クルルのおじさん 料理を楽しむ

『凌ぐ!』、巣ごもりの日々

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エンドウ豆の莢に実が膨らみ始めてます。花が過ぎた後、ふと気が付きました。無事に最後まで育ってほしいものです。2020年4月21日、撮影。

 

kururupapa.hatenadiary.jp

 

 

巣ごもり生活を続けています。「コロナとの闘い」「コロナ戦争」「対コロナ籠城戦」等の言葉を目にする機会が多くなりました。ドイツのメルケル首相は「第二次大戦以来、最大の危機」と国民に語り掛けて強い対応措置をとっているそうです。僕は1950年生まれですが、確かに、生まれてこの方こんな事態は初めてです。前回、記載した通りですが、国家の危機には”政治の真価”を期待したいと思いつつも、もともと「自分の城は自分で守る」のが原理原則だと思っている方ですから、この「最大の危機」を何とか「凌い」で乗り切りたいと素直に思っています。一人巣ごもりの生活にもかなり慣れてきました。従来の予定は8割以上無くなってますから、丸一日、外部と接することがないまま過ごす日もあります。一人籠もって悶々となると、ツイツイ、悲観的、否定的な方向に考えがちになりますから、意識して明るい兆し、前向きなこと、元気が出ることを探しながら生活しています。

 

 

こういう新しい巣ごもり生活パターンに際しても、自分なりのルーティンが大切、というコメントを沢山目にします。ルーティンはペースをつかむのに大事。早く今の巣ごもり生活のペースをつかまねばと思います。かつて、同期会で仲間があいさつに使っていたフレーズを懐かしく思い出します。「年を取ると、”教育があること”、”教養があること”が大切になります」。聞いている方のほとんどは既によく知っていますから、この段階で拍手か、苦笑いか。稀には初めて聞いて大受けして喜んでいる方も。「今日、行くところがある。今日、用事がある」。鯱城学園の元気な年寄り三原則も「よく食べる、よく動く・運動する、よく喋る・笑う」です。一人でやるのは勿論、みんなで一緒にやるのがもっとも効果的!(鯱城学園は2月末以降、休校が続いています。講義を受けていたのがもう随分と昔のような気がします。寂しいですねえ。5月末までは休校が続くことが決定しています)。

 

緊急事態、”ステイホーム”は、まったくこれらの真逆ですから、今まで健康的な生活を心掛けてきていたお年寄りの方々が、その生活パターンが変わってしまって調子を崩さないか大変に心配です。自分でも早くこの生活のペースを心地よくつかまえることが出来るルーティンを作りたいと思います。

 

 

4月25日(土)のNHK特集で「緊急対談パンデミックと世界」と題してハラリさんとの対談が放映されていました。この緊急事態に際して、人類(の歴史)を深く掘り下げた考察でベストセラー作家になった歴史学者のハラリさんがどのような受け止め方をしているか、日本のフアンの方は大変に関心が高いようです。この番組に先立ち、3月31日(火)の日経にもハラリさんの寄稿が掲載されていました。僕も彼の大フアンの一人ですが、モチロン、素直に注目して拝聴しました。NHKと日経でのハラリさんの発言の骨子です。

 

 

NHKの番組の収録をしたのは、たまたまですが緊急事態宣言がなされた4月7日でした。道傳愛子さんの流暢な質問振りに応じて、いつも通り切れ味鋭いお話でした。「いま一番心配していることは、発展途上国。医療の不備、および、経済力が弱いことから、支援がなければ崩壊する可能性が高い。もう一つの心配は、今後、ウイルスの突然変異が起こる可能性=致死性が高まる恐れがあるかもしれないこと」と。1918年-1919年の「スペイン風邪」の時、二回の波が襲ったことを例に挙げて説明、「先進諸国はそれなりにこの事態を克服することは可能であろうが、崩壊の恐れのある発展途上国への支援を行うことが、自国の安全のためにも必要だと強く認識しなければならない。パンデミックの性質上、世界全体で協調して対応していかねばならない」ことを強調されていました。「グローバルな結束をすることが出来れば、コロナに勝利するだけでなく、21世紀に人類を襲うであろう様々な病気の大流行や危機に勝利することが出来る」と。逆に言えば、今の世界は、米国第一が象徴しているように各国バラバラな対応が目に付くということなのでしょう。

  

ハラリさんのもう一つの鋭い指摘は、「危機下では変化が加速する」と。「今、政府・政治家は、コロナ対策の必要性から”国の経済・教育システム、国際関係等々のルールを書き換えるチャンス”を握っている。非常時に書き換えられたルールは、平常時にも権力の都合の良いように維持されてしまう」「監視テクノロジーを駆使して感染拡大を食い止めようとする動きは、監視社会が構築される仕組みと重なってしまう。運用の仕方一つでは民主主義の危機、民主国家の崩壊につながる」と。

ハラリさんは「特定の個人に権力を集中させてはいけない。国家が国民を監視するのに対して、国民が国家を厳しく監視できる、チェック&バランスの双方向の仕組みが絶対に必要だ」と強調されていました。

 

 

ハラリさんの現状認識も「人類は今、世界的な危機に直面している。おそらく私たちの世代で最大の危機だ」とのことです。彼の頭の中には「人類はもちろんこの危機を克服する、出来る。問題はその克服のやり方いかんでは、将来、さらに恐ろしい悲劇が増すことになろう」という懸念があるのでしょう。歴史学者としてのハラリさんの見方からはモットモなことで、指摘していることも傾聴に値すると思うのですが、いかんせん、凡人の僕としては、「今そこにある危機」をどうやって克服すればよいのかが最大の関心事ですから、アタマでは理解できても、今の気持ちを安らげることには通じないところがありました。

