クルルのおじさん 料理を楽しむ

6月のNHK俳句、その2.

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東山動植物園、合歓の木に花が咲いていました。熱帯植物のような感じがしました。動植物園は再開されていますが”密”を防ぐため入場者数を制限しています。小雪ちゃんが名古屋に遊びに来てくれました。小雪ちゃんパパ(僕の長男)が頑張って事前に全員の予約をしてくれ、半日かけて動物を見て回りました。コユちゃん(小雪ちゃんは自分のことをこう呼びます)は上野動物園には何回も行ったことがあるそうです。東山ではコアラを楽しみに。2020年6月20日、撮影。

 

 

NHK俳句、6月第二週、第三週のまとめです。例によって僕の備忘録として記載しています。お付き合い頂ければ嬉しいです。両放送とも、5月分と6月分の二回分の入選句をまとめて発表していますので、駆け足での講評です。次回からは平常の進行に戻ることが出来るのでしょう。番組制作・出演の皆さん、ご苦労様です。

 

 

6月第二週。選者の対馬康子さん、司会・パートナーの武井壮さんのお二人はリモート出演です。スタジオにはアナウンサーの方が一人居て、モニターに映されているお二人をつないでの進行役をされていました。

 

 

5月の兼題は「夏落葉」。夏落葉という季語は、恥ずかしながら、あまりピンときていませんでした。テキストの対馬さんの解説です。「一年中、緑の葉を保つ木(常盤木=トキワギ、と言うのですねえ)も、夏にかけて新葉が出るころに古い葉を落としてひそかに新旧交代をしている」。同じ初夏でも「若葉」とか「新緑」というと新鮮、みずみずしい様子ですが、それとは対照的に常盤木落葉、夏落葉というと、「陰と陽が合わさった独特の感性を研ぎ澄まして見出された季語」とのことです。

 

 

特選三句です。

 

三席   クリップで挟めぬ夜明け夏落葉

 

二席   夏落葉輪廻といふは惜しみなく

 

一席   夏落葉ばさりと月の欠けており

 

使いこなすのが難しい季語のように思いました。テキストを見ていたら、対馬康子さんが、この季語の解説のなかで第三週の選者の西村和子さんの句を取られていました。

 

     夏落葉男の齢首すぢに   西村和子   (齢=よわい)

 

対馬さんの評です。「ネクタイを締め、精悍に頑張っている男性。会話をしているその男性の首筋の動きに若々しく見えてもふと老いの始まりを見た、女性ならではの目線」と。男性としてはドキッとするような景色ですかね。確かにこの季語の風情が活かされているように思いました。

 

 

続いて、6月の兼題は「蛇」。対馬さんの好み?趣味?流儀?なのか何やらおどろおどろしい、気持ち良いとは言えない季語を兼題にされているような(僕は個人的に、気持ち悪いから、蛇は好きではないですね)感じがしてしまいました。

 

特選三句です。

 

三席   樹の灰の樹のおもかげを蛇滑る

 

二席   山河行く金剛力の蛇なりし

 

一席   蛇とほる身重の白きワンピース

 

これも難しい季語のように感じました。特選には選ばれませんでしたが、僕が(かろうじて)面白いなと思った句です。武井さんも取っていました。

 

     真夜中のピアノに棲みし蛇起こす

 

テキストに掲載されていた選者の一句です。

 

     蛇打たれ笑い崩るる如く死す   康子

 

余りにもリアル過ぎて気持ち悪くなりそうに感じました。対馬康子さんのテキストの解説を抜粋しておきます。

 

「俳句の作り方には大きく分けて、いわゆる取り合わせの句と一物仕立ての句がある。一物仕立ての句は、季語のことだけを詠んでいくスタイル。取り合わせの句は、季語部分と非季語部分の二つのものがぶつかり合うことで、連想の妙を呼び出す方法。”蛇”というどちらかというと孤独を思わせるものが配合により変わってゆきます」とのことです。理屈はなるほど!と分かるようにも思うのですが、このワザを使いこなすにはまだまだ時間が掛かりそうに感じます。

 

 

 

