クルルのおじさん 料理を楽しむ

古本屋さん

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 大阪市中之島図書館。近くのホテルでお客さんと新年会がありました。次の予定まで時間が余ったので一人でプラプラ散歩しつつ懐かしの図書館に。外観はほぼ変化無し。かつて昭和40年代前半!!には自習室がありましたが、もはやそのようなスペースは無くなっていました。2018年1月11日撮影。

 

 

地下鉄の本山駅の交差点から数分のところにお気に入りの古本屋さんがあります。本山駅は、名古屋の東山線名城線が交差している駅で、名城線を南に一駅行くと名古屋大学南山大学中京大学等のキャンパスがあり、東山線で東に一駅行くと東山動植物園平和公園があるところです。名古屋駅から地下鉄で15-16分ほどの便利なところで、近くには覚王山、自由が丘、東山公園、八事等々、名古屋で人気の高い評判の良い住宅街が広がっている地域です。

 

この古本屋さんは、本山の交差点から名古屋大学方面に歩いてすぐのところ、ビルの半地下にあります。表通りが若干の坂道になっているので階段を半階分ほど降りる。入り口はやや奥まったところにあります。店の外、入り口の横に古い本棚を利用して古本が置いてあるのが表通りから覗き込むと目に入ります。表通りには、注意して見ればお店の看板が出ていますが、僕が最初に気づいたのはこの店の外の通路に置いてある本の棚でした。””おお、こんなところに本屋さん、それも古本屋さんのようだ””てな感じです。日が差し込んでこないし、雨風の心配も無さそうなので本が痛む心配もない(と思います)、古本屋さんに適した環境です。古本屋以外では、ちょっと渋い喫茶店が似合うかもしれません。扉を開けて中に入ると、とにかく、古本屋の風情が漂っています。それほど広いお店ではありません。本の棚がやや迷路っぽく並んでいるのも面白い。

 

お店の一角に狭い番台のようなスペースがあり、その隅っこにお店の人がひっそりと座っています。いつも同じ方がいるので、多分、この方がこの店のご主人なのでしょう。痩せ型、細面・髭面、当然、やや長髪。ジーパンに下駄が似合いそうな、いかにも古本屋さんというイメージの方です。愛想は悪いというのではなく、愛想が無い=そこにいるという気配がしない。年齢は不詳ですが、結構まだお若いと思われる。このお兄ちゃんが即席ラーメンを食べているところは絵になるだろうなあとか、はたまた、かつて70年代の学生運動の闘志であったのだろうかと想像してしまうような気配です(全く時間軸が合わない僕の勝手な想像です)。

静かな店内、お客が入って行っても、どこかの居酒屋みたいに「いらっしゃい!」なんて声は間違ってもかかりません。この店、誰もいないのかしらと思わせるような雰囲気で、ゆっくりと本を見て回ることが出来る空気が漂っています。

 

 

何時お邪魔してもお客さんは精々一人か二人いるだけ。これでよくお店を維持出来ているなあと心配になるほどです。昔、街の本屋さんは、お店に来て本を買ってくれるお客さん以外に、地域の学校に教科書を納める権利を持っているのが大きな収益源になっていると聞いたことがありますが、古本屋さんにも何かベーシックな収益源があるのですかね。

この界隈は名古屋での僕の散歩コースです。東山公園平和公園を散歩した後で、ぶらり立ち寄ります。だいたい何冊か買ってしまいます。それでも定価で一冊分程度で収まります。何か随分と得をしたような充実感。こんなお値段で『スピリットを揺さぶってくれる方々』=オモロイおっさん、おばはん達と出会えるキッカケを与えてくれるなんて、古本屋さんに感謝、感謝ですね。

ご主人とは勘定をする時にだけ言葉を交わしますが、意外と丁寧かつ親切そして清潔感があります。この落差がまた面白い。

 

 

 

一方、東京、神保町の古本屋街。こちらは、専門書、専門分野に特化したプロのお店が多くあります。美術書、古書の専門店とか、文学・哲学・社会科学・演劇・芸術・自然科学それぞれの専門分野の本を集中して取り扱っている店とか。司馬遼太郎さんが執筆を開始する時には、そのテーマの資料を根こそぎ買い求めるので、この界隈の本屋さんでも、そのテーマに関連する書籍が一冊も無くなってしまったとか有名な逸話が残されています。また、幸いな事に空襲の被害にも合わなかったとのことです。

