岐阜県可児市にある花フェスタ記念公園に行きました。あほぎり会の集まりで。世界最大級のバラ園「秋のローズウイーク;今年の秋は広いバラ園で”ゆったり”心地よく」とのポスターに誘われて。残念ながら、入口の辺りには一面のバラが咲いていましたが、あとは養生中のところがほとんどでした。”看板(ポスター)に偽りありやあ”、期待外れでした。2020年10月22日、撮影。
NHK俳句、10月のまとめです。一か月分を纏めて一度に記載しています。相変わらず、僕の備忘録として残しています。かなり端折ってありますが、お付き合い頂ければ嬉しいです。
10月第一週。選者の小澤實さんはリモート出演。ゲストで宮戸洋行さん(吉本興業所属で、以前「俳句さく咲く」で小澤さんから指導を受けた由)が加わり、司会の戸田菜穂さんと番組進行。令和の新星、今月は、鶴岡加苗さん。1974年生まれのお母さん俳人。今月の兼題は「運動会」ですが、鶴岡さんの句が冒頭に紹介されました。
千人にまぎれぬ吾子よ運動会 鶴岡加苗
ご自分で親バカ全開の句と評されていました。お子さんの成長を丹念に詠み続けていらっしゃる由。もともとは「千人のなかの吾子や」と詠んだそうですが「これではタダの報告(の句)」になってしまうので、親バカ全開で「まぎれぬ」としたそうです。こういう風にご自分の添削される過程を説明して頂けるのは面白いなあと感じます。有季定型を大切に句作を続けているとのことでした。今月の特選三句を紹介します。
三席 空に投げ勝利のバトン運動会
二席 靴下の黄色が我が子運動会
一席 フライングにピストル連射体育祭
戸田さんが小澤さんに一席の句の「フライングに」の「に」の要否、可否を質問していましたが先生の答えは「『に』が効いている、(字余りになるが)この『に』は必要です。走者がフライングしたことが目に浮かぶ」とのことでした。鶴岡さんもこの句を取っていました。
面白い句として、
クラブリレー畳がバトン柔道部
ゲストの宮戸さんが「この句には季語が無いですが‥」と質問していましたが、小澤さんは「クラブリレー、バトン、柔道部の言葉が十分に運動会、体育祭を表しているものとして取った」との解説でした。有季定型を大切にしつつも句の全体を見て捉えることが大切である、というのが勉強になります。<難しい>。
番組ではこの後、鶴岡さんの小学6年生のお嬢様が登場。わざとらしくない、自然な受け答えで好感が持てました。すごくシッカリされている。鶴岡さんもややウルウルの気配。「二人分ドキドキしました」と良い親子の風景でありました。
第二週の司会は、武井壮さん。選者が対馬康子さん。ゲストには五輪競泳メダリストの松田丈志さん。松田さんは宮崎県延岡市の出身。日向の知人から聞いた話ですが、松田さんの練習環境はあまり恵まれたものでは無く、天井にはビニールハウスのビニールが張ってあるプールで一生懸命にトレーニングに励んだと。地元ではまさに英雄です。
今週のテーマはスポーツ゚を詠む。松田さんをゲストに迎えての対馬さんの句です。対馬さんらしい句です。
告白を始める息をして泳ぐ 対馬康子
松田さんが準備してきたスポーツを詠んだ句、
熱狂と無音を行き来バタフライ 松田丈志
これを対馬さんが添削
熱狂と無音を行くやバタフライ 対馬康子さんの添削
「スポーツは”一期一会”」との話も出たり、対馬さんと松田さんの対話は大変に面白いモノでした。松田さんのしっかりした話ぶりに感心しました。素晴らしい五輪メダリストです。
今月の兼題は「十月」、特選三句です。
三席 海峡を馬食む風も十月ぞ
二席 十月のみなみのうをはさびしけれ
一席 十月の声歌垣の遠つ声
特選には選ばれませんでしたが面白いと思った句です。
十月の遠心力を持て余す
第三週、司会は岸本葉子さん、選者は西村和子さん。ゲストは写真家の浅井慎平さん。浅井さんは写真と俳句を組み合わせた「ハイク・グラフィー」活動の創始者とか。ご自分の句集も出している由。岸本さんが紹介していましたが、豪華な装填で一頁に一句のみ。西村さんから”自分達もこんな贅沢な句集を出してみたい”と羨ましがられていました。この週は投句を丁寧に鑑賞・解説して頂けます。特選三句です。
