クルルのおじさん 料理を楽しむ

NHK俳句、6月末から三週分

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神奈川の留守宅、コンテナ野菜が元気に生育してます。ベランダにネットを張りました。キュウリ、追加三本が実っています。明日くらいには収穫出来るかな。雨が続いて鬱陶しい限りですが、野菜が元気に育っているのを見ると嬉しくなります。2020年7月18日、撮影。

 


 

駆け足で、三週間分のまとめです。例によって、僕の備忘録として書いています。お付き合い頂ければ嬉しいです。

 

 

6月第四週は「俳句さく咲く!」。先生は櫂未知子さん、”俳句、ゼロからの出発”と題して、生徒さんが四名。芸能人、俳優、アイドルの方々。ようやく、皆さんがスタジオで一堂に会しての収録となりました。それでも、お互いの距離は十分に間を空けています。事前に先生から生徒さんに夏の季語を中心に10句の宿題が出されており、それぞれに先生が採点し、その結果を発表。また、先生が夏の季語の実物をスタジオに持ち込んで紹介---今はもう使われていないモノ、珍しいモノがほとんどでした。起こし絵、竹婦人(夫人)---(チクフジン、と読むそうです)、蝿帳(ハイチョウ)、蠅取器、花氷、水中花、等々。”昭和の時代(以前)”の風物かと。最初の二つは僕もかすかに記憶にあると感じる程度、近代生活博物館に展示してもおかしく無い類のモノでした。”こんなモノ(今では生活の場に無いモノ)を題材にしてワザワザ若い世代の方が句を読む意味があるのかしら?”と感じましたが、イロイロな「季語」があることの説明なのでしょう。

 

 

今週のテーマは「季語って何?②」。TV番組のなかでは「今、その瞬間を切り取る!のが季語である」との説明がありました。

 

   仮通夜や冷やし中華に紅少し   未知子

 

テキストにある櫂先生の説明では「俳句は、とにかく『今』が全てです。季語は、ものごとの移り変わりを述べるものでは無く、ピークを描くもの」「(季語は)今、自分がここにいる、ただそれを証明するためのもの」「季語と今日を大事にすることを提案したいと思います」と記載されていました。「今でしょ!」と言う一世風靡したフレーズを思い出しました。「今、その瞬間を切り取る!」面白いですね(もちろん、僕には実際に句を作る時に出来るものではありませんが)。

 

 

また、この句の「冷やし中華」を例にとって、俳句は文字数(17文字)ではなく音数=17音である、ということを説明されていました。「冷やし中華」は何音か?。正解は6音。音の数え方の説明として、ローマ字にしてみれば分かり易いと。

冷やし中華=hi ya shi chu u ka ---母音の数を数える=6音。別な例として、

郭公(カッコウ)=ka ku ko u だから4音。との説明でした。

 

僕はこの説明には大変に違和感があり。

冷やし中華=hi ya shi chi yu u ka と書けば母音7音となるし、

郭公(カッコウ)=ka kko u  と書けば母音3音だし。

昔、同じような数え方のことで理屈がはっきりしないと感じた(要は、よく分からなかった)ことを思い出しました。もう少し、分かり易い説明を探してみたいと思います。櫂先生に楯突いている訳ではありません、念のため。

  

 

何の関係もありませんが、郭公(カッコウ)は、下重暁子さんの俳号です。暁子さんは高校の大先輩。今でもお元気に文筆活動を続けられています。「この一句---108人の俳人たち」という俳句の本を思い出して本棚から取り出して見てみました。イロイロな句会にも参加されています。あとがきで「話の特集句会」で選ばれたご自身の句を紹介されていました。

 

   郭公鳴く空の高さを測りかね   (郭公こと)下重暁子

 

先生の暉峻康隆さんからはいつも「おまえさんの句は頭で作るから色気が無い」と言われていたそうです。分かるような気がします、そして、頭の良さそうな方の句だと感じます(この句では、下重さんは、郭公を3音と捉えているように感じますが・・・僕もシツコイですね)。

 

 

講義の最後に「箱庭」を兼題にして俄か句会が催されました。先生から”惜しい句”と評された生徒さんは居残り授業。居残り、懐かしい言葉です。

 

