クルルのおじさん 料理を楽しむ

「鑑賞」の秋

名古屋市博物館の「兵馬俑と古代中国  秦漢  文明の遺産」展を見学に行きました。「兵馬俑(=へいばよう)が語る古代中国1000年の歴史」とサブタイトルが付いていました。「秦の始皇帝は群雄割拠の春秋戦国時代終結させ紀元前221年に史上初めて中国大陸に統一王朝を打ち立てました。秦はわずか十数年で滅亡しましたが、始皇帝の墓に眠る兵馬俑はその絶大な国力を現代に伝えています」。パンフレットの説明から抜粋です。2022年10月12日、撮影。有難いことに展示の殆んどは写真撮影が許されていました(フラッシュはダメです)。

 

 

名古屋市博物館に行ったのは初めてでした。行ってみたいなあ、とは思いながらもなかなかに出かけていく機会をつくれない。よくあることです。こういう時に有難いのが仲間の呼びかけ。件の「あほ桐会」の集まりです。大阪の高校の同級生で名古屋近隣で生活している四人組の集まりです。雨にも負けずコロナにもめげず、ほぼ定期的に社会科見学、郊外学習をやって懇親を図っています。簡単にラインで一度に全員と連絡を取り合うことが出来るというのが大変に有難いことかと。今回は博物館、美術館を見学することになりました。

 

    

ホンモノ・現物が展示されています。等身大ということですが、180㎝くらいはありそうな背の高さ、大きさ。一体ごとに表情も違えばポーズも違う。隊を率いる将軍俑は日本初公開とのことでこの像の高さは196㎝とか。圧倒されます。仲間の一人は若い時にわざわざ西安市まで足を運び実際に現物を見たそうです。想像以上の大迫力であった由。そりゃあそうでしょう、数体展示されているだけでこれだけの迫力がある。「インデイ―ジョーンズだかハムナプトラの映画で主人公が兵馬俑を破壊しまくったから現地にはもはや遺物は残ってないんとちゃうかあ」なんてバカ話をしながらも迫力に圧倒されていました。

 

漫画、映画で人気のあの「キングダム」の世界です。春秋戦国時代末期から始皇帝の中国統一を描いたモノ。その後は漢の時代に続きます。以下、パンフレットの続きです。「紀元前202年、劉邦が中国の再統一を果たし、漢王朝は秦の国家制度を引き継ぎ黄金時代を築きました」。

僕はいまチョット理由があって縄文時代を勉強していますが、縄文時代は一般的に今から約15000年前から約2400年前の時代と言われています。紀元前で言えばおよそBC13000年からBC400年となります。その中で縄文「晩期」と呼ばれるのがおよそBC1000年からBC400年。

中国で周王朝の成立がBC1050年、そして混乱に向かう春秋時代の始まりがBC770年、戦国時代の始まりがBC403年。そしてキングダム、秦の始皇帝の中国統一がBC221年です(中国の方は年代が正確に把握されています)から、縄文晩期というのは中国では周王朝が成立して春秋時代に至る時代ということになります。そして、中国で戦国時代が始まったころに日本は弥生時代を迎えるということになります。縄文晩期に稲作が伝来したということですが、この時期に中国・半島からの渡来人が急激に増加したのは中国での春秋時代の混乱が大きく影響を与えていると言われています。稲作と同時に武器(戦闘の道具)も持ち込んだということですから複雑な気持ちがしてきますねえ。縄文から弥生にかけて移行する時代の変わり目、縄文人と渡来人との間には際立った武力衝突はなかった、大きな戦闘の記録(遺跡、遺物)は残っていないとのことです。

 

 

兵馬俑の展示のあと常設の展示室にも足を運びました。

郷土の歴史・史跡の部屋には縄文から弥生時代の遺跡・遺物の展示がたくさんありました。ビックリ、全く知りませんでした。仲間の話では愛知県一円にかけ、名古屋、豊田、瀬戸等の各市では遺跡・遺物が多数発掘されていると。「おまえ、そんなこともしらんかったん??」、トゲのある眼差しを感じながらも大変に勉強になりました。灯台下暗しですね(恥ずかし!)。

 

  

左;ナント縄文人の人骨。名古屋市熱田区玉ノ井遺跡、身長158㎝ほどだそうです。兵馬俑に比べると随分と小柄です。右;縄文の深鉢。出口を出たところのオープンスペースに展示されています。触れることも許されています。縄文のクルルマークを再確認出来ました。係の人に聞いたらレプリカではなくホンモノだそうです!。(註;後で調べたらこれは長野県出土です。やや残念。)


これでかなり堪能したのですが、この日の予定はもう一か所、美術館を訪問しました。まったく五黄の寅年はみんな元気です。地下鉄で移動して「横山美術館」に「ノーマン・ロックウエル展」を見に行きました。

