クルルのおじさん 料理を楽しむ

名古屋のエスカレーター

5月8日、新型コロナウイルス感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。「三年超の対応に区切り」「戻る日常、続く警戒」等々の見出しの記事が多く報道されています。感染症法に基づいて講じられてきた対策はその法的な根拠が無くなった=感染対策は個人と企業の判断に委ねられることになると。

今年のゴールデンウイークの人の動きはコロナ前の水準を回復したことも伝えられています。今週に入ってからはマスクを外して動いている人の姿も徐々に増え始めているように感じます。住宅街で行き来する人だけでなく、繁華街ですれ違う人、地下鉄に乗車している人のなかにもマスクを外している人を見かけるようになりました。

僕は(許される範囲内でですが)早い時期から出来るだけマスクを外すようにしていましたが、今週に入ってからは地下鉄やお店の中でもさほど混雑していない時にはマスクを外すようにしています。顔が「全部」見えるというのはやはり良いモノかと。お店の店員さんとか、マスクを着けた顔に馴れてしまっていて、外した顔を久しぶりに見る時など、”ありゃ、この人こんな顔をしていたのか”とマスクの有り・無しで顔が異なることに驚くこともあります。

「感染対策は個人の判断」ということになりましたが、気がかりなことが一つ。感染者数、死者数の把握の毎日の公表が終了するそうです。今後、感染者数は全国5000の医療機関から週ごとの報告を受ける定点把握になると。死者数は人口動態統計で集計されることになり、全死者数は2カ月後に、死因別は5カ月後に公表されるそうです(日経記事から)。よく言われている通り「5類」になってもコロナが「終息」したわけではないし、「4月半ばから新規感染者数は下げ止まって増加傾向に転じつつある」、「次の流行はこの冬の『第8波』と超える恐れもある」(日経記事)とのこと。気持ちの問題だけかも知れませんが正確な情報は提供し続けて欲しいものです。

ワクチンの接種は2023年度は公費接種が継続するそうです。次年度については今後の検討課題の由。東京、神奈川では6回目の案内が届き始めているようですが、名古屋では(僕の知っている範囲では)まだ案内を受け取った人はいないように思います。地域によってブレがあるようです。

 

前回、「名古屋、世界の50選」のことを書きましたが、全く別の観点からですが、名古屋の(ユニークな)面白い試みです。

 

   

名古屋では「広報なごや」というタブロイド判の冊子が毎月、各家庭に届けられます。5月号の特集は「右側は左側も、歩かない!走らない!」「エスカレーターは『立ち止まって利用』が義務になります!」。政令指定都市では全国「初」だとか。「名古屋市エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」が制定され、2023年10月から施行されると。

 

   

地下鉄の駅構内には「立ち『止』まろう」、地下鉄の車内にも「『立ち止まって』いただき、ありがとうございます」と大きなポスターも。そして駅のエスカレーターに沿っては、こんな張り紙が。

   

「歩かないで、走らないで」の張り紙が貼られています。昔のブログに書いたことがあったので、改めて探して読んでみました。2017年4月の記事、「名古屋の不思議」と題して書いていました。エスカレーターの張り紙のこと、右側も(動かないで)立ち止まって利用=「安全」のためであることは理解出来るが実際にはなかなかそうは出来ないことを書いたものだったのですが、あれから早や6年、ついに条例の制定となりました。

kururupapa.hatenadiary.jp

この2017年は名古屋市長選挙の時だったんですねえ。今に至る市長さんですが、この時が三期目、現在、四期目の半ばです。

地下鉄を利用する時には自然に様子を見ていますが、まだ、エスカレーターを利用している人のほとんどは左側に立ち止まっています。右側は空いているか、時折、歩いて追い抜いて行く人も見かけます。さすがに走る人はいないかな。これだけ周知されていれば、少なくとも右側に立ち止まっていて文句を言われることはないだろうと。条例に敬意を表して右側に堂々と立ち止まって乗ってみようかと思い始めています。

 

 

NHK俳句です。五月になりました。新選者さんに交代してからの二回目です。第一週の選者は夏井いつきさん。初心者向け「凡人からの脱出」講座で類想類句から如何に脱出するかがこの番組のテーマ。

テキストを読むと「類想にも二通りある」と。その①;その兼題ならではの「類想ワード」、その②;どの兼題にも出てくる「凡人ワード」、と解説されていました。この週の兼題は「こどもの日」ですが、この兼題の類想ワードは「動物園」だそうです。たくさんの投句を紹介されていました。

