クルルのおじさん 料理を楽しむ

再開、京都トレイル

京都トレイルを再開しました。

 

新春1月15日に本年度最初の山歩きを!と張り切っていましたが残念ながら降雪のために中止。その後はオミクロンの感染拡大、それに伴うまん延防止措置に敬意を表してずーっと延期。サクラの時期に再開を!と考えたのですが、日程が調整出来ず。漸く、4月16日(土)に再開することが出来ました。北山・西部コース、その1.です。

 

スタート地点の二ノ瀬までは出町柳駅から叡山鉄道に乗って行きます。この路線は宝ヶ池駅で二方向に分かれていて、一方が二ノ瀬に向かう路線(二ノ瀬から貴船、鞍馬に)、もう片方は比叡山口に向かいます。車窓から外の景色をのんびりと眺めていましたら傍らのドラゴン先生が大文字から比叡山にかけての連山を指差して「あの山々をずーと全部歩いたんだから凄いよねえ」と感慨深げに話かけてきました。言われてみて改めてビックリ。”なるほど、そうだ”。「よくぞ、歩いたもんですねえ」。”京都の東側の山並みは一応全部歩いた。北側の三分の一程度は歩き終えた。今日で三分の二程度は完了することになるのだろう”。山歩きを始める前に振り返って感慨に耽るというのも可笑しなことですが、そこは珍道中。「だいたい何のために歩いているのかなあ。上ったら下るだけなのに。無駄なコトしとるよなあ」「一つのコースの中で何回も登ったり降りたりはしんどいですねえ。あれは長ーい吊り橋でもかけてほぼ水平に歩けるようにしてほしいもんですわ」「いつもながら愚痴が多いねえ。年寄りは」相変わらずのアホな会話をしながら二ノ瀬駅に着きました。

 

今日のコースは珍しく名所旧跡が少ないコース。夜泣峠への上り坂、向山の尾根歩き、鞍馬川と賀茂川の合流地点への急な下り、この辺りで軟弱な僕の膝は悲鳴を上げ始めました。下りに強いドラゴン先生は「やっと体が馴染んできたわい!」と天狗さんのようなフットワークで駆け降りていきました。

 

二つの川の合流地点を北側から撮影。左の水流が多いのが鞍馬川、右が本流となる賀茂川。「何故水流が少ない方の名前が本流になっているのか」とついつい口にしたところ瞬時に多数の事例を挙げての反論がありました。時期によっても水量は変化があり「この瞬間だけで考えるのは全く意味が無い」と喝破されました。

 

ここから小峠にかけては再度の登り。結構、急な上りです。珍しく意見が一致、ここにはながあーい吊り橋をかけて欲しいモノだと。盗人谷橋という物騒な名前の橋を三つも登り下りして小峠を過ぎ氷室へ。これで今回の工程の半分強をこなしたのですが、残念なことにこの辺り以降はずっと舗装された車道になっています。歩きやすいのですが膝と腰には余り優しくないかと。それまでの道が(文句は言いながらも)素晴らしいトレイルコースであっただけに余計に残念。道中には地元の小学生の標語が添付されていたり、トレイルの標識には道祖神が鎮座されていました。

 

  

こういうのは良いですねえ。心が和みます。

舗装車道をブツブツと(マジに)文句を言いながら一歩づつ歩を進めました。

 

到着したところは「山の家はせがわ」。立派なレストランです。市街から車で来ることが出来る処なので訪れているお客さんも山歩きの方とドライブを楽しんでいる方が半々くらい。

 

   

屋外のテラス席でゆっくりと寛ぐことが出来ました。朝食もしっかり取ったのですが、ドラゴン先生お薦めの名物ハンバーグを。僕はホタテのフライ、ドラゴン先生はエビのフライのセットを注文しました。ご飯は小盛にしました。美味しかったですが、やはり食べ過ぎ。山歩きの途中とは思えない豪華な昼食でした。

 

この後もずっと舗装の車道が続きます。出来るだけ車の通行しない横道を選びましたがそれでも舗装道路。千束辺りを経由して市街に戻りました。五山送り火の「船形」と「左大文字」の間の谷道を下山したことになります。近くの佛教大学に立ち寄りました。以前から興味のあった「宗教教育センター選書・法輪」を入手・・・あははぁ、これは真っ赤な戯言で恐縮ながら用を足させて頂きました。申し訳ありません、ありがとうございました(でも、頂いてきた選書にはチャンと目を通しました)。

 

夜はドラゴンマンションで長女さんご夫妻と反省会。いつもながらの楽しい会話が弾みすっかり酩酊するまで飲んでしまいました。翌朝の会話、ドラゴン先生は僕が寝た後、洗い物をして洗濯までしてから床に入ったとのこと。いやはや大変にお世話になってしまいました(引き続き是非よろしくお願いしたいものです)。

翌日もゆっくりと京都市街を散策、二日間ともに最高の天気に恵まれ久しぶりの京都を堪能出来ました。ドラゴン先生の万歩計では二日間で四万歩強の記録になっていたそうです。

 

名古屋の隠れ家に戻ってから今までの地図を三つ繋げてみました。1/25000の地図です。東山コース、北山・東部コース、北山・西部コース。文鎮、人形等を置いたところが歩いたエリア。撮影が下手なので見難いですが、面白い「絵」になったかと。今回歩いたのはトラさんの右辺りからニワトリさんの右下辺りになります。次回は、ニワトリさんの左方面に行くことになるのですが、スタート地点になるであろう氷室口までをどのようにして行けば良いのかが課題になっています(舗装道路を延々と登るのはさすがに二人ともに腰が引けていますので)。

