クルルのおじさん 料理を楽しむ

『立春大吉』

随分と以前からですが、朝、起床後の日課として家族に「おはよう、元気です(無事に生きています)」メールを入れています。ラインというのは慣れると大変に便利なものだと思っています(料金も掛からないし)。

僕の兄ですが、奥さんを亡くして一人暮らしをしている兄が「毎朝、息子二人にラインで朝の挨拶をしている。発信するのを忘れると(息子二人が)心配して大騒ぎになるから毎朝キチンと発信する習慣になっている」と言っていたのを聞いて”なるほど、グッドアイデア”と納得。我が家でもやるようにしたものです。やり始めた頃はタマに忘れることがあったので皆に心配をかけましたが、最近はすっかりと日課=ルーテインになりました。発信するのはホトンドが僕ですが、先日の立春の日、珍しくカミさんからの発信がありました。

「今日は立春、『立春大吉』と書いて玄関の外側に貼っておくと良い風が入ってくる」と。カミさんが筆で書いた「立春大吉」が添付されていました。ナカナカに面白い趣向であると思い真似をして筆ペンで「立春大吉」を書いて隠れ家の玄関外側に貼り付けました。写真を撮ってラインに返信しました。しばらくしたら長男の嫁さんから「いいですね!」と返信が入り、更にしばらく時間が経ってから、

 

この写真が添付されてきました。

小雪ちゃんが(おじいちゃんとおばあちゃんを真似して)書いてくれました」と。””オオマイゴッド、僕の毛筆よりもしっかりした字を書いておるわい””。大変に元気を貰いました。

 

翌日、2月5日、日曜日、僕のピアノの「おさらい会」の日です。いつもよりも少し早く起きました。朝練をしようかと。昔から一夜漬けは得意だったので最後の瞬間までしつこく練習をしようかと(というのはウソで、それまでに十分、納得するまで練習が出来ていないと思っているから不安で練習したくなる、不安がイッパイで最後までピアノにしがみ付いているのですね)。すでに緊張感を自分で感じている状態、ドキドキの状態になっていました。

こういう精神状態の時には毎朝の家族への「おはよう、元気です」のメール発信を忘れがちですが、この日は忘れずに発信しました。その日が「おさらい会」であることも伝えました。普段、ルーティンのメールに対しては大した返信は無いのですが、この日は励ましのメッセジを含めイロイロと返信がありました。

長女から、前日の土曜日(=立春の日)、アラタくんの幼稚園のお遊戯会があったと報告をくれました。アラタくんにとってはこの催しが幼稚園での最後の大きなイベントになるので張り切ってやっていたヨと。たくさんの写真を添付してくれました。お遊戯会とは言わないで「おたのしみかい」と命名されています。なるほど、写真を見るとアラタくんは間違いなく楽しんでいる。”いい表情をしているなあ”。アラタくんからも元気をもらいました。自分の気持ちも随分と和みました。

 

”僕も楽しみたいなあ”と思いつつもやはり緊張が先に立ちます。隠れ家で一時間ほどは練習をして先生のお宅へ。12時開始予定だったのですが先生から「少し早めに来て指慣らし、ウォーミングアップをしておく方がよいでしょう」と15分ほどは練習する時間を頂けました。先生の後輩達も早めに到着。いつも時間通りに到着するドラゴン先生までやや早めの到着です。あれよあれよという間に全員が集合。自分自身では心の落ち着きが無いままで「おさらい会」のスタートとなってしまいました。

演奏するのは先生の旦那さんと僕の二人だけですが、演奏の順番は公平にくじを引いて決めることに。早く終わらせたい!と二人とも最初の一番目の演奏を希望していたので心音先生の計らいです。希望通りに僕が一番くじを引き当てました(ホッと一安心しました)。

 

最初の曲は「ケセラセラ」。”落ち着いてルーテインを大切にすること!”と言い聞かせ席に着きました。ピアノに向かい、楽譜を開いて、深呼吸をして、ゆっくりと手を鍵盤の上に。手の指が震えていました。自分でも驚きました。「演奏をいったんスタートしたら何があろうが堂々と最後まで弾き終えるように」、先生のアドバイスを思い出しながら必死の形相で(マスクを着けていたのは幸いしたかと)弾き始めました。少々の間違いは気にせずに。集中!。とにかく集中!。練習中には、演奏の途中で”上手く弾けている!”なんて思うとその瞬間にボロボロになることがショッチュウありましたがらトニカク集中することを云い聞かせていました。最後まで弾き終えました。

