クルルのおじさん 料理を楽しむ

『ちくさこども食堂』

テリーさんがお手伝いしている「ちくさこども食堂」の活動に参加してきました。名古屋市の地下鉄東山線、池下駅のすぐ近くにあります。”池下”は名古屋市千種区のなかでも環境の良い(高級)住宅地、地下鉄の駅の周辺は人気が高い飲食店、商店がたくさんある処です。その一角にある「キッチン ARAGUSA」がこども食堂の会場です。普段は息子さんがレストランを経営されていて、お店の休みの時を利用してお母さんがここを子ども食堂の会場に提供してらっしゃる。お母さんがこの「ちくさこども食堂」の会長さん。テリーさんはもっぱら資材の調達、いろいろな管理(それと広報も、多分)を担当している由。

 

10:30からのオープンに備えて、ボランテイアの方々は近くにある病院の駐車場に9:00に集合。この駐車場で、来場者は受付をして整理券をもらい楽しく食事するのですが、更に、その後で子供達が楽しく時間を過ごすことが出来る様、イロイロな交流が出来る仕掛けがされています。子供服等の「もらってください」コーナー、将棋コーナー、絵本の読み聞かせコーナー、アメリカ人の方が英語で紙芝居をするコーナー等々。

7-8人のボランテイア―の方々が協力してテントを二つ張り、(テリーさんが調達してきた食品を詰め合わせた)お土産セットの袋詰めを準備、椅子・テーブルをセットして、シートを敷いて「もらってください」の品物を並べます。最後に幟を立てて準備完了。

 

   

ちなみにこの幟はテリーさんの手作り。前日の夜、遅くまで夜なべして作ったそうです。エライ!。テリーさんらしい味わいのある字体です。

 

会場の「キッチンARAGUSA」。表通りから入って直ぐの所にあります。周囲は大きなビル、マンションで、ここだけが昔からの佇まいを残している建物です。

 

   

店内の様子です。厨房に3-4人。配膳に2人。コロナ禍の期間は店内での食事提供は避けて、ずっと持ち帰りのお弁当を提供していたそうです。店内での食事提供の再開は今日が初日。スタッフも入れ替わり段取りもまだ十分に慣れていないので、今回は、チラシの配布などの案内はやらず、口コミと区の広報誌に掲載しただけ。さすがにご来場の人数はやや少なめだったようですが、親子連れ、子供達だけのグループ等、たくさんの方が食事を楽しんでいました。終了後、駐車場の後片付けをして、ボランテイアの皆さんで残り物をツマミながら反省会。テリーさんが食材の調達に出かける必要があったので僕も食事を取らずに一緒に退出しました(ちと、残念)。

「うお浜」のご主人がボランテイアで厨房を仕切って料理の提供をする日もあるとか。その時には是非また参加して若大将の手作り料理を食べてみたいなあと思いましたが、”多分、その時は(人気が高いから)準備した分が全て提供され尽くして、ボランテイアが食べるモノは残っていないでしょう”、とのことでした。そりゃあ、そうなんでしょうねえ。ご来場者の多い時は4回転、5回転の忙しさだそうです。

kururupapa.hatenadiary.jp

以前の「ちくさこども食堂」の記事を参考までに埋め込んでおきます。地道な活動を続けていらっしゃる皆様にはエールを送りたい、敬意を表したいと思います。

 

 

NHK俳句です。4月第三週、新しい選者は木暮陶句郎さん。1961年、群馬県生まれの方。お名前の通り陶芸と俳句の二刀流で、一旦、途絶えてしまった伊香保焼きを復活させた自慢げにお話されていました。年間のテーマは「器に季語を盛る」。今週の兼題は「菜の花」で、蕪村の名句が紹介されました。

   菜の花や月は東に日は西に   蕪村

 

「地球という器に『菜の花』を盛りつけたスケールの大きな一句」との解説がありまし。”この蕪村の句からイメージされる器を作り、その器に料理を盛る、それを実際に味わう”というのが趣向のようです。俳人でフランス家庭料理教室をされている方のサラダが供されていました。陶芸と料理と俳句を一緒盛りした番組ですかね。今回のゲストは元バレーボール日本代表益子直美さん。益子さんの句。

