クルルのおじさん 料理を楽しむ

『送り火』

三年ぶりの全面点火です。京都「五山送り火」。「大」の字がくっきりと!。すっかり恒例になりましたドラゴン先生の京都岡崎マンションでの「送り火」。2022年8月16日、ドラゴン先生が撮影。

 

夕方5時半過ぎにドラゴン先生のマンションに到着。まだ雨は降っていませんでしたが曇り空。夕方から夜にかけてはかなり激しい降雨が予報されていました。どんよりとしたお天気で移動するには助かりました。名古屋駅の百貨店で「名古屋メシ」のツマミを仕込んで持参しました。マンションではすでにドラゴン先生が受け入れ準備を完了させており到着するや否やビールで乾杯(註;手洗い、うがいをすることは忘れませんでした)。テーブルの上にはお手製のニンジンのタラコ炒め、茹だだちゃ豆が山盛り。さらにゴーヤチャンプルーの下拵えもされていました。こちらは追って長女ご夫妻が到着してから料理すると。ビールを飲みながら持参した名古屋ツマミを皿に盛り付け。世界の山ちゃんの幻の手羽先、矢場とんの串カツ、牛スジのどて煮等々(これ全部分かる方は名古屋通です)。ビールが進まないはずは無い。娘さんご夫妻も到着して更に盛り上がり、ドラゴン先生はゴーヤチャンプルーの調理に入りました。この辺りから心配された通り雨が酷くなってきました。ベランダの戸を開けるとザアーザアーと雨音が響くほど。さらに雷鳴りも。僕は既に心地よく酔っていましたが、さすがにこの雷雨は予想以上かと、果たして点火が出来るモノか心配になってきました。

 

お見事なゴーヤチャンプルーが出来上がって改めて乾杯。8時になりましたが、まだ、大文字を観ることが出来ません。テレビも付けてみましたがやはり遅れが生じている様子でした。待つこと10数分。雨も小降りになったようです。ようやく「大文字」が浮かび上がりました。

 

テレビの中継も混乱している様子。通常は8:00に「大文字」が点火、続いて5分ごとに「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居型」となるのですが、雨が激しかった「大文字」「妙法」は点火時刻を遅らせ、8:10過ぎに「大文字」と「船形」が点火して、少しづつ定刻よりも遅れて「妙法」「左大文字」「鳥居形」が点火したようです。雷雨に見舞われましたが、とにかく「五山」全ての「送り火」が全面点火出来て何よりだったと思います。

雨で混乱した今年の「送り火」でしたが、いつも以上にイロイロと話も盛り上がりました。ドラゴン先生が奥様を亡くされた時の模様を話してくれました。皆でシンミリとしながらも「送る」気持ちは一つになった様にも。最近の長女ご夫妻のコロナとの闘いの話でも大盛り上がり。「そう言えば以前にも雨で送り火が見れなかった年があった」「そもそもいつ(何年前)からこういう形で送り火を観ているのかしら」。すっかり酔ってしまって思い出すことが出来ませんでした(酔っているからではなく記憶力が落ちているからでしょうが)。

 

kururupapa.hatenadiary.jp

いま記載しながら昔の記事を遡ってみると2017年の送り火が第二回目でした。その前年の2016年が雨のため途中で打ち切られた年でありました。僕のブログは2016年9月から始めましたから、ドラゴン岡崎マンションでの「送り火」とほぼ軌を一つにしていることを発見しました(それにしても毎回、同じ反省を繰り返していることに呆れます)。

 

翌日のお昼は京大病院横のカレー専門店「ビィヤント」に。ドラゴン先生に合わせて「カツカレー、辛口、ご飯(サフランライス)少な目。サラダをつけて」を注文。昨日は調子に乗って飲み過ぎてしまい今朝は反省、反省の連続。ゆっくりと起きて反省会をしてコーヒーを頂いてから15分ほど散策してこのお店に来ました。また雨が降っており開店早々であったので行列は出来ていませんでした。早めの昼食。注文を済ませた後で、昨晩の食事、料理の写真を一枚も撮っていなかったことに気がつきました。せめてゴーヤチャンプルーだけでも撮っておきたかった。少し酔っていたとはいえ薄味めでしっかりと調理されていて大変に美味しく頂きました。お世辞抜きで旨かった。

