クルルのおじさん 料理を楽しむ

猛暑日が続く8月、NHK俳句

 

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鯱城学園・園芸科の農園にナスの収穫と山芋の水遣りに行きました。学園は本年度は来年の春までの休校が決定されましたが、畑の作物はコロナ騒ぎに関係なく育ってくれています。先生方のご尽力に感謝。生徒も各班でローテーションを組んで水遣りに行っています。野菜に水遣り、自分たちも十分に水分補給を注意しながらやっています。2020年8月23日、撮影。

 

 

暦の上では立秋を過ぎると季節は秋=秋の気配が立ち始める、とされていますが、お盆を過ぎても暑いですね。それも半端な暑さでない、猛暑日が続いています。日差しがホントに強いです。僕の隠れ家から最寄りの駅にはなだらかな下り坂です。のんびり歩けば15分程度の楽な道のり。夏は、普段の生活では、何時も半パン、ポロシャツ・Tシャツ姿で過ごしておりますが、会社に行くときだけは、ワイシャツにスラックススタイルです。上着は着ないし、持って歩くこともしてません。クールビズが定着したお陰でもちろんネクタイは無し。気楽な涼しそうなカッコウなのですが、今年の夏はこれでも暑い。週に2回ほどは顧問をしている会社に出社するのですが、ワイシャツ・ズボン姿には暑さが応えます。

 

朝から日差しが強い時には、日傘を使うことにしました。と言っても普通の折り畳みの傘を差すだけですが。随分と頭、背中の暑さが和らぎます。

日傘を差していないでオフィス街を歩く時には、ビルの影、街路樹の影がホントに助かりますねえ。何も遮るモノが無い時、電線の何本かの細い影さえ直射日光を遮ってくれそうに感じます。それほど日差しが強い。

 

帰りは駅からなだらかな上り坂になります。なだらかとは言え、約15分の上り。夕方でもまだまだ暑いので、汗びっしょりになります。隠れ家のドアを開ける時には、汗が滴り落ちている状態。部屋のなかは温室状態。ベランダへの窓を開けて同時にエアコンもオンにしてお風呂に一直線。シャワーの温度調節を青線(水のところ)にしても出てくるのはお湯。しばらく出しっぱなしにしておくと漸く水らしいものが出てくる。頭からシャワーを浴びて、文字通りクールダウン。コロナ対策も兼ねて丁寧に石鹸で手、顔、体を洗い、うがいを十二分にやっています。

 

最近は夜もエアコンをオンにして寝るのが当たり前になりました。熱中症対策として推奨されているし、こんなに暑くてはエアコン無しに寝ることは出来ない。しかし、コロナ騒ぎもあって、一日中、家に籠りエアコンの中で生活していることが体に良かろうはずは無い。一日に一回は、びっしょりと汗をかくのはキット健康に良いことだと信じております。当初から、駅からの上り坂を一気に歩き切ることが出来なくなる時は、隠れ家生活をギブアップするタイミングであろうと思っていましたが、今はこの距離が体力維持に役立ってくれていると実感しております(シンドイですけど)。

 

僕のカミさんのお母さんは、今年の10月で97歳になりますが、まだまだ元気です。コロナ騒ぎで外出を控えざるを得ない生活になっていますが、一日一回は自宅の屋上に出て15分ほどは日光浴を兼ねた散歩を続けていると。ちゃんと帽子を被り、手すりにつかまって安全を確保しながら、ゆっくりと自分のペースで歩いている由。これが健康の秘訣かと感心しています。これからも見習いたいものです。なお、おばあちゃんが散歩している時は家族の誰かが見守っていますので、ご安心ください。

 

 

さて、猛暑日の最中、季節は秋のNHK俳句です。僕の備忘録として書いています。お付き合い頂ければ嬉しいです。

 

 

8月第一週、選者は小澤實さん。司会は戸田菜穂さん。今月のゲスト=「令和の新星」は村上鞆彦(ともひこ)さん。若くして「南風」の主宰を務められている方。今週の兼題は「水引の花」ですが、小澤さんが選んだ村上さんの句、

 

   みづひきの花の一粒づつ空へ   村上鞆彦

 

