楽陶館、陶芸・研究cコースの作品が焼き上がりました。三回作陶して素焼きしてもらい四回目に施釉。一回のコースは12週(12回)ありますので、三回、作品を焼き上げてもらえます。cコースでの初めての作品です。自分の備忘録としての作品メモです。お付き合い頂ければ嬉しいです。
これが今回のメイン作品。直径25㎝強のお皿。今まで最大の大きさ。織部を上下・左右から掛けて(中心には掛けないで)、青呉須で模様を描いてから透明釉を全体に掛けました。写真写りはそれ程悪くなさそうですが、実際には余りスッキリしない色合いです。ロクロでの成形は上手く出来たと思っていたのですが、焼き上がりは一部、平坦でなく形が少し歪んでいました。青呉須の模様は透明釉にクッキリと出ています。そのうち水墨の腕を磨いて何か描きたいものです。
小皿。近所でハナミズキを剪定していたので枝をもらいました。タタラで5~7㎜の板を挽いて、その上に枝を押し付けて模様をつけたもの。
釉薬、左は織部→乾燥、一部を拭き取り→青磁を二重掛け。右は青磁。現物の色合いは青磁一色の方が鮮やかな様に思います。
水墨画の落款用にイニシャルを刻んだゴム印を追加で作ったのですが、それを押し付けてみました。左の方、クリアーに出てくれて面白いなあと。
左、同じくハナミズキの枝とマンションにある千両?の実を押し付けて模様を付けました。青呉須と赤化粧で色付けして白マットと透釉釉を。これはなかなかいい感じに仕上がりました。右、ロクロでカップを。取っ手を付けて、模様にラインを刻んで鎬を加えました。織部、青磁で施釉。薄く作ったつもりでしたがまだ重たかった。色合いも今一歩です。
いつもの仲間と作品が焼き上がった時にはお昼を食べながらお互いの作品の鑑賞をやっています。比べてみるとやはり僕のは粗っぽい(丁寧でない)のが目に着きます。仲間は「味があってよい」と優しく慰めて?くれますが、もう少しナントカしたいものです。当初は気にならなかった(気にしていなかった)のが気になりだしているのは少しは観る目が出来てきたからかしら。
NHK俳句です。
一月の第三週。選者は村上鞆彦さん。ゲストは松田ゆう姫さん、松田優作さんのご長女。今週のテーマは「不意の出来事」。元旦の地震のショックが今も続いていますから、よくぞこのテーマを設定したと驚くばかりでした。番組、テキストで紹介された句です。
一瞬にしてみな遺品雲の峰 櫂未知子
車にも仰臥という死春の月 高野ムツオ
ムツオさん(第四週の選者さん)は宮城県多賀城市在住で、外出先で地震に遭い歩いて帰宅、その時に津波被害の惨状を目の当たりにしたそうです(テキストの解説)。テキストには「2019年末から始まったコロナ禍、これも不意の出来事と言えます」と。
不要不急の新茶を買ひに外出す 仁平勝
「飄々とした可笑しさのなかに、己を曲げぬしたたかさが窺える」(鞆彦さんの講評)。
今週の兼題は「悴む(かじかむ)」。
入選句です。
促され遺影を持つ手悴める
特選三句です。
一席 薔薇窓のひかり悴む掌にもらふ
二席 傘の柄に悴む通夜の拳かな
三席 悴むや竹刀に当たる日の光
薔薇窓はステンドグラスがはめ込まれた円形の窓のことだそうです。
第四週、選者は高野ムツオさん。今回も「句会」です。メンバーは俳人の西山ゆかりさん、木暮陶句郎さん、ゲストの伊集院光さん、中西アルノさん。伊集院さんは二回目の登場。句会のテーマは「扉」。点数の多い順です。
5点 落第の額扉に押し付けて ゆりこ
5点 冷蔵庫の扉開ければ林檎姫 ムツオ
2点 回転扉でて春服のすそひらり アルノ
2点 初見舞扉内外笑支度 光
1点 扉絵は夢二のをんな暖炉燃ゆ 木暮
今回も楽しい面白い句会でした。ムツオさんが「林檎姫」とカワユイ表現をしたので盛り上がっていました。アルノさんの句、「でて」はあえて言う必要が無いのでは、という俳人からの講評に対し伊集院さんが「でて」で「本人が出て」ということが分かり情景が浮かぶ、と指摘していました。なるほど、と感心しました。伊集院さん、前回(10月第四週)では最高点でしたが、今回は、やや悔しそうでありました。
木暮さん、「夢二忌俳句大会」を主催している由。竹久夢二は美人画家として有名ですが、多くの俳句を残していたそうです。9月1日が忌日、秋の季語。2024年は夢二生誕140年、没後90年の節目になるとのことです。
特選三句です。
一席 寒夜の扉ひとりになっただけのこと (寒夜の扉=かんやのと)
二席 はつゆきや絵本の扉よりうさぎ
三席 冬の星扉はそっと閉めてよね
一席の句、ムツオさんが「俳句では『辛い』『寂しい』『怖い』等の感情は詠わないのが良い」と講評しておられました。確かに「潔い」と感じます。
第四週、句会の講評は勉強にもなるし、”楽しい”、”面白い”番組になっています。但し、俳句では、ここで”楽しい”、”面白い”と記載しないで、それを表す言葉を探すことが出来れば良いのでしょうね。やはり難しいです。
名古屋の隠れ家にいる時でも、神奈川の自宅にいる時でも、家族以外との食事会(=飲み会)の機会が多くなっています。コロナで激減した反動が徐々に出てきているのでしょう。元気な年寄りは出来るだけ外に出て、おしゃべりする機会を持とうと努力!しているのもその原因の一つかも知れません。年寄りが集まると「健康」「体調」「病気」「薬」の話題から始まり「物価高」「パーテイ券」「大統領選」まで話が広がりますが、最近はやはり「地震」「災害」の話題が。
「阪神淡路」から「能登半島」までを考える時、東京・神奈川から愛知にかけての地域がナント有難く、大きな災害に見舞われていないことか。
村上鞆彦さんのテーマ「不意の出来事」のテキストをもう一度読み直してみようと思いました。