クルルのおじさん 料理を楽しむ

2001年9月11日

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「国際テロ組織アルカイダが4機の民間機を乗っ取り、ニューヨークの世界貿易センタ―ビルなどに衝突させた。旧日本軍による1941年の真珠湾攻撃以来の米国に対する攻撃となった」、日経新聞・米同時テロ20年特集、2021年9月11日。

 

 

同時多発テロ事件は2001年9月11日に発生しました。今年で20年になります。当時は東京、青山で勤務していました。その日は仕事の後、会社の近くの居酒屋さんでお客さんと飲んでいました。かなり遅くなったのでタクシーで帰宅しました。タクシーに乗車した時に運転手さんがラジオニュースに聞き入っていて一人で騒いでいました。「よく分からないが飛行機がニューヨークの大きなビルにぶつかった」らしいと。ラジオの音を大きくしてもらい帰路ずっとニュースを聞きました。「軽飛行機が誤ってビルに衝突して火災が発生している」事故のような印象を受けました。「飛行機がぶつかったのは世界貿易センタービル」だというのは理解出来ました。昔、ニューヨークに駐していたこともありよく知っている場所でした。”あの大きなビルに小型機がぶつかったら飛行機に乗っている方は助からないだろうなあ、まだニューヨークは朝だからビルで働いている人がそれほど多くなければ良いが”、そんな受け止め方をしていました。

 

そうこう言ってるうちに「再度、飛行機がぶつかった。それも大きな旅客機のようだ。これは事故ではない」ようだとの報道に変わってきました。旅客機?、事故ではない?、一体何が起こっているのか??。家に着いて大急ぎで中に入ったらカミさんがパニクっていました。一緒にテレビ画面に食い入りました。画面が「オオマイゴッド!」と騒然としていました。二機目の飛行機がビルに突入する瞬間の映像も流されていました。「テロだ」という報道がされていました。ニューヨーク以外でも国防総省ペンタゴン)ビルに飛行機が墜落したとか。相変わらず訳が分からない大混乱の中で更なる衝撃の映像が。センタービル(ツインタワー)のそれぞれの棟が30分ほどの間に次々と崩壊。マンハッタン南部が煙で多い尽くされてしまいました。あの威容を誇ったツインワターが信じられないぐらい見事に崩壊して文字通りの瓦礫の山。とても現実のこととは思えない。

 

深夜になっていましたが、会社の仲間と連絡を取り合いました。手分けしてニューヨークを始め米国に駐在している連中の安全を確認しようと。ニューヨークの事務所はミッドタウンに有りましたから、直接的な影響はないと思っていましたが。長い一夜でした。分かった限りでは、仲間、顔見知りの駐在員、現地の方々でこのテロ事件に巻き込まれた方はいませんでした。

 

その年(2001年)10月にアルカイダタリバンの壊滅を目指して、米英両軍がアフガン空爆を開始、その後20年に及ぶ米国のテロとの戦い(日経記事)の始まりです。思い起こせば21世紀の最初の一年目にテロとの戦いが開始されたということになります。そして20年後の今年、米軍のアフガンからの撤収が開始されるや8月15日にはタリバンが首都カブール進攻、アフガン旧政権はあっけなく崩壊。8月30日には米軍のアフガン撤収活動が予定通り終了しました。26日にはIS系組織が自爆テロを起しておりタリバン支配体制も全く不透明な状態。日本は現地の邦人、関係者を避難させようと自衛隊機を派遣したが後手に回り失敗。「秩序なきテロの時代をどう生きるか」また(アメリカという)警察官なき世界」にどう対処するのか?日本が戦後、平和を前提にした活動を続けることが出来ているのも、端折って言えば「アメリカに負んぶに抱っこ」状態をアメリカ側が自国の利益に結び付くと判断・認識していたからでしょう。

 

お隣には日本列島を射程内とする巡航ミサイルの発射実験に成功したと軍備増強を誇示する国もいれば、挑発的な「戦狼外交」を続けている大国も存在している訳ですから、政権与党の総裁選挙とか与野党の政権構想の中でも、もっと国の安全、国を守ることの真剣な議論を期待したいものです。

 

NHK・BS世界のニュースで、アメリカの中学教師が9.11を語り伝える授業活動を熱心にされている様が報道されていました。20年経過すると同時多発テロ事件も忘れ去られそうだと。世界貿易センタービルとツインタワーが同じビルだということを知らない子供達が多くなっているそうです。語り継ぐべきことを語り継ごうとしている方々の努力は大変なもの。日本でもそうですが、家庭だけでなく、小中学校での立派な先生の存在、教育の大切さが益々、重要なものになりそうです。

 

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そんな中で株価が上伸しています。昨日9月14日、31年振りの高値。菅首相の不出馬表明から市場のムードが変わり、変化への期待が株価を押し上げているとの見立てとか。今日の日経新聞の記事にある株価グラフですが、1万円を下回ったのが2003年のイラク戦争と2008年のリーマンショックの時と説明が記入されています。その前、9.11テロの時も翌日2001年9月12日にも1万円を下回りました。1984年ぶりのことであったそうです。

 

