クルルのおじさん 料理を楽しむ

NHK俳句・佳作に取って頂きました

f:id:hayakira-kururu:20200928095333j:plain
f:id:hayakira-kururu:20200928095355j:plain
f:id:hayakira-kururu:20200928095420j:plain

東山公園ウオーキングコースを歩きました。曼珠沙華が何故か一輪だけ咲いていました。なかなかの風情。四連休最後の日です。東山動植物園の回りを大きく一周する散策コースが整備されています。東山一万歩コース。結構、高低差があり一気に歩くとよいトレーニングになります。以前に比べて園内の入場者も増えてきたようです。2020年9月22日、撮影。

 

 

9月のNHK俳句のことを書こうとしていたのですが、第三週の放送を見た後、本屋さんで10月号を買ったら、僕の句が佳作に掲載して頂いておりました。

 

   庭先の水引の白四十九日   孔瑠々

 

毎号、巻末に入選句と佳作の一覧が掲載されています。10月号には、8月に放送された兼題の入選句、それから、佳作が掲載されています。8月第一週の放送への投句は6月20日が締め切りですから、投句してから4か月近く経過していることになります。いつも買った後、自分が投句した兼題の欄は、さり気無く、それとはなしに・・・いやちがうなあ、ひょとしたら!?と期待に胸を膨らませて、でも、自分に対しては”別に期待している訳ではないでえ”と言い聞かせながら、更には”載ってなかっても別にショックとちゃうでえ”と言い訳しながら・・・ソワソワしながら見るのですが、そして、今までは、その予防線を張った通りに、ずっと落ち込んでいたのですが、今回は、自分の句を見つけることが出来てしまいました。僕にとっては二回目の快挙。やったあ!。自分の句が活字になっているというのは嬉しいものです。もちろん、早速に関係各位にはメールで自慢しまくりました。

  

 

小澤實さんが取ってくれました。小澤さんが取ってくれたというのは、やはり、嬉しいなあ。投句しない限り「水引の花」なんて季題で句を詠むことは有りえなかったでしょうから、季節外れの時期ながら与えられた宿題の季語を作句するというのも勉強になるものなんですねえ。改めて納得出来ました。

 

 

季題「水引の花」の8月放送のことを記載したブログを埋め込んでおきます。

kururupapa.hatenadiary.jp

 

ちなみに、番組放送では、特選三句、入選六句、合計九句だけが紹介されます。今回、佳作の数をちゃんと数えてみると延べ4頁に亘り、計180句が掲載されていました。暇ですから、一人になって佳作に掲載されている180句全部を読んでみましたが、読むだけで30分はかかりました。途中、眠くなりました。投句は全部で何句届いているのか知りませんが、選句するのも大変なエネルギーかと感じました。選者というのは、大変なステータスだと思いますが、やはり、これも大変なお仕事だと思います。

 

 

この句を詠んだのは、6月上旬に長女の旦那のお母様がお亡くなりになり、ご葬儀に参列したあとのことでした。居酒屋ヒデさんのお母様です。隠れ家に戻ってから、生前のお母様が丁寧に手入れをされていた、ヒデさんの実家、長野のご自宅の庭を思い浮かべ、四十九日の法要をイメージして作った句でありました。佳作に取ってもらえて嬉しかったです。改めてご冥福お祈りしたいです。

 

 

小川軽舟さんが「俳句と暮らす」のなかで「平凡な日常をかけがえのない記憶として残す」云々と書かれていたのを思い出しました。自分の句ながら、今、読み返すと確かにその時の景色、情景がアリアリと思い出されます。”俳句の面白さ”をちょこっと実感出来た様にも思いました。 

 

kururupapa.hatenadiary.jp

 

 

以下、9月のNHK俳句です。例によって、僕の備忘録として纏めています。お付き合い頂ければ嬉しいです。 

 

 

9月第一週です。司会は戸田菜穂さん、選者は小澤實さん。「令和の新星」のゲストは田中惣一郎さん。1991年生まれの方。兼題は「鰍(カジカ)」で、冒頭に田中さんの句が紹介されました。

 

   寸前の今の鰍ぞ消たりける(けたりける)  田中惣一郎

 

「消たりける」という言い回しにインパクトがありました。さらに、

 

   ひさかたのひらがなのひが落つるは花  田中惣一郎

 

