クルルのおじさん 料理を楽しむ

本棚

世田谷区の豪徳寺。カミさんのお母さんの弟さん=我々のおじちゃんの七回忌の帰路「豪徳寺が近くにあるから寄ってみたい」とおばあちゃんが言い出しました。カミさんの弟=僕の義弟の運転で連れて行ってもらいました。30分ほど散策。招き猫で有名なお寺です。同じような年齢のご家族が散策されていて、お年寄りがシルバーカー(お年寄り用の歩行補助の手押し車)を駆使して軽快に動いておられました。カミさんがその方に使い勝手をお聞きしたら”大変に便利、安心”とのことでした。早速に、おばあちゃんに勧めたのですが「カッコ悪い」の一言でした。2018年10月7日、撮影。

 

 

 

名古屋の隠れ家に引っ越ししてから早いモノで半年チョット経過しました。月のうち、ほぼ半分は神奈川の自宅で過ごし、残り半分は隠れ家での生活を楽しんでいます。たまにカミさんの査察が入ります。荷物は最初の数週間で一応は整理したのですが会社生活の時のモノも含めてイロイロな書類、資料、それから書籍・・・というか本、雑誌の類ですね・・・が沢山残っていて、引っ越し前から積んだままの状態になっていました。引っ越しの際、思い切って捨てるべきは捨てようと思ったのですが、その時には”後でもう一度見てみたい”と思い隠れ家に持っていったモノモノです。

 

 

整理するにも容れ物が無い。以前から本棚の容量が全く不足していると感じていたので、思い切って新しく本棚を買ってしまいました。この年になって、身辺整理を始めなければならない年齢になって、新しく家具を買うというのは、ちょっとマズイ、流れに逆行しているかとも思ったのですが、片方で、自分だけの書斎的な空間を持ちたいと思っていたのも間違いの無いところなので、この際、自分が素直にやりたいと思うことを実行しようと決断しました。まあ、それ程大袈裟なものではないのですが・・。

 

 

本棚というのは、今までは扉のついた大きなモノを買って使っていましたが、これら立派な本棚は見栄えは良いがスペースをとってしまうし、使い勝手もあまり実用的では無い。

長女が結婚するまえに自分の部屋に置いていた本棚が気に入ってました。デザイン良し、収容スペースを含め機能的に優れている。高さ180㎝、横幅70-80㎝くらいの結構大きなモノですが、厚みが薄めに設計されている。上下二段になっており、下部は通常の厚みを持たせているが、上部はほぼ本の厚み程度に絞ってある。お値段も手ごろ。課題は自分で組み立てる必要があること。

 

 

通販商品なのでネットで注文しました。”配達時間等々の指定は受けられません”と注文要領に記載されていましたが、ダメもとでイロイロとこちらの希望を書き込んだら、ほぼ希望通りに手配してくれました。幸先良し、組み立て作業するのにも気持ちの良いスタート。説明書がしっかりしていました。”まず製品の全体像をイメージして下さい”との記載に助けられました。

約3時間で組み立て完成。倉庫部屋に置いてあった段ボールに入れたままの本、書類の整理を開始。新しい本棚に、ジャンル別に並べました。収まりも良く、かなり満足。ふと底部に目が行きました。底部の基盤に溝が走っている。”これは何や、模様かいな?” そんな訳が無い。後ろの背板を埋め込む溝でした。底部の前後を逆にして組み立ててしまった。瞬間、全てヤリナオシ?!かと思いましたが、構造的には問題無さそうなので、目を瞑りそのままにしてあります。

  

 

料理の本が多いことに我ながら驚きました。料理研究家小林カツ代さんの文庫本を捜していたのですが、自分が思っていた以上に何冊も出てきました。多数いらっしゃる料理研究家のなかでも、僕はこの人が好きです。とは言え、これだけ何冊も買っていたとは。そして、捜していた本とは別に、忘れていた一冊を発見。