6月第三週です。選者は西村和子さん、司会は岸本葉子さん、ゲストに滝村雅晴さん。この回から、スタジオでお三方揃っての収録になりました。やはりモニター出演ではなく同じ場所に全員そろってお話される方が、見ていて(聴いていて)も楽ですね。まだ席の間隔を空けているようにも思いましたが、少しは”平常”に近づいてきました。

 

 

5月の兼題は「蚕豆(ソラマメ)」。

ゲストの滝村さんは「パパ料理研究家」。家族のためにパパが作る(作れる)料理を提唱されているとか。西村さんの息子さんとも交流があるそうです。選者の一句です。

 

      蚕豆は莢ごと焼かむ甘からむ   西村和子

 

西村さんは蚕豆を食べる時には、長い間ずーと、莢を剥いて塩ゆでして食べていたそうです。ある日、息子さんとバーベキューをした時、そのまま焼いて食べるとワタまで甘いということを発見して感激したそうです。その時のことを詠んだ句。そして、その食べ方を息子さんに教えてくれたのがゲストの滝村さんであった由。いい話、いい句ですね。特選三句です。

 

三席   蚕豆の莢の内なる綿甘し    (綿=わた、甘し=うまし)

 

二席   蚕豆やふくよかなりし母の指

 

一席   はじき豆土佐の女はよく笑う

 

特選には選ばれなかったですが、面白いと思った句です。

 

     蚕豆が好きで馴染みになりにけり

 

     蚕豆や教授の皿に皮のなく

 

やはり、食べ物をお題にした句は楽しいかと。

 

 

6月の兼題は「さくらんぼ」。食べ物が続きます。選者の方の個性が出ているのか、ディレクターさんの注文が入っているのか並べて比較してみると面白いものですね。コロナ巣籠りの影響もあり、投稿が大変に多かったそうです。分かるような気がします。特選三句です。

 

三席   さくらんぼ採りたし四十肩痛し

 

二席   桜桃の記憶は父の肩車   

     (桜桃(おうとう)=さくらの一種・さくらの果実=サクランボのこと)

 

一席   色づいてきてさくらんぼ騒ぎ出す

 

同じく特選外ですが面白いと思った句です。

 

     無頼派の集う酒場のさくらん

 

     さくらんぼ硝子の青に冷やされて

 

ゲストの滝村さんは「俳句に興味を持ちました。西村先生について教えて頂ければ」とエールを送っていましたが、西村さんから「料理が好きな方は俳句もお上手ですよ」といわれて満更でもない様子でした。僕も「料理は好きなんやけどなあ」と思いましたが、「料理がお上手な方は」の間違いだったかもしれません。

 

 

パパ料理研究家の滝村さんが紹介された旬の一品。お題は「トウモロコシ」。

『皮付きのトウモロコシをそのままの状態でレンジに(ラップをしないで)。3分半で美味しく頂ける』と。誰でも出来る超簡単な料理(W数は特に説明無しでした)。

 

司会の岸本さんが「皮付きのままだと剥いだ時にあのモジャモジャが!」と楽しそうにはしゃいでいました。岸本葉子さんは、日経新聞の夕刊「人生後半はじめまして」の欄にエッセイを定期寄稿されています。この数回は、コロナ関連の話題ばかり。「こんなときこそ」とか「「断捨離タイム」とか「快適な巣籠り生活」とか。自然体の語り口のなかにハッとするようなフレーズが出てきます。ご本人も「俳句大好き人間」と言い切っていますが、俳句で身に着いたモノを捉える力のなせるところかと楽しく拝読しております。

 

 

 

6月17日に名古屋の隠れ家に「特別定額給付金」の案内が届きました。必要な添付書類のコピーを近くのコンビニまで取りに行きましたが、同じような趣の方が2-3人いらっしゃったように思います。翌日に申請書を投函。

 

たまたまですが、今日(6月26日)の日経朝刊の三面記事に「名古屋市民『支給遅すぎる』、10万円給付率4.7%」の見出し記事が掲載されていました。大きな自治体でも早いところは早い。札幌市約99%、神戸市83.4%と高い給付率です。逆に、横浜市が約17%、大阪市は3.1%。名古屋は大阪と並び随分と遅いのですねえ。