「ドラゴン先生の料理の写真を取り忘れたからこの店のカレーの写真を撮っておきます」と話していたのですが、いざお皿が出て来たら、すでに写真を撮ることを忘れていました。横から厳しいツッコミが入り慌てて携帯を取り出しました。一口食べてしまったところを分からないようにして撮影(したつもり)。

 

このお店はドラゴン先生が学生の時からずっと通っているお店。今は二代目のご夫婦がやっていますが、この日は珍しく先代の女将さん(二人のお母さん)が店を手伝っていました。仕事の邪魔にならないようにドラゴン先生が昔話をして花を咲かしていました。94歳になるそうですが顔立ち・姿勢、そして話し方もシャキッとされている魅力的な大女将さんです。

 

 

8月18日、水曜日。池袋の大おばあちゃんを囲んで昼食会の機会を設けることが出来ました。僕のカミさんの母上、99歳になります。さすがにもうお店のお手伝いはしていませんが、まだまだお元気。つい先日、熱を出したということでみんなが大変に心配したのですが、すぐに元気を取り戻しました。この日は、僕の長男一家が夏休みを利用して東京に出て来ていましたので、久しぶりにみんなで集まって食事をしようということになったもの。予定を決めたのは第七波でコロナの感染者が急拡大する前の時点でしたので、食事会を実施するかどうかを再度、慎重に協議しました。”大おばあちゃんが僕の長男に会いたがっている”、”長男の子どもたち(彼女の曽孫たち)に会いたがっている”ということが最大の決め手になり実行することにしました。当初は、大おじいちゃんのお墓参りをしてから昼食会を考えていましたが、あいにくと朝から大雨。予定を修正して食事会をしてから、その後に、お天気の様子を見てお墓参りをすることに変更しました。

 

食事の場所はいつも利用しているホテルの中華料理店。お店のほうもイロイロと配慮してくれ風通しの良いオープンスペースで他のお客さんが入らないようにほぼ貸し切り状態の席を設定してくれました。

遡ること10日前、小雪チャン(長男の長女)にとってこの夏休みは初めての一人お泊りをする機会になりました。いつも一緒に生活しているおばあちゃん(長男の嫁さんのお母様)の帰省に合わせて宮城県石巻市雄勝のおばあちゃん宅に一緒に遊びに行くことに。長男の嫁さんの兄弟の子どもたち(=小雪ちゃんのいとこたち、年長さんのお姉ちゃん達です)が一緒におばあちゃん宅にお泊りに来てくれるということで、いとこのお姉ちゃん達と一緒に遊ぶことを楽しみにしておばあちゃんと一緒に帰省したそうです。

普段一緒に生活して面倒をみてくれているおばあちゃんと一緒とは言え、両親は何かと心配していたようですが、小雪チャンは絶好調。いとこのお姉ちゃんとの交流を楽しんでいたそうです。とは言え帰る前日辺りには、パパ、ママに会いたいようと泣きべそをかいていた由。おばあちゃんから内緒に教えてもらいました。この食事会の時も待ち合わせ場所で合流した時にはベッタリとパパに抱き着いたまま。宴もたけなわになった辺りで漸くパパ、ママから離れて、大おばあちゃんとも会話が弾み、周りのみんなにも雄勝での自慢話をしていました。小雪チャンも大変に有意義な経験をした夏休みだったようです。

 

昼食後、幸いに雨も上がり近くにある大おじいちゃんのお墓参りに。逆に日差しが強くなっってきたのでお墓の掃除は簡単に切り上げさせてもらって、一人ひとり大おじいちゃんに手を合わせました。”そう言えば大阪のおばあちゃんのお墓参り、しばらく行っていないなあ” と反省です。

 

 

