クルルのおじさん 料理を楽しむ

鯱城学園『文化祭』、前夜

名古屋市千種区平和公園です。9月に比べると”パンパスグラス”(学習効果ですね!)が大きくなっているような。もう直ぐ、本格的な紅葉の季節ですね。2019年11月9日、撮影。

 

 

 

10月30日、水曜日、鯱城学園の共通講座です。この日が、文化祭前の最終講義になります。次週は、準備の為に休講。この日のお題は『ルーヴル美術館への招待~名画を読み解く~』、講師は美術史解説家の矢澤佳子さん。フランス国立ルーヴル学院で「図像学」を学ばれた方。「図像学」というのは、絵画や彫刻などで表現される”図像”の意味やその由来などを研究する学問とのこと。講師の先生の説明では、「映画『ダ・ヴィンチ・コード』で主人公のラングトン教授が次々に秘められた謎・暗号を解読していきますが、イメージ的にはこのような学問です」とのこと。ダン・ブラウンの本は一時よく読んでいましたし、映画もほぼ全て見ていたので(ラングトン教授役は、あのトム・ハンクスが演じていました)”これは面白い講義に違いない”と興味深々。

 

 

第一部は、ルーヴル美術館の全体の説明・解説。ご存じの通り、パリの中心部にあり地下鉄の駅が三駅に跨る大きさと。名古屋で言えば、名古屋駅-伏見駅-栄駅に跨ってずーっと全てが美術館というイメージ。学生時代に貧乏旅行をしてパリに行ったことを思い出しましたが、ひたすら広い・大きな美術館であることは間違いないと思います。常時の公開作品が約三万点、保管されている作品は25万点もあるそうです。「古代オリエント~エジプト~ギリシャ・ローマの美術工芸・彫刻・絵画」と聞いているだけでお腹がいっぱいになりそうな。フランス人には古代エジプトマニアが多いそうですが、若い時にルーヴルでその時代の作品を見たことが後々まで影響を与えていることが多いとか。納得できそうです。

続いて、超有名作品の簡単な紹介をされました。「ハムラビ法典」「ミロのヴィーナス」「サモトラケのミケ」「モナリザ」等々。そうでした。昔、訪問した時は、ひたすらこれらの超有名作品を探しまくったものです。作品を鑑賞するというよりも、オリエンテーリングでそのポイントを外さずに辿っただけのような忙しさでした。「ヴィーナス」「ミケ」の迫力ある展示に比較して「モナ・リザ」の小さいことに驚いたことを思い出しました。懐かしい思い出です。

 

 

第二部では「名画を読み解く」と題してルーベンス作の大型絵画、24枚の連作「マリー・ド・メディシスの生涯」の解説です。後日、改めて調べてみたところ、近代以前の美術作品では、その当時の社会的、宗教的なメッセージを表現するものが多く、作品を制作する際の約束事(=例えば、百合は純潔を表し、持っている方は聖母マリア様)が決められている。その約束事を守って表現することで観る人もそのメッセージを理解することが可能になっていると。簡単に言えば、その約束事を研究するのが「図像学」(と理解しました)。

この連作の解説で、都市、国にもそれを表す「擬人像」があること、正義、思慮、寛容、豊穣等々の概念にも「擬人像」があることを教えてもらいました。無実とか平和、母性愛にも同じく「擬人像」があるそうです。例えば、マリーさんが初めてフランスのマルセイユに入国する時の作品には、フランスの「擬人像」、マルセイユの「擬人像」、名声の「擬人像」が描かれている由。マリーさんの息子さんはルイ13世だそうですが、息子さんとの仲違いの後に和解の申し出を受ける作品には「用心深さ」の擬人像まで登場しているそうです。ダン・ブラウンの小説ではラングトン教授は「宗教象徴学」の専門家となっていますが、どうもこの「宗教象徴学」というのはダン・ブラウンが創り出した世界なのかも知れません。小説の冒頭には「この小説の記述は、全て事実に基づいている」と記載されていますが、ここからすでに彼の世界に引き込まれているように思います。勿論、この先生の講義は、謎解きの様なものではなく、真っ当な「図像学」の観点から説明されていました(と思います)。

 

 

お昼はいつもの様に持参した弁当を食べて、午後は園芸の専門講座。この講座で「苔玉」を作ってそれを展示することで「文化祭」への対応は十分であると考えていました。ところが・・・、講座の前に文化祭の説明があり、この段階で問題があることが判明。二年生とのすり合わせに誤解があったのか、幹事さんの間での意思の疎通が十分でなかったのか、園芸科の一年生としての文化祭への対応にイロイロと不備があることが分かりました。授業のあとで急遽、クラス全体の打ち合わせをすることに。僕は授業の後に予定を入れていたので参加出来ず。翌々日、農園実習があるので、その時に打ち合わせさせてください、と班長さんにお願いして退出しました。 

 

 