瀬戸で製作された陶磁器製の人形、置物、装飾品を「セト・ノベルティ」と言うそうです。戦後の日本、海外への輸出で外貨稼ぎにも貢献した由。その題材の有名なものの一つがノーマン・ロックウエルが描いた作品。ノーマン・ロックウエルはニューヨーク生まれの画家・イラストレーターで1950年代に「サタデー・イブニング・ポスト」に掲載された作品が大変な人気であった。まさに「古き良き時代のアメリカ」を表現している作品です。その作品群を瀬戸の職人が陶磁器製の立体的な人形、置物に仕上げています。平面の絵・イラストでは見ることが出来ない構図の置物、見事な絵付けで喜怒哀楽が表情豊かに表現された人形が展示されています。人形の表情はその瞬間を切り取って生きているかに思わせます。お見事!。僕たちの年代、アメリカのホームドラマ「パパ、大好き!」を懐かしく思い出しました。アメリカがピカピカに輝いていた時代ですねえ。

 

  

左;ノーマンの原画。「男の子の表情が良い!」と仲間の一人が後日、葉書を送ってくれました。右;制作の工程です。簡単なモノは理解出来ますが、ポスターの中心にある「自画像」のノベルティなどは複雑すぎてどうやって制作するのやら考えられないですねえ。

 

 

NHK俳句、10月第三週です。司会は武井壮さん、選者は星野高士さん。そしてゲストは歌手、俳優の由紀さおりさん。10月は「一橋桐子の犯罪日記」とのコラボ番組で、由紀さんは主人公桐子(松坂慶子さん)の亡くなってしまった友人、知子役です。選者の星野さんが「ずっと由紀さんのフアンです」と楽しそうに話していました。「夜明けのスキャット」は1969年であったとか。懐かしいですねえ。失礼ながらお歳を調べてみたら僕より2年の年長さんで1948年生まれとのことでした。俳句の省略の大切さ、面白さには大変に興味を持っていると。「赤とんど」の歌詞は二行だけであるが童謡唱歌を歌う時には聴き手が想像することを邪魔しないように留意して歌っているそうです。さすがプロですねえ。

 

今月の会いたい俳人は京極杞陽さんだったのですが、コラボの方に時間を取られて余り詳細な解説はありませんでした。残念でした。テキストに面白いと思った句だ掲載されていました。ホトトギスの巻頭に掲載された句の一つ、

   香水や時折キッとなる婦人   杞陽

「俳句らしくない俳句」も詠んでいたそうです。

   ワンタンとありおでんとありセルロイド提灯   杞陽   

 

今週の兼題は「星月夜」。特選三句です。

一席   小走りに抜けし喧騒星月夜

二席   鍵穴に鍵滑り込む星月夜

三席   盛り塩の溶けぬ花街星月夜

面白いと思った句です。

   星月夜言葉足らずの帰り道

「花街」の句で星野さんが「由紀さんの鑑賞が深い」と感心していました。同感です。話を聞いていてもそう思います。ドラマの方は録画して第二回を見てしまいました。芸達者な出演者さんがそれぞれ面白い味を出しているように。第三回では知子の俳句帳から何やら謎めいた展開が示唆されています。どう展開していきますやら。

   わが罪を知る人は無し夕霞   知子

 

「あほ桐会」、次回は忘年会をやろうと。今まで「カラオケ」は封印してきましたが、様子を見ながらですが、そろそろカラオケ再開も検討しようかという空気になってきました。世話役・幹事・隊長さんが得意の技術力を駆使して「カラオケ・ルームにおける安全性」を検証してくれています。(大)声を出すのも健康のため!。安全を十分に確保しながら出来ればいいですねえ。由紀さおりさんの童謡唱歌を声を張り上げて歌いたいなあ。

 

 

おまけの料理です。

  

左;レンコンと豚肉の黒酢炒め。「きょうの料理」でやっていたので(僕にしたら)忠実にやってみました。豚肉、レンコンそれぞれを焼くときに「動かさない、触らない」というのが気に入りました。楽です。タレは黒酢、醤油、砂糖、酒、水、それにゴマ油と片栗粉を加えて混ぜたもの。これを直接に具にかけない。フライパンに空きスペースを作ってタレを温めてから具と混ぜる・和えるのがコツのようです。美味しかった。10月17日、料理と撮影。

右;炒め物。ほうれん草のおひたしを作るときに一束は多すぎると思い半分残しました。半分のほうれん草で残り物のハム、ニンジン、マイタケの炒めモノを。最近、何にでも市販のタレツユを使ってみーんな同じ味になってしまうのを反省。今回は胡椒、酒、塩、醤油だけでやりました。まあまあ。10月19日、料理と撮影。

 

 

10月18日、陶芸クラブ。素焼きをしてもらった作品への絵付け、施釉をしました。段取り、手順を考えて準備して臨んだつもりでしたが、やはり大混乱。イロイロな釉薬を試そうとド素人が欲張り過ぎたのが混乱の原因か。限られた時間で仕上げるのはプレッシャーを感じます。今回は釉薬の重ね掛けもOKされていたので、先生の作品を真似して「天目」に「御深井(おふけ)」を重ねてみたのですが、乾燥の時間の捉え方が全く分かっておらずグチャグチャになってしまったような。ため息をついていたら、横にいた先輩が”(僕以上の数の作品を作って)それぞれに別な釉薬をかけてみたよ”と涼しい顔をして話していました。

来週は本焼きされ出来上がった作品を「鑑賞」します。前回、第一回の時はワクワク感が高かったのですが、今回は期待よりも不安が大きいですねえ。来週の「鑑賞」を経て学園の文化祭への出展作品を決めることになるとか。文化祭は11月10日から12日まで名古屋市伏見の鯱城学園にて開催されます。