クルルのおじさん 料理を楽しむ

挨拶回り

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6月26日、最後の出社の日に会社の皆さんから花束を頂戴しました。部屋の中が随分と明るく豪華になりました。感謝、感謝。2018年6月27日撮影。

 

 

『卒業』に際しての最後の挨拶回りをやっています。6月が区切りの月なので、なんとか6月29日の金曜日で完了するように無理やり(失礼の無い程度に)お願いしてアポを取ってもらいました。

 

 

会社に出社するのは6月26日が最後の日となりました。夜、会社の近くで幹部の方々との最後の食事会があるので久しぶりに出社しました。日中は部屋、机を片付けて、夕方、事務所にいる皆さんと少人数のグループごとに写真を撮ってもらいました。食事会に移動するために会社を退社するときには、在社していたほぼ全員が事務所前に集まってくれて全体の記念撮影をしてもらいました。立派な花束も頂戴しました。それから会社を去っていくところを皆さんに見送って頂きました。会社の入退場ゲートを通り過ぎるときには”次にここを通る時にはOBとしてなんやなあ”と思うとややこみ上げてくるものがありました。

 

 

挨拶回りは、うちの会社の製品の販売をやって頂いている特約店さんへのご挨拶が中心です。この地域=名古屋、三重、岐阜、静岡、京都辺りでは、オーナー企業の比率が圧倒的に高い。挨拶するのもオーナー会長さんとかオーナー社長さんとかがほとんどです。何人かの方とは会社としても個人としても大変に長~く親しいお付き合いをさせて頂いているので、お互いにほとんど遠慮というのがありません。皆さま大変に立派な方なのですが、お口は決して上品とは言えず(と僕が言うと”お前には言われたくないわい”と間髪おかずに反応があります)得てして突っ込みの応酬になります。傍で聞いている人からすれば、二人で漫才をやっとんやないかてな会話になっています。

 

 

予想通り、極めて親しくしてもらっている方から「仕事人間が急に仕事を離れたらボケるんとちゃうか。可哀そうに。何もやることが無くなって寂しいやろ。」といきなりキツーイ一発を見舞われました。こういう時には黙っているとカサにかかって攻めて来られますから言い返すのが礼儀です。「その通り。会社を卒業するのはサラリーマンの特権。うらやましいでしょ。卒業出来ないのはオーナーさんの宿命。体を壊さないで、ずーっと元気にお仕事して頂戴。」この程度は言い返すとやっとイーブンな会話になります。(念のための注釈。オーナーさんは皆さんが大阪弁を話してるわけではありません。ちゃんとした標準語を駆使されています。)

 

 

サラリーマンという言い方は余り好きではありません。植木等さんの”サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだあ~”というフレーズの印象が強く残りすぎています。サラリーマンも間違いなく大変。一方、オーナーさんもやはり大変。確かにオーナーさんは卒業出来ないんですよね。卒業という概念が無い、という方が分かりやすいのかも知れません。役職を退かれてもオーナーである限り会社にバイバイという訳にはいきませんから。逆に、サラリーマンは、役職を離れたら口を挟むべきではない。口を出してはいけない。バトンタッチしたらスッキリと会社から離れるのが一番だと思います。日本のトップクラスの企業で発生している不祥事は、第一線を離れた年寄りがそのまま影響力を保持しているのが原因の一つだと指摘されていますが、それはその通りですね。反則技です。やったらアカンと思います。

 

真面目なオーナー社長さんから「すっきり・さわやかな顔しとるねえ。やりたいことをやり尽くして、後任にバトンタッチ出来て。うらやましい限りやわ。」とシンミリと言われた時には返す言葉が無くなってしまいました。自分ではスッキリ爽やかな心境では無いと思ってますが、心のどこかではやはりホッと一息ついているのかも知れません。

 

 

相変わらず移動時の読書の時間は大好きです。イシグロさんを一通り読破した後、今は、内田樹さん「街場のマンガ論」(小学館)を読んでいます。以前、古本屋さんで何冊か買ったものが机の横に積んでありました。そもそも内田さんに関心を持った切っ掛けは例によって本の目利き師匠の紹介です。随分と前ですが、最初に読んだ本(名前は忘れました)に、神戸女学院の講堂についての記述があり、その描写が素晴らしかったのを覚えていました。その後、彼の代表作レヴィナス三部作の一作目「レヴィナスと愛の現象学」を読もうとしたのですが、一気に読める本ではなくて、途中まで読んだ辺りで、その本が何処かに行方不明となりそのままになっていました。この「マンガ論」はいまのところ結構面白く読んでいます。

 

 

体重は、心配した通り素直に増加しております。6月27日の計測では、遂に昨対アップしてしまいました。僕は結構、記録魔で何でもカンでもメモを残しています。後から必要な時にそれをリファー出来ないことが圧倒的に多いのですが、体重はリファー出来る数少ない記録の一つです。記録を遡るとナント2015年9月8日以降、前年同日との比較では増加したことがなかったのです。増減そのものは結構の幅がありましたから、季節的に増える(減る)ときは毎年ほぼ同じ時期に増えていた(減っていた)ということなのでしょう。それがついに、2018年6月27日には昨年同日を上回ることになってしまいました。今週末は、覚悟して昨対マイナスに再挑戦します。

 

 

何のために記録を書き残しているのか。僕としては自己満足としか言いようがないかと思っていますが、この体重の推移のように必要な時にうまくヒットしてくれると満足度はグンとアップします。

 

再度「マンガ論」の本の話に戻りますが、内田樹さんは「必要な情報を必要な時に取り出す能力に恵まれている」そうです。だから「膨大な参考文献をシーケンシャルに、ノートを取りながら、網羅的に読む、ということが出来ない」と。そういう検索の仕方ではなく「パラりと開いたそのページに、まさに読まれるべき言葉が書かれていたという出会いを信じたい」という表現をされております。凡人からすると何やらオカルト的読書・検索法のようです。

 

更に、この本(街場のマンガ論)のなかに「これから書くレヴィナス三部作の最終巻『時間・記憶・身体』の刊行を楽しみにして頂きたい云々」というクダリがありました。2003年12月の文章。この「マンガ論」との”出会い”のお陰で、もう一度、レヴィナス三部作に挑戦してみようかという気持ちになってきております。実は、この内田のオッサンも1950年生まれなんですね。三部作を楽しんで読むことが出来れば『1950年生まれ、その3.』で書くかも知れません。

 

  

「俗世を離れてやりたいことを楽しむ」というのは随分とレベルの高い境地だと思うようになってきました。俗世の最後の最後の段階で、あれこれと考えている今日この頃です。 

 

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久しぶりにゴーヤ・ソーメンチャンプルーを作りました。今後、名古屋に居る時には一人メシの機会が多くなるでしょう。料理は何のため?。単純に食いしん坊の自己満足を最大化させるため。その内、人の笑顔を見たいため、なんて言える日も来るかしら。そうめんのゆで方はカミさんに指導してもらいました。「とにかく味見をして確かめること」と。2-3回やったら何となく要領が分かったと思うようになりました。2018年6月30日料理と撮影。