 

同記事。飲食店でアルバイトをしている学生(19歳)さんのお話。「10万円で助かると思ったが、給付よりも(アルバイトの)シフトの方が先に元に戻った」とあきれ顔とか。シャレにならないですねえ。河村市長は22日に作業の遅れを謝罪、現在、人海戦術で対応しているそうです。6月中に申請書を返送された給付が終わるのは7月中になる見込みとか。行政のIT化の遅れが丸見えになってしまいましたが、個人番号カードとか何だったんでしょうねえ。大変な手間と税金が費やされていると思いますが。ヤリッパナシで無駄にされたままなんでしょうねえ。相変わらずイライラが募ります。

 

 

文藝春秋の7月号は引き続きコロナ特集「コロナ後の世界」。このなかで柳田邦男さんが「リスク分析先進国・ドイツ---日本と何が違うのか?、コロナ対策再検証・この国の『危機管理』を問う」と題して12頁に亘る寄稿をしています。ドイツとの対比の中で、「検査も診察も無い『自宅待機』への疑問=なぜこのようなゆがんだ限定的な体制を、国はコロナ対策の柱の一つにしたのか!?。今月号は前編で、来月号で詳細が検証されるのではと楽しみにしています。次の段階への対応を少しでもスムーズに進められるように、何かにつけて、きっちりと検証をしておきたいですよね。

 

 

 

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東山動植物園。 観客数を制限しているので、ゆっくり、近くで見ることが出来ました。

イケメンゴリラで有名な「シャバーニ君」。ガラス越しですが、手が届くような距離で見ることが出来ました。コユちゃん(小雪ちゃんは自分のことをこう呼びます)が泣き出すかと心配しましたが、パパにしがみつきながらも興味深そうに見ていました。シャバーニ君はホントにイケメンです。映画俳優の風情、貫禄があります。

ゾウさんのところでは餌付けをしているところを見ることが出来ました。キリンさんも屋外に出てきてゆったりと散歩していました。

この動物園には「ふれあい広場」があります。ヤギさん、ヒツジさんに触れあいながら餌をやったり、モルモット等々の小動物を膝に抱いて撫でることが出来るように工夫された一角です。残念ながら、閉鎖されておりました。また、次回の楽しみに。

 

 

     父の日の甚平を着てブログかな   孔瑠々

 

 

おまけです。

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神奈川の自宅のベランダと庭をいじくってもらいました。スペースがちょっとできたので野菜を植えました。大型のプランターに園芸・野菜用の土、肥料を入れて、近くのホームセンターで苗を買ってきました。向かって右から、きゅうり、青紫蘇、ゴーヤ、とうがらし、ゴーヤ、イタリアンパセリ。鯱城学園・園芸科の学習の成果が出てくれるかどうか。育つかな?。6月14日、撮影。

 

鯱城学園は一学期は完全に休校継続です。二学期以降どうなるかを検討中とのこと。来年4月からの意向調査(アンケート)が届きました。もう一度二年生を続けたいか、このまま卒業するか、というもの。仲間と話したら、ほとんどの方が”もう一年やりたい!”とのことでした。僕もそう返信しました。園芸科は、農園・作物があるので、植え付け・水遣り・収穫等々で集まる機会もありますが、他の学科・クラブは完全にお休みの様です。もちろん、一年間のお付き合いのお陰でゴルフをしたり少人数で会食をしたりの集まりはありますから二年生はまだマシだと思いますが、今年の4月入学の一年生は全く自宅待機のまま(のはず)。年寄りの大学だから”已む無し”ですが、ホントの一年生、小さい子供達の教育(遊び)環境は心配ですね。日本の政府の危機対応力は頼りにならないことが分かってしまいましたから、自分達で、現場現場で工夫してやっていくしかないと思います。親御さん、現場の先生方は益々大変かと思いますが、頑張って下さいませ。医療の現場、教育の現場、社会のインフラに従事されている皆さま方、引き続き、くれぐれもご自愛のほど。