 

メインの通りの北側と南側で本屋さんの数が全く違っています。通りの北側=南向きのお店は日当たりが良い。日当たりが良いのは、古本屋にとってはマイナス材料。強い日差しを浴びると店頭の本が傷んでしまうから。古本屋は、南側=北向きに軒を連ねて並んでおり、北側=南向きには食堂、喫茶店等々が店を出しています。世間一般では南向きの住宅が好まれるのに業種によっては常識が異なっているのですねえ。

 

仕事の関係で同じ地下鉄沿線の近くの駅に時々行く機会がありますので、時間がある時には神保町辺りにも足を延ばします。以前、その筋の先輩から””あんたの好きそうな本が置いてあるはずやでえ””と教えてもらったお店がこの通りの一角にあります。

以前から「食の歴史」とか「食の文化」の本には興味を持っていましたが、最近は、その中で「昭和の時代」のことを綴った本(随筆風のモノ、紀行文的なモノ)に興味を持っています。大正から昭和初期にお生まれの方々が、昭和50-60年代くらいに執筆されている本。余り高価な本には抵抗がありますから、安い文庫本を物色しています。本の横幅のところはセピア色に変色しているような本ですが、さすがに神保町の古本屋さん、本の保存状態はキレイなものです。最近買った文庫本で、表紙を捲ったら、著者直筆の「謹呈xxx先生」日付・サインが書かれているモノがありました。その本の初版・第一刷です。xxx先生、著者のサイン入りの謹呈本は、やはり古本屋さんには流さない方が良いかと思いますが。これも時の流れですかね。

 

 

 

古本屋というのかナント言えばよいのか「BOOK OFF」というお店も凄いなあと感心してます。本、それも漫画本・コミックス、CD、衣類、カバン、おもちゃ、ゲーム等々、多分、それぞれのご家庭で眠っていたであろうこれらのモノを再活性化させたというのが凄い。商売として大変な目の付け処、新しいビジネスモデルを構築された。この創業者の方はたいしたもんだと思います。

 

僕は専らCDを買いに行きます。最初はおっかなびっくりでしたが、音も正常でありました。1000円以下で名曲、名演奏家に触れることが出来る。奇跡のピアニスト、天才と言われる辻井伸之クンの演奏を最初に聞いたのもBOOK OFFのCDでした。昨年末には、民放BS番組で彼のドキュメンタリーが三回も放送されてましたが、どれも素晴らしいものでした。この放送と相前後してBOOK OFFで「今日の風邪、なに色?」と「のぶカンタービレ!」の二冊を見つけて買いました。いづれも辻井クンのお母様が出版されていた本。多分、書店で見ても買っていないだろうなあ。廉価で提供されていたからついつい買ったんだろう。涙を流しながら感激して読みました。辻井クンの一層のフアンになったように感じています。古本屋さん(それと図書館!)というのは、本当に良いものですねえ。(すみません、本屋さんそのものも大切なモノだと思っています。)

 

 

 

本屋大賞がすっかり有名になりました。この二年は、たまたまだと思いますが、ピアノ・クラッシック音楽を題材にした作品です。2017年は『蜜蜂と遠雷恩田陸さん。幻冬舎。第156回直木賞と第14回本屋大賞のダブル受賞。浜松国際ピアノコンクールを舞台にした力作です。2016年は『羊と鋼の森』宮下奈都さん。文藝春秋。第13回本屋大賞。これはピアノの調律師さんを主人公にした作品。

これらがキッカケになってピアノ、クラッシックの世界がもっともっと関心が高くなると良いですねえ。次の大賞の題材は、食事・料理・食の文化になるのではないかと密かに楽しみにしております。

 

蛇足ですが、本屋大賞の本屋さんには古本屋さんは含まれていないのでしょうね。二番煎じはダメかも知れませんが「古本屋大賞」なんてのもあったら面白いかと(これにはBOOK OFFは入らない方が良いかもしれませんが)。

古本屋さんが「埋もれている名著を再び蘇らせる」!。対象は初版から少なくとも10年以上経っている本に絞るとか。面白そうでしょう。

 

 

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 図書館の隣にある中之島公会堂。かつて、安藤のおっちゃんは、この外観を変えずに内部に球体を埋め込むような斬新な改造を提案したとか。実現したものを見てみたい気もしますが、臆病な僕はやはり今のままでエエやんと思っています。同2018年1月11日撮影。