クルルのおじさん 料理を楽しむ

鯱城学園、三学期のスタート

鯱城学園、園芸科の授業で園芸家の吉田篤先生から譲って頂きました。「一子侘助(いちこわびすけ)」。侘助というのはオシベが退化した筒先きの種。赤の色が深いのが特徴とのことでした。横の小さいのは「フレッシュラパン」、ビオラの種類とか。花がウサギさんのように見える?。撮影のあとでそれなりの鉢に植え替えました。元気に育って欲しいモノです。2020年1月22日、撮影。・・・この日は、小雪ちゃん誕生日です。元気に2歳になりました。

 

 

鯱城学園の三学期がスタートしました。1月22日(水)、共通講座の新年初回は、学長講話。名古屋市の市長さんが鯱城学園の学長をされてますので、河村たかしさんが登壇されました。河村さんは個性的な物言いで、市長さんのなかでも全国的に知名度の高い方だと思います。開口一番「日本で一番給料が安い市長です!」と定番のご挨拶。学長講話の内容のレジメも配布されていたのですが、のっけから脱線調です。大ホールの席は、各クラスごとに纏まっているのですが、学期ごとに移動があります。舞台・演台からの遠近で不公平が生じるのを避けるためにローテーションされています。これも学園運営のノウハウの一つ、良い気配りだと思います。席替えで僕たちの園芸科はホールのかなり前の方の席になりました。河村さんの表情も良く分かるほどの距離。

 

河村さんは僕よりも2歳年上、今年の誕生日で72歳に。あまり姿勢は良いとは言えませんが、顔の色つや、言葉の響き、大変にお元気のように見受けられます。名古屋市長になり給与を減額した話はよく耳にしておりましたが、詳細をお聞きするのは初めて。それまでは2800万円であった給与を800万円に下げ、更に4年ごとに支給される退職金4200万円を廃止したと。すでに10年、市長をやっているから、この間で、ナント3億円ほどを返上したことになる由。「みんな、わかっとるウッ!」と強調されていました。名古屋のおばちゃんもよい反応をするもので、会場から大きな声で「だから、投票しとるがねッ!」と黄色い声援(ヤジ?)が飛ばされていました。

 

率先垂範!、市長の給与を大幅に削減することにより、市役所職員の給与も10%カットしたそうです。それまでは東京を除くと日本一の給与水準であったものを12位の水準まで落とした。そして、生み出した財源をすべて減税に充当したと。名古屋市の人口は約232万人=100万所帯とのことですが、この減税で一所帯当たり年間で1万円相当の減税を実現したそうです。・・・エライですね。自ら身を削って市長としてやるべき事を追求するということはナカナカ出来るものでは無いと思います。今まで、河村さんをTV等々で垣間見るにつけ(失礼ながら)やや不遜な言いまわしが鼻についていましたが、この点については見直しました。今、河村さんが忸怩たる思いをしているのは、こういう動きが名古屋市以外に広がりを見せてない!ということだと嘆いていました。

 

新聞、TVを賑わした国際芸術祭「愛知トリエンナーレ」(の「表現の不自由展」)につてもコメントされました。河村さんの主張は「愛知トリエンナーレ」は、愛知県と名古屋市が主催する”公共事業”であるということ。公共事業=税金でやっている事業でやりたい放題やるのは許されない、ということでした。当時、朝日新聞からは「きしめんのように薄っぺらい男」と批判されたことも面白おかしく紹介してバサッと切り捨てていました。慰安婦像、表現の自由、共に難しい問題だと思います。

 

もう一つアピールされていたのは子供たちの問題。”子供達がほがらかに健康に”が河村さんの政治家としての主要テーマの一つであると。”子供達がいじめ等により自殺してしまう”ことに対して行政が出来ることを真剣に研究し、アメリカの制度を参考にして中学校に常勤のカウンセラーを配置するようにしたと。教科を教える先生方と同等の立場で生きることを教える先生が常勤している、学校でいつでも相談に乗ってくれる先生(カウンセラーさん)がいてくれるということで子供たちの悲劇が起きないようにしたい、人材を確保してさらに充実させていきたい、と熱っぽく語っておられました。

 

配布されているレジメには「”チャレンジ&チェンジ”のマチ ナゴヤ」というお題が記載されていました。講話の最後は、このレジメに沿ったお話で、鯱城学園の学生さんに期待するのは「学園で学んだことを社会で生かしていただきたい!」と。これも河村さんらしく、この学園の運営には税金を使っているのだから、市民の方々に納得してもらうためには、卒業してから名古屋社会にチャンと還元してよねえ、と分かり易くお話されていました。これは説得力がありますね。そうありたいと思っています。

 

 

