クルルのおじさん 料理を楽しむ

交遊録・ご飯が美味しい

久しぶりに、ドラゴン先生と会食しました。ドラゴン先生は、このブログで何度も登場して頂いてますが、酒を愛し、本を愛し、植木・植物を愛し、料理を愛している方。職業柄、卒業が無い(立場上も卒業が出来ない)お仕事をされているので、まだ、バリバリの現役です。当然、お仕事も愛して(使命感を持って)やってらっしゃっているものと思っています。 嬉しいことにドラゴン先生は僕のブログの熱心な読者です。会食する時には、いつも”酒の肴”にして突っ込んでくれます。この日もいきなりグサッときました。

「庖丁を研ぐのは好きですよ、気持ちが良い、快感ですよ。慣れれば、誰でも簡単に出来ます。」

"ムムッ、あんた庖丁研ぎまでやらはるんでっか、恐れ入りました"、瞬時にして、このおっさんとの既に結構長いことになるお付き合いのことが思い出されました。

 

 

 そう言えば、「戦艦ヤマト」=中華鍋をプレゼントしてもらったのも飲み屋での会話が切っ掛けでありました。今から思えば、全くの料理初心者であった僕が偉そうにパラパラ・チャーハンの作り方を自慢げに話しした(教えてあげた)のが始まりであったと思います。その後すぐに、このオッサンは料理の腕前だけでなく本格中華鍋の扱い方=メンテの仕方を含む料理道具についても半端ない知識と技量をお持ちであることを痛感させられたのでありました。”世の中には何かにつけて造詣が深い方がいらっしゃるのやなあ、完敗、穴があったら入りたい”と恐れ入ったものです。

 

その後のお付き合いで、ドラゴン先生の知識と技量は、料理の分野だけでなく多岐に亘っていることが分かってきました。園芸についても然り。普段は仕事の関係で名古屋にお住まいですが、大垣市にある自宅の広大な敷地(これは僕の想像です。まだ、ご自宅にお邪魔したことはありません)の一角で野菜等の作物を育てたり、植木を楽しんでご自分で剪定をしたり、もちろん、平兵衛酢の苗木も育ててくれています。

 

 楽しく生活を送ることにかけて武芸百般、免許皆伝の腕前ではなかろうかと思っています。更に、この夜は、それらに加えて”庖丁研ぎ”までその守備範囲に入っていることが判明しました。 ”このおっさんは、ひょっとすると僕がこれから興味を持ってやってみようと思うことを、既に、全て自分のモノにしているのではなかろうか?!”、と畏敬の念すら覚えたのであります。

 

 

ドラゴン先生との会食の機会は、僕の卒業後の大きな楽しみの一つです。 僕が現役の時には仕事の話が中心でしたが、最近は、他愛ない話を楽しんでいます。

他愛無いことを真剣に議論する、真面目な話を他愛無くやる、くだらない話を真面目に考える。とにかく会話が楽しい。打てば響く、オモロイ時間を過ごせる。その代わり、オモロ無い話には容赦なくグサッと突っ込みが入ります。

男同士の親しい付き合いでは(でも?)、お互いを称えあいながらも、その実、意識の奥底では、自分の自慢話を相手に聞かせて悦に入ったり、たまには相手を言い負かして内心で快感を覚えたり、はたまた、自分を認めさせようとチョット見栄を張ったり、イロイロと楽しく、切磋琢磨して喜んでいるものです。偶には(滅多にありませんが)相手を慰めたり、心配したりもします。

 ドラゴン先生の方は、卒業後の僕に対して”ボケっと生きてんじゃあねえよっ”と刺激を与えてくれているようにも思います。その分、突っ込みが更にキツイくなっているのかも知れません。

 

 

酒が回るほどに、庖丁談義は盛り上がってきました。

「よく研がれている庖丁はスパッと切れる。キレイに切れたものは繋ぐと元に戻る=見事にくっ付く。ケガする場合も然り、トンッと当たると、既に、指が切れている。そこは慌てずに、切り口を繋げば、すぐに元に戻る、治ってしまう」。

「ホンマかいな。おいおい、刺身の魚くん、”お前はもう死んでいる”と言われても、よく切れる包丁で切られていたら、繋いでもらったら再生するかもよ」。

おじさんの会話も他愛のないものです。

 

 

最近の最大の対立点は、ナント食事についてなのです。ドラゴン先生は、糖質制限の食生活を実践中です。それも、大学の教授だか病院の院長だか、その筋の権威の方の正式な食事療法・指導に基づいた本格的なもの。何事にも真剣に取り組む素直(ガンコ)な性格が功を奏してか、数か月ないし一年程度の食事療法で体重は着実に減少、イロイロな数値も如実に改善していると。”動くのも楽になった、階段の二段飛びなんて屁の河童。食事もお酒も旨い、言いことづくめ”とのこと。

 

 

