クルルのおじさん 料理を楽しむ

国立『新』美術館

カミさんと二人で乃木坂にある国立新美術館に「メトロポリタン美術館展」を見に行ってきました。日曜日だったこともあり大変な人混み、皆さんマスクを着用して鑑賞されていました。「西洋絵画の500年」の副題通り大変に充実した展示でした。

 

  

我々が入場したのは11:00の時間帯でしたが、見終わった後の13:00の入場待ちも長蛇の列となっていました。入場時間帯を指定したチケットの販売はコロナ対策がキッカケとなったものだと思いますが、お陰様で少しはゆっくりと鑑賞出来ますから良い仕組みだと思いました。

 

冒頭の写真は地下鉄乃木坂駅の改札を出たところにある国立新美術館のロゴポスターです。建物は黒川紀章さん設計ですが、このロゴは佐藤可土和さんの作品。国立新美術館の英語表示は「THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO」とスッキリしたシンプルなもの。ロゴは「新」という漢字にこの美術館が独創的な活動を展開していく存在であることを凝縮させて表現している由。よく見ると「新」の漢字の全ての角が一切閉じられていません。「開かれた新しい場」を表象しているそうです。2022年5月29日、撮影。

 

 

NHK俳句です。僕の備忘録として書いています。お付き合い頂ければ幸いです。

5月第四週、選者は堀本祐樹さん、司会は武井壮さん。ゲストはファッションデザイナーの祐真朋樹さん。今回のテーマはファッション。「あなたのエピソード、俳句にします」のコーナーで ”なるほど” と思った添削がありました。

投稿句   夏服の君が振り向く坂の上

添削句   夏服の振り向く君や坂の上

堀本さんのアイデアは切字「や」を使って「君」の印象をハッキリさせる!。確かに語順を変えて「や」を使ったことで良い句になったように思いました。

テーマ「ファッション」の入選句で面白いと思った句です。

   サンドレスするり飲み干すギムレット

   夏帽の古稀の恩師と神楽坂

特選句です。

   ロールアップの踝やハンモック   (踝=くるぶし)

 

五月は(日曜日が)第五週までありましたので、最終週は増刊号「歳時記食堂---おいしい俳句いただきます」の放送がありました。宇多喜代子さんが女将さん、常連客が古坂大魔王さん、この日のお客は奥田瑛二さん。奥田さんは俳句歴30年以上で瀬戸内寂聴さんから「寂明(じゃくみょう)」という俳号を貰っています。若女将役には南沢奈央さん。

 

一品目は「そら豆」。

   そら豆はまことに青き味したり   細見綾子

細見綾子さんは明治40年兵庫県丹波市の旧家のお生まれ。肺を患い「来る日も来る日も横たわっていた」療養生活の時代の句だそうです。俳句が生きる支えになっていた由。宇多さん選の細見さんの三句です。「分かり易い言葉ばかり。そして深みがある」と宇多さんの評です。

   チューリップ喜びだけを持っている   細見綾子

   ふだん着でふだんの心桃の花   同

   つばめつばめ泥が好きなる燕かな   同

 

二品目は「鱧(はも)」。

宇多さんによると梅雨の水を飲んだ鱧が美味しい由。「つ」の字の立派な鱧(”つの字鱧”というそうです)が準備されて、宇多女将ご自身が ”はもきゅう” を料理して出していました。美味しそう。

   大粒の雨が来そうよ鱧の皮   草間時彦

宇多さんによると草間時彦は「食に関する(俳句の)第一人者」とか。

   ぐい吞みを小鉢代りの木の芽和え   草間時彦

楽しい句が多いです。なんと、この時に映っていたぐい吞みが我が家のものと同じでありました(なりやらチト嬉しい)。

 