今度の総裁選、総選挙がそれほど期待できるものか僕には理解出来ません。コロナ対策が喫緊の課題であることは間違いないでしょうが、少なくとも「アフガンからの日本人、現地関係者の撤退が何故スムーズに出来なかったのか」「日本の防衛(費)、核兵器に対する考え方」くらいはハッキリさせて欲しいモノだと思います。

 

タリバン復権してから早いもので一か月。人権問題、食糧問題が大変に懸念されています。前回のブログで、ジェンダー活動のこと、国際NGOオックスファムの「ジェンダー活動は効果あり」の本のことを書きましたが、その中に「アフガンでの活動」を記載した章がありました。以下、紹介します。

 

前回、タリバンアフガニスタンの首都カブールを制圧したのは1996年9月のことだそうです。その直後、女性の就労と女子学生の通学が禁じられた。

オックスファムはそれ以前からアフガンの開発と復興に関与し続けていた訳ですが、この組織が「Gender Works」とアピールしているのは「ジェンダー関連の不平等に本気で取り組まなければ(その国、地域での)持続可能な開発と貧困の解消は達成されない」という「ジェンダー政策」を明言しているところにあります。政変、クーデター、緊急事態の時=生きるか死ぬかというときには「ジェンダー問題」が往々にして棚上げされる、忘れ去られることを過去の事例から反省して、いかなる事態に於いてもこの「ジェンダー政策」の軸をずらすことなく活動を進める、というのを基本方針にしている。 

タリバン以前には、アフガンでの活動を通じて現地の女性は労働者、学生として、プログラムの受益者として弱者支援と社会復興のプロセスに積極的に関与していたと。筆者は1995年からタリバン支配下となる時期にオックスファムのアフガン代表を務めた「女性」です。タリバン原理主義政策とオックスファムジェンダー政策は余りにもかけ離れ過ぎていて、残念ながら、それまでの開発復興プログラムを一時保留にせざるを得なかった由。

筆者はその状況下でもタリバン当局者と面談を続けた(面談を拒絶されたことは一度も無かったそうです。”外国人”活動家ということも大きな理由なのでしょう)。自分自身とスタッフの安全面でもイロイロな問題はあったそうです。

活動は一時保留とはなったものの、オックスファムジェンダーに公平な開発を唱え、且、それを実践しようとしているのを広く理解されたこと、それと同時に筆者(の活動)を見ているアフガンの女性達が筆者を一つの役割モデルとして見てくれたことが大変に有益であったと述べています。

オックスファムのような「ジェンダーワークス」には大賛成。このような地道な活動を継続されている組織、活動されている方には敬意を表したいですね。こうした活動もあり、きっと、この20年間でアフガンの女性パワーは大幅にアップしていることでしょう。タリバン原理主義的政策の復活が報道されていますが、一度「ジェンダー平等」を体験しているアフガン女性を抑圧出来るものか。甘い考えかも知れませんが、アフガン情勢は女性が鍵を握っているように思えます。

 

ジェンダー関連でも天地の開きがある話題になりますが、今月の文藝春秋(10月号)に作家の乃南アサさんの「張本さん、河村市長を笑えますか」という記事が掲載されていました。最初、意味・文脈が分からず。野球解説者の張本さんに対して、あなたは河村社長を笑えますか?と問いかけているのかと思ったのですが、本文を読んで漸く分かりました。タイトルの下にも「”スカート”めくりをやめない昭和のオヤジたちへ」と書いてありました。要は「昭和のオヤジたちへ、あなたたちはあの”張本さん”や”河村市長”を笑えますか」という意味。相変わらず「自覚のない」昭和のオヤジたちに、その「自覚のなさが最大の問題だ」、「時代の変化を感じ取れないのであれば・・・隠居して・・・ひとりで『古き良き時代』を振り返るしかないかも」と。

いまどき、随分と陳腐な意見かと。何故、文春がこの方の寄稿を載せたのか不可解なほど。同じようなテーマ・問題ですが、その次に掲載されていた「『炎上』『言葉狩り』が社会を蝕む」、三浦瑠麗さんの見方は面白かったです。ジェンダー観点ではなく、アメリカ初の「キャンセルカルチャー」が日本に及ぼしている影響という観点から論じていました。「日本の政治家、メデイアが間違いを恐れ、自分の意見を言えない、だから、責任も持たない」、「『だれからも批判されないこと』が日本のエリートの条件になっている」、歯切れの良い論評でした。

 

長くなり過ぎるので、今回はこの辺でお終いにします。10月号の文春「コロナ猛威、世界は警告する」、日・米・英・イスラエルの権威に取材した記事は面白いです。ご一読お薦めします。NHK俳句もまた別途、書きます。

 

おまけの料理です。

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左;久しぶり「野菜たっぷりラーメン」。少し涼しくなったから。キャベツ、ニンジン、タマネギ、明宝ハム。豆板醤とお味噌を少し加えました。上出来。

右;タッカルビ丼。コウケンテツさんの「タッカルビ」(今日の料理ビギナーズの2007年9月号です)を参考にして、ナス、ニンジン、シメジを加えて丼にしました。旨かった。(2021年9月6日、7日、料理と撮影)