小澤さんの解説では、「ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花のちるらむ  紀友則」の名歌の本歌取り、”落花と「ひ」が重なる”、あえて古語を用い続けている田中さんの句を高く評価されていました。何やらクイズのような面白みもあり感心しました。今週の特選三句です。

 

三席   年上の少女に貢ぐ鰍かな

 

二席   尻あげて石もちあげぬ鰍突く

 

一席   突くヤスに鰍からみぬ鋭き歯みせ(ヤスは漢字)

 

特選には選ばれませんでしたが、僕が面白いと思った句です。

 

     少年の背は無防備や鰍突く

 

     鰍突く赤ふんどしの爺様と

 

「鰍」という題で、これほど広がりが出るものかと感心しました。番組では、秋川渓谷に田中さんが鰍を釣りに行き、その情景を句を詠むという企画がありましたが、やや(かなり)わざとらしかった様に思ってしまいました。

 

 

9月第二週です。司会は武井壮さん、選者は対馬康子さん。「こころを詠む」、今週のテーマは「海外の景色から」。対馬さんの主張は「自分の心の真実を見つけることが、俳句という短詩型の力によって可能である」、そして「その短詩型の力は、日本を離れても変わりはない。こころを詠むことに国境はないから」と。今週の兼題は「葡萄」です。冒頭の句です。

 

   天辺に噴火口据え葡萄熟る   中村和弘

 

テキストに掲載されていた句です。

 

   ミネルヴァのふくろうの眼して葡萄食ふ   有馬朗人(ありまあきと)

 

季語の面白いところでしょうか、「葡萄」という一言で確かに世界が広がる、何やら歴史を感じ、その景色が出てくるものだ、と思います。テキストに掲載されていた選者の句です。

 

   渤海の沖を見ている葡萄かな   康子

 

今週の特選三句です。

 

三席   種無しの芯に酸ある葡萄かな

 

二席   手の中に朝と夜あり黒葡萄

 

一席   貰いたる葡萄一粒ずつ旅路

 

今週のゲストは個性派俳優の加藤諒さん。司会の武井さんとは「俳句さく咲く」で3年間いっしょに俳句を勉強した仲とのこと。二人それぞれの海外詠を披露され、俳句五段飛ばしに挑戦されていました。省略します。

 

対馬さんの評のなかで「ただの感想俳句ではなくて、そこに、生活感、社会感が切り取られて(表現されているので、良い句になっている)」とコメントがありました。単純に気持ちを表現するだけでは、まだまだ面白みに欠けるとの指摘なんでしょうね。俳句は奥が深いモノであることよ。

 

 

第三週は、司会、岸本葉子さん。選者は、西村和子さん。ゲストは俳優、映画監督の奥田瑛二さん。奥田さんは俳句歴30年、「寂明」というなにやら由緒ありげな俳号をお持ちです。今週の兼題は「蟷螂(かまきり)」。さっそくに奥田さんの句が披露されました。

 

  かまきりや喰んで始末の明日をみる   瑛二

 

”カマキリのオスとメスの凄まじいばかりの生き様を詠んだ”とトクトクと語っていました。もう少し寡黙なオッサンかと思っていましたが、予想に反しました。句の披露はご本人が記載した色紙を見せて行いますが、この時の奥田さんの色紙は字のバランス、書体ともに素晴らしいものでした。床の間に飾ることが出来そうな。この方の書のセンスを感じます。

 

「ようこそ句会へ」は、点盛りの結果が出た後の「合評」です。合評句会というやり方では、自分が選んだ句について理由、意見を述べることになっている由。この時に「選句眼」が育つと。「披講が終われば指導者の講評を聴いていればよい、という句会とは違い、合評句会は緊張の連続」とのことです。今回は、合評句会の練習ということで、岸本さん、奥田さんがそれぞれ「天」「知」「人」カードを手にして、西村さんが選んた入選9句を選句していました。選んだ理由、そして、選ばなかった理由をコメントし合いながらのミニ句会となりました。西村さんが選んだ特選三句です。

 

三席  賢者にも愚者にも怒りいぼむしり

 

二席  蟷螂の雄の定めを目の当たり

 

一席  蟷螂の押さえて何か動くもの

 

