クルルのおじさん 料理を楽しむ

鯱城学園『文化祭』、11月14~16日。

鯱城学園第34期園芸科、文化祭・展示作品「苔玉」。園芸一年生(34期生)は一人ずつ全員が作って展示しました。背の高いのが「ヤブコウジ」、赤い葉が「万両」、赤い実が「チェッカーベリー」。それぞれを育てると大きく成長するのですが、苔玉にすると根が大きく張らないので、ずっとこの大きさ(小ささ)を保ってくれるそうです。赤い葉の万両は、園芸家の吉田篤先生が作り出した自慢の品種。大変に珍しい万両とのことです。家族にラインで写真送付したら、色・形・バランスが良いと褒めてくれました。嬉しいですね。2019年11月13日、撮影。

 

 

2019年11月14日(木曜日)、10:00、「いよいよ待ちに待った文化祭です!」と開会宣言があり、第34回鯱城学園の文化祭が始まりました。会場は名古屋市高年大学鯱城学園(伏見ライフプラザ内)です。主催は鯱城学園学生会。この日、学生の皆さんは9:40に専門学科のクラスごとに集合点呼をしたあと、5階の鯱城ホールにて開会式が行われました。全席自由席ですが、自然にクラスごとに集まって座りました。

”「待ちに待った」というほどの高揚感は無いけどなあ?”とうそぶきながらも、皆さん元気に大きな声でご挨拶です。

例によって、僕の備忘録として時系列に沿って文化祭の模様を記載します。お付き合い下さい。 

 

 

2019年11月13日(水)、文化祭、前日。最終準備・展示パネル等々の設営の日。文化祭の行事は、各専門学科のクラス単位で行うものと、各クラブごとに行うモノの二種類があります。全学生は、必ず専門学科を専攻していますし、同時に、いずれかのクラブに所属することがマストになっていますから、一人で必ず二つ行事に参加することになります。そして行事は大きく二つに分かれています。展示行事とホール行事。展示行事は、専門学科やクラブの活動ぶりを紹介したり、各自の制作した作品を展示するもの。普段は教室として使っている部屋を展示室として作品を展示しています。ホール行事は、大ホールの舞台に立って、芝居・寸劇、歌・楽器、踊り・ダンス等々の普段の活動の発表会です。

 

この日、文化祭の幹事さんは朝から準備のために登校。一般学生は12:30ごろに各学科、または各クラブに集合。自分の作品を持参して展示したり、グループの共同作品を展示する作業をします。僕は隠れ家から園芸科の作品「苔玉」とパソコンクラブの展示作品を持参しました。役員・当番の方々が展示室の準備を完了してくれているので、自分の作品をそれぞれの教室の所定の位置に展示するだけ。すぐに準備は完了しました。

  

一段落してから、あちこちに見学に。ホールではリハーサルをやり始めたとのことで、園芸科・四班のマドンナが出演予定のダンスクラブのリハーサルを四班の仲間たちと見学に行きました。初めてのダンスの舞台で流石のマドンナも緊張気味、仲間たちからは”もっと背筋を伸ばせっ!、笑顔、笑顔!”と小さい声ながらも声援(ヤジ)が送られていました。

 

 展示は3フロアに亘っており、一覧するだけでも大変なボリューム。クラス・クラブ併せて34のグループが作品展示をしている由です。ホールでの発表は同じく31のグループによるものとか。仲間の作品がどこに展示されているかを掴んでおいて、この日は終了です。準備は万端、イヨイヨ明日から三日間の文化祭です。 

 

  

2019年11月14日(水)、第一日目。冒頭に記載した通りの開会式で文化祭がスタートしました。園芸科の展示室には、僕達一年生、それから二年生、そして「趣味の園芸」クラブの作品が展示されています。

僕達一年生の作品は、一回の授業で作った、それこそ一夜漬けの「苔玉」ですが、二年生は4月から準備を開始して半年以上かけて作り上げた「盆栽」。展示振りもなかなか堂にいったもので粋な感じに仕上がっていました。

 実は、この前の週に高校時代の同期会の集まりがあり、名古屋城本丸御殿の見学会をしたのですが、城内に入るところで園芸科の教務担当の先生とバッタリ出くわしました。城内で行われている「名古屋城菊花大会」に、鯱城学園の先輩の作品が展示されているので見学に行った帰りと。これは大変なご縁!。時間はたっぷりとあったので、僕たちも寄り道をして「菊花大会」展示を見学に行きました。菊花大会の展示の一部門として盆栽の作品があり、さらにその一角に鯱城学園の現役・OBの作品が展示されておりました。見事なものでした。

