クルルのおじさん 料理を楽しむ

4月からの生活、その2.

 蓬莱寺山の登り口。ここから延々と石畳の階段が続きます。1,400段強。行きはヨイヨイ、帰りは怖い。下山時は、膝がガクガクしておりました。急に気温が低下した日で、風が強かったこともあり山歩きしている間ずっと寒い位でした。2019年3月23日、撮影。

 

 

3月23日、土曜日に山歩きに行きました。奥三河にある蓬莱寺山。鳳来寺本堂、鳳来寺東照宮、等々見どころがたくさんある700m弱程度の山です。昔の会社の仲間と。ほぼ同年配の三人組です。そのうちの一人が少し前から、造園業者(植木屋さん)に再就職していました。趣味と実益を兼ねてのお仕事。僕と同じくゴルフとお酒大好き人間なので小遣い稼ぎには結構よい仕事の由。もともとはエンジニアさん。その経験を生かして仕事を探した方が、条件的には有利な仕事があったはずだと思うのですが、彼としては”全く新しい分野に挑戦してみたかった”と。もともと好きだった庭イジリに磨きをかける為、それ以前に約半年ほど植木・剪定の講習を受講した上で、勤め先を紹介してもらったそうです。アッパレな心構えだと思います。

 

彼は僕よりは少しは若いものの既に60代中後半。勤め先は、親方と息子の二人でやっている造園業者で、親方さんはたたき上げの職人さん。年寄りの新入りに対して、全く容赦なし。初日からかなりのハードワークを与えられた由。週に3-4日の勤務ながら、当初はぐったりと疲れ果て、帰宅後、食欲もない状態であったとか。

 

仕事姿の写真を見せてくれました。もともと彼は、見ようによってはその筋の人のようにも見える痩身、精悍な顔立ち、短髪=ほぼ坊主頭です。法被姿はもう何十年ンも植木屋さんをやっている剪定のプロのようにも見受けられました。その日は、立派な一本のヒバの木を任され、一日がかりで仕上げた由。仕立て方は、僕たち仲間が見る限りでは立派なもの。「大したもんや」と絶賛したところ、親方も褒めてくれたのであるが一本の木を仕上げるのに親方は1時間程度でやってしまう。”そんなボンボンみたいな仕事してたら金は貰えへんで”と(実際には三河弁で)扱き下ろされたとか。やはり職人さんの世界は厳しい。

 

最初の親方のシゴキ方がよかったのか、最近は、親方とのコンビにも慣れてきて、リズムよく仕事が出来るようになった。親方も”結構、スジがよさそうだ”と褒めてくれるとか。今では、家に帰って、カミさんと一緒に楽しく美味しく食事と晩酌を頂けるようになったそうです。そう言えば、山歩きしている足取りも軽快そのものでありました。 

 

 

 「仏法僧 仏法僧となく鳥の 声をまねつつ 飲める酒かも」若山牧水

鳳来寺山は”ブッポーソウ、ブッポーソウ”と鳴く(と言われる)コノハズクが棲息しているので有名です。山全体が国の名勝・天然記念物に指定されている由。牧水は、僕の大好きな日向市(昔の臼杵郡東郷町)出身で、お酒大好き歌人です。下山途中の道端に刻まれていました。同じく2019年3月23日、撮影。

 

 

 

孫育てでは全くの戦力外の僕は、4月から週二回ほど、ある会社の顧問としてお勤めを再開することにしました。4月1日、月曜日に初出勤。その会社の全社集会に顔を出しました。新年度を向かえて、会長さん、社長さんからの示達があり、昇格・昇進の辞令交付式、新入社員紹介と挨拶、その後に、受け入れ出向者の挨拶がありました。最後のオマケで、年寄り顧問(僕のことです)まで紹介していただき、更に挨拶する時間まで頂きました。”新入りの立場で挨拶するのは勝手が違うなあ”と思っているところに、ツッコミを入れるのが大好きな会長さんが、この日も、待っていたとばかりに適度な茶々を入れてくれたので、挨拶の前に、二人で掛け合い漫才をしているようになってしまいました。「少なくとも皆さんの仕事の邪魔をせずに、この会社がもっと良い会社になるよう尽力したい。明るく楽しく挨拶を交わせれば嬉しい」等々、結構、真面目に挨拶をしたと思っているのですが・・・?。

  

