クルルのおじさん 料理を楽しむ

『バンクシーって誰?展』

f:id:hayakira-kururu:20220319075915j:plain

2022年3月14日、『バンクシーって誰?展』に行ってきました。名古屋駅から西南方面に徒歩15分ほど笹島アリアのグローバルゲート・ガレージ名古屋にて3月27日までの開催です。オミクロンも収まりを見せつつありそうだし、春の陽気に誘われて体が外の空気を欲しがっているように思います。

冒頭の写真は展示会のポスターにも使われている作品です。「Flower Thrower」。2005年にイスラエルパレスチナの紛争地帯にあるガソリンスタンドの壁に描いたもの。火炎瓶の代わりに全力で花束を投げようとしている。危険な現地に出向いて作品を仕上げたということが凄いなあと改めて思いました。

この展示会は会場内でも撮影が許可されていました(一部を除いてですが)。ロシアのウクライナ侵攻が続いている時ですから、どの作品も大変に印象深いものになりました。また、展示の方法も描かれた場所を再現したように設定されており臨場感が伝わって来ました。

 

f:id:hayakira-kururu:20220319081057j:plain「Girl with Balloon」。これも有名な作品です。2002年にロンドンのウオータールー橋のたもとの階段に描かれたもの。絵の横に誰か別な人が「there is always hope」と書き加えたそうです。解説には「いつだって希望はある」と訳されていました。いい訳だと思いました。

 

f:id:hayakira-kururu:20220319081134j:plain 写真の下に「Have a Nice Day」と書かれています。戦車と横に並んで銃を持っている兵士の顔はニコニコマークになっています。

3月18日の日経夕刊にバイデン大統領がプーチンのことを「人道に反する戦争を仕掛けた人殺しの独裁者」と議会内の会合で発言したと記載されていました。プーチンに対する批判、非難はどんなに強く厳しい言葉で述べても十分ではない様に感じます。

かつて夏目漱石は「I love you」を「月がキレイですね」と訳したそうですが、この「Have a Nice Day」は「プーチン、くそったれ、死ね」と訳すのが良さそうに思います。漱石ほど上品な言い回しが出来ないです。

 

バンクシーさん、今どうしているのやら。キエフかモスクワで是非、新作品を発表して欲しいものです(御身の安全には注意してほしいですが、無責任なことをお願いして申し訳ありません)。

 

京都のY君も憤りを感じている様で「あんまり腹立たしいので(自分の)愚痴をNews Week日本語版に送った」とメールが届きました。投稿した本論は採用されなかったそうですが「おまけ」の方が採用されたとのこと。

f:id:hayakira-kururu:20220330171712j:plain

News Week日本語版、3月22日号「letters」欄。

Y君からのメールに記載されていたモノを下記に貼り付けておきます(少し修正されていました)。・・・写真が横向きのままで申し訳ありません。角度を調整するワザがいまだにわかっていません。恥ずかしい限りです。

(追伸の注釈;長女=アラタくんのママ、の助けを得て漸く角度を調整することが出来るようになりました。3月30日付けで修正更新です)

 

『 トチ狂ったプーチンの頭の中は KGB時代の世界認識で構成されている。現実は トルストイの『イワンのばか』の童話で言えば プーチンという大悪魔とその手下の小悪魔 オリガルヒ たちが自分の頭にある過去の歴史の捏造された正義をプロパガンダとして利用して軍隊や商人や聴衆であるロシアの農民を洗脳しようとしているに過ぎない。
 そもそも歴史に正義や真実なんてない。独裁者や国の指導者が自分たちの利権確保のために民衆を先導して破滅させようとしているに過ぎない。 

”思い立ったが吉日”と言われますが自分の意見を早速に投稿するということは素晴らしいことだと思いました。

 