対談のなかで、小澤さんが”(自分は)時には空想も交えて作句する”と話しを振ったのに対して、村上さんは「自分は、実際にモノを見て、顔を近づけてしっかりと見て作る句風」であると。テキストのこの句に対する解説には「視線が動いて、句に動きが生まれている‐‐‐なかなか成功しがたい植物の季語を用いた一物俳句を成り立たせている」と評されていました。なるほど。

村上さんの句をもう一句、

 

   振り消してマッチの匂う秋の雨   村上鞆彦

 

これは昭和世代の僕たちにはしっくりと納得出来る句かと。句の情景が膨らむように感じます。但し、時代が移ってマッチで火をつけることが無くなりつつある世代の方がこれを読んだ時、何のこっちゃ、と思うのではないかと心配になりますが。村上さんは1979年生れ、小澤さんとは二回りほどの年の差=親子のようなものですね。小澤さんが相変わらずフェアに後輩をリードする姿、後輩を盛り立てようとしている話し方に好感が持てます。

 

兼題「水引の花」の特選三句です。「水引の花」なんて題を句に読むのは難しいなあと思っていましたが、面白い句が沢山寄せられていました。なんとレベルが高いことか。

 

三席   水引の花やモンクの弾くピアノ

 

二席   水引草臨月の子の来ておりし

 

一席   水引草サドルの凹みにゅうと消ゆ

 

特選には選ばれませんでしたが、面白いと思った句、

 

     水引やひとりぼっちのけんけんぱ

 

 

第二週は、対馬康子さんが選者。司会は武井荘さん。ゲストにソロヴォーカリスト姿月あさとさん。あさとさんはかつて宝塚「宙組」のトップスターであった方だそうです。面白かったのは、対馬さんがあさとさんの大のフアン。番組の中でも興奮した面持ちで「(憧れの方と対面して)動機が止まらない」状態であると。司会の武井さんから「顔が赤くなっているよう」と冷やかされていました。あさとさんの駆け出しのころからのビデオを何度も見たほどの入れ込みようであった由。今でいう「追っかけ」以上の熱心なフアンですね。更に、対馬さんの句集のなかには、あさとさんを詠んだ句が21句も収められていると。それを今回ご本人に朗読してもらって感激していました。普段、クールでそれほど表情を変えず、やや前衛的な句を読んでいる感じの対馬さんが女学生のような素の表情を見せているのが大変に面白かったです。女子にとっては憧れの宝塚スターというのがどれだけ重いものかを垣間見たように感じました。対馬さんは昭和28年生れ、僕より三つ下ですが、いつまでも感性が若い、豊かである方だなあと改めて感心しました。

 

 

今週の兼題は「七夕」。七夕は旧暦の7月7日で今年は8月25日に相当するそうです。俳句では秋の季語になります。以下、特選三句です。

 

三席   七夕の竹に一枚殷墟文字

 

二席   似たようなビル七夕の夜が乾く

 

一席   七夕や疎水は星を流れをり

 

特選には選ばれませんでしたが、面白いと思った句です(僕は分かりやすい平易な句が好きなのかな)。

 

     終着の駅に七夕飾りかな

 

     七夕のきみさっそうたるハーレー

 

 

第三週です。選者は西村和子さん、司会は岸本葉子さん、ゲストに平野文さん。平野さんは声優、「うる星やつら」のラムちゃんの声で有名な方とか。俳句歴も十年以上のベテランです。兼題は「蜩(ひぐらし)」。セミは夏の季語ですが、蜩は秋の季語とか。蜩は立秋を過ぎて鳴くものだそうです。

 

大急ぎで特選三句です。

 

三席   蜩や昇降口に影長く

 

二席   蜩や杉の雨滴の落ちきらず

 

一席   供花のなき墓へひぐらし惜しみなく

 

一席の句は”悠久の時の流れを感じる”と高く評価されていました。供花=くげ、と読むそうです。特選には選ばれませんでしたが、味わい深いと思った句です。

 

     蜩やトロ箱洗う女子衆

 

     かなかなの途切れて我に返りたる

 

ゲストの平野さんの句、

 

     ひぐらしの夢あともさきも色消えて   文

 