三席の「怒り」をどう読むか、岸本さんが西村先生に質問していましたが、この時の説明が面白かった。「どう解釈しても良いのです。作者の意図はどちらでも良いのです。自分が見出した長所を強調しましょう。読み手によって作者さえも意識していなかった長所が見出されたり、想像の世界を発見したり、それが合評の面白いところです」。そういうものなんですねえ。特選には選ばれませんでしたが、僕が面白いなあ、と思った句です。岸本さんが「天」に取っていました。

 

    かまきりのゐてシーソーをあきらめる

  

 

第四週は、「俳句さく咲く」。先生は櫂美知子さん、生徒さんが四名。レギュラーの桜井紗季さんが欠席、代わりに同じグループ(東京パフォーマンスドール)の上西星来さんが登場。上西さんは以前3年間、この番組で俳句を勉強した由。九月の宿題の季語は、「爽やか」「月」「秋の水」「秋の灯」「秋祭」「蜻蛉(とんぼ)」「葡萄」それと自由。この宿題は視聴者には事前に開示されていませんが、練習になるでしょうから、兼題とは別に開示してもよさそうに思います。相変わらず、櫂先生は厳しい指導。生徒さんの句には”季重なり”で注意されているのが多く見られます。確かに”この世は季語だらけ”。「秋の灯」という季語の説明では、これは夕方から夜=暗い~闇の中、を意味している季語であるから、その句のなかに「”闇”とか”暗い””黒”という言葉を入れるのは意味がない、季語を理解していない証拠」と鋭い指摘がされていました。「葡萄」の句は、生徒さんがそれぞれ頑張って作っていましたが、第二週の兼題「葡萄」の入選句と比べるとかなりの力量の差があったように感じました。何事も比較すると分かり易いのかも知れません。

 

今週のテーマは「切れ字『や』を試したい」。「かな」と同じく感嘆、強調する言葉ですが、「かな」がもっぱら下五に使うのに対して「や」は上五に使う、そして、景色・情景を転換させる使い方を説明されていました。「かな」の時にも解説がありましたが、切れ字は原則一句に一つだけ使う。焦点を絞る!。なるほど。櫂先生の句です。

 

   稲妻や箒に残る母の癖   櫂美知子

 

これイイ句ですね。味わいがあると感じました。

生徒さんの「ミニ句会」の兼題は「秋の声」。特選に選ばれたのは、代打出演の上西さんの句です。

 

   白線の轍ぼんやり秋の声   上西星来

 

先生も他の生徒さんも”運動会、運動場の景色を詠んだもの”と解釈していましたが、本人は”歩道の白線を詠んだもの”とのことでした。これも、第三週の西村さんが説明していた通り「どう解釈しても良い」ことの良い例になりそうです。上西さんは、宿題でも最高点、ミニ句会でも特選、と三年間の勉強の実力、先輩ぶりを発揮していました。

 

投句の兼題は「玉蜀黍(とうもろこし)」。大賞に選ばれたのは、

 

   唐黍や飛行機雲の行く先は

 

投句の方は、八王子市立の中学校となっていました。中学生の方なのですかね。素晴らしい。入選句の中で、僕が面白いと思った句です。

 

   この先に家ありますと玉蜀黍

 

各号の巻末に掲載される佳作の数ですが、第四週だけは、延べ3頁、134句でした。番組のなかで生徒さんの指導を行っているし、投句を講評する時間も無い程のてんこ盛りの授業ですから、先生の大変さを勘案して佳作の数を少なくしているのかも知れませんね。

 

 

おまけの句です。

 

   萩のはな雑草押しのけ陣ひろげ   孔瑠々

 

   秋の青思わずマスクを取り外し   孔瑠々

   

  

 おまけの料理です。

 

f:id:hayakira-kururu:20200928095251j:plain
f:id:hayakira-kururu:20200928095143j:plain

バーミキュラ鍋、ローストポークに挑戦しました。たまに立ち寄る街の肉屋さんで、安くて美味しそうな塊があったので。人参を加えた方が彩りが良かったかな。盛り付け、下手ですねえ、反省です。ソースに工夫の余地ありでした。次回は、ローストビーフをトライしてみようかと思っています。 9月26日、料理と撮影。

 

  

食欲の秋、読書の秋。一年で一番気持ちの良い季節になって来ました。今年は(も)夏が暑かったから、秋の爽やかさを余計に感じることが出来ています。日本の四季は有難いものですねえ。まだまだコロナに油断することなく十分に注意して「凌いで」いきたいものです。皆さま方もご自愛下さいませ。