クルルのおじさん 料理を楽しむ

陶芸作品、2024年その1.

楽陶館、陶芸・研究cコースの作品が焼き上がりました。三回作陶して素焼きしてもらい四回目に施釉。一回のコースは12週(12回)ありますので、三回、作品を焼き上げてもらえます。cコースでの初めての作品です。自分の備忘録としての作品メモです。お付き合い頂ければ嬉しいです。

 

これが今回のメイン作品。直径25㎝強のお皿。今まで最大の大きさ。織部を上下・左右から掛けて(中心には掛けないで)、青呉須で模様を描いてから透明釉を全体に掛けました。写真写りはそれ程悪くなさそうですが、実際には余りスッキリしない色合いです。ロクロでの成形は上手く出来たと思っていたのですが、焼き上がりは一部、平坦でなく形が少し歪んでいました。青呉須の模様は透明釉にクッキリと出ています。そのうち水墨の腕を磨いて何か描きたいものです。

 

  

小皿。近所でハナミズキを剪定していたので枝をもらいました。タタラで5~7㎜の板を挽いて、その上に枝を押し付けて模様をつけたもの。

釉薬、左は織部→乾燥、一部を拭き取り→青磁を二重掛け。右は青磁。現物の色合いは青磁一色の方が鮮やかな様に思います。

水墨画の落款用にイニシャルを刻んだゴム印を追加で作ったのですが、それを押し付けてみました。左の方、クリアーに出てくれて面白いなあと。

 

  

左、同じくハナミズキの枝とマンションにある千両?の実を押し付けて模様を付けました。青呉須と赤化粧で色付けして白マットと透釉釉を。これはなかなかいい感じに仕上がりました。右、ロクロでカップを。取っ手を付けて、模様にラインを刻んで鎬を加えました。織部青磁で施釉。薄く作ったつもりでしたがまだ重たかった。色合いも今一歩です。

 

いつもの仲間と作品が焼き上がった時にはお昼を食べながらお互いの作品の鑑賞をやっています。比べてみるとやはり僕のは粗っぽい(丁寧でない)のが目に着きます。仲間は「味があってよい」と優しく慰めて?くれますが、もう少しナントカしたいものです。当初は気にならなかった(気にしていなかった)のが気になりだしているのは少しは観る目が出来てきたからかしら。

 

 

NHK俳句です。

一月の第三週。選者は村上鞆彦さん。ゲストは松田ゆう姫さん、松田優作さんのご長女。今週のテーマは「不意の出来事」。元旦の地震のショックが今も続いていますから、よくぞこのテーマを設定したと驚くばかりでした。番組、テキストで紹介された句です。

   一瞬にしてみな遺品雲の峰   櫂未知子

   車にも仰臥という死春の月   高野ムツオ

ムツオさん(第四週の選者さん)は宮城県多賀城市在住で、外出先で地震に遭い歩いて帰宅、その時に津波被害の惨状を目の当たりにしたそうです(テキストの解説)。テキストには「2019年末から始まったコロナ禍、これも不意の出来事と言えます」と。

   不要不急の新茶を買ひに外出す   仁平勝

「飄々とした可笑しさのなかに、己を曲げぬしたたかさが窺える」(鞆彦さんの講評)。

今週の兼題は「悴む(かじかむ)」。

入選句です。

   促され遺影を持つ手悴める

特選三句です。

一席   薔薇窓のひかり悴む掌にもらふ

二席   傘の柄に悴む通夜の拳かな

三席   悴むや竹刀に当たる日の光

薔薇窓はステンドグラスがはめ込まれた円形の窓のことだそうです。

 

第四週、選者は高野ムツオさん。今回も「句会」です。メンバーは俳人の西山ゆかりさん、木暮陶句郎さん、ゲストの伊集院光さん、中西アルノさん。伊集院さんは二回目の登場。句会のテーマは「扉」。点数の多い順です。

5点   落第の額扉に押し付けて   ゆりこ

5点   冷蔵庫の扉開ければ林檎姫   ムツオ

2点   回転扉でて春服のすそひらり   アルノ

2点   初見舞扉内外笑支度   光

1点   扉絵は夢二のをんな暖炉燃ゆ   木暮

 

今回も楽しい面白い句会でした。ムツオさんが「林檎姫」とカワユイ表現をしたので盛り上がっていました。アルノさんの句、「でて」はあえて言う必要が無いのでは、という俳人からの講評に対し伊集院さんが「でて」で「本人が出て」ということが分かり情景が浮かぶ、と指摘していました。なるほど、と感心しました。伊集院さん、前回(10月第四週)では最高点でしたが、今回は、やや悔しそうでありました。

木暮さん、「夢二忌俳句大会」を主催している由。竹久夢二美人画家として有名ですが、多くの俳句を残していたそうです。9月1日が忌日、秋の季語。2024年は夢二生誕140年、没後90年の節目になるとのことです。

 

特選三句です。

一席  寒夜の扉ひとりになっただけのこと   (寒夜の扉=かんやのと)