講話は一時間で終了。皆さんの盛大な拍手で退席されました。公務多忙な市長さんですから最初から一時間と設定されていたものと思います。講座の時間が30分余りましたが、事務局はちゃんと第二の講師を準備されていました。これもしっかりした責任ある運営だと思います。名古屋市老人クラブ連合会の会長、三溝芳隆さんが登壇され「人生100年時代における老人クラブの役割」と題してお話をされました。珍しいお名前です。”さんぞう”と読むそうです。この3月で90歳!、鯱城学園第13期の卒業生の由。登壇の際の歩く姿勢、スピード、そして、声の大きさ、素晴らしいものです。

 

老人クラブ連合会は全国組織になっているとのことで、「全国老人クラブ連合会」(=全老連)のもとに各市の老人クラブ連合会(=市老連)、更には、各区の老人クラブ連合会(=区老連)、学区ごとの連合会(=学区老連)と。最後の学区老連が基礎組織として活動しているそうです。老人クラブの活動として、(自分の)生活を豊かに楽しくする活動と、同時に、地域を豊かにする社会活動の二つが大切であることをアピールされていました。”老人クラブ”、”連合会”なんて名称を聞くと封建的な気配が残ってそうでヒケてしまいますが、この会長さんも名称には悩んでおられるそうです。地域の自主組織として活動する時には「なごやかクラブ」の愛称を使われているとか。この方が好感を持てそうですね。河村さんが言い残したことを学生の皆さんにお伝えされて、講義の時間もチャンと30分で纏められました。好感の持てる市老連会長さんです。 

 

 

 お昼にお弁当を食べてから、午後は園芸科の専門講座。この日は「苔玉」でもお世話になったお馴染みの吉田篤先生。お題は「ガーデニングの楽しみ」と「椿を楽しむ」。相変わらず心安らぐ優しい語り口で、園芸全般における吉田さんなりの楽しみ方を紹介していただきました。吉田さんの園芸家としてのモットーはとにかく珍しい品種を見つけだすこと。自分でも育種されているし、珍しい品種の話を耳にするとすぐに現地に飛んでいく、育種家の方に会って話を聞いて、そしてほとんどの場合、譲ってもらう=買ってしまうそうです。新しい品種を見つけた時にはとにかく嬉しくて楽しくて自分で世話をしたくなるとのことです。(ビンボウだけど)自分の好きなことを仕事にしているのだからこんなに幸せなことはない、と。

 

素人でも園芸を楽しむコツは、チョットだけ人と違うものを育ててみること。カラーリーフを楽しむとか、花変わりを楽しむとか、葉姿・木姿を楽しむとか、鉢を楽しむとかを心掛けると園芸をもっともっと楽しむことが出来ますよお、とのことでした。僕にはなかなか出来そうにありませんが”そうだろうなあ”と思います。文化祭の作品の「苔玉」の赤い葉の「万両」も確かにインパクトがありました(まだ、隠れ家でチャンと元気にキレイに育ってくれています)。冒頭の「一子侘助」は、講座の説明用に持参されていたものですが、お聞きしたら譲ってくれるということだったので思わず買ってしまいました。園芸家の先生から直接に譲ってもらえる、というのも何やら嬉しいですね(お値段が超お値打ちなので余計にそう思ったのか!、関西人の楽しい”サガ”やなあ?と思います)。

 

 

新学期も楽しくスタートしました。この日は、講座の終了後、園芸家4班の新年会をしました。僕が珍しく場所幹事。鯱城学園の近くには、名古屋では知らない人はいない(であろう)御園座がありますが、その裏に昔からの馴染みの店があります。昨年末にすごーく久しぶりにお邪魔したらお店のお二人ともにお変わりなく元気にやっておられました。大変に楽しかったので今回の新年会に利用させて頂こうと、無理を言って早めにお店を開けてもらいました。授業が終わるのが3時なので、3時半からやって頂戴!と。 4班は9名いるのですが、ナント全員参加。普段、授業にも農園にも余り顔を出さない気難しいオッサン(ごめんね)も参加。小さなお店なので9名入るとちょうど貸し切り状態。優しい班長さんのもとで大変な盛り上がりです。気難しいオッサンも変わらずの表情ながら打ち解けて話に加わっていました。とても半年強のお付き合いとは思えないほど和気あいあいです。

 

三学期も楽しく過ごしたいものです。この会でようやく新年会も一区切りつきます。新年会はもうお終いです。そして、はい、このあとも食事会、反省会と名前を変え今年も飲み続けていくことになるのでしょう。

 

 

おまけの写真です。 

新学期が始まる前の週末に農園に収穫に行きました。一か月弱ぶりです。仲間から、僕の「畑でブロッコリーが早く食べてくれッといってまっせ」とお便りメールを頂き(原文は京都コトバでしたが)、今年初めて農園に行きました。大収穫!。先生お二人も作業に来られており、収穫の仕方を教えて頂きました。カリフラワーは一回の収穫で終了=根も抜いておくこと。ブロッコリーは収穫したあとも次の成長が期待出来るのでそのまま残しておく方が良いと。知らないことばかりです。先生から白菜、キャベツを分けて頂きました。大きなリュック、手さげの袋が満杯に。この時ばかりは車があると助かるなあっとしみじみと思いました。2020年1月19日、撮影。