信州小布施の「北斎館」を見学した時に記念に買ってきました。
「北斎漫画図録」、2023年12月初版第十六刷、編集発行は芸艸堂(美術書出版の会社)。著者の欄にはチャンと「著者 葛飾北斎」と書いてありました。最初から買おうと思っていた訳では無かったのですが、パラパラとページを覗いているうちに欲しくなってツイツイ衝動買いです。
旅行から戻って2~3日してから、いつもの図書館に返却、貸出に行った時、お薦めの棚に置いてあった本に目がいきました。
こういう偶然は大好きなので追加でこの本も借りてきました。
「北斎漫画入門」、浦上満さん著、文藝春秋、2017年10月第一刷発行。浦上さんの本業は陶磁器の古美術商なのですが学生時代から「北斎漫画」の魅力に取りつかれ約1500冊を蒐集されている世界一の「北斎漫画」のコレクター。楽しい興味深い著述で一気に読みました。
浦上さんによれば北斎が世界的に注目されたキッカケは1998年のアメリカの雑誌LIFEの特集記事、「この1000年に最も偉大な業績を挙げた世界の人物100人」。この100人のなかで画家で選ばれたのはダヴィンチ、ピカソ等の六人だけ。その六人のうちの一人が北斎であった(全体でも選ばれた唯一の日本人が北斎)と。
北斎の代表作「富岳三十六景」の「神奈川沖波」は海外では「The Great Wave」と呼ばれているそうです。大波の向こうに富士山が見える例のヤツです。「The Great Wave」とはいい名前をつけたモノだと今更ながらですが感心しました。
「北斎漫画」の一部です。左のマンガの様なものから右の本格的な水墨画の様なものまで網羅されています。浦上さんによれば「『北斎漫画』は弟子、愛好者のための絵手本という意味合いだけでなく、北斎自身のデータバンクと言う性格をもっている」「北斎自身がこの膨大な絵の素材からあれこれ引き出しつつ新しい制作をしていったのだろう」と。「北斎漫画」は全部で15編もある超ロングセラー。右の写真の左上は13編にある「魚濫観世音」という作品ですが、フランスのガラス作家エミール・ガレがこのデザインを取り入れたガラス花瓶を1878年のパリ万博に出展したとか。その他にも、ドガ、マネ、クレーが「北斎」を模写していたそうです。凄い影響力ですねえ。
「富岳百景」の初編を出したのが75歳の時で、この時には「80歳、90歳、100歳と励み、そして110歳になれば一点一画が生きている絵を描ける」と言ったとか。そして90歳で亡くなる時には「あと5年、生かしてくれれば本当の絵師になれる」と言った由。最後まで想像も出来ないほどの研究心、探求心が旺盛な人だったんですねえ。楽しい刺激をたくさん頂戴致しました。
NHK俳句です。12月第一週、選者は堀田季何さん。今回から3月まで「切れ」についてのお勉強です。「切れ」が効いている句の紹介です。
サイドミラーに細きつららや落ちずゆく 野崎海芋
夜長なり即身仏を鼠食ふ 小澤實
くろがねの秋の風鈴鳴りにけり 飯田蛇笏
掛稲のすぐそこにある湯呑かな 波多野爽波
散文的な表現が俳句の表現になる「切れ」。「句中の切れ」「句末の切れ」とかイロイロあるそうです。「切れ」とは刀の切れ味の様なモノとか。
今週の兼題は「息白し」、特選六句から面白いと思った句です。
英雄のポーズ白息吐き切りぬ
白息をかけて鏡の人となる
12月第二週、選者は西山睦さん。今回の優しい手は長崎のカトリック教会のオルガン奏者をされている荒井千佐代さん。荒井さんは被爆二世で、幼児洗礼を受けられ、お子様の通っていた幼稚園で聖火の伴奏を頼まれたのがきっかけで聖火伴奏のお仕事を続けておられる由。荒井さんの句です。
鍵盤のひとつ沈みて原爆忌 荒井千佐代
オルガニストのみに灯や降誕祭 荒井千佐代(灯や=ともしや)
白鍵に黒鍵の影凍返る 荒井千佐代
今週の兼題は「聖夜」。特選句の中で面白いと思った句です。
夜半過ぎて消えぬ花舗の灯聖夜かな (花舗=かほ、花屋さんのこと)
聖夜の雪静かに包む街の声
特選三句です。
一席 をさなごや百の質問して聖夜
二席 卒論の最終ページ聖夜の灯
三席 聖夜更くフェリーに回る洗濯機
フェリーに置いてある洗濯機は長距離のトラックドライバーさん用のモノだとか。
この会には若手俳人を紹介するコーナーがあるのですが、面白い句がありました。
阿の胸筋吽の腹筋雷迸る 岡一夏
(迸る=はしる(ほとばしる)。「阿」「吽」の胸筋と腹筋を詠んだモノとか)
陶芸クラブに展示した作品です。
「スープカップ」です。少しは薄目に出来たと思ったのですが、先輩、来場者の方からは「まだ重いわねえー!」と手厳しい評価。精進して励みたいと思います。鎬模様は気に入ってます。12月6日(金)撮影。
クラブ顧問、岩渕幸治先生の作品。お題は「核」。巨大な作品です(右に少し見えるのが普通の「花器」です)。先生に言わせると「作品名は記載しておきたくない」のだが、来場者さんからの質問に対して(自分が不在の時に)当番の方が対応に困るから書くことになった、ということでした。確かにオブジェ作品は作品名を見ないで鑑賞する方が見方が膨らんで楽しいように思います。岩渕先生は瀬戸陶芸協会に所属の陶芸(オブジェ)作家です。
久しぶりの「居酒屋ヒデさん」です。珍しく忘れずに写真を取ることが出来ました。
右から、カブの塩もみオリーブ油漬け、ローストビーフ、モッツアレラチーズの生クリームおかか和え、アボガドきゅうりと茹で鶏ささみサラダ、里芋れんこん人参ゴボウの煮物。12月8日(日)撮影(右端にチョコッと写っているのが僕の作った小皿です)。
この日はアラタくんのエレクトーンの発表会。ヒデさんパパも朝からバタバタしていたはずなのに、チャンと手料理でモテナシてくれました。別途アラタくんの大好きな握り寿司を仕出しで頼んで盛大に打ち上げパーテイとなりました。僕のピアノの発表会が来年早々にあることは伝えてありました。アラタくんからは「今日は緊張したけど楽しかったヨ。僕も頑張ったからxxxさん(僕のこと)も頑張って!」と励まされました。
はい、頑張りたいと思います。
おまけです。
12月3日(火)「あほ桐」の集まりがありました。大阪から一名が参加して五名で。この日は名古屋駅から市バスで10分程度のところにある正寿寺に行き特別に写経をさせて頂きました。高校同期の友達が11月に急逝、彼の死を悼んでみんなで神妙に「舎利礼文」を写経しました。同期の友の死はやはり堪えます。いつになく神妙な会になりました。
隠れ家に戻ってから額装しました。ちょうど水墨画クラブで七福神が宿題になっていて一気に書き上げて額の回りに飾ってみました。ムチャクチャなご供養の仕方ですが心よりご冥福をお祈りしたいと思います。合掌。