二席  はつゆきや絵本の扉よりうさぎ

三席  冬の星扉はそっと閉めてよね

一席の句、ムツオさんが「俳句では『辛い』『寂しい』『怖い』等の感情は詠わないのが良い」と講評しておられました。確かに「潔い」と感じます。 

第四週、句会の講評は勉強にもなるし、”楽しい”、”面白い”番組になっています。但し、俳句では、ここで”楽しい”、”面白い”と記載しないで、それを表す言葉を探すことが出来れば良いのでしょうね。やはり難しいです。

 

 

名古屋の隠れ家にいる時でも、神奈川の自宅にいる時でも、家族以外との食事会(=飲み会)の機会が多くなっています。コロナで激減した反動が徐々に出てきているのでしょう。元気な年寄りは出来るだけ外に出て、おしゃべりする機会を持とうと努力!しているのもその原因の一つかも知れません。年寄りが集まると「健康」「体調」「病気」「薬」の話題から始まり「物価高」「パーテイ券」「大統領選」まで話が広がりますが、最近はやはり「地震」「災害」の話題が。

阪神淡路」から「能登半島」までを考える時、東京・神奈川から愛知にかけての地域がナント有難く、大きな災害に見舞われていないことか。

村上鞆彦さんのテーマ「不意の出来事」のテキストをもう一度読み直してみようと思いました。

 

鍵が見つかった!

久しぶりに読書のお話です。千種図書館に頼んでいた本の貸し出し準備が出来たという連絡を頂きました。年明け、バタバタしていましたが、少々はバタバタしている方が本を読みたいと言う気持ちが強くなる、読書の集中力は高まるものかも知れません。

「悪意の科学」。筆者はサイモン・マカシー・ジョーンズさん、ダブリン大の心理学准教授で幻覚症研究の権威の由。プレシ南日子さん訳。インターシフト合同出版、2023年1月第一刷。副題にある「意地悪な行動はなぜ進化し社会を動かしているのか?」、第一章の「たとえ損をしても意地悪をしたくなる」(のは何故?)、第六章の「勝たせたくないから投票する」(2016年の米大統領選、トランプvsヒラリークリントン、について)等々、興味深い記述がありました。反面、何かにつけ「悪意」「意地悪」をこじつけて繋げている箇所が気になりましたが全体として面白く読むことが出来ました。

 

この本を読んでしばらくした時の日経・春秋の記事です。1月17日付け。

東日本大震災の行方不明者の遺骨や所持品が、岸辺に漂着していないか。今も警察や海上保安庁が人知れず、地道な捜索活動を継続していることをご存じだろうか。おそらく世界に類例のない公務であろう。なぜ、そこまでするのか。一昨年の秋、捜索現場を取材した。

福島県富岡町の海岸で警察官が整列し、沖に向かって黙とうをささげていた。消波ブロックの隙間を熊手でかき出す作業を繰り返す。警官のなかに、大阪府警から志願して来た30代の男性がいた。聞けば、1995年の阪神大震災兵庫県の母親の実家が半壊したという。「被災地で貢献したかった」と志を語ってくれた。

▼「被災地のリレー」という言葉がある。助けてもらった恩を、別の被災地で返す。見ず知らずの人々への返礼を求めない贈与である。阪神大震災の被災者は2004年の新潟県中越地震の際、炊き出しなどに尽力した。中越地震の被災者は東日本大震災仮設住宅に救援物資を届けた。新たな社会を築く希望かもしれない。

▼ボランティアはかえって迷惑だ。義援金を送ればいい。近年、こんな空気が広がっていないか。確かに宿泊や食事のあてもなく現地入りするのは迷惑だ。ただ、行政の指示で動員される存在ではないはずだ。阪神大震災からきょうで29年。能登半島地震の現場でも、民間の善意と知恵を生かす共助のあり方が問われている。』

 

「被災地のリレー」っていい言葉ですねえ。「見ず知らずの人々への返礼を求めない贈与」、日本人の特性なんでしょうか。「自分にコストが掛かってでも利他を行おうとする行為」=「善意」。「悪意の科学」の真逆の話です。大切にしていきたいモノだと思いました。

今年の米大統領選。「悪意の科学」ではありませんが「悪意が政治を動かす」ことになりませんように。

 

 

NHK俳句です。一月第二週。選者は山田佳乃さん、ゲストは映画監督の安藤桃子さん。今週の兼題は「寒造」。「寒中に酒を造ること、また、作られた酒のこと。古来寒中の水は身体によいと・・・」(テキストの解説から)。テキストに載っていた句です。

 

   もと歌につづくくだかけ寒造   西山泊雲   (”もと”は舟編に「元」、酒母のこと。酒作りの仕事の運びは「唄」によっていた。「くだかけ」はニワトリの古い名前で、朝早く鳴くニワトリの声を言っている(テキスト解説)。

   寒造震災耐へし太柱   井上芙美子   

この震災は阪神・淡路大震災の由(テキスト解説)。

 

番組でも紹介された句です。

   寒造酒を神とも我が子とも   上野一考

 