 

 

続いてNHK俳句です。僕の備忘録として書いています。ちょっと長くなりますが、お付き合い頂ければ嬉しいです。

 

4月第二週、新しい選者は井上弘美さん。1953年のお生まれ。和服がお似合いの若々しい方です。司会は変わらず武井壮さん。井上さんのテーマは「俳句ナビ」。「これから一年、俳句のナビゲーター役を務める」ということでした。ゲストはお笑い芸人のマツモトクラブさん。4月から三カ月連続の出演で一緒に俳句を学んでいく、という趣向です。今週は歳時記についての丁寧な説明がありました。「実際に手に取り開いてみることが出来る『歳時記』を読むことで飛躍的に語彙も増えます」と。

 

今週の兼題は「燕」。歳時記を見ると主季語が「燕」で傍題(言い換え季語)は「つばくろ、むら燕、夕燕・・・」であること等々が理解出来ると。マツモトさんが詠んだ句を早速に添削されていました。更にクイズとして「帰燕」「燕の巣」「親燕」「燕の子」、全て「燕」を含む季語ですが、これらの季節は何時でしょうか?と。ほとんど分かっていなかったマツモトさんには井上さんから角川文庫版の歳時記・全五冊(四季と新年)がプレゼントされていました(クイズの正解はこのブログの末尾に記載しておきます)。

 

特選三句です。

一席   つばくらや筑波に未来研究所

二席   早朝の空の弾力初つばめ

三席   夕さりの子ども食堂燕来る

面白いと思った句です。

   夕つばめ更地となりし少年期

この後は時間の許す限り投稿句の添削コーナーとなりました。「添削」というのが井上さんの「俳句ナビ」の手法の様です。

 

 

第三週です。新しい選者は星野高士さん。1952年のお生まれ。偶然でしょうが井上さんとは一つ違い、お二人とも僕よりはちょっと年少さんですがほぼ同年配の選者さんの登場です。テーマは「会いたい俳人、12人」。ゲストには大相撲解説者の舞の海秀平さん。今月の会いたい俳人高浜虚子。番組の中で高浜虚子の娘が星野立子であること。そして自分は立子の孫であることを紹介されていました。テキストの最後には「実は身内贔屓だったということで少し割り引いて聞いていただければ」と記載されていたので少し安心しました。星野さんは調子が良いというのかやんちゃ坊主みたいなおっちゃんの印象を受けました。虚子の句で一番好きな句は?と聞かれて、

   石ころも露けきものの一つかな   高浜虚子

をあげたのが面白く印象に残りました。きっと真面目な楽しい方なのでしょう。

 

特選三句です。

一席   つかまんとすれどつかめぬ春の風

二席   春風や打ち損ねたる釘二本

三席   木漏れ日の匂い集めて春の風

面白いと思った句です。   

   春風や入山僧の小さき荷

   春風の曲がるところに磨崖仏

入山僧の句は、舞の海さんも武井さんも取っていました。特に舞の海さんは「大学卒業の時、高校教師の内定が決まっていたのに大相撲入りを決意した。後輩が突然に亡くなった。彼の死が悔やまずに大相撲に挑戦することを後押ししてくれた」ことを思い出したと鑑賞していました。

司会の武井さん、毎週ごとに違う選者さんとのお相手で大変だなあ、と感じてしまいます。何故、毎週の司会をお一人にしたのでしょうかね?。

 

駄句です。

   啓蟄や爺二人の山歩き  孔瑠々 (爺は「じいじ」と読んでくださいませ)

 

 

4月に入り仲間と連れ立って外に出る機会を多く持つことが出来る様になってきました。やはりモゾモゾと動きたくなる季節なんでしょうか。「啓蟄」。歳時記を捲ったら春・三月の欄に記載がありました。一か月、季節感がずれている。旧暦の3月5日は新暦の4月5日だそうですから、この季語は旧暦で読み直せば季節の感覚と合致するのかしら。「啓蟄」の例句におばあちゃんの句が載っていました。

   啓蟄や脱ぎし羽織を濡れ縁に   星野立子

 

二年間、休校状態であった鯱城学園が4月22日に再開初日を迎えます。どうなるものでしょうか。まだまだ寒暖の差が激しい日が続いています。一日の朝昼夕でもそうですし日ごとの落差も年寄りには応えます。皆さまも健康第一にオミクロンにも引き続き十分に注意してお過ごしくださいませ。

 

日経・俳壇、4月16日の黒田杏子選です。

   逃げて逃げて逃げて生きてて雪の果て   松本利幸

   人類の叡知とは何囀れる   土山能孝

今週もウクライナの句が全てです。黒田さん「日常を詠まれた佳吟も多数ある中、今週も入選句の全てがこのような結果となりました責任は選者が負います」と。「一日も早くおだやかな日常吟がこの俳句に戻り、季節の秀句であふれる日を待ち望んで居ります」とも。是非、継続して頂きたいモノです。黒田先生に、こころからエールをお送りします。

 

井上さんのクイズの正解です。「帰燕」=秋、「燕の巣」=春、「親燕」=夏、「燕の子」=夏、です。最近は燕を見ることが出来ない地域も多いでしょうから難しいと思いました。