 

文化祭の展示室で二年生の方にお聞きしたところ、各自が二鉢の盆栽を制作し、一つを名古屋城の菊花展に出展。もう一つを学園の文化祭に展示しているとのこと。”なんとまあ、園芸科に一年間、在籍するだけで、こんな専門家のような盆栽を作ることが出来るのか”とビックリです。来年はこの「盆栽」に僕たちが挑戦することになるらしい。とても自分にできる訳がない!とプレッシャーを感じますが、苔玉もそうでしたが、講師先生のご指導が良いから出来るようになるのであろうと気楽に考えることにしました。

 

 もう一つの「趣味の園芸」クラブの方々の作品も立派なモノばかり。聞けば、こちらは鯱城学園に二回目に入学された方々がクラブ活動として好きな「園芸」を楽しんでいるケースが多いとのこと(註;鯱城学園は二回まで入学することが可能ですが、同じ専門学科の受講を継続することは出来ない仕組みになっています)。要するに、こちらも二年以上の園芸の経験者がほとんどですから、実質、僕たちの大先輩になる訳です。道理で展示作品の一つひとつが個性豊かで完成度が高いはずだと納得しました。

  

園芸科の展示室の特色は、お土産を準備していること。花の種、花の苗、野菜の苗、観葉植物の苗等々。配布するのは決まった時間帯だけですが、お持ち帰り自由(但し、おひとり様一回には一品だけ)。毎年の園芸科の慣例のサービス行事になっています。

 

  

2019年11月15日(金)、二日目。

この日の午後が僕達4班の担当時間です。12:00過ぎには、ほぼ全員が集合。頼りになる班長さんがこの日だけ都合が悪く欠席で「代わりをよろしく」と頼まれておりました。班長さんの代わりが務まるとは思えませんが、とにかく安全第一を心掛けて展示室を見守っておこうと。4班のみんなは件のスーパーレデイ提供の種をポッドで育てた「絹さやエンドウ豆の苗」を持参。班長さんは事前に、エンドウ豆の苗に加えて、数が不足した時のために、別途、自分の農園で育てている他の野菜の苗も準備してくれていました。この心遣いがホントに偉い!。

 

僕は、このエンドウ豆の苗を隠れ家で自分でも育ててみたかったので、2-3ポッドを内緒で隠れ家に温存しました。その代わりに、ちょっと恥ずかしかったのですが、以前の授業で頂いた斑入り植物「錦笹」をポッドに挿し木して増やしたモノを4-5ポット持参して辻褄を合わせました。”持って帰ってくれる人が誰も出てこなかったら寂しいなあ”と心配しながらでした。

 

一時から配布を開始。「園芸の展示室では花や野菜の苗を無料配布」していることは、毎年のことですから知っている人はよーく知っています。一時前には配布開始を待つ人が出てきました。そして一時には長い行列が。僕達の想定以上の混雑状態。準備したビニール袋に入れて渡すだけでも大変なのですが、”育て方はどうするの?”、”肥料は?”、”支柱が必要では?”等々イロイロな質問・意見が出され対応に時間がかかります。順番待ちでイライラしてそうな人もいるような。また「おひとり様、一回に一品だけ」と貼り紙が出ているのに二つ三つ欲しがる方も。てんやわんやの状態ながらも、言い争いにならないところが鯱城学園の学生さんの良く出来たところです。皆さん、日ごろの講義から楽しいコミュニケーションが大切なことを十分に認識、そして、ユーモアを理解されています。

 

一時間も経過しないうちに、準備したお土産は全てお持ち帰り頂き、楽しく配布会は終了しました。心配していた「錦笹」ですが、全くの杞憂。配布の棚に載せたとたんに「あっ、こんな笹が欲しかった」と数名の方が持って帰ってくれた由。クラスの方、クラブの方からも余分があれば欲しいと声をかけて頂けました。ホッと一安心、嬉しかったです。

この日の収穫がもう一つ。普段、班の活動にあまり積極的でなかったおじさん(偏屈で気難しそうなおじさん)がいるのですが、その方ともこの展示会の当番の場で結構長く話が出来ました。これも文化祭効果かも知れません。話が弾むというほど盛り上がった訳ではありませんが、初めてコミュニケーションが取れたようにと思います(多分)。次週以降は楽しく挨拶できるかも知れません。

 

 

2019年11月16日(土)、三日目。あっというまに最終日です。この日は、パソコンクラブの方です。午後13:00~14:00が僕の担当時間。早めに登校して、園芸の展示室に立ち寄り、昨日、好評だった「錦笹」のポッドを追加で提出しました。見ると他のメンバーの方も追加のお土産を持参されて来ているような。照れて「沢山育って、余ってしまって邪魔だから」などと言ってますが、喜んで持って帰ってくれる方の笑顔を見て嬉しくなったからだと思います。