自分の席について、事務的な説明を受けてから会社の社員食堂で昼食。丁度、新元号の発表がされようとしている時でした。「令和」(レイワ)。発表される直前の雑談の中で、僕は大きい声で「少なくとも”和”という字は入ると思う」なんてことをお喋りしていたのですが、どんぴしゃりだったので、皆さん、びっくりしていました。僕のココロは、この会社の社名の一文字に「和」が入っているので、盛り上げようと思って「和」を紹介したものでした。全くの偶然、僕に霊感はありません。

久しぶりに会社の事務所で過ごす一日。9か月ぶりのことになりますが、長年の会社勤めが体に染みついているのか、ネクタイを締めての通勤を含めて、結構、心地よく楽しむことが出来た一日となりました。

 

 

 

そして、本日。4月10日は、鯱城学園の入学式です。こちらは、本当の新入生。文字通り、ピカピカの一年生。とは言うものの周りを見渡すと、僕は年少組であろうかと思うほど。故日野原さんもビックリされるでありましょう。元気なおじいさん、おばあさんがたくさんいらっしゃいました。3月の説明会の時に、僕が”年寄り大学”と言ったら、係の人から「xxさん、”年寄り大学”ではありません。そして”年寄り”という言葉はダメです。皆さん、元気に勉強したいと思っているのです」と注意されました。”なるほど、そりゃそうだろう。「おばあちゃんとは言わせない」に通じるところがありそうだ”と納得して反省しました。

 

正式な名称は「名古屋市高年大学鯱城学園」と言います。設立の趣旨は「高齢者の生きがいづくりと地域活動の核となる人材の養成を目的として」。今回が「第34回入学式」。学長は名古屋市長さんです。ご本人自らが式に出席され得意の名古屋弁を駆使して予定時間を上回っての学長挨拶をされました。今年は602名が入学したそうです。ご来賓の挨拶では「平成最後の入学式、令和最初の新入生」とエールを贈られていました。きっと、あちこちの入学式、入社式で使われているフレーズなのでしょうね。

 

 

入学式風景です。伏見ライフプラザビルの5階から9階までが学園施設。5階の鯱城ホール=600人以上収容出来る立派なホールでの入学式です。「入学者誓いのことば」を代表の方が述べられているところ。この学園の設立の趣旨を踏まえての立派なご挨拶でした。 後ろから頭を撮ってしまうとやはり”高年大学”という印象を強くしてしまいますね(新入生のみなさま方、失礼しました、スミマセン)。2019年4月10日、撮影。

 

 

僕の選んだ専門講座は、ナント、「園芸」なのです。僕は鉢植えの観葉植物を育てたり楽しんだりするのは好きなのですが、畑仕事の経験は皆無。野菜を育てたことも無し。庭の手入れもちゃんとやったことはありません。気が向いたときだけハサミを入れたりしますが、切ったら切りっぱなし、一番タチが悪い作業ぶりだったと反省しております。

 

この講座では、座学だけではなく学園が提携している専用の農園、畑で実習が出来るようになっていて、屋外での活動がメインになるようです。野菜作りもあれば、樹木の剪定ももちろん有り。そして、この講座では、チームで作業をするので、自分が都合悪く世話を出来ない時でもクラスメートがカバーしてくれる。チームで助け合って秋の収穫を向かえることが出来るとのことです。説明会で「自分で育て、自分で収穫した野菜を味わうことが出来ます。格別な味がしますよ」とのお話を聞き素直に胸を弾ませているところです。

 

樹木の剪定も授業に入っています。今から、二年で、どれだけの技を身に着けることが出来るものか。冒頭の造園業者に勤める彼とは、技量の差は歴然だろうなあ。あちらは給料もらって仕事するプロ、こちらは授業料払って勉強するアマ。これから二年間でその差は更に拡大するのでしょうね。二年の後、彼の足元くらいに追い付いていれば嬉しいのですがねえ。

 

オマケ;名古屋で一番旨い焼き鳥屋さん。錦三のやや外れにあります。細い路地の奥、カウンター席のみ。詰め込まれても10人チョットしか入れない広さ(狭さ)。親父さんの焼き加減はこれぞ職人ワザ、とにかく旨い。僕は、最近、職人ワザに関心が高いのです。この店の常連で、わざわざ知多半島の先から定期的に食べに来ている方にこの日もすっかりご馳走になってしまいました。感謝です。2019年4月10日、撮影。