クルルのおじさん 料理を楽しむ

陶芸タタラ作り奮闘記

名古屋市千種区にある「為三郎記念館」の入口辺りです。新聞屋さんがチケットをくれたので古川美術館での「木村光宏とその仲間たち」展を見てきました。為三郎記念館はそのすぐ近くにあります。古川為三郎さんの記念館です。2022年9月25日、撮影。

 

 

「『暑さ寒さも彼岸まで』とは言うが、秋の彼岸を過ぎてもいっこうに暑さが収まらない」云々と愚痴を言っておりましたが、朝夕はすっかりと涼しくなりました。就寝時にクーラーは不要になりました。掛け布団が欲しいなあと思う時も。

 

 

鯱城学園、陶芸クラブでは11月の文化祭での展示を目指して作陶活動が活発になってきました。二学期の陶芸クラブは9月20日から再開されています。二学期からは「自由作陶」。自分の好きなものを作陶します。二学期の前半は、11月10-12日の文化祭展示の作品作りです。三回の自由作陶、その作品の施釉に一回。合計4回の作業で作品を仕上げます。作品の数に制限はありません。自由に好きなようにやって頂戴!、ということでしょうか。一学期の終わりにこの説明を受けた時、気が多い僕は”作れるだけの作品を作ってみようではないか!”と意気込んだのですが、冷静に考えてみると素人の力量ではそんなにたくさんの作品を作れるものではありません。

 

「自由作陶は、手作り制作&/orロクロ制作の自由選択」になっています。二年生の方々は半分以上がロクロ制作を選択しているようです。一年生はほとんどが手作り制作を選択。僕は二年生ですが、クラブ移動したので実質的には一年生と同じ立場です。ロクロなんて触ったことはありませんから、当然、手作り制作を選びました。逆に一年生のなかにも経験者(熟練上級者)もいらっしゃって、こちらはロクロ制作を選んでいるようです。

一学期にやったタタラ作りが面白かったのでタタラ作りで自由作陶に挑戦することにしました。三日間で三つの作品を作ろうと。作品の一つ目は大きめの平皿。これはピアノの先生のお宅に飾ってあるお皿をイメージしながら考えました。あとの二つはビアーグラス(の様なもの)。一学期に作った筒花生は円柱形ですが、これはやや面白みに欠けると思い、例えば、ワインボトルの胴体部の様な滑らかな形(ビア樽のように中心部が膨らんでいるような形)のグラスが出来れば面白いなあと。隠れ家にはワインボトルの空き瓶は捨てるほどありますので、その中からどっしりとしたものを選んでイメージしてみました。

”よしよし、このボトルにタタラを巻き付ければビア樽型の成型が取れそうだ”。一人自らの構想力に酔っていたのですが、一寸考えるとビア樽型にタタラを巻き付けるとそのボトルを取り外すことが出来ないことに気がつきました。思わず自分のアホさ加減に苦笑い。”これはシャレにならない。ボケがはじまったんとちやうか”。

くじけずにアイデアを練りました。”ビア樽型は無理がありそうだから、それではプリン型立体でやればどうだろうか”(なだらかな円錐台の形です。円錐を底面と平行な面が切り取った形。ワインボトルの下半分の形ですね)。これを二つ作り、一つはそのままに上が広がっている形、もう一つはそれをひっくり返して上が狭くなっている形。同じプリン型立体で上下を入れ替えたモノを二つ作る。「これはオモシロイ!」、と瞬間的には思ったのですが、(もう一つの形は)タタラを巻き付けた後に底の台を貼り付けることに無理があることに気づきました。

 

何れも思い付きだけのアイデア倒れ。タタラ作りの実際の手順・段取りをまだ体で覚えていないための浅はかな間違いだと素直に反省しました。再度、気を取り直して、逆プリン型立体(ワインボトルの下半分形)のグラスを二個作ることを考えました。同じモノ二つは面白くないですからワインボトルを二種類準備しました。ズングリ形とスマート形。

自分で紙をボトルに巻き付けて型紙を作り、それなりのデザインと絵付けのイメージを考えて先生の処に相談に行きました。「(タタラで作るのに)無理な造形では無い」ことを確認してもらい、作業手順をアドバイス頂きました。僕は単純に一日に一作品、三日で三作品を作ろうと思っていたのですが、タタラは一回で複数枚とる方が効率的であるから一日目にお皿、二日目にタタラを二枚とってグラス二個の成形、三日目に台付け・取っ手付け等々の作業をやる方が良かろうと。

 

9月20日(火)、自由作陶一日目。ピアノ模様のお皿。タタラ作りというのはまず粘土を取りたいサイズ(大きさ)に延ばしてから両側にタタラ板を置いて”しっぴき”(=ワイヤーの切り糸)で粘土をスライスします。このスライスを机の上に敷いた”カヤ”に載せよく締めてから、型紙のサイズに竹べらでカット。これからお皿の場合は周辺を持ち上げて縁を作ります(グラスの場合は、これをボトルに巻き付けて形をとります)。この日の作業は余裕で終えることが出来ました。準備しただけの成果が出せたとほぼ満足の作業でした。

 

9月27日(火)、自由作陶二日目。ビアグラス、二個の成形に挑戦です。ムチャクチャ、大変でした。最初から大変、気持ちの上ではずっとパニック状態!。

型紙サイズに粘土を上手く伸ばせない。大きなサイズを二枚スライスするというのが大変に難しい作業であることを痛感しました。一回は完全に失敗。二回やり直して”しっぴき”でなんとか二枚をスライスすることが出来ました。

