クルルのおじさん 料理を楽しむ

あっという間に

鯱城学園の専門学科ではクラスごと半年に一回ほど「研究発表会」というのが実施されます。趣旨は「これまでの生活体験や仕事・趣味などを通じて得た事柄をクラスで発表し、共に考え、視野や見聞を広める機会とする」。「一回当たりの発表者は各クラスで二名。一人30分程度、テーマは各自で設定する」ということになっています。今回は四班の担当となっていて学期初めに班長さんから発表者になるように依頼されました。園芸科2年生になっても特に何もクラス・四班に貢献出来ていないし、名古屋朝顔や山菊の盆栽づくりでは足を引っ張ってばかりだったように感じていたので「発表者になって役に立てるのであればやってみよう」とお引き受けしました(誰も喜んで発表者になる方はいないので、いつもクラス代表、班長さんが人選に苦労しています)。

 

テーマは何でもよい、というのが曲者です。これが意外と難しい。今までの発表では「最近の海外旅行」「昔(学生時代)の貧乏旅行」「ボランテイア活動」等々、皆さん苦労されてオモシロイお話をされていました。テーマを選ぶ時間はあったものの、ついついホッタラカシ状態が続いておりました。そろそろテーマを提出する必要も出て来きた頃からマジに考える様になりました。この歳になっても時間が迫ってくるまでチャンと対応出来ない癖が続いています。”人に話して少しは楽しんでもらおうと思うのだから少なくとも自分が面白いと感じていることを話しなければ”。このブログで何回も書いたことがある「縄文のお話」が面白いのではと考え始めておりました。ちょうどその頃、名古屋市博物館の「兵馬俑」を見て、常設展示場の「縄文遺跡」を見る機会がありました。タマタマの遭遇が大好きな僕にとっては「これで決まり!」という感じでありました。

 

 

12月16日(金)、園芸科研究発表会の資料です。二枚、準備しました。レジメを一枚、年表を一枚。年表はユネスコ「縄文遺跡群」HPのコピーです。最後の「おまけ」には名古屋市博物館の土器を紹介したあとで「クルル印のお砂糖」=縄文のうず巻きは「融和」と「永続」のシンボル、というオチにしました。この辺りはウケ狙いです。「縄文人はグルメだった」「戦争無し」「格差無し」。「縄文土器=一大料理革命」!。「土器の文様=メビウスの帯、螺旋と渦巻き=しめ縄の文様」。「土偶のプロファイリング」!。このブログで記載した縄文のお話のエッセンスを凝縮して、まあ面白いお話として聞いてもらえるのではなかろうかと。スクリーンに土器、土偶の写真を映し出してやってみたのですが・・・。結果は残念ながら余り興味を持って聞いて貰えなかったようでした。考えてみれば「縄文」というのはそれほどポピュラーな話題であるはずがなく、自分が少しばかり興味を持ってオモシロイと思ったことを「面白いでしょ!」と押し付けて言っても説得力があるはずもなく、独りよがりな研究発表になってしまったと反省しております。

 

それでも、スクリーンに「遮光器土偶」⇒「サトイモ」を紹介した時は皆さん、喜んでくれていました(園芸科の畑で少し前にみんなで収穫して文化祭の展示にも使ったから)。また、渦巻文様の土器のあとで「クルルマークのお砂糖」の写真を紹介した時も「知っている、知っている!」と言ってくれていました。ホッと一安心、嬉しかったです。

 

改めて年表を見ると日本に稲作が伝来するのには随分と時間が掛かっていることが分かります。世界のあちこちでは農業、作物を収穫するようになってナンジャラ文明が成立していた数千年の長い長い時間、その間、日本はひたすら「縄文時代」。戦争無し、格差無し、そして、グルメな生活を送っていた。やっぱ、「縄文」には面白さを感じますねえ。

 

 

12月のNHK「100分de名著」は中井久夫スペシャルです。今年の8月にお亡くなりになった時、長男が強い関心を持っていることを再確認できたので面白く思っておりました。僕が中井さんを認識するようになったのは、中井さんが「神谷美恵子」さんのことを精緻に評価、解説されているのがキッカケでした。謂わば「神谷美恵子さんつながり」で中井さんのことを知るようになった。何冊かご著書を読みましたが大変に面白かったです。精神科の分野の方々からは「師」「神様」「天才」と畏敬の念を持って見られていることがよく理解出来そうに思います。

「100分de名著」の二回目では中井さんの「分裂病と人類」、そこに描かれている「気質に基づく人類史」がテーマになっています。同じく精神科医の齋藤環さんが「『狩猟採集時代』の人の気質、『農耕社会誕生』による気質の変化を人類史という壮大な規模で論じている」との解説されていました。

