クルルのおじさん 料理を楽しむ

サクラ、さくら、桜

今回もNHK俳句からスタートです。引き続き、僕の備忘録として書いています。お付き合い頂ければ嬉しいです。4月から新年度です。新しい選者の方々が登場されます。第一週は・・・、と書き始めてから3月の第三週を抜かしていたことに気がつきました。(この週だけ抜かしたままだと)気分が良くないので簡単に書いておきます。

 

3月第三週、司会は中田喜子さん、選者は岸本尚毅さん。ゲストにはお笑い芸人、金の国・桃沢健輔さん。お笑いコンビでネタを担当している由。俳句は学生時代からとか。兼題は「雛」。特選三句です。

一席   大空を雲の行列雛まつり

二席   炭鉱王浮名と雛を残しけり

三席   枕辺の薬リモコン紙雛

面白いと思った句です。

   猫のいる少し古びた雛の家

   薄給の頃懐かしき雛かな

テキストを見ると「『雛』は間口の広い季語です」と説明がありました。「ひな人形そのものを詠むだけでなくいろいろな方向に想像を膨らますことが出来る」と。言われてみるとなるほどと思いました。テキストに会った例句です。

   草の戸も住み替える代ぞひなの家   芭蕉

   雛飾りつゝふと命惜しきかな   星野立子

   雛の間よ背広吊るすも飯食ふも   尚毅

 

いよいろ新年度、四月の第一週です。新しい選者は高柳克弘さん。1980年生まれ、「鷹」の編集長をされている。「俳句と絵は似ている。すぐれた俳句とは魅力的な絵が浮かぶ俳句」とのコメントが掲載されていました。芭蕉の弟子、各務支考(かがみしこう)の言葉「姿先情後(しせんじょうご)」=読者の心にイメージが浮かべばおのずから作者の思いも伝わる、ということだそうです。志考はこの姿先情後の典型として、

   古池や蛙飛びこむ水の音   芭蕉

の句を全国的に有名にしたとか。という訳で高柳さんのテーマは「俳句と映像」となっています。司会は変わらず武井壮さん。今年度は全ての週で司会を担当される由。今週の兼題は「桜」伊那市高遠城址公園の「タカトウコヒガンザクラ」の映像が流されました。キレイです。

テキストに解説がありましたが、「王朝和歌の時代には季語の『本意』に基づいて詠むのが常識であった」そうです。「桜の本意は、はらはらと散るはかない美しさ」。そう言えばむかーし昔の高校の授業でそれらしきことを教わったことがあったように。「それに対し俳句は自由。伝統的な桜の本意にとらわれないで」とのことです。芭蕉の句が紹介されていました。

   木のもとに汁も膾も桜かな   芭蕉

芭蕉は伝統的な「はかない美しさ」を覆す句を詠んだ挑戦者であった、と説明が記載されていました。テキストは少々理屈っぽいと思いましたが、なるほどと納得しました。今週の特選三句です。

一席   磐座の花のひとひら私す  (磐座=いわくら、神の座。私す=わたくしす)

二席   移住者に若き髭あり山桜

三席   夕桜夫の退院先は空   (夫=つま、と読みます)

面白いと思った句です。

   こんなにも桜咲いたら俺の負け

どの句も「本意」に囚われない面白い、良い句だと思いました。三席の句は泣けてきそうになりました。今週のゲストは樹木医の和田博幸さん、現代の「花咲か爺さん」とよばれている方。「田んぼの神様が桜の木に宿る、花が咲く、それが花見の原点」と。二席の句は「山桜のようにしっかりと根づいて欲しい、という気持ちが込められている」と鑑賞されていました。イイですね。

 

 

改めて、4月になりました。新学期、新年度が始まります。この時期、サクラが咲いてくれるのが何とも似つかわしいように感じます。今年のサクラは特にキレイ。長い期間、咲き続けてくれているような気がします。以下、周りのサクラの紹介です。

 

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ご存知、いつもの散歩コース。名古屋市平和公園入口辺りです。左の写真;遠目に見えるのは東山動植物公園のスカイタワー。右の写真;平和公園の入り口に石碑が建っていました。「平和公園」と刻まれていました。今までこの横を通っていましたが全く気がつきませんでした。いずれも2022年4月1日に撮影。

 

f:id:hayakira-kururu:20220410080408j:plain 4月5日、午後6時30分ごろの東山動植物園の温室前館、通称「水晶宮」。国の重要文化財です。後ろに見えるのが先ほどの写真のスカイタワー。今年初めて「宵の八重桜さんぽ」、桜の回廊ライトアップのイベントが開催されました。以前に紹介したことがありますが園内には、100種1000本の桜が植えられています。予想以上にbeautiful!でした。

 

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桜の回廊の中心では360度、全て、サクラ、さくら、桜でした。お見事。

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サクラだけでなく竹林も幻想的な美しさ。夜も更けてすっかり暗くなり水晶宮はさらに輝いていました。


すっかり嬉しくなって、家族にもサクラの写真をラインで送りました。ついでに、しばらくご無沙汰が続いているドラゴン先生にも。すぐさま反応が返ってきました。

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左の写真は知恩院の山門。右の写真は「これぞ円山公園の枝垂れサクラ!」と。久しぶりに京都に出向いて夜のサクラを堪能、その後、長女さまご夫妻とドラゴンマンションで酒盛りを楽しんだそうです。お元気で何よりでした。4月中旬には京都一周トレイルを再開する予定です。西山コース、更には京北コースを元気に歩こうと話合っております。

王朝和歌の世界ではサクラの本意は「はらはらと散るはかない美しさ」とのことでしたが、満開のサクラも良いもんですねえ。それにしても、やはり、京都のサクラの方が豪華絢爛なのかなあ。

 

隠れ家マンションでノンビリしている時、裏庭のサクラが見事に満開なのに気がつきました。今まで余り目に留まらなかったのが不思議なほど立派に咲き誇っていました。思わず外に出て写真を撮りました。円山公園の枝垂れサクラにも遜色がなかろうかと。4月7日の撮影です。

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おまけのサクラ?の写真です。3月末に千葉にゴルフに行った帰路に立ち寄って撮影しました。

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まだサクラは咲き始めたばかりでしたが見物客と思しき人がたくさんいました。以前にTVのニュースで紹介されていた景色だったと気づいて立ち寄りました。千葉県市原市小湊鉄道飯給駅(いたぶ駅)の近く。通称「世界一大きなトイレ」だそうです(女子トイレです)。杉の丸太で周辺を覆って内部には透明ガラス張りの個室トイレが据えられているとか(残念ながら内部を見ることは遠慮しました)。芸術作品とも観光の目玉にしようとしたものとも言われているそうです。2022年3月28日、撮影。

 

平和な日本ですが、4月になってウクライナの状況は更に悪化しているようです。ロシアの戦争犯罪を追及しようとの動きが強くなってきました。日経俳壇、黒田杏子選です。

4月2日

   鳥帰る平和の国に居りしこと   八金雅子

   「NO WAR」声たかくせよ春寒し   中島柚子

4月9日

   春寒しなぜ撃たるるや追はるるや   氏丸降年

   春よどみ侵攻やまず只祈る   木村豊太郎

   ヴァイオリン防空壕に流るる春   小林浦波 

 

コロナの感染者は高水準のママです。この状態が日常化してしまうのかと心配です。外での行事、会食の機会も増えてきていますが、今まで以上に気を引き締めて凌いでいきたいと思います。皆さまもくれぐれもご自愛下さいませ。