クルルのおじさん 料理を楽しむ

陶芸作品、その3.

1月24日(火)、鯱城学園・陶芸クラブ三学期の始まり。この日は昨年、制作・施釉した作品が焼き上がってくる日です。毎回のことながら、無事に出来上がってくれるものかドキドキしながら作業台の処に。一応、全作品が壊れもせずに焼き上がっているのを見て一安心です。転ばない様に注意して自分の席に運びました。

 

全部で10品も作っていました。数だけは一番多かったのではないかと思います。上の二ツは植木鉢なのです。隠れ家に持ち帰り、早速、観葉植物を植えてみました。

 

左;「summer 2019」。予定通りサボテンを植えました。「フクロウ」石を建てました。植木鉢はタタラで形を作って色とりどりの化粧土をつけて透明の釉薬に浸けたモノ。フクロウ石は黄瀬戸。右:「come au premier hour、2020」(刻んでいる時に途中でスペルが分からなくなった)=「めぐり逢い」です。こちらは前回のビアグラスと同じ、天目に御深井(おふけ)を二重掛けしました。植木鉢にはちょっと地味か(渋すぎるか)も。ポトスとカネの成る木を植えて、こちらにも「フクロウ石」を乗せました。植物を植えたら見栄えが良くなったように思えたのでホッとしました。

 

「クルルの剣山」、そのままでは余りパッとしなかったので、器の中に入れてみました。左;手びねりのぐい吞み、天目に白マットと鉄赤結晶を垂らしたもの。クルルの剣山は織部です。右;手びねりの台、施釉は同じです。剣山は黄瀬戸です。

 

一番、気に入っている「ぐい吞み」。手びねり、黄瀬戸です。縄目の模様をつけたところに黄瀬戸の濃淡が上手く出てくれたように思います。黄瀬戸はなかなかに味があります。最近は毎晩、これでチビリチビリと焼酎を飲んでいます。

 

この日は鑑賞のあと新しい作品作りに入りました。いよいろ人生初のロクロに挑戦!。先生の指導「初めての人は『土ころし』に集中すべし、焦って作品を作ろうとしないこと、とても形になりません」を忠実に守ってこの日は「土ころし」だけをやりました。・・・全く、思うようにならない。

そもそも安定して座っていることが難しい。ロクロのスピードに注意がいくと手がおろそかになる。水加減も分からない。ドロドロになるかと思えば少なすぎて手が熱くなる。20から30分ほどすると手首は痛くなるし足腰も痙攣しそうな気配。無駄なチカラが入り過ぎている、というのは分かるのですが自分でどうしようもない。諦めて早めに切り上げることにしました。隣の席にはたまたま園芸科の仲間が座っているのですが、このお方は陶芸歴既に云年。得意の大皿作りで定評のあるお方。極めてスムーズな所作で作業を進めておられ、僕のレベルからは神々しく見えました。

来週はとにかくロクロで作品作りに挑戦です(先生の助けを借りなければ)!。

 

何回も紹介していると思いますが、2月に展示会があります。お近くにいらっしゃる方は是非、お足をお運びくださいます様に。

 

NHK俳句です。一月第三週、司会は武井壮さん、選者は星野高士さん、ゲストはエンターテイナーの城田優さん。城田さんと星野さんはご家族ぐるみでのお付き合いの仲とか。今月の「会いたい俳人」は加藤楸邨、人間探求派と言われている方。代表句でしょうか、楸邨の句の紹介がありました。

   鰯雲人に告ぐべきことならず   加藤楸邨

今週の兼題は「寒卵」ですが、同じく楸邨の句。この句、面白いと思いました。

   寒卵どの曲線もかえりくる   楸邨

 

今週の特選三句です。

一席   引越しの朝の匂いや寒卵

二席   寒卵ころがりもせぬ一人部屋

三席   寒卵割らんとしたるところかな

 

面白いと思った句です。

   炊きたてのどんぶり飯や寒卵

   寒玉子飯に落として野良仕事

 

 

第四週です。選者は堀本祐樹さん、ゲストはタレント、作家の加藤シゲアキさん。今週のテーマは「遊び」、冬の季語で。「福笑」の句が紹介されていました。

   目のうへにあがる口あり福笑   中原道夫

 

今週の特選句です。

   着ぶくれて紙飛行機を追ふ子かな

入選句で面白いと思った句です。

   しりとりのプリンに終わる暖炉かな

   双六のなかなかわざと負けられず

 

一月は第五週までありますが、最初の週は新春特別番組のため歳時記食堂は無しでした。残念でした。

 

 

ドラゴン先生に薦められて永田和宏さん著「歌に私は泣くだろう---妻・河野裕子 闘病の十年」を読みました(新潮文庫、平成27(2015)年発行、令和4(2022)年第四刷)。著者の永田和宏さん、奥さんの河野裕子(かわのゆうこ)さんお二人共に戦後を代表する歌人、ご夫妻で宮中歌会始の選者。この本は「河野裕子乳がんの宣告を受けてから、亡くなるまでの十年・・・もっとも辛く厳しい時期のことを書いたもの」(永田さんの言葉)。

 

感銘を受けた歌を紹介します。

まぎれなく転移個所は三つありいよいよ来ましたかと主治医に言へり  河野裕子

一日が過ぎれば一日減ってゆく君との時間 もうすぐ夏至  永田和宏

わが知らぬさびしさの日々を生きゆかむ君を思へどなぐさめがたし  河野裕子

歌は遺り歌に私は泣くだろういつか来る日のいつかを怖れる  永田和宏

手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が  河野裕子

 

最後の歌が河野裕子さんの最後の一首、死の前日に作られたとのことです。読んでいて涙が出ました。お二人の歌にも永田さんの言葉にも感動しました。永田さんは京都大学理学部を卒業された細胞生物学者です。ドラゴン先生と同学部、同学年の卒業生です。

 

短歌が素直な心情を表現出来ることに感銘を受けて本棚にあった短歌の本を取り出して読んでみました。穂村弘さん、佐佐木幸綱さんの本が何冊かありました。驚いたことにご両者共に本のなかで河野さん、永田さんのそれぞれのこと、それぞれの歌を多数、引用掲載されていました。改めてお二人の歌に味わい深く接することが出来ました。俳句とは違う短歌の面白みを感じたように思いました。

 

 

コロナ感染で参加出来なかったピアノの「おさらい会」ですが、心音先生のお計らいで2月5日(日)に改めて開催して頂けることになりました。演奏するのは僕と心音先生の旦那さんの二人。「あまり寂し過ぎるのも…」ということで先生の後輩達も(聴き役として)参加してくれることになりました。ドラゴン先生も参戦してくれます。

”もう数日しか残されていない、まだ数日も練習出来る時間がある”。

当日のことを考えると緊張するばかりですが、楽しくベストを尽くしたいと思っています。どうなりますやら・・・。