もう一つの凡人ワードのベスト3は(テキストに掲載)、一番=「笑う」「笑む」、二番=「思う」「偲ぶ」「浮かぶ」、三番=「燃える」と「舞う」(同率三位だそうです)。夏井さんが言わんとするのは、同じ「類想ワード」「凡人ワード」を使っても佳い句にもなれば「凡人アルアル」にもなってしまう、と言うことのようです。テンポの良い解説が人気の秘密だと思いますが、天邪鬼の僕はどうも情緒のない「授業」のような印象を受けてしまいます(はい、もっと素直に視聴するように努力しようと思います)。今週の特選句です。

   揺れやすき岩飛び越えて子どもの日

 

5月5日の「こどもの日」は夏の季語なのですが(今回、初めて認識しました)、夏井さんの解説は「立夏」(今年は5月6日)は動くから微妙な季語、とのことでした。よく分らなかったので角川の俳句歳時記を見たのですが、「俳句の夏は立夏(五月六日ごろ)から立秋(八月八日ごろ)の前日まで」と記載があり。一方では(5月5日の)「こどもの日」は夏の季語になっていました(春の季語ではなく夏の季語になっている理由は記載されていない)。「こどもの日」は「俳句の夏」のルールに沿わない年次もあるが「夏の季語」と決めた、と言うコトなんですかね。

テキストの巻頭名句に五月らしい句がありました。

   水彩に下書の透く五月かな   小川軽舟

   端午こよなき鳥の声が降り   鷲谷七菜子

選者の池田澄子さんが書いていましたが、”「初節句」はよく聞くが「初端午」って珍しい” ですね。5月5日にアラタくんの弟のあゆむクンの「初端午」のお祝いに行ってきました。ヒデさんのお父さんも参加されて。

池田澄子さんの鑑賞の続きです。“兎も角も愉しく目出度い日、(中略)、折よく晴れているらしく鳥の声も寿ぎ(ことほぎ)に聞こえます。この子に幸あれと”。

凡人のパクリ俳句と言われそうで恥ずかしいですが、

   端午じじばばの声降り注ぎ   孔瑠々

 

 

連休中は神奈川に帰ってのんびりしておりました。新幹線もさほどは混雑していませんでした。上り・下りが逆の移動になりますから助かります。移動中は以前に千種図書館のリサイクル図書で頂いたサスペンス小説を読みました。「米中衝突」(上・下)、リチャード・ハーマンJR著、新潮文庫。1997年11月、第一刷。原作は1997年。

「台湾を併合した中国。次の照準は沖縄に」「戦慄の近未来軍事サスペンス」。本の帯のキャッチコピーを読むだけで話の内容が分かりそうですが、軍の動きに関しての記述が詳細でストーリー展開が面白かったので移動中、全く退屈しないでずっと読んでおりました。

5月4日の日経に「来年の米国大統領選挙の争点」の記事が出ていたのですが、「バイデン大統領が再選=二期目を終えるのは86歳に」「不測の事態を想定して、副大統領(=継承順位一位)のハリス氏への関心が高まる」「米・共和党、ハリス氏を標的に」。偶々ですが、この本の話の発端が正にこの懸念そのもの、「現職の大統領が急病死して副大統領が大統領に=史上初の女性の大統領の誕生!」というスタートでありました。かつて出張でよく訪問した久米島が闘いの舞台で出てくるし(ナント中国軍が久米島に上陸してしまいます)、「選択的(核)発射」という軍事戦略・戦術も出てきます。ウクライナ情勢が膠着状態ですから、ロシアのあの大統領がバカな考えを万が一にも実行しないことを祈りたくなります。この本はモチロン現実離れしたストーリー展開なのですが、出版当時よりも今の方が話題性が高いなあと思いながら一気に読み終えました。

因みにこの本の原題は「POWER  CURVE」です。邦訳の「米中衝突」というのは分かり易いタイトルになっていると思うのですが、筆者はホワイトハウス内の権力の揺らぎ様を書きたかったのかも知れません。何かいい言葉はないのかしらと「POWER  CURVE」をウエブで調べてみたら「風力エネルギーの出力曲線」と説明されていました。また野球の用語で「スローカーブとは逆に球速が速く鋭く大きく曲がる(球種)」との説明もありました。言葉は難しいですねえ。

 

 

   

二年前の父の日のお祝いに貰った「万年青(おもと)」を株分けしたら新しい芽が出てきました。名前の通りずっと「青」です。元気な植物なので助かってます。漱石の小説の中で女性が「万年青の葉を洗っている」シーンが出てきたことを覚えています(おばあちゃんだったかな)。何の脈絡もありませんが、近くに「青」(緑)が在るというのは気分が癒されます。その内に僕も万年青の葉をキレイに洗ってみようかと。2023年5月9日、撮影(隠れ家で)。