縄文時代から弥生時代以降への移行=農耕社会の誕生を「分裂症」の観点から論じている著作を書かれていたとは全く知りませんでした(註;「分裂症」は現在では「統合失調症」と表記されています)。”これも大変な「縁」なのかしら”、もう少し落ち着いたら中井さんの本を読んでみたいと思っています。まだまだ「縄文のお話」はオモシロイ!。

 

 

NHK俳句です。引き続き僕の備忘録として書いています。お付き合い頂ければ嬉しいです。12月の第二週。司会は武井壮さん、選者は井上弘美さん。ゲストの生徒さん役には引き続き山崎怜奈さん。今週の兼題は「クリスマス」、テーマは「表記を工夫する」。「クリスマス」には傍題がたくさんあってカタカナ、漢字表記も楽しめると。例句です。

   胡桃割りて妻と足るなり降誕祭   星野麥丘人

   派手なもの着てそわそわとクリスマス   花谷和子

 

   あれを買ひこれを買ひクリスマスケーキ買ふ   三村純也

   この出逢ひこそクリスマスプレゼント   稲畑汀子

句またがり、字余りの表現が面白いと思いました。

今週の特選三句です。

一席   読み聞かす聖樹の下や「ぐりとぐら

二席   大樹みな聖樹となりぬ時計台

三席   聖夜の灯アクリル板にうつる僕

面白いと思った句です。

   バラードへ移る聖夜の駅ピアノ

駅構内とか商店街の広場にピアノが置いてあって演奏している風景を良く見るようになりました。イイもんですね。

 

第三週です。司会は武井壮さん、選者は星野高士さん。今週のゲストは俳優の三倉茉奈さん、二歳の娘さんがいらっしゃるそうです。「会いたい俳人」は中村汀女。台所俳句、子育ての句を多数詠んでいます。番組とテキストに紹介された句です。

   咳をする母を見上げてゐる子かな   汀女

   咳の子のなぞなぞあそびきりもなや   同

 

   ゆで玉子むけばかがやく花曇り   汀女

   秋雨の瓦斯が飛びつく燐寸かな   同  (瓦斯=ガス、燐寸=マッチ)

星野さんによれば「汀女の俳句は生涯、自然体であった」と。

今週の兼題は「咳」。特選三句です。

一席   咳ひとつ消えゆくまでの広さかな

二席   白湯飲んで咳の治まる雨の窓

三席   この咳は仲間と思ふ交差点

面白いと思った句です。

   寄席太鼓前座の咳のまじりたる

寄席太鼓は出囃子のこととの解説でした。

 

 

小雪チャンと農園に大根と人参の収穫に行きました。

しばらくの間、クラスでは農園に行く機会はありませんでした。仲間から「大根、人参が完熟状態」「早めに収穫に行きましょう」とアドバイスが入り、長男と話していたら小雪チャンが「行きたい」と。幼稚園の屋上にあるプランターで野菜を収穫したことはあるのですがホントの畑はまだ知らない。長男の車で早速に出かけました。神奈川から出てきているカミさんも一緒に。大きな大根、人参を自分の手で土から掘り起こして収穫。大喜びでした。よい経験が出来たモノと思います。2022年12月11日、撮影。

 

今年は久しぶりに「行動制限が無い」冬ですから、忘年会の機会が多くなっています。大人数にならない様には注意していますが、昨年に比べると回数が多くなっています。嬉しい、楽しい限りです。

「あほ桐会」のことは何回もこのブログに書きましたが、久しぶりに「あほ桐会」の忘年会を開くことが出来ました。ご本家、大阪からも仲間が一人駆け付けてくれて、いつもの「あほ桐」四人組に加わり楽しく会食。このオッサンと僕とはイロイロと似通ったところがあります(大学も一緒)。以前、話をした時に「歳をとってからピアノのレッスンを始めた」ことが分かりお互いに驚いたものです。まだ、しつこく続けているとのこと(これも僕と同じ)。来年早々に発表会の予定!を話したら、みんなから「最初にこの会で発表せえや!」と注文が入りました。冷やかし、ヤジ、暖かい罵声が聞こえてきそうです。コワい、コワい。あと10年ぐらいしたら、考えてみようと思います。

発表会まで、すでに「20日」を切りました。ドキ、ドキの年末年始、あっという間に当日を迎えそうです。このプレッシャーを楽しく乗り越えることが出来るものでしょうか?!。

 

おまけです。「ザ・ファースト・スラムダンク」。

次女がラインで「見て来たよ。良かったよ。涙が出たよ」と連絡をくれました。カミさんと二人で見に行きました。確かに「涙、涙」の二時間でした。その後、長男夫婦も見たそうです。やはり「涙、涙」。二世代に亘り楽しませていただいております。原作をご存じの方に特にお薦めです。

写真は映画館(名古屋のミッドランドシアター)入口に展示されているポスター。12月10日、撮影。