更に、スライスしたものをカヤで締めてからボトルに巻き付けようとしたのですがナント横幅が不足していました。のりしろの部分が足りません。”型紙は十分に余裕を持たせてあったはずなのに何でや?!”。

原因は分からずオタオタしていましたが、通り掛った先生のアドバイスで粘土を継ぎ足し、とにかく逆プリン型立体の上部を作りました。

次いで底を貼り付ける作業。手ロクロ台の上に粘土を丸めて広げ、ボトルの底に合わせて大きさをカット、ドべという接着材を付けて上部と繋ぎます。それほど難しくは無い作業。二つ目の作業をしている時に、また、通り掛った先生から「底の粘土の表面をしっぴきで平らにしていないでしょ!」と注意あり。・・・”あらぁー、完全に忘れてたわ!”と思うものの時すでに遅し。すでに合体させた後でした。先生からはやり直しも可能とのアドバイスがあったものの「このママでも機能的には(多分)大丈夫、出来上がりの美しさの問題」との優しい言葉に甘えてそのままにしてしまいました。その後ボトルを取り外した後の段階で、先生は底面を滑らかにする方法・作業を指導してくれました。感謝、感謝です。

 

自分で考えていた作業工程から大幅な遅れ、残り時間も気がかりになってきました。この日に予定していた装飾・模様付けも出来ず線刻も大幅に割愛。次回の三回目に修正作業をやることにしてこの日は終了しました。もうヘトヘトの状態。後片付けと掃除時間になって漸く少しは元気を回復。仲間の作品を見て回りました。

ロクロのグループでは、小さな作品を手際よく数個作っている方、大きな大作をじっくりと作った方。ロクロの威力はやはり凄いなあ、ロクロ組(経験者)は凄いなあ、と感心するばかりです。手作りのグループでは、手作りならではの面白い造形を仕上げている方が。”そうか、手作りの良さを出すのにはロクロでは出せない造形を構想すると面白いんヤ!”。いやあ、やはり経験者、熟練者の作陶は凄いなあと驚きました。

 

次回、10月11日(火)が自由作陶三回目=最終回となります。今日の作業の遅れを取り戻すことが出来るものやら、作業の修正は出来るモノやら、不安なことだらけです。次回は時間的には余裕があるはずなので、今日の作品の仕上げ作業をしてから、手作りの玉作りでぐい吞みを作ってみたいと思っています。

陶芸はオモシロイですね。先生の名言のその一、「陶芸は構想の時が一番、楽しい・面白い」。チョットだけ分かるような気がします。名言のその二、「釉薬はオモシロイ。どんなものに出来上がるか分からない」。よく言われていることだと思いますが、こちらはまだ全く実感はありません。はやく自分で施釉して実感したいモノです。

 

 

NHK俳句です。相変わらず僕の備忘録として書いています。お付き合い頂ければ嬉しいです。9月第四週。司会は武井壮さん、選者は堀本祐樹さん。ゲストは探検家・作家の角幡唯介さん。角幡さんは1976年のお生まれでチベットの奥地とか北極とかを探検されている方。2016年末から2017年初めにかけて極夜の北極(一日中太陽が出てこない北極)に長期テント暮らし。プリザードが続き漸く77日か78日目に初めて見た太陽の写真が映されていました。感動モノの写真でした。今週のテーマは「旅」なので、冒険の旅ということで角幡さん登場となった由です。読者からのエピソード俳句です。

早くに亡くなられた奥様を詠んだ句、よくご一緒に旅行されていたそうです。

原句   昔日の残り香訪ね旅支度

哀悼の気持ちを具体的に出す方が良い、と堀本先生の添削です。

添削   亡き妻の残り香求めて秋の旅   (求めて=とめて)

原句には季語が無かったので「秋の旅」としたと。

 

今週の入選句で面白いと思った句です。

   全身で手を振る女将秋の山

今週の特選句です。

   法隆寺相輪に秋立ちにけり

「秋立ちにけり、すなわち立秋のこと」と解説がありました。

 

「旅」の句として石田波郷の句が冒頭に紹介されていました。

   人はみな旅せむ心鳥渡る   石田波郷

 

テキストに解説がありましたが、波郷はこの句を闘病生活のなかで詠んだ由。愚痴っぽくせずに「ひとはみんな旅をしたいという心を持っているものだ」と普遍的な真理の言葉に置き換えている、という鑑賞でした。イイですね。

 

 

明日から10月です。明日は神奈川に帰って、ヒデさん・長女宅に、アラタくんと遊びに行きます。10月は値上げの10月になりそうです。TVのニュースで年金生活者の方が「こたえますヨ」と悲鳴を上げていました。

夜の9時のNHKニュース、プーチンウクライナ四州の一方的な併合を宣言していました。演説の中身はまったく意味が無いモノでした。不謹慎ですが”ゴルゴ13が出てこないかなあ”と期待しておりましたが叶いませんでした。プーチンのニュース時間が長かったので大谷選手の15勝目はちょっと端折られたようで残念でした。

 

 

コルチカム(イヌサフラン)、咲きそう!です。仲間の師匠からもらいました。明日から不在になるので心配でしたが、漸く咲きそうに。明日の朝、満開に咲いてるといいなあ。2022年9月30日、撮影。

 

  

左;9月26日、随分と背が伸びました。中;9月14日、芽が出てきました。右;8月31日、頂いた時。「水は不要」とのこと。ホントに発芽してくれるのかしら、と半信半疑でした。