原句    独り身の箱庭にだけ妻子あり   武雅

 

添削後   箱庭の中にだけゐる妻子かな   

 

生徒の塚地武雅さんは「独り身」を表現したかったとのことですが、櫂先生に言わせると「だけ」の一言でその意味は読み取れる。もっとスッキリ表現するほうが良い、との添削でした。”なるほど、添削の妙”と思いつつ、”何やらスッキリし過ぎでないかい”と思ったり。

 

 

読者投句の兼題は「甘酒」でした。入選6句、特選=俳句大賞1句が紹介されます。

 

大賞   甘酒や電波時計は静かなり

 

入選の中で、僕が面白いと思った句です。 

 

     甘酒や神輿の屋根の見え隠れ

 

テキストに掲載されていた先生の句、

 

     甘酒や神田にしづかなるポスター   未知子

 

 

 

続いて、7月第一週の放送ですが、テキスト7月号の表紙の句に偶然の繋がりを発見しました。表紙の句を、櫂さんが”選・鑑賞””しています。

 

     みつ豆はジャズのごとくに美しき   國弘賢治

  

 

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お馴染みNHKテキスト「みんなの料理」、2007年7月号です。13年も前の号ですが、この中で同じく櫂さんがこの句を紹介しています。7月の旬を読んだ句として櫂さんの一押しなんだと感じます。

 

 今回、改めて読んでみると、この句は「蜜豆」というデザートがピカピカに輝いていた時代の句でなかろうか、と感じてしまいました。今の時代、今の世代の方にはピンと来ないかも。13年前の「きょうの料理」の解説にありましたが、作者の国弘賢治さんは大正2年(1913年)、山口県生まれ。幼いころに脊椎カリエスに罹り、起居もままならぬ状態でずっと過ごしたまま40代で亡くなったそうです。蜜豆は美しく輝いていたんでしょうねえ。「蜜豆」は7月の季語ですが、僕たち昭和の時代の人間が受け取る印象と、現代の世代の方が受け取る印象は既に異なっているんじゃあないのかしら、と思いました。

 

 

きょうの料理」2007年4月号は僕の料理の原点で、それから一年間、継続購読したフアンであったことは、以前のブログで記載したと思いますが、今でも(暇に任せて)その月のモノを寝る前に見ることがあります。今回は、そうやって頁を捲っている時に、偶然、この句を見つけたものです。面白いものです。

 

 

かつての「きょうの料理」が出てくるブログです。ご参考まで。自分で”懐かしいなあ””と感じています。

kururupapa.hatenadiary.jp

 

kururupapa.hatenadiary.jp

 

 

音数の数え方をググってみました。これが正解なのか不案内ですが、シンプル・分かりやすい説明です。この説明によれば、

●小さな「ゃ、ゅ、ょ」それから「ぁ、ぃ、ぅ、ぇ、ぉ」は前の字と合わせて1音。

●小さな「っ」はそれだけで1音。

●音を伸ばす「ー」(長音符)は、それだけで1音。

だそうです。この数え方だと「郭公」は4音ですね。暁子さんは上5を字余りで詠んだ、という事ですかね。未知子さんの「甘酒」の句の下5も字余りですかね。

 

 

 

7月第一週です。司会は戸田菜穂さん。選者が小澤實さん。ゲストにはモモコグミカンパニーのモモコさん。全く存じておりませんが、いかにも感性が高そうな方です。VTR出演で「令和の新星」が登場していました。7月テキストの佐藤文香(あやか)さん。それから、以前のブログ(6月12日付け)で「コロナでTV出演が没にされて可哀そう」と書いた、テキスト5月号の阪西敦子さんも登場していました。よかったですね。NHKも味な演出構成をするものです。

 

 

5月号の兼題は「素足」でしたが、阪西さんの句です。

 

  サックスのぐるりに映り素足なる   敦子

 

7月の兼題は「水着」、佐藤さんの句、

 

  少女みな紺の水着を絞りけり   文香

 

読者投句の一席に選ばれたのは、

 

  水着とは手縫いのパンツ魚追う

 

