ちょっと前の写真ですが、東山動植物園のライトアップです。11月の中下旬に7日間ほどの期間だけですがライトアップされます。
写真左は、国の重要文化財の「温室前館」。現存する日本最古の公共温室で、開園当時は「東洋一の水晶宮」と評判であったとか。2013年から保存修理がされていて、本年4月にリニューアルオープンしたもの。
写真右は、植物園の紅葉夜景。「京都の紅葉」を掲載しましたが、名古屋にも素晴らしい紅葉があるぞぉーっと。2021年11月16日の撮影です。
前回からやや間隔が空きました。のんびりとした生活を続けていてもやはり師走は師走なのかイロイロとバタバタしております。”忙中閑あり”で本だけはたくさん読むことが出来ました。以前に漱石を改めて読みだしたことを記載しましたが、この1~2か月で前期三部作と言われる「三四郎」「それから」「門」と後期三部作の「彼岸過迄」「行人」「こころ」を読み終えました。漱石さんは享年五十ですから、現在七十を過ぎているオッサン(僕のこと)が何を今さら漱石や!?と言う影の声も聞こえてくるのですが、まあ読んで面白かったです。というか、飽きもせずに全部読めたことが自分でも驚きでした。漱石の作品は、初期の頃は別かも知れませんが、前期・後期の三部作辺りになると決して読んでいて楽しくなるというものではなかろうと思います。くどいところも多いし、陰鬱な展開も出てくるし、イライラとするような気持になる時もあると思うのですが、それでも今に至るまで圧倒的な支持を得ているようです。筆力がやはり凄いなあと感心してます。
元々が毎日の新聞(掲載されたのは毎日新聞ではありません、朝日新聞です)に掲載された小説であったことが影響しているのかも知れません。ストーリーも面白く創作されているし、人物像も丁寧に書き込めれている。明治から大正にかけての時代背景、環境も十二分に織り込んである。漢学の知識と英文学、江戸の名主の生まれ・育ち、子規の指導を受けた俳句の力、等々をを全て小説に活かしきっているような。
当時の日本の読者層の厚みにも驚かされます。「吾輩は猫である」がホトトギスに掲載され、その後、朝日新聞の社員となり掲載した作品は全てベストセラー(多分)、朝日新聞の発行部数は漱石を読みたいという理由で増加した由。社員というのも面白い仕組みだったと思います。「小説記者」というタイトルであったとか。
「猫」がホトトギスに掲載されたのが漱石38歳。朝日新聞の社員になったのが40歳。その連載の第一作は「虞美人草」。前期三部作の一作目「三四郎」の掲載が41歳。後期三部作の最後「こころ」の掲載が47歳。未完の「明暗」の掲載開始が49歳。ほぼ十年の間に今に残る作品を書き上げたことになります。
無くなったのは1916年(大正5年)12月9日、享年五十。49歳の時。「明暗」の連載は12月14日の稿が最後になったとか。そのうちに又、漱石の世界に入りたくなって読みたくなるかもしれません。その時まで取っておくことにします。
NHK俳句です。相変わらず僕の備忘録です。お付き合い頂ければ嬉しいです。
12月第一週、司会は武井壮さん、選者は片山由美子さん。ゲストには歌人、作家の東直子(ひがしなおこ)さん。1963年のお生まれ。最近は絵本を出版された由。今週の兼題は「綿虫」ですが、一句ご披露されていました。
綿虫やつまさき立ちに見た未来 東直子
兼題の「綿虫」、最初はピンと来ませんでした。片山さんに言わせると俳句をやらない方は余りご存知ないかも知れないということですが、存在を知っていてもそれを句にするという感覚は無かったと思います。今週はゲストの東さんが良かったし、司会・選者のコメントも良かったし、そして投句も良い句が多くて楽しい番組であったと思いました。それにしても季語というのは存在感があるなあと改めて感じました。
