クルルのおじさん 料理を楽しむ

鯱城学園一学期、終了

7月8日、金曜日。鯱城学園での一学期最後の共通講座、専門講座。事務局の方が冒頭の挨拶で「今日で(学園での)一学期の日程が終了する。二年間の休校のあとの再開でどうなることかと心配したがナントか無事に終了することが出来た」と感慨深げに話されていたのが大変に印象的でした。一学期、学園での共通・専門講座は全部で9回行われましたが僕は8回出席することが出来ました。”真面目”な生徒ぶりです。

 

この日の共通講座のお題は「熱中症予防について」。面白かったので久しぶりに講座を紹介します(また、時節柄少しでも参考にして頂けるかと)。先生は朝山正己さん。人間環境大学教授、志學館大学名誉教授。御年77歳。スクリーン資料が映し出されましたが、資料の一枚目に題と自分の役職を記載しておきながら ”肝心の自分の名前を記入するのを忘れた” と冒頭に謝られていました。最近、よくこの手のチョンボをするそうです(身に沁みます)。

 

現在の熱中症の分類は、三段階に分けられているそうです。

Ⅰ度(軽度)=熱痙攣(けいれん)、熱失神。Ⅱ度(中等度)=熱疲労。Ⅲ度(重度)=日射病、熱射病。Ⅲ度になると救急対応が必要になる。

暑さの指標としては環境(乾球)温度(℃)で、夏日>25℃、真夏日>30℃、猛暑日>35℃ですが熱中症警戒アラートはWBGT=暑さ指数(総合温熱指数)>33℃で発動されると。WBGTというのは温度だけでなく湿度、輻射熱を加味して設定されているもの。暑さの実感温度ともいえるそうです。朝山先生は1991年から2001年にかけて行われた「熱中症事故防止に関する研究」に従事した6名のなかのお一人。この研究結果が現在に至る熱中症対策の基として活用されている由。えらいえらーい先生(のよう)ですが、全く気さくなユーモアとウイットに溢れた楽しい講義でした。

 

体温調節についての説明があり、熱中症を防ぐためには体調管理が最重要であることを強調されていました。特に高齢者!は。

 

人体の器官の中で消化器官等々については理解しているが多くいるのに、体温の調整器官は何か?というと余り分かっていない人が多いそうです。はい、その通り、僕もすぐにはピンと来ませんでした。図にある汗腺、毛細血管、骨格・立毛筋が体温の調整器官として重要なものだそうです。そしてそれらを機能させる自律神経、視床下部の働きが大変に重要である、すなわち「体調管理が最重要であること」を教えて頂きました。

 

高齢者がお風呂に入る時、冬の寒い時には「寒い部屋と暖かい風呂場との急な出入りは危険、脱衣場の温度を温めてから衣服を脱ぐように」と注意されますが、冬以外でも注意が必要だそうです。

高齢者「風呂で熱中症(?)」のお題で説明がありました。

室温と皮膚温=20℃ー32℃=-12℃。水温と皮膚温=42℃ー32℃=10℃。熱伝導率は水は空気の約23倍あるそうで急に熱い風呂に入ると急激な温度変化を受けてヒートショックを起こしてしまう。脱衣場・風呂場の室温云々よりも、お風呂に浸かる前にゆっくりとお湯を体にかけて体を慣らしてから湯に浸かることが肝要、とのことでした。「熱伝導率」で説明がされると説得力が上がります。

 

その他一般的な注意事項も記載しておきます。

●室温管理にはエアコン(温度は28℃に)と扇風機との併用=気流による熱拡散!を。

●水分補給について。日常生活(少量発汗時)ではこまめに水分補給、多量な発汗時(特に体重の2%を超える時)には積極的に水分と塩分の補給(水・お茶とスポーツドリンクの併用)を。

●加齢と体温調節機能の説明のなかでは「高齢者特有の精神構造=頑張りズム、もったいない」に重々に注意するようにとのことでした。

 

講演の最後に本の紹介がありました。和田秀樹さん著「70歳が老化の分かれ道」思想社。特にご面識がある訳ではなさそうで、和田さんは1960年生まれのなので「何を若造が言っているのか」と思いながらも読んだそうですが、和田さんが高齢者医療専門の仕事をされていることを踏まえ高く評価され一読を薦めていました。帰ってからいつもの千種図書館で貸し出し手続きしましたがかなり長い順番待ちの状態です(和田先生がたくさんの本を著作されているのに驚きました)。

