参照下さいませ。2019年9月28日、撮影。

 

最近、10日ごとに記事を書いていますが、今回はチョット頑張って臨時号にしました。各種行事が多く書きたいことが増えて喜んで(困って)います。