11月1日、金曜日。早朝から農園での実習です。この日は大忙し。植えてあるダイコン、カブ、ニンジンの間引きと追肥。ジャガイモ、ネギに土寄せと追肥。新たに、コマツナ、ホウレンソウ、シュンギクの種まき。普段よりも長時間の重労働。作業を終えてから、班長さんから集合がかかりました。「先の打ち合わせで、文化祭への対応として各班ごとに展示室での掲示資料を作成することが要請された、本日、出席メンバーで四班としての対応を話し合いしたい」と。その日は5人のみの参加でしたが、皆さん、予想されたことなので快く了解。近くのイオンモールで昼食を取りながら打ち合わせをすることになりました。

 

 

各班ごとに要請されたのは、大判の用紙に(模造紙の大きさ、愛知ではB紙という呼び方が一般的とか)園芸科一年生の各班ごとの活動状況を纏めて掲示する必要があるというもの。班で集合できる日は、この日の次には文化祭までには一回か最大でも二回しかない。時間がオセオセになっています。”なんで今頃になって、こんなことを要請してくるんやあ!”と皆さん思っていても口には出されない=大人の集まりです。今日中に具体的な掲示資料の内容を決めて、作成の準備を開始しなければ間に合いません。

真面目で優しい班長さんは、 二つのパターンの資料案を準備されていました。写真資料の準備もされているし内容も面白そうなもの。時間が限られていることだけが悩ましいところ。ここで件の凄腕のスーパーレディが登場。文化祭での来場者へのお土産に四班の皆さん一人ひとりに絹さやエンドウ豆の種子を準備して配布してくれた方です。「時間が無いので一気に完成出来るものを考えてきた。他の班が農園での作物の生育・収穫に焦点を当てているようなので、自分達の四班は、教室での講座をテーマにしては如何か」と。レイアウトも準備して来られました。今までの園芸講座を写真と文章で紹介するものを、段取り良く整理されていました。”とにかく時間が無い。次週の水曜日の午後だけで仕上げてしまう必要がある”。5人で相談結果、この凄腕のスーパーレディの案を採用することに決定しました。これで二回目、四班の危機?を救った救世主ということになります。班長さんの準備頂いた案はボツにするのは勿体ないので来年の文化祭に使おうということになりました。

 

 

緊急事態にはより一層、結束が固まるものです。班長さんの人徳・お人柄とスーパーレディのナイスサポートを基にして、昼食時の打ち合わせで各自の担当を決め、ほぼ目途がたちました。班長さんもようやく一安心。凄腕の救世主に感謝、感謝。この日の歓談で、班長さんはお酒が飲めないvsスーパーレデイは酒豪であることが分かりました。結束が固まったところで、文化祭が終了したら四班で打ち上げをやろうということになりました。

僕は次週の水曜日も参加出来ない状況であったので、隠れ家に戻ってから、宿題に出された講座の内容、感想コメント等の書き込み資料を整理してメールで幹事さんに送付しました。後日、確認したところでは、段取りよく準備して臨んだので、その午後だけで四班の掲示資料は無事に完成させることが出来たとのことです。 

10月30日の午後の園芸講座で「苔玉」は何とか準備できました。講師は前週に続き、園芸家の吉田篤さん。アシスタントの方と二人で、それこそ、手取り足取りで制作を手伝って頂きました。隠れ家では、スーパーレデイ提供の絹さやエンドウ豆の種も無事に発芽し何とか順調に成長してくれています。 掲示資料も出来上がったことだし、これで文化祭を楽しく迎えることが出来そうです。

 

 

一方のクラブ活動のほうですが、僕は「パソコンクラブ」に属しています。こちらも大変な苦労?があったのですが、クラブの教師先生と二年生の指導よろしきを得て展示作品は完成しております。次回のブログでは、文化祭で展示した作品を掲載したいと思っています。 

 

 

おまけ(その1.)です。

10月30日のお弁当です。のり弁にレンコンのチリチリ焼きとシラスと豆苗炒めのっけ。オカズは、おからの炊いたん、ざーさい、ダイコンときゅうりのサラダ、シラスと豆苗炒めにエビを加えて味付けしたもの。ざーさい以外は自分で調理しました。この日以降は当分、弁当を持参する機会が無いのです。ホッと解放されたような、反面、(機会が無くて)寂しいような気分ですね。10月30日、料理と撮影。

 

 

 おまけ(その2.)です。

10月25日に収穫したサツマイモ。班の中で一番最後の収穫になりました。この週末までには収穫を完了しておく必要があり(次の作物の準備があるため)、次の日は大学のゼミの同期会に出かける日であったので、この日に一人で農園に行きました。事前に班長さんから収穫の手順を教えてもらいました。初めての本格的な収穫作業。既に収穫した班の方の話から”10個くらいは取れるかな”と思っていたのですが、写真の通りの大収穫。自分でもビックリ。サツマイモは、収穫後一週間ほどは寝かせておくのが良いそうです。翌週末に自宅に帰った際に、カミさん用、三人の子供たちの家庭用に新聞紙で包んで持って帰りました。一番最初に配った次女の家では早速に次男(=僕の四人目の孫)の離乳食に使ってくれたそうです。嬉しいもんですねえ。