 

共通講座終了後、教室に戻り持参したお弁当を食べました。本年度、修学旅行は中止が決定されていますが、文化祭、体育祭はやる予定になっています。文化祭の部屋割り、各班ごとの役割等々について班長さん、各委員の方が相談していました。その頃に「安倍元首相が銃撃された、心肺停止の状態で病院に」のニュースがネットで流れて来ました。俄かには信じられませんでした。ショックでした。

 

専門講座が終わってから四班の仲間といつもの喫茶店に。休み中の農園での作業・水遣り当番をどうするか、文化祭の準備の打ち合わせ、そして一学期終了の打ち上げ会の打ち合わせ。仲間内での会話はボケたり突っ込んだりで話が弾みます。暑気払いを兼ねての一学期終了打ち上げ会は前週の打ち合わせの時に時期(8月5日にやろう)と担当(僕がお店探し)を決めていたのですが、コロナの再拡大が顕著になってきましたので「お店を予約しておくが当日近くになってヤバそうだと感じる時には中止・延期する」ことで意見が一致しました。みんなワクチン接種をしてはいますが、やはり7人(四班は7人で全員参加予定です)で会食ということになると心配になります。注意して対応したいと思います。

隠れ家に帰ってからお店の予約をして四班の仲間にラインで連絡をいれました。テレビでは安倍元首相が亡くなったことを報じていました。”こんな時に自分は能天気なことをしているなあ”と思いましたが、銃撃!日本でこんなことが起こるなんて信じられない!と思いながらも不思議なほど現実感がありませんでした。怖いですね。ただただ心よりお悔やみを申し上げたいと思います。

 

 

話が変わりますが、鯱城学園で僕たちは34期生です。二年間、休講が続きましたから今の一年生は37期生になります。その37期生の後輩からブログにコメントをもらいました。「木曽三川今昔」で検索して僕のブログを見つけてくれたらしい。嬉しく思いました。下に埋め込みしておきます。一年生のこの頃はコロナの制限もなく学園生活を楽しんでいたことを懐かしく思い出しました。

 

kururupapa.hatenadiary.jp

 

 

NHK俳句です。引き続き、僕の備忘録として書いています。お付き合い頂ければ嬉しいです。7月第一週、司会は武井壮さん、選者は高柳克弘さん。ゲストにはAKB48武藤十夢(とむ)さん。武藤さんは気象予報士防災士ファイナンシャルプランナーの資格を取得している!お嬢さん。気象予報士は合格率5%の超難関の資格とのことで7回不合格のあと8回目でやっと合格した由。大変な頑張り屋さんのようです。今週の兼題が「雷」だったので気象予報士としての武藤さんの出番となったのでしょう。

 

今週の特選三句です。

一席   遠雷や母の腕を拠   (腕=かいな、拠=よりどころ)

二席   雷神を躱し紀国一回り   (躱し=かわし、紀国=きのくに)

三席   その時の雷語る身振りかな

 

俳句では「雷」は実際の気象現象としての雷を以て季語とする、との説明がありました。カミナリ親父の「雷」、晴天の霹靂の「雷」等々、比喩・譬えに使われるのは季語とは見做さないと。形式的な季語に批判的であった「やつあたり俳句入門」のことを思いだしていたら、西東三鬼の句が紹介されていました。

 

     昇降機しづかに雷の夜を昇る   西東三鬼

 

前回のブログで「昭和15年に新興俳句弾圧事件が起こり、三鬼が治安維持法違反で特高に検挙された。それ以降、執筆停止処分、敗戦まで作品発表の道を閉ざされた(やつあたり俳句入門)」と紹介したばかりだったので大変に興味深く鑑賞しました。こういう巡り合わせって好きですねえ。

NHK俳句のテキストを見ると「作者(三鬼)は『新大阪ホテルで雷雨の夜作った、気象の異変と機械の静寂との関係を詠いたかった』と自解しているのに対し、特高は『雷の夜すなわち国情不安な時、昇降機すなわち共産主義者思想が高揚する』と解釈して逮捕する理由にした(三鬼「俳愚伝」)」と記載されていました。大変な時代であったことを改めて感じます。