 

 

番組の最後に道傳さんが「生命の恐怖と経済的な不安を抱く人々に対してのメッセージは」と聞かれたことに対して「自分の心をいたわること」「科学を信頼すること」と答えたのが印象的でした。やっと少しは安らぎを感じました。ハラリさんは今も一日2時間の瞑想を続けているそうです。また、トランプ大統領がWHOへの支援ストップを発表した後、私財百万ドルをWHOに寄付したそうです。なぜ祖国イスラエルに寄付しないのかとの批判も強かったそうですが「いまパンデミックのなかで同胞を救うためには国際的な協力・連帯以外に道はない」と。やはりエライ人ですね。

 

 

巣ごもりしているとTVニュースを見る時間、新聞を読む時間が多くなります。事態に何か進展がないか、やはり大変に気になっているからでしょう。新聞の頁数は随分と少なくなりました。日本・世界全体が縮んでいるようです。チラシ広告もすごく減りました。スーパー等は感染拡大を恐れ集客活動をしなくなっていると。TVではスポーツ実況番組がほぼ無くなりました。週末はプロゴルフ(特に女子ですが)を見ながら繕いでいたのが懐かしい限りです。”スポーツを見て楽しむというのが気持ちの安らぎにつながっていたんだ”ということを痛感しています。

 

コロナ関連の記事を読んでいるとやはりストレスが溜まります。政府のトップ、行政の対応ぶり、厳しい見方かと思いますが、三密を避けようとかステイホームとか外出自粛・営業自粛とかの呼びかけを一生懸命やっているのは必要なことだとよく理解は出来るのですが、とにかく、政府・行政のやっていることが、”遅い”、”緩い”ように感じられます。これがストレスを高める一因になっているかと思うほど。結局、苦労しているのは現場の方々(医療、看護、食品店・スーパー、物流関係の方々、くれぐれもお自愛下さいますように)。 そして、感染・生命の恐怖と経済的な不安を感じている人々に政府・行政の手がうまくとどく様になるのか。

 

 

新聞記事に「コロナ検査・機能不全、検査まで一週間vs海外・大量検査の対応強化」とか「非常時議会、欧州でvs日本、対応に遅れ」「緊急対策、実現に二か月vs米欧は既に複数回を実施」「経済再開、三つの条件vs日本は検査と医療の双方で遅れが目立つ」なんて記事を読むにつけてホントにイライラが増します。

 

 

日経の「コロナと世界」のコラムで菅義偉官房長官のインタビュー記事がありました。彼はTVニュースで見る限りですが、冷静な対応を昔から心掛けているようで決して嫌いなタイプではありません。面白いコメントが記載されていました。「国の基本は、自助、共助、公助だ。まず、自分でやってみる。地域で助け合う。それでどうしようもなくなったら国が必ず責任をもって対応してくれると国民から信頼される国をつくるのが大事だ」。全く、同感。いざというときには最後は国が守ってくれる!という安心感、信頼感を持てることが肝要かと。

 

 

 文藝春秋の5月号は「コロナ戦争」総力特集。「日本の英知で『疫病』に打ち克つ」と題して著名人のコメント・寄稿が掲載されています。元大阪府知事・弁護士の橋下徹さんが「安倍総理よ、強い決断を!」というタイトルでエール(多分?)を送っています。面白い件がありました。「最終的に『あいつが言ってるんだったら、今回はしゃあないな』というのが、政治家と有権者の理想のリスクコミュニケーションだと思います」。橋下さんは必ずしも僕の好みのタイプではないのですが、この前段では「(しんどいことを)国民に納得させる一番しんどい仕事を担うのが政治家です」といいコトを言われています。

 

僕がストレスを感じてしまう一番の原因は、TVで国民に語り掛けている方々(首相、知事の方々、大臣各位等々)を見ていて、”そうか、しゃあないなあ、今回はお前についていったるわ、任すから頑張ってくれよ”と感じさせる方がいないから!と妙に納得してしまいました。

 

アメリカではニューヨーク州のクオモ知事の人気が高くなっているそうです。誠実そうな人柄、粘り強く対応継続している姿勢。TVニュースで垣間見る印象ですから、どこまで当たっているかは不案内ですが。最近、クオモ知事は「BBB」=「Build it back better」(再建するなら、前よりももっと良いものを)という標語を使い始めたそうです。コロナ後は環境にも人々にも優しい生活を実現しようというモノ(日経、4/24記事)。こういうのイイですよね。

  

 

「俳句のお話の続き」を書くつもりだったのですが(NHK俳句、大変に興味深く視聴しております)、ツイツイ、愚痴っぽい話になってしまいました。まだ、若いのかなあ。修行が足りないのか、平常心が保てていないのかも知れません。俳句のお話はぜひ次回に記載したいと思ってます。

 

  いつもならゴルフ観戦春重く  孔瑠々

 

  新聞のページが減って朝寝かな   孔瑠々

 

  春の朝ラインの孫に励まされ   孔瑠々

 

 

おまけのお料理です。

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ジャガイモ(小)の甘辛煮。ニラレバ炒め。そして、新作!、アボガドと竹輪と明太子和えマヨサラ。「しにぁごはん」さんのブログで紹介されていたもの。お酒のつまみにグーです。簡単に出来ます。「しにぁごはん」さん、ありがとさんでした。