三席 新酒一舐め蘊蓄を一齣(しんしゅひとなめうんちくをひとくさり)
二席 あらばしり勢いもってつがれけり
一席 集うこと叶わぬ年の新酒かな
西村さんの一席の句の評、「この句は今年だからこそ出来た句。いい句だと思います」。同感です。三席の句は、難しい漢字を使って詠んでいますが、書くと纏まりよく五字二行に収まっています。西村さんは「この表現もなかなかのもの」と評されていました。
三席の逆パターンの句も取られていました。
新酒酌むうんちく語るなどは野暮
句の巧拙は別にして、僕はこちらの方の気配が好きですね。
今週のテーマは「題詠」。題詠とはもともと和歌の用語だそうですが、決められた題によって歌を詠む創作方法。俳句の句会では題の出し方によって「兼題」「席題」「探題」などの方法があるそうです。ゲストの浅井さんは「兼題」を準備しないで参加することが多い由。その場で一気に詠みきることで集中力・瞬発力が高くなると。また、困ったときは誰かに成り切って、その人のつもりで句を作る=なりきり俳句、を紹介していました。お三方でなりきり俳句を試しにやって盛り上がっていました。割愛します。
(「探題」とはどういうやり方か知りませんでしたが、調べてみたら、句会でいくつかの題を出し、各人がクジで探り取った題を詠む方法のようです。)
第四週は「俳句さく咲く」。先生は櫂未知子さん。生徒さんは、塚地武雅、桜井紗季、いとうまい子、田中要次の四名(敬略)。今週の宿題の季語は「暮の秋、菊日和、秋色、山粧う(やまよそおう)、夜学、鮭、柿」それと自由。先生から8点を頂いた句が出てきました。いくつか紹介します。だんだんと生徒さんの実力がアップしているような<羨ましい>。
信号の点滅待ちて暮の秋 櫻井紗季
打鐘鳴る競輪場や天高し 同
バス停に恩師の姿菊日和 塚地武雅
今週の学習テーマは、切字「けり」。これで「や」「かな」「けり」=切字三兄弟を全て勉強したことになります。先生の句、
塩鮭の塩ぼったりと落ちにけり 櫂未知子
先生ご自分で、この「ぼったり」が面白いと解説していました。<確かに>。今週のミニ句会の兼題は「冬隣」。特選に選ばれたのは、いままで劣等生であった(失礼)田中要次さんの句、
かはたれに寄り添う猫や冬隣 田中要次
要次さんなりに工夫して「かはたれ」という言葉を見つけ出したそうです。”明け方”、”朝方”、という意味だとか。知りませんでした。先生もその努力を高く評価。後で調べたら、「かはたれ=彼は誰」朝方を意味する言葉で、「黄昏(たそがれ)=誰そ彼」が夕方とか。面白いですね。いのこり授業に選ばれた(?)句は、
糠床に旬を入れるや冬隣 いとうまい子
他の生徒のなかにはこれを取った人もいたほど、僕も”イイね”と思ったのですが、先生の説明では「『旬』という言葉は使わない、季語が『旬』そのものだから」。この句の添削が面白かったです。
糠床にかぶらにんじん冬隣 櫂未知子先生の添削
蕪、人参も(冬の)季語ですが、「冬隣が大きな季語だから許される使い方。ひらがな書きで柔らかくしてはいかが」と。<むーっ、なるほど、難しい>。
今週の投句の兼題は「栗」、大賞のみ紹介しておきます。
おほぞらの果たての兄よ栗拾う
おまけの料理です。
あほぎり会の仲間が、「豚のオレンジ煮」の作り方を教えてくれました。バーミキュラ鍋で豚を鶏モモに変えてやってみました。サツマイモが美味しく頂けます。仲間の料理の写真も載せようとしたのですが、最近、操作が上手くいかないことが多くなっています。断念しました。2020年10月25日、料理と撮影。
大事件発生。ラインの画面が全て消えてしまいました。朝、突然に。何が起こったのか分からず、子供たちに救助を仰いでイロイロとやってみました。一瞬、復旧出来たように思えたのですが、ナント、過去の履歴が全て消えていました。ラインでの交信の記録が全て無くなった!。しばし茫然、予想以上にショックでした。バックアップを取っておく必要を強く感じております。
オマケの句です。
陽だまりが心地良い日や金木犀 孔瑠々
朝晩、寒い!と感じるようになってきました。今年は特に風邪など引かないように注意したいものです。ご自愛くださいませ。