いつもの図書館で「反穀物の人類史」という本を借りて読んでいました。著者はジェームズ・C・スコットさん、1936年生まれ、イエール大学の政治・人類学部の教授。立木勝訳、みすず書房、2019年12月第一刷。農業と国家の起源の「常識」に迫った本です。別な機会にまとめを記載しようかと思います(この筆者の思考過程は大きく広いので纏めきれないことが懸念されます)が、前段で何回も「飼い馴らし」という表現が出てきます。動植物の家畜化、作物化を示しているのですが、人類が「火の管理」、「動植物の飼い馴らし」のみならず、国家という形態のなかで「奴隷」「人民」、更には「家父長的家族性のなかでの女性の位置づけ」の話の中にも出てくる言葉です。原書では「domestication」と記載されています。「再生と繁殖の管理」=「飼い馴らし」となるようですが、著者の眼には家畜化、作物化されたのは人間の方ではなかったのか、という思いもあるようです。

 

Y君は投稿の冒頭で「プーチンの頭の中はKGB時代の世界認識で構成されている」と指摘していますが、プーチンKGB時代の(誤った)世界認識に「飼い馴らされている」のかも知れません。あの思い上がった言動に憤りを覚えます。

 

 

NHK俳句です。相変わらず僕の備忘録として書いています。お付き合い頂ければ嬉しいです。第二週、司会は岸本葉子さん、選者は阪西敦子さん。岸本さんは体調を崩されていましたが無事に復帰。お元気そうで何よりでした。ゲストは村雨辰剛さん。スウエーデン生まれで、19歳の時に来日し23歳で造園業に。現在のタイトルは”庭師”。本職の傍ら俳優として朝ドラのカムカムエブリバデイにも出演している方。”庭師”としても四季の季節の移り変わりに感性が高く、俳句にも興味を持たれていました。

今月の兼題は「摘草」。「摘草」は古くからおこなわれてきた行楽のひとつで万葉集にも描かれている長い歴史を持つ行事。太古に起源をもつ言葉(季語)の豊かさを大切にしながら一方では目の前の新たな姿に目を向けて句を作る(テキストから抜粋)、ということだそうです。一つの言葉の持つ重みをここまで感じ取れるというのは凄いことだと思います(難しい)。例句を挙げて紹介されていました。

   摘草や空はしづかに時を食み   八田木枯

   摘草の人また立ちて歩きけり   高野素十

今週の特選三句です。

一席   草摘みの母より小さく歌聞こゆ

二席   摘草のいつしか雲の中にゐる

三席   草摘みし夜の眼裏のうすみどり   (眼裏=まなうら)

面白いと思った句です。

   摘み草はしっかり握り転びおり

三席の句は村雨さんが取っていました。眼裏=まぶたの裏、情景が思い描かれる、という日本語を正確に理解されていました。僕は解説を聞くまで理解できておりませんでした。驚きました。

 

毎週土曜日、日経には「俳壇」欄が掲載されています。今日3月19日の黒田杏子先生の選は全てウクライナ侵攻を詠んだものでした。黒田さん曰く「どっと寄せられました。皆さん、ウクライナの側に立たれているのです」。黒田さんが「俳句でこれだけの事が表現出来るのですね。魂の俳句」と評された句です。

   蛇いでて死の灰覆う大戦に   加藤國基

もう一句、選句の一番最初の句です。

   竹の秋被爆国こそ立ち上がれ   平田百合子

全くの蛇足ですが「竹の秋」というのは「竹の古い葉は春に黄ばむ」ことを言う言葉で春の季語です。知りませんでした。

 

 

まん延防止の全面解除が3月17日に正式決定されました。東京、大阪、神奈川、愛知など18都道府県で21日の期限で解除となり、約ニケ月半ぶりに対象地域が無くなることになります。感染者は依然として高水準であるが軽症化が進んでいること、そして「重点措置が2か月超になり社会への影響が限界に来ている」ことが解除の判断のようです。

また、世界でも感染再拡大の兆しが懸念されているものの各国共に経済や社会活動の正常化に向けた動きに進んでいるようです。英国、フランス辺りでは新型コロナをインフルエンザと同じ”エンディミック”(一定期間で繰り返される流行)として扱おうとしている由(日経、3月19日記事)。

日本で高齢者のワクチン接種は既に7割を超えているそうですが、引き続き、高齢者だけでなく基礎疾患のある方、ワクチン接種が進んでいない若い世代、子供達の健康が心配です。今まで以上に基本的な対策に十分に注意して、その上で日常生活を楽しんでいきたいものです。皆さま方もℓ引き続きくれぐれもご自愛下さいませ。