   菜の花と代表を誓う背比べ   益子直美

「名前も作品と一体、セットである」との捉え方から「代表」は不要として、

   菜の花と夢を語りて背比べ   

と添削されていました。

今週の特選句で面白いと思った句です。

   傷心の日や菜の花の真っ盛り

   退職の空の青さや花菜風   (「花菜風」は「菜の花」の傍題)

特選三句です。

一席   口笛のかすれっぱなし花菜風

二席   菜の花やあだ名の決まる帰り道

三席   歯ごたえはジャズ菜の花の辛子和

 

テキストに掲載されていた句です。

   川ひとつ花の器となりにけり   しなだしん

 

「明るく美しく流れゆく『花筏』は印象的」と講評されていました。いい句ですね。

 

 

第四週です。引き続き選者は高野ムツオさん。「語ろう!俳句」=「句会」です。今週のメンバーは俳人の矢野怜奈さん、岩田奎(けい)さん。レギュラーの中西アルノさん、ゲストは伊集院光さん。兼題は「辛夷(こぶし)」です。「拳」と語源は同じだそうで、子供の拳骨を連想したとか、コブシの実=ゲンコツ=拳が開くイメージからだとか。句会の得点の高い順です。

 

5点句   花びらのもう触れ合はぬ辛夷かな   矢野怜奈

中西さんと岩田さんが特選、伊集院さんが並選。取り合わせでなく一物仕立てが評価されていました。「もう」が散文的だが「別れ」「儚さ」が伺えるとの講評。矢野さんが「『卒業の頃』のイメージが被さった」とのコメントに皆さん、感心していました。

4点句   雲通過するたび辛夷輝くよ   高野ムツオ

矢野さん、伊集院さんが特選。高野さんによれば「辛夷は『田打ち桜』『種まき桜』とも呼ばれ、早春の農作業を告げる花」。

3点句   挽肉のあらければ咲く辛夷かな   岩田奎

高野さんが特選、中西さんが並選。「無理矢理にくっ付けた句です」と岩田さん。「俳句はそれが楽しい」と高野さん。

 

2点句   公園の辛夷を見ゆる四畳半   中西アルノ

岩田さん、矢野さんが並選。作者の心情につきイロイロな見方がなされていました。

1点句   あの辛夷ならとうに・・・と若い和尚   伊集院光

高野さんが並選。高野さんから「季語としては『咲いている花』が詠む対象となる」とアドバイスがありました。「・・・」を使って良いのかと司会の柴田さんが質問していましたが、高野さんから「全く問題ない、ダメであると何処にも書かれていない、自由である」と明解な解説がありました。

高野さんは常日頃から「句会の面白さ、楽しさは『作品がどう鑑賞されるか、できるか』」とおっしゃってますがまさにその面白さを感じられる番組になっています。

 

今週の特選三句です。

一席   作馬を見送る朝や花こぶし

二席   辛夷散る初めて海を恐れた日

三席   辛夷まだからっぽのランドセル

一席の「作馬(さくうま)」は飛騨、長野辺りの方言で「農耕に使うために貸し出す馬」のことだそうです。

 

 

4月29日の日経朝刊に「全国の市区町村;書店ゼロが27.7%に」の記事がありました。「人口減少、ネット通販の普及が背景」。沖縄、長野、奈良では書店ゼロの市町村が過半を占めるそうです。

改めて考えると、確かにまず本を買わなくなっています。本が溜まり過ぎると厄介なので、買わないで図書館で借りて読むことが多くなりました。そして、買う場合でも本屋さんで買わなくなってます。最近、買った本のほとんどは水墨画の本で、これらは手元に置いておきたいモノで、アマゾンか、メルカリの中古本を買いました(本屋さんには置いていない)。でも、本屋さんに入るのは好きで、別に探している本が無い時でもブラっと入って本棚を見て回るのは大好きです。特に、最寄りの駅の近くにある本屋さんはお気に入りの店で、あまり広告宣伝されていない本ながら、面白そうな本をたくさん並べてくれています。買うつもりが無かった本をついつい買ってしまって、その本が面白かった時には大変な満足感、充足感を感じて嬉しくなります。

記事には「地域の書店が担う文化発信機能の弱体化が懸念される」と記載されてましたが、街の本屋さんが無くなっていくのは寂しいですね。どうすれば良いのですかね。