今週のテーマは「動詞」。基本は「一句一動詞」だそうです。必要が無ければ使わなくともよいと。概して動詞が多くなると説明調になってしまうそうです。一方、動詞をたくさん使っても面白い句はあると例句を紹介。
苺はや出しと妻いふうなづきぬ 森田峠
一句に三つの動詞が使われていてその主語が全て違うと。片山さんは「俳句の超絶技法」であると解説されていました。テキストを見ると四つの動詞が使われている句が記載されていました。
打って逃げ隠れて打って水鉄砲 西中弥生
季語以外は全て動詞。それで水鉄砲遊びらしい臨場感を出すことに成功していると。面白いと思いました。動詞を使う場合にはその言葉が本当に必要かどうかをよく吟味すること、とのことです。
今週の特選三句です。
一席 指差してゐて見失う雪蛍
二席 綿虫の風の隙より生まれけり
三席 綿虫や旅先に買う若狭箸
面白いと思った句です。
この辺り立入禁止雪蛍 (東さんが取っていました)
綿虫や庭の手入れはきりもなく (同、武井さんが)
綿虫や工事場にとぶ外国語
石段にわが影折れて雪ばんば
綿虫、雪蛍、雪婆(雪ばんば)、雪虫、大綿(おほわた)とイロイロな言い方があるそうです。言葉の響きも大切にして使うべしとのこと。難しいですが良い季語だなあと思いました。
東さんの俳句の感想です。東さんは歌人です。和歌を作るときは自分の気持ちが最初に来るが、俳句を詠む時には歳時記をめくり季語の魅力を探る、その作業が楽しい。俳句を詠む時の動機は和歌と違って自分の外にあるのが面白いと。なるほど、面白いコメントだと思いました。
第二週。司会は岸本葉子さん、選者は阪西敦子さん。ゲストは ざわちん さん。マスクをつけての登場。芸能人のものまねメイクで大人気の方とか。マスクをつけてものまねメイクをするそうです。今週の兼題が「マスク」でした。
1918~1920年のスペイン風邪の予防のために日本ではマスクの着用が推奨されたそうです。その後、俳句でも冬の季語として詠み続けられているとか。今では(特にコロナ禍では)マスクは特別な時期のモノでは無くなった。季語としてどうなるのでしょうか、という阪西さんの問いかけも含めての季題「マスク」です。
今週の特選三句です。
一席 先生のマスクが数式を唱ふ
二席 凹凸の激しマスクの怒りかな
三席 マスクして又も人の名忘しけり
コロナ川柳とか称された作品を地下鉄のポスターで見たことがありますが、三席の句は川柳っぽい面白さもあるかと。他にも同じ趣の句がありました。
片側のマスクを外す会議の茶
マスクして外して一日暮にけり
テキストに「俳句に於いてマスクがどうなるかは誰にも分からないが、マスクの機会が多いことは事実。深く新たな発見を得るチャンス」と阪西さんの記載がありました。
ざわちんさんのものまねメイク。木村拓哉さん風、安室奈美恵さん風メイクの紹介がありました。マスクを着けているのは鼻から下を隠すためのようで「目元はメイクで似せることが出来るから」と。確かにキムタク風メイクなんぞ見事なモノ、そっくりでした。
おまけの料理です。アヒージョ、二題。
カキのアヒージョ。キノコをたっぷり入れました。美味しかったのですが、留守宅でカミさんがやってくれたのと同じ味にはならなかった。残念、いま一歩。具を入れ過ぎかなあ。2021年12月14日、料理と撮影。
砂肝のアヒージョ。キノコが残っていたので、続けて砂肝に挑戦。これはレシピを見て。最後にセロリを加えました。まだ、味が決まらないような。ニンニク風味をオリーブ油に上手く移せてないのかしら。2021年12月15日、料理と撮影。
日本は平穏な状態が続いていますが、世界各地でオミクロン株が猛威を振るいつつあるようです。今まで以上に基本動作を徹底してコロナを凌ぎ続けたいと思います。皆さま、くれぐれもご自愛のほど。