旅行等で移動する機会が増えるときには楽しく読書出来る本を持参出来ているかどうかが重要だと痛感しています。今回は(その意味では)大変に充実した時間を過ごすことが出来ました。ちょうど芥川賞発表の文藝春秋が発売された時でしたし、たまたま面白い本を見つけることが出来ておりました。その名も「暇と退屈の倫理学」。國分功一朗さん著。初版は2011年10月、増補版が出版されたあと文庫版に。新潮文庫2022年1月発行、5月第9刷。初版の発行時、大きく話題にされていた記憶がありましたが、すっかりと忘れておりました。(自分にとって)面白い本を(偶然、たまたま)見つけられる本屋さんというものがある、と最近、思うようになっているのですが、この本は「自省録」を買った本屋さんで見つけました。タイトルを見た時に”微かに記憶があるなあ”と思ったので、パラパラと頁を捲って「文庫版あとがき」のところを見たら「初版が発売されたのは2011年10月---震災から約半年が過ぎた時期であった」と記載されていて微かな記憶が一寸だけ蘇ったような気持になりました。

文庫版で500頁を超えるモノですが、一気に読み終えることが出来ました。予想した以上に面白い本でした。パスカルからハイデッカーまで先達が書き残している人間の生き方、生き様についての考察を基にして、「暇」「退屈」という人間の満足、幸福について「哲学」している本。最近、僕は縄文時代について興味を持っていますが、この本の中でも「定住と食料生産」の件が出て来ているのも関心を深くした理由の一つかも知れません。著者の國分さんは1974年生れの学者さん。僕たちから見ると子供世代の方ですが興味深い考察をされています。

前回のブログで中井久夫さんご逝去のことを記載しましたが、長男が「精神科医」の立場から関心を持っていました。「精神科医」の世界ではそれほどに大きな存在感のあった方だと思うのですが、「倫理」「哲学」の分野と結びついているのが中井さんの大きな魅力であろうと推察します(僕は神谷美恵子さん繋がり以外の中井さんの著作を読んだことはありません)。長男にはこの「暇と退屈の倫理学」を推奨図書として紹介しておきました。

 

題67回の芥川賞は「おいしいごはんが食べられます様に」。著者は高瀬隼子さん、1988年生まれの方。ちゃんと最後まで読み通すことが出来ました。「職場」「食べ物」をベースにして人間の心模様をうまく表現されているように思いましたが、相変わらず最近の小説を読み終えるには努力が必要だわいと感じています。

 

おまけの料理です。

神奈川の自宅で久しぶりに料理しました。ナスとひき肉炒め焼きそば。隠れ家で農園で収穫したナスの料理をイロイロとやっていたのですが、レシピも尽きて最後にエイヤアーでやってみたモノ。見た目は美味しそうに見えないと思いますが簡単、手早く出来て旨かった。ナスとひき肉は合いそうです。カミさんからは「油っぽいけど美味しいよ」とコメントがありました。2022年8月19日、料理と撮影。

 

8月20日(土)はアラタくんに会いに長女宅にお邪魔をする予定です。21日(日)は久しぶりにタカトくんとサクトくんに会いに次女宅に。孫たちの成長は観ていて楽しい。99歳の大おばあちゃんも元気だし、年長さんと年少さんの両方から楽しい刺激を与えて貰って嬉しい限りです。

 

 

今朝の新聞では8月19日付けのコロナ新規感染は過去最多を更新しています。ワクチンと感染を両方経験したことによる免疫を「ハイブリッド免疫」と呼ぶそうです。海外に比べて日本では今まで感染者が少なかった分、この「ハイブリッド免疫」を持っている割合が少ない。それが第七波の急拡大の背景にあるとか(日経、8月20日)。一見、ハイブリッド免疫の必要性を訴えているのかと誤解しましたが、記事の主旨はワクチンの追加接種には大きな意義がある、追加接種を進めていこう!ということでした。引き続き、『凌ぎ』きっていきたいものです。皆さまもくれぐれもご自愛下さいませ。