名東陶芸クラブ(以下、名陶クラブ)で初めて焼き上がった作品です。
名陶クラブでは会員メンバーが作陶した作品の数がある程度、まとまった段階で素焼き・施釉・本焼きの工程に入ります。一か月半か二か月に一回の焼成となっているようです。楽陶館では専属の先生達が「素焼き」「本焼き」の作業を全てやってくれるのですが、このクラブではクラブの会員が役割分担をして自分達だけで行っています。
今回、出来上がった作品は4月後半から6月初めに作陶されたモノで、6月7日に素焼き、僕の属している班(C班)は6月24日に施釉、それを6月27日に本焼きしたものです。本焼き窯出しは7月1日の予定でしたが、悪天候のために延期となり、更にクラブの休日も重なったので、僕たちⅭ班が出来上がった作品を見ることが出来たのは7月14日のこととなりました。
素焼き・施釉・本焼きの役割表、工程表を見せてもらいましたが、素焼き一つ取っても「素焼き窯詰め」⇒「素焼き、火入れ・火止め」⇒「素焼き窯出し」の工程を各担当の班のなかで役割分担して作業をされています。「施釉」も同様。今までは作品に釉薬を掛けるだけが「施釉」でしたが、その前段階の施釉準備、施釉後の後始末も大変な作業であることに改めて気付かされました。本焼きの工程も同様ですが、更に焼成温度の管理等々の難しい管理項目があるようです。
いやはや自分達だけで「陶芸」を継続していくことのナント大変なこと。代表さん(ほとんどプロのレベルの方)、経験・知識・技量が豊富な各班の班長さん等々のご尽力が無ければとても運営・継続出来るものではないことを実感しました。道中では「焼成についての勉強会」も開催されました。名陶クラブが独自で作成している「焼成窯操作要領」なるマニュアルも配布されましたが、ほとんど「機械オンチ」の僕にとってはチンプンカンプン。モチロン、難しい重要な作業は熟練の先輩が中心になって何人かのチームでシフトを組んでいる訳ですが、当分は、僕は全くナンの役にも立ちそうにありません。ゆっくりと経験を積みながら少しづつ勉強を続けたいものです。とにかく今の僕のレベルでは「安全第一」にやっていくだけだと思っています。
上の写真は、名陶クラブでのロクロ作品の一作目。Ⅽ班にはクラブの代表(=師匠)と経験豊富な班長さん、先輩諸氏が沢山いらっしゃって有難い限りです。Ⅽ班に入会後、オタオタしながらロクロを回している僕を見て、師匠を始め皆さんがイロイロと助けてくれて出来たビアグラス(かなり小ぶりのグラス)です。刻みの模様を付けて素焼きして、施釉は「織部」をかけた後でワザと拭き取りをして(濃淡をつけて)、その上から「透明釉」をかけました(以前の「陶芸作品、その2.」の作品ー①は「織部⇒拭き取り⇒青磁」でした。記録を見たら、ほぼ同じ頃に施釉していました)。
素焼きの締め切り迄にはロクロ作品は冒頭の一個しか作陶出来ませんでした。釉薬を試すためにも作品の数を作りたかったので、得意(?)の手びねりで植木鉢を二個作りました。
左は刻んで模様を付けたところを青御須で色付けして釉薬は黄瀬戸をかけたモノ。楽陶館の黄瀬戸とは色合いが違ったいましたが、この色合いは気にいってます。
右は青磁を上下からそれぞれ1/3だけ両方にかけてから、天目と織部を左右からそれぞれ1/3づつかけたモノ。天目、天目と青磁の二重掛け、青磁はそれぞれキレイに色が出ていますが、織部は流れて一色だけの色合いになってしまった様な。もう少し工夫が必要だと思いますが、面白い施釉の仕方で気にいっています(自分ではオリジナルだと思っている!)。
かつての園芸科の仲間(=現在、楽陶館の研究コースで一緒)がサボテンを育てているのを聞きつけて五株分けてもらいました。それぞれの鉢にサボテンを植え付けました。植木鉢は植物を植えるととにかく様になると思います。
NHK俳句です。7月第二週。選者は山田佳乃さん、ゲストは歌手・俳優の横山だいすけさん(「おかあさんといっしょ」のうたのおにいさん、です)。今回の兼題は「日向水(ひなたみず)」。司会の柴田さん、ゲストの横山さんともに直ぐには何のことか理解出来ないようでした。僕の世代でさえ思い出すのに時間が掛かりました。昔、おばあちゃんが盥に水を入れて暖かくなったもの(=日向水)で行水をしてくれました。素裸にさせられて体を洗ってくれたことを思い出しました。近所の人が通り掛りに見ることが出来る場所なので素裸にされているのが恥ずかしかった気持ちを微かに覚えているような。懐かしい記憶ですね。
この兼題の名句の紹介がありました。
忘れられあるが如くに日向水 高浜虚子
わらぢ売る土産物屋の日向水 浜崎壬午
山田さんの年間テーマが「俳句とエコロジー」ということでこの兼題なのでしょうが、さすがに「日向水」は既に”死語”になっているのでは、と感じてしまいました。
特選三句です。
一席 日向水通る人影みな濡れる
二席 蜂の死のすこし動きぬ日向水
三席 雲一つ風で四つに日向水
駄句です。
日向水昭和は遠くなりにけり 孔瑠々
ババ様やふりちん恥ずかし日向水 孔瑠々
第三週です。選者は村上鞆彦さん。ゲストはお笑いトリオ・3時のヒロインの福田麻貴さん。村上さんの年間テーマは「人生を詠う」で今週は「恋愛」がテーマ。「恋愛」をテーマにした句の紹介がありました。
木犀や恋のはじめの丁寧語 南十二国
野にて裂く封書一片曼殊沙華 鷲谷七菜子
両方とも季節は秋。ちなみに鷲谷さんは村上さんの師匠とのことです。
今週の兼題は「香水」。香水が夏の季語とは全くイメージが分かりませんでした。面白いと思った入選句です。
香水の一滴離婚調停日
香水といふもの持たぬ余生かな
特選三句です。
一席 香水や小瓶の中に雨の森
二席 パルファムを付けて瞳の強くなる
三席 香水を一滴雲の上に寝る
駄句です。
香水の満員電車の堪え難さ 孔瑠々
今日(7月20日)は楽陶館・研究コース(Aコース)の最終回でした。最後の施釉です。前回、記載した通りですが、作陶の際に高台作りで大変に時間が掛かってしまい素焼きの締め切りまでにロクロ作品は一つしか出来ていませんでした。僕はどうも数を欲しがるようで、大急ぎでタタラ作りと手びねりでお皿等々を作り素焼きに回しました。今日は素焼きされた合計5個の作品を(自分ではテキパキと)施釉して本焼きに回す棚に置くことが出来ました。あとは先生がやってくれるという大変な安心感があります。有難いことです。
今回で研究Aコースは終わりです。来週は焼き上がった作品の引き取りに行くのですが、番外特別編(?)でロクロの練習をしたい人はやってもヨロシイとのこと。どんな焼き上がりになるか楽しみですが、ロクロの練習もやってみたいと思っています。
次の研究コース(研究Bコース=8月中旬から11月の始めまで)の申し込みをしていましたが、無事に「当選」の通知が届きました。一緒に研究Aコースで勉強しているかつての園芸の仲間も全員、当選していました。まだまだ「陶芸」を楽しむことが出来そうで喜んでおります。