 

二曲目(最後の曲)は「人生のメリーゴーランド」。気に入っている曲なのですが、こちらの方が長いしヤヤコシイ。

一曲弾いてすでに喉がカラカラだったのでお水を一口頂きました(お酒ではありません)。この曲は最初の出だしがポイント、難しい。これをスムーズに弾きこなせるか。まだ、手の指は震えていました。

練習でいつも間違うポイントが何か所もあります。”焦るな、ゆっくりと”。”くれぐれもカッコつけて速くならないように”。”良く楽譜を見ること”。意外と頭だけは冷静であったかも知れませんが体と手と指は緊張したままです。

練習中でもそうなのですが(僕にとってこの曲は)難しい曲なので途中で混乱してしまうとやり直しのキッカケを掴むのが難しい。頭が真っ白になったらどうしようかと心配を抱えながらの演奏が続きました。三頁目の最後の難しいクダリをこなした辺りで手の指の震えがなくなったような気がしました。”ここで気が緩むと最後の頁がボロボロに成りかねない”。はやる気持ちを抑えて最後まで弾き終えることが出来ました。

 

ピアノの横の壁に飾られている「無愛想」の書。心音先生一家の新年書初めで旦那さんが書かれたもの。この言葉とこの字体を気に入っていたので、「おさらい会」で演奏する前にこれを見ると心が落ち着くように思い「『おさらい会』の時までは飾ったままにしておいてください」と先生にお願いしていました。

実際に演奏前には見る余裕はありませんでした。見たのは演奏が終わった後でした。自分の緊張度合いを改めて感じて一人で笑ってしまいましたが、とにかく二曲ともに最後まで(そして後で考えるとですが)気持ち良く弾き終えることが出来ました。

 

旦那さんの演奏も終わり「おさらい会」の打ち上げ・反省会です。心音先生が「今までの中で一番良かった!」と褒めてくれました。先生の後輩お二人も、そしてあのドラゴン先生もヤンヤと持ち上げてくれました。「嬉しい」を通り越して晴れやかな気持ちでした。”この歳になってからこんな気持ちを味わうことが出来るなんて”、想像出来なかった気持ち良さを味わうコトが出来た様に思います。

 

旦那さんは白洲次郎さんの大フアンです。今年が次郎さん生誕120年とのことで名古屋では松坂屋美術館で3月上旬から記念展が催されるそうです。モチロン「無愛想」=「武相荘」です。以前にブログに書いたことを思い出して検索したら、2018年8月の記載でした。このブログも随分としつこく書き綴っているもんだと我ながら感心しました。

 

昔のブログを埋め込んでおきます。

kururupapa.hatenadiary.jp

 

 

NHK俳句です。二月第一週、司会は武井壮さん、選者は高柳克弘さん、ゲストはお笑い芸人のサンシャイン池崎さん。今週の兼題は「猫の子」。池崎さんが猫大好き人間なので「猫」つながりでご登場となったようです。「猫の恋」「猫の子」は春の季語。因みに犬は季語にないそうです。猫の気まぐれなところ、何やらミステリアスなところが支持されたのではないかと高柳さんの解説がありました。「猫の子」の句の紹介です。

   スリッパを越えかねてゐる仔猫かな   高浜虚子

 

俳句においては「かわいい」と直接的にいっても面白い句にはならない、と解説がありました。虚子がこんな句を詠んでいることが「かわいい」と思ってしまいました。今週の特選三句です。

一席   草叢が世界の初め仔猫跳ぶ   (くさむら)

二席   どうみても子猫夜雨の磨硝子   (よさめ、すりがらす)

三席   厄介をふはふはにしたのが子猫

面白いと思った句です。

   説教の爺のふところから仔猫

   残業は無理です子猫産まれそう

 

 

久しぶりに料理の写真。

「めざしの焼いたん」。黄瀬戸のぐい吞みで熱燗を頂くのがクセになっています。2月3日、春分の日に料理と撮影。

 

来週は陶芸クラブの展示会です。展示スペースの関係でどれだけ置かせてもらえるか分からないのですが、「実際にサボテンを植えた植木鉢」「ぐい吞みにクルルの剣山を入れてお花を飾ったもの」を展示したいと思っています(自分としては陶芸クラブと園芸科のコラボなのですが)。