クルルのおじさん 料理を楽しむ

男おひとりさま

 「おひとりさまの最後」と言う本が話題になっています。著者は、上野千鶴子さん。東京大学の名誉教授。この16年間「おひとりさま」の老後と介護を見つめ続けていらっしゃるとか。申し訳ないですが、僕はまだこの本を読んでいません。週刊誌に特集記事があったものからの抜粋・要約です。

 

一人で在宅で死んだら「孤独死」と言われることに対して「大きなお世話と言いたい」とおっしゃってます。逆に「家にいたい」は年寄りの悲願である。在宅で死にたい、と思っている高齢者は五割を超していると。

「在宅ひとり死」を実現させるための条件を明確に提示され、そのための啓蒙活動をされています。1948年のお生まれ(女性には珍しくプロフィールにはっきりと記載されてます)ですから、僕よりもちょっとだけ先輩になります。お写真を拝見するとイキイキとした表情をされています。
 

驚いたのは、高齢者の独居世帯率が25%あるということ。非婚の方に加え、既婚者の死別・離婚による独居を合わせると四世帯に一世帯が独居だそうです。単身赴任も実質的に独居に入るでしょうから、僕のような生活をしている方を含めるともっと比率は高くなるのでしょう。

 

「三つの介護力がなければ独居は出来ない」由。食べること、出すこと、清潔を保つことの三つの力。食事介護、排泄介護、入浴介護となります。僕はまだ三つとも自分自身に対する介護力があるので単身生活が出来ているんだ!ということを改めて認識し、納得させられた次第です。

 

料理を楽しむ・・・美味しい料理を食べる、自分の食べるモノを自分で料理する、料理の本を読んで食べることを楽しむ・・・ことを通じて、自分自身に対する食事の介護力を維持して「おひとりさま」の生活を元気に続けたいなあとしみじみと感じました。

 

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 ・・・沖縄のシーサー、元気に単身生活を続けられますように、魔除け・・・

 

ここまで書いてから、たまたま、上野さんの本を見つけたのでチャンと買って読んでみました。題名は「男おひとりさま道」。章の見出しを見るだけでも何をおっしゃりたいかが分かりそうな。「男おひとりさま」にはかなり耳が痛い内容で、かつ、解説の田原総一郎さんが記載されてますが、「手厳しいだけではなく「男ひとり者」にとって大いにためになる、また、何んとかやっていけそうだという自信を付けてくれる書」かと思います。

第一章「男がひとりになるとき」以下「下り坂を下りるスキル」「よい看護はカネで買えるか」「ひとりで暮らせるか」、そして最後の第5章は「ひとりで死ねるか」と続きます。「男というビョウキ」というクダリがありますが、「自分の弱さを認められないのが男の弱さだ」と。それを「男というビョウキ」と表現されております。はい、多分、全くその通りなのでしょう。

この本は、上野さん著の「おひとりさまの老後」から冒頭に記載しました「おひとりさまの最後」の中間に書かれた本です。ご自分で「男性の方が老いを受け入れにくいような気がする。なぜだろうか?」との観点から書かれたと。

 

ちょっと茶化して言えば、僕の結論は「やはり、男の方がずうーとシャイだから」。また、オンナの名誉教授からとやかく言われるのは、それこそ「大きなお世話や」と言いたいところですが、なにせ男というビョウキの身ですから、ここは謙虚に上野先生が提示されている「男の七戒」と「「男おひとりさま道10カ条」とを頭に入れつつ、シャイな自分を奮い立たせ、改めて、料理を楽しんで「単身おひとりさま」の生活を充実させたいなあと思っています。

 

たまたまが続きますが、本日(10月12日)の日経に、「おひとりさま」食品花盛り、というタイトルの記事がでてました。内容は「個食化」対応の商品・サービスの記事ですが、日経が「おひとりさま」という見出しを使っていることに面白さを感じました。

上野先生、今年の流行語大賞は決まりかな?!。

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 2016年10月16日、日本経済新聞