三品目は「蜜豆」。

   単純な蜜豆でしたわが青春   上原恒子

上原さんはこの放送の収緑時に95歳の方。”三年前の2016年にNHK全国俳句大会で特選”との説明がありましたから収録は2019年だったのでしょうか。この句は、昭和22年にご主人と銀座で初デートした時を思い出して作った句だそうです。インタビューで「ご自分の句で一番好きなのはどれか」と聞かれて「ありません。これからです!」と答えておられていました。お元気にお過ごしされていることをお祈りしたいです。

 

今、神谷美恵子さん訳の「マルクス・アウレーリウス---自省録---」を読んでいますが、細見綾子さんの境涯の件を聞いていたら、神谷さんも21歳の時に肺結核を患って療養されていたことを思い出しました。神谷さんは療養中にギリシャ語を独習して、新約聖書マルクス・アウレーリウスを原書で読破されたと。神谷さんは大正3年のお生まれですから、細見さんとほぼ同じ世代。この時代の結核の重さを改めて感じてしまいます。

「自省録」は神谷さんが35歳の時、1949年に翻訳出版されたと思いますが、その後、1956年に岩波文庫版に収められたそうです。僕が買ったのは岩波文庫、2022年3月発行の第27刷です。本屋さんで面陳列されて置かれていました。超ロングセラーです。マルクス・アウレーリウスの自省録そのものの魅力に加えて今も変わらぬ神谷さんフアンが多いことの証明だと思います。

 

日経俳壇、5月28日、黒田杏子選です。

   憲法記念日ウクライナより難民来

   いくさなき五月の空や道の駅

   戦無き地球は夢か辛夷散る   (辛夷=こぶし)

 

 

 

メトロポリタン美術館展」を見に行く前日、居酒屋ヒデさんにお邪魔していました。

いつもながら充実のラインアップ。お昼からビール、日本酒、ワインを楽しまさせてもらいました。

この日の話題の中心はアラタくんの「じゃんけん大会」。幼稚園の自由遊びの企画としてアラタくん自ら先生に対して「じゃんけん大会やりたい!」と申し入れしたそうです。よく出来た先生でアラタくんの意見を真摯に受け止めてくれて「どんな大会にするか?どんなやり方にするか?」をみんなで相談しながら考える様に指導してくれた由。年長組の友達数人が集まり知恵を絞り合って  ”どうやったらみんなが参加して楽しい大会になるか” を自分達で考えた。司会進行役になったアラタくんは幼稚園の事務所で秘密のリハーサルもやったとか。

結果は?。先生に言わせると「一回目にしては大成功」。アラタくんはまだまだ不満足の様子であったものの子供達だけで反省会もやったとか。既に次回に向けての準備を始めているそうです。楽しく充実した幼稚園生活を送っているようで嬉しい、頼もしい限りです。

 

すっかりお馴染みになった「献立」です。ヒデさんパパが書いた余白にアラタくんがサインをいれました。すっかり割烹「新」です。”いい書体だねえ!”と感心して喜んでいます。

冒頭の国立『新』美術館のロゴですが、うちの家族では”これは国立『あらた』美術館である”と受けとめるようになっています(今回のブログは只々これを言いたかった)。爺バカの極みです。

 

 

鯱城学園の授業はコロナに影響を受けることなく続けられています。有難いことです。陶芸クラブは今日4回目の授業がありました。土練り、ひも作りの練習を続けています。いよいよ来週6月7日の授業ではひも作りの「壺」に挑戦します。どうなりますやら。

園芸科では山菊の「盆栽」と名古屋朝顔---名古屋式盆養切込みづくり大輪朝顔---に挑戦中です。いずれもチャンと出来れば展示会に出品することになるとか。僕の場合は枯らさずに花が咲くまでに育てることが出来るかどうかが最大の問題です。

いずれも(園芸も陶芸も)授業が終わった後は、仲間と喫茶店に入って楽しく歓談することがルーテインになっています。まだまだ制約が多い生活のなかでこの学園の機会は大変に有難いものだと感謝しています。

 

最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。引き続きくれぐれもご自愛下さいます様に。