小林カツ代「働く女性の急げや急げ料理集」・・時間がないからこそおいしいモノを作る・・』、大和書房。1982年に第一刷発行、1987年7月新装版第10刷。僕の母親=大阪のおばあちゃんが亡くなった後、大阪の実家の遺物整理をしていた時に見つけた本でした。僕の祖父=大阪の大おじいちゃんは読書家でしたが、母親=大阪のおばあちゃんも結構難しい本を遺していました。それらのハードカバーの難しい本の横にチョコんと恥ずかしそうに並べられていたもの。

大阪の実家で料理の本なんて見たことが無かったように思います。1987年というのは、大おじいちゃん、大おばあちゃんは既に亡くなっていた年代ですから、これは、おばあちゃんがその年=65歳になって改めてお料理の本を買って勉強しようとしたのか、はたまた、一回りは年下のカツ代さんの考え方に癒されたくて随筆を読むように読んだものか、とイロイロと推理しました。ところどころにページの端を折り曲げて印をつけてありました。僕もやってしまいますが、あまり良い方法では無いと思います。図書館で借りた本にやってはいけません。

 

 

カツ代さんの極意は「時短料理」と言われています。それも単なる「スピード料理とは違う」と。タイトルの通り「働く女性」の味方として、家事を減らす、料理の手間を減らしつつも、ちゃんとした家庭料理を作りたい。本当は「女性」だけでなく「誰も」が料理するように、タイトルは「働く夫婦の」とか「働く家族の」とかにしたかったそうです。

1970年代から1980年代は、家庭料理の献立料理本がブームとなった時代とのことですが、当時の手間をかけて作るのが料理という概念に挑戦して、それまでの常識を覆すような料理を提案したのがカツ代さんとか。

結構、挑発的な言葉も出てきます。「ササッと出来るやさしい料理が、下準備いろいろ料理に比べて味が劣ることが無ければ、何を憶することがありましょう」とか「(この料理は)あきれるほど簡単だけど見栄えがする点が何より良い」とか。

ちゃんとした料理という観点からは「急ぐ料理というのは一品だけ早く出来ても仕方がない、献立として並び終わるまでが早くなくては意味がない」なんて記載もあります。なかなかの名言かと。

 

カツ代さんが売れっ子になったのが1980年代とのことで、この本は油の乗り切っている時の本かと。最近のレシピ本のように、材料何々、料理の順番①②③…という風な書き方をしていない。写真も無し、ほのぼのタイプのイラストのみ。調味料等々の投入量も結構アバウト。全て文章で記載されている。その語り口が良し、フアンを魅了するところかと思います。

 

 

大阪のおばあちゃんは「働く女性」の典型でした。会社を定年退職して、孫に囲まれるようになり、本当に一息ついた時に、このような考え方を提供してくれたカツ代さんの本に我が意を得たりと思ったのかとも思います。

この本を大阪の実家で見つけたこと自体を全く忘れておりました。忘れていたものの、その後、僕も小林カツ代さんのフアンになったのは、この本の影響が頭のどこかに残っていたモノか。それとも、単にたまたまカツ代さんの考え方におばあちゃんと同じ関心を持ったものか、やっぱ親子なのですかね。

 

 

この後、数日してから同じ本棚をもう一つ注文しました。今度はさすがに完璧な組み立てが出来ました。会社生活、仕事関係、生臭い読み物はお蔵に入れたままにして、今からの自分の好きな世界の本を重点的に並べて見ました。部屋の景色が良くなった様に感じています。

カツ代さんの別な料理本を捲っていたら「かに玉」の作り方が書いてありました。旨そう。そのうちに、やってみたいと思います。

  

 

会社の先輩の絵。ご退任後に絵画教室に通われ、今では、その会の中心になられている。風景画ばかり描かれていると思っていたら、人物画も教室の練習で描く時もある由。その時の一枚とか。モデリアーニに匹敵する構図バランスである!素晴らしい!と感心。これ以外にも自慢の風景画を展示されていました。名古屋市中区のギャラリーで。2018年10月11日撮影。

  

久しぶりに神奈川の自宅にて。「野菜たっぷり・チャンポン風ラーメン」。具を別途フライパンで料理してからスープ、麺に加えました。上手く出来たと思ったのですが、ウーン、味がいま一歩、決まらなかったです。残念。2018年10月15日料理と撮影。