対する僕は、偏った食事法は体に良い訳が無いと信じているほうです。

”バランスの良い食事をするのが肝要である。そもそも、関西粉モン食文化では、糖質制限などというのは、もはや、文化的な人間の食生活から逸脱している。何を隠そう、僕は、最近、ご飯が美味しい!。この美味しさを味わえることで僕は日本人に生まれて良かったと思うほど。そもそも何か特定のモノを制限というのは、ストレスを生む。ストレスを生じない食生活が大切、腹八分目、腹六分目に全体を抑えればよい。やはりバランスの良い食事、生活が一番大事である。”

これは、僕としては絶対に譲る訳にはいかない重要な事案ですので、激戦の末、この日もドローで終わりました。楽しく歓談をしてお開き、解散。お互い、千鳥足風の軽やかなステップで家路に就きました。

 

 

その時は、開示しませんでしたが、実は、体重がやや増加気味になっているのです。話しなかったのは、もちろん、更に突っ込まれるのを警戒したから。

最近、本当に御飯が美味しいのです。

相変わらず、食事の時にはアルコールを嗜んでますから、オカズ=酒のつまみは、僕の食生活にはマストです。それに加えて御飯が美味しいので、結果的には、体重がやや増加傾向になっているのでしょう。

念のためですが、僕の体重は、過去、数年かけて着実に減少。昨年は、漸く、BMI25以下をクリアーしました。お腹も気持ち凹んだ(はずです)。今年は、更にもう一段の減量をトライ中であったのですが、ここにきて、減少傾向に歯止めがかかっており、逆に反発・上昇の気配。昨対アップが続いているのですが、まだBMIは25以下をかろうじて維持しています。ここが踏ん張りどころと思っているのですが、人に言う割には、腹八分目を継続できるほど意思は強くないもので。スミマセン。

 

 

隠れ家での食事では、「炊き込みご飯」、「炊飯器でピラフ」、「納豆と温泉たまごノッケ丼」、「ご飯と納豆のり巻き」等々を楽しんでいます。新しいレパトリーは最近余りありません。料理をやり始めた当初は、”料理が出来た!”ということ自体を感激して食べていましたが、何回も繰り返すうちに既に料理を作ることそのものの喜びはなくなっており、原点に戻って、”美味しさを追求、チョットひと手間加えて、おおっ旨い!”と感じることを追求しています(書くと大袈裟ですが、実際には大したことはやっていません)。料理といえるかどうか疑問とは思いますが、相変わらず、納豆は大好きです。欠かせない食材の一つです。ドラゴン先生との話の成り行きもありイロイロと工夫してみました。

 

 

その1.久しぶりに『黄身のっけナットドーフ』。かつてのcha師匠のアドバイスを思い出し、ビジュアル重視を試みたのですが。レタスを千切って敷き、豆腐、オカカとシラス納豆を乗せ、その上から刻みネギ、更にその上に黄身のっけ。美味しかったです。ビールにも日本酒にも合います。お腹も結構満足出来ます。豆腐の水切りを良くやったのが良かったと思います。ネギは有次で切りました。図らずも、本日は糖質制限食になりました。2019年4月18日、撮影。

 

 

 

その2.居酒屋ヒデさんの「モッツァレラチーズ冷奴風」。モッツァレラチーズは手で千切ること、生クリームをかけて冷蔵庫で一晩、寝かせること。昆布おかかとネギをたっぷりとのっけて冷奴風に。へべすポン酢で頂きました。日本酒のつまみにグーです。2019年4月18日、撮影。

 

 

その3.僕の創作。『モッツァレラチーズ冷奴風のナットチーズ』 。単に、上の二皿を組み合わせただけですが、結構、美味しかったです。これに”黄身のっけ”しようかと思ったのですが、ビジュアルに不安があり、また、チーズとの相性がいかがなものかと見合わせました。2019年4月18日、撮影。

 

 

オマケ;

ネギを有次で切っているときに指を切ってしまいました。ホントにちょっとトンって当たっただけ。”あっ、やってしもた”と思いましたが、暫くの間、何もなし=血が出てこない。その後、血が滴り落ちてきました。心臓の位置よりも指を上にして血止め。まさかとは思うものの、真剣にその個所を押さえつけて繋いでみました。確かに、今までよりも出血が収まるのが早かったように思いました。気のせいでしょう。完治するのには当たり前の日数はかかったと思います。

 

先日、スーパーで刺身の柵を買ってきて、研いでもらった柳刃を使ってみました。スッとキレイに切れました。確かに、繋げば又くっ付くように思います。その後は、バゲットを3-5㎜程度の細幅にカットするのに使いました。これは形を崩さずに見事に切れました。ちょっと炙ってチーズを載せて食べると旨いです。ワインに絶対に合います。

お魚を捌く事、庖丁を研ぐ事は、まだ、やって(出来て)おりません。庖丁を研ぐ”快感”を体験していない状態が続いています。

 

   バゲットを 柳刃で切り 悦に入り             孔瑠々