という句でした。あまりピンときませんでした。

ゲストのモモコさんの句、

 

  帰り道夏夜に浮かぶ涙声   モモコ

 

これを小澤さんが添削。「ぎゅうぎゅうに詰め込みすぎで窮屈である」との評です。

 

  夏の夜や涙声出る帰り道

 

櫂さん、小澤さん、共に先生が添削するとスッキリします。「削る」というのは難しいことだと痛感します。

 

 

 

第二週は、司会、武井壮さん。選者、対馬康子さん。ゲストに東京パフォーマンスドールの方(すみません、この方も全く存じておりません)。この方と武井さんは、第4週の「俳句さく咲く」で過去何年か一緒に生徒として勉強した由です。武井さん、スポーツ番組で良くお見掛けする、かつてのブルースリーを優しくしたようなイメージの方です。何回かこの番組で拝見していますが、勉強熱心で感性が高い方だなあ、と感じています。

 

 

兼題は「髪洗う」。難しそうな季語だなあ、と思いました。対馬さんが紹介した宇多喜代子さんの句です。

 

   髪洗うまでの優柔不断なか   宇多喜代子

 

対馬さんが一席に選んだ句、

 

   髪洗う一本の源流となる

 

テキストに掲載の対馬さんの句、

 

   髪洗うたび流されていく純情  康子

 

 

対馬さんは、番組で「俳句五段とばし!」を提唱されています。”頭の柔軟体操=想像を広げる”ことを狙った俳句の練習方法だそうです。①一つの句から②さらに表現を整える、③設定を広げる、④「取り合わせ」を、⑤見えない世界へ、と変化させていくと。「俳句さく咲く」が初心者向けとすれば、これは、初級か中級、上級者向けのエクササイズかと思います。番組では、ゲストの方の句、

 

   新曲のカウント数へ髪洗う

 

これを対馬さんが⑤に飛ばして、

 

   洗い髪スーパーノバを響かせて

 

と展開されていました。「スーパーノバ」というのは、宇宙・天体の世界で超新星(の爆発)のことを意味するそうですが、若者は人気のポップグループと理解するそうです。康子先生は僕より三歳年下ですが、なんとお若いこと、”飛んで”ますねえ。

 

  

 

鯱城学園が「9月から再開する」との案内が届きました。「クラスを半分に分けて、それぞれ隔週で登校。登校時には検温・消毒を行い、構内ではマスク着用、三密を避ける」対策を徹底するとのことです。また、「体育祭、文化祭、修学旅行は今年度は中止」となりました。出席日数が半減以下になりますから、希望する学生は一年留年も可能にするとのことです。クラブ活動も早ければ7月中には再開されそうです。

 

ここに来て、首都圏での感染者数が再度、急上昇していますから、まだ全く予断を許しませんが、コロナを『凌ぎ』ながら新しい常態を模索していきたいですね。

 

クラブ活動は、以前のパソコンクラブを三学期に退部して、新しく『陶芸クラブ』に移籍させてもらっています。その後、コロナ騒ぎで一切活動が出来ておりませんので、再開されれば、初めての参加になります。嬉しい限り、楽しみにしています。

  

年寄り大学では、「遅れ」というのは大した問題ではないと認識していますが、児童・生徒・学生の皆さんにとっては一年一年が大切な時間ですから「遅れ」というのは由々しき一大事、コロナでの「遅れ」が大問題となる懸念が高くなっていることが心配です。折しも首都圏の大学では後期の授業もオンラインをベースにするとの報道がなされています。新入生の諸君は、4月以降、学生証を受け取りに一回、登校しただけだそうです。7月17日の夜のNHKニュース。

感染者が再度、急増していることに対して、都府県の首長さんのテレビ会見が放映されていますが、相変わらず、ほとんど内容がないですねえ。ご自分のアピールの為だけという印象が益々強くなります。かなり寂しいです。

 

   

おまけの一句です。能天気な句です。

 

   朝採りの野菜を茹でてビールかな   孔瑠々

 

コロナ騒ぎの影響もあり、各地で豪雨の跡片付けのボランティアの人員が不足しているそうです。何もお手伝い出来なくて申し訳ないです。。。。。