中七は「夢のあとさき」とせず字余り覚悟であえて「夢あともさきも」とした由。「夢のあとさき」はどこかで聞いたことがある言葉だから嫌だったと。面白いですね、俳句の熟練の方はこういう考え方するんだ、と参考になりました。

この週のテーマは「ようこそ句会へ」で句会の流れの説明がありました。今回は「披講」と「名乗り」。「披講」というのは選句の結果を読みあげること。名前を読み上げられた人は、間髪をいれずに「名乗り」をあげる。「はいッ」とか「わたしです」とか余分なことは言わない。またフルネームで答えるのではなく、名前または俳号でテンポよく堂々と感謝の気持ちを込めて簡潔に答えるのが正しい「名乗り」だそうです。句会の”作法”だけはイメージが出来るようになってきました。

 

テキストに記載されている西村さんの思いです。「(コロナ騒ぎで)すべての句会が休会を余儀無くされている‐‐‐句会は『三密』悪条件の最たるもの---『不要不急』のこと、そのものが句会かも」という気持ちがある一方で、芭蕉の言葉を紹介していました。「風雅は夏炉冬扇の如し。衆にさかひて用いる所なし」。「夏のいろりと冬の扇のように無用のもの、(不要不急どころか)あっても何の役にも立たない」という覚悟とか。西村さんも「こんな非常時だから、自分にとって俳句とは何か、句会の本質と魅力を考え直す機会を与えられたと受け止めている」とご自分の覚悟を書かれていました。いいコメントだと思いました。

 

 

第四週は、「俳句さく咲く」。先生が櫂未知子さん。生徒さんが四名。先生と生徒さんの間合い、呼吸が良くなってきています。出演者がお互いによく馴染んできて面白い番組になってきました。俳句初心者向けの授業だから、やはり僕にとっては一番ピッタリの週かと感じております。

 

例によって宿題の返却から。8月の宿題・季題は、新涼、天の川、花野、踊、墓参、虫、桃、および自由三句。生徒さんの宿題句に対して厳しい講評がボンボンと。「相変わらず季語の重なりが多い」「季語を十分に理解出来ていない。朝に鳴くのはセミ、虫は夜に鳴くもの」「俳句では、お吸い物、お酒とは言わない=”お”は着けない」「勉強すれば、もっときれいな言葉に出会うことが出来る。老眼とは言わないで”花眼”と言う表現がある」。

授業のテーマは切れ字。ーーー最もポピュラーなものが「や」「かな」「けり」。そのなかでも「かな」。詠嘆を表現している、あえて言えば「!」という意味になろうか。下5で使うのが最も効果がある。そして切れ字は一句に原則一つのみ。焦点を一つに集中することーーー。櫂先生の指導は分かりやすいですね。

 

「障子貼る」をテーマに吟行に出かけて、実際に障子貼りの体験を全員でやってから作句したり。また別な場面では「新涼」をテーマにミニ句会を。今までいつも下の順位であった生徒さんの一人、田中要次さんの句を先生が特選に取りました。

 

   新涼やスープカレーの湯気踊る   ようじ

 

”季節は秋になり、そして、美味しそうだと感じさせる良い句になっている”と高い評価。強面の要次さんも感激の表情、嬉しくて半泣き状態でした。要次さんはこれで俳句にハマることになるでしょう。食べ物を詠んだ句は大好きです。僕も良い句だと思いました。

 

今週の兼題は「唐辛子」。この週は授業がテンコ盛りなので、投句に対する先生の講評が無いのが残念ですが。

 

さく咲く俳句大賞の句

 

   曲り家に風の抜け道唐辛子

 

入選句の中で面白かった句、

 

   湯の町に朝市ありてとうがらし

 

   唐辛子三輪の山肌新なり

 

端折って纏めたら、一回で四週間分を記載することが出来てしまいました。NHK俳句の勉強、続けます。

 

 

オマケの句です。

 

   盆過ぎの燃える日差しにナスを穫り   孔瑠々

 

   軒先の床几の席で冷トマト   孔瑠々

 

 

 おまけの料理です。

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 左、そうめんと夏野菜の炒めたん。右、夏野菜特にピーマンそのままカレー。2020年8月22日、23日、料理と撮影。