  

パソコンクラブの当番は、展示室でクラブのパッピを着て、来場者から何か質問等があれば分かる範囲で対応すれば良いだけ。僕の担当時間には何人かの先輩・同級生が一緒でしたから楽しいコミュニケーションの場になりました。このクラブでは普段から一年・二年生が一緒に授業を受けています。先生が教える内容を先輩の二年生が新米の一年生に丁寧に説明して助けてくれています。

 

4月以降の授業は、①まずパソコンを一人で立ち上げられるようになること、②手始めに「ワード」を使えるようになること、そして、③ワード機能を駆使して文化祭での展示作品を制作しよう、ということでやってきました。

 

各自が自分のパソコンを教室に持参して授業を受けるのですが、困ったことに僕のパソコンには「ワード」は入っておらず、事務的には同じワープロ機能である「ドキュメンツ」を使って文章作り等々をしておりました。今までは何も不便は感じていなかったのですが、③の文化祭の展示作品を制作する段階になると両者の機能の差は一目瞭然。 

ワード機能を駆使した作品を制作するのは僕の「ドキュメンツ」のワザでは無理なので、クラスの中で一人だけ別な路線に。このブログを紹介することを作品そのものにすることにしました。先生のご指導を受けて、模様・デザインを取り込んだり、ブログの埋め込みを添付したり、ブログのQRコードを作成・添付したり、新しいワザを勉強させて頂きました。作品には氏名を記載するのですが僕の作品は「クルルのおじさん」で展示することで了解を頂きました。

 

 

      

左が「クルルのおじさん」の作品。中が園芸科の同級生の作品です。生まれて初めてパソコンに触った全くの初心者さんが先生と先輩のご指導でこのような作品を作るまでに。ユーモアがあって楽しい作品に仕上がっていると感心しました。右はパソコンクラブのクラブ代表(二年生)の作品。とてもワープロ作品とは思えない出来栄え。作り方の説明を聞きましたが、いまだに理解出来ておりません。もう、これはプロの作品ですね。

               

 

最終日は、14:50に閉会式 。その後は直ぐに撤収作業を開始。皆さん、決してさぼったりしません。掃除も一生懸命です。奉仕の精神、皆のためになることを楽しんでやろうという気持ちが充満しています。あっという間に展示物を撤去、部屋を元通りの状態に戻して、机・椅子をセット。すぐにでも授業を受けることが出来る状態になりました。

 

全て終了後、園芸科の四班有志で反省会。近くの喫茶店に移動してお茶をしました。鯱城学園のグループが大勢いらっしゃって打ち上げ会や反省会をされています。大変ににぎやか。入ってきた若いカップル(アベックではありません)がかなり怪訝な表情、”今日はお年寄りの集まりの日か?、老人の日って祝日があったかな?、あれは敬老の日だろ”なんて顔をしていました。

 

 

〇園芸科の同級生・仲間たちの作品。 その1.陶芸クラブ。

 

        

 

         

 

左上;四班で席がお隣り、農園では畑がお隣りの方の陶芸作品。上級者です、感心しました。径は30㎝ほどはある大型の作品です。色・形ともに素晴らしいとしか言いようがない。

右上:園芸の隣の班の方の作品。次回からいよいよ轆轤に挑戦するそうです。

左下;四班の優しい班長さんの作品。人柄が作陶にも出ているか!?。

右下;四班の最年少男子(多分)。天目茶碗。実物は写真よりももっと渋い色が出ていました。園芸の展示室に別途作陶した花瓶を持参、スーパーレデイの赤唐辛子を入れて飾ってありました。隠れ家に持って帰ろうと狙っていたのですが、残念、誰かに先を越されてしまいました。

  

 

〇園芸科の同級生・仲間たちの作品、その2.絵手紙クラブ。

 

         

左;四班、件のスーパーレデイの作品。スーパーレデイというよりも姉御というのが相応しいかと思うようになりました。

右;四班髄一の知性派タイプの方の作品。絵手紙の極意は”下書き無しで一気に描ききる”ということらしいです。

 

 

◎これら以外にも、書道、水彩画、水墨画、写真の展示では、レベルの高い作品が多数展示されていました。また、この学園の学生さんらしい「福祉」「環境」をテーマにした研究・啓蒙活動の展示にも大変に興味を惹かれるものがありました。素晴らしい活動であると感じています。