 

巡り合わせのおまけですが、NHK俳句・名句カレンダーの9-10月の写真はみごとな曼殊沙華の景色です。その写真に渡邉白泉の句が添えられていました。

 

   まんじゅしゃげ昔おいらん泣きました   渡邉白泉

 

三鬼、白泉の句、面白いですね。この二人に師事したのが三橋敏雄(そして、三橋は「やつあたり俳句入門」の著者の中村裕さんの先生)とのことですから、そのうち三橋敏雄の句集を探して読んでみようかと思い始めています。

 

第二週です。司会は同じく武井壮さん、選者は井上弘美さん。ゲストはお笑い芸人「金の国」の桃沢健輔さん。桃沢さんは俳句大好きで学生の時に井上先生の授業を受けたことが切っ掛けでずっと俳句を続けているとのこと。

 

今週の兼題は「夜店」。今週もクイズから始まりました。イラストで夜店の人気商品が映されています。「りんごあめ」「かき氷」「ニッキ水」「ケバブ」「ヨーヨー」「甘酒」。この中で夏の季語はどれでしょうか?正解はまた末尾に記載しておきます。

 

桃沢さんの句を井上先生が添削しました。

原句   透明の雨よけくすむ夜店かな   桃沢健輔

添削   透明な雨よけの中夜店の灯   井上弘美・添削

良い添削だと生徒・桃沢さんが感心していました。

 

今週の特選三句です。

一席   夜店立つ赤き鶏冠の飴細工   (鶏冠=とさか)

二席   銃身の歪む夜店の射的かな

三席   裸灯へひよこ片寄る夜店かな   

「銃身の」句を読んだ時、”安倍さんを撃った犯人の銃の銃身が歪んでいたら----”と頭を過ぎりました。

 

日経・俳壇、7月2日、黒田杏子選です。

   戦争の悲劇に麻痺す六月

1960年6月15日、樺美智子忌。杏子さん評「歴史的事実が詠み継がれることは意味がある」と。ウクライナにも通じそうです。

 

 

おまけのお弁当と料理の写真です。

  

一学期最後のお弁当。左、のり弁にじゃこ・ピーマン/しし唐炒め煮のっけ。右、卵焼きと魚のフライ(店屋物です)、ズッキーニのチーズ焼き、ゴーヤとナス炒め、ナスのツナ炒め。上は枝豆とそら豆(これも店屋物)。次女が「もりだくさんの健康弁当」と褒めてくれました。2022年7月8日、料理と写真。

 

最近の一品です。左、イワシのオイル煮。ベランダで育ったローズマリーを加えて。中、ゴーヤチャンプルー。このお皿のピアノの模様が気に入ってます。陶芸クラブでこのイメージのお皿をトライしたい。右、長イモのナンプラー炒め。これ簡単で旨いです。2022年7月、料理と撮影。

 

クイズの正解です。

夏の季語は「かき氷」「ニッキ水」「甘酒」です。僕の持っている歳時記に「ニッキ水」はありませんでした。「肉桂水」でも掲載無し。「甘酒」はかつては暑気払いに温めて飲んでいたからのようです。なかなかピンとこないです。

ちなみに「金魚」も夏の季語です。入選句のなかに、

   すくうたび少年になる夜店かな

というのがありましたが、「金魚」は季重なりになることも勘案して作句されているとの評でした。時代の移り変わりで季語も変化するのでしょうが、この辺りの話になると「やつあたり俳句入門」の主張に一票を入れたくなります。

 

今日は参議院選挙の投票日です。名古屋は朝から雨模様です。投票率に影響しなければ良いですが。僕は期日前投票を済ませました。今回も出口でNHKの調査を受けました。今晩は夜の8時位から各局ともに開票報道ですが、こういう調査が充実してきているからか結果判定が益々早くなっているように思います。

朝夕の気温の上下幅が大きいですね。体調管理に十分に注意したいと思います。コロナも感染の再拡大が顕著になって「第七波」懸念と報じられています。皆さま、引き続きくれぐれもご自愛下さいます様に。