特選句で印象に残った句です。

   大枡に能登の塩乗せ寒造

   東北に玉風来たり寒造

「玉風」は日本海沿岸、北西からの季節風。地域特有の言葉で季語にもなっているとか(地貌(ちぼう)季語とも言われるそうです)。大枡の句(投句の締め切りは昨年11月です)、早く能登が安寧を取り戻しますように。

 

特選三句です。

一席   静の杜氏動の蔵人寒造

二席   銀色の闇へ目をやる寒造

三席   角張って角張って呑む寒造

 

 

18日(木曜日)、今年初めてドラゴン先生と会食。「龍」年の山歩きの年間計画をしようと。予約したお店に約束の時間の5分前ぐらいに到着した時、ドラゴン先生から携帯に電話が入ってきました。”ムッ、これはきっと遅れることの連絡であろう”と思いましたが然にあらず。「ウナルさんがタマタマ打ち合わせで事務所に来ている」と。ウナルさんはかつての僕の後輩。勿論モアザンウエルカムなので(怖い顔をした)お店のご主人に頼んで席を作ってもらいました(人気のお店でこの日もほぼ満席、予約した時もカウンター席二人分しか空いていなかった)。やや嫌そうな怖い顔をしたご主人に対しても丁寧にお願いして席を作って頂くことが出来るようになりました。年の功ですかね。

 

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かつての「ウナル後輩」が登場するブログです。懐かしいです。

 

ドラゴン先生とも本年初めて、ウナルさんとは何年振りになるのか、当然に話は大変に盛り上がりあっという間に時間が過ぎました。現役パリパリのウナルさんドラゴン先生と打ち合わせのあと東京に移動する予定をしていたので、時間を惜しんでの会食となりました。早めに店を出てウナルさんは名古屋駅に。ご苦労様です。

コロナ以降、夜の会食に「二次会」という言葉は死語になっていると思いますが、ウナルさんを見送って、さあどうするか。こんな時にトンデモナイことを言い出すのがドラゴン先生です。普段は「糖質制限」等々を声高に唱えているお方ですが「〆の料理を食べなかった。すぐ近くによく知っている旨いラーメン屋があるが、どうする」。女性にデザート・ケーキ、ドラゴン先生にラーメン。どちらも別腹ということでしょうか。確かにお気に入りの店はすぐ近くにありました。

お互いにラーメンを頼み、二人でビールを一本だけ頼み、元々の主題である「山歩き」の話で盛り上がりました。よくおしゃべりして気持ち良く帰路に。食べ過ぎですが、飲み過ぎでは無い。しっかりした足取りで隠れ家に到着しました。

ここで大事件発生。カギが無い!。酔って朦朧としている状態ではなく、ポケット、バッグを二回ほど探しましたがやはり無い。幸いに予備の鍵は秘密の場所に置いてあったのでそれを取り出して部屋の中に入りましたが、カギが無い、ということに納得がいかず。着替えをしてからもう一度、衣服のポケット、バッグの中身をチェック。やはり無い。どこで無くしたのか?。

冷静に(自分では)記憶をたどりました。カギは携帯(電話)と同じポケットにしまっていた。最初のお店でドラゴン先生と電話した後に携帯は席に置いたままにしていた。お店を出る時にドラゴン先生から「携帯を忘れているぞ」と注意されて驚いて受け取った。ポケットにしまった。その時点では間違いなくカギはポケットにあった(はず)。二軒目のラーメン屋さんで携帯を取り出した(何かを検索した)。その時の携帯の出し入れの際に誤ってカギを落としたのでは。

我ながらの名推理に元気が出て来て、急いでラーメン屋さんに電話を入れました。事情を話すと極めて丁寧な対応。ちょうど閉店後のお掃除が終わったところだが残念ながら落とし物は何も見つかっていないと。万事休す。

 

最近は忘れ物は多々あるのです。傘を忘れたり、持っていくべきものを忘れて外出してしまったり、先方に渡すために持って行ったものを渡すのを忘れてそのまま持ち帰ったり、全く、マンガのような忘れものが多くなっています。でも、落とし物をしたことは無かった。夜、ベッドに入っても依然として釈然とせず、極めて寝つきの悪い一夜となりました(といっても良く寝ていたと思いますが)。

翌日、諦めの悪い性格かと自分でも驚きましたが、再度、カバンと衣類を総点検。当たり前ですが、やはり、無いモノは無い。お昼ごろ、お店が営業開始する時間を待って、もう一度ラーメン屋さんに電話、一軒目のお店にも電話。有難いことに両方ともに親切な対応をしてくれましたが、やはり落とし物は無しであったと。”もはやこれまで、諦めよう”と自分に言い聞かせました。

 

翌々日、今日(20日、土曜日)のことですが、気持ちを切り替えて、陶芸クラブ、水墨画クラブ、その後、長男宅での食事会に。夕方、長男のマンションに行く時まで携帯をチェックすることも無かったのですが、気づくとラーメン屋さんから昼頃に電話が入っている!。もしかしたら!。お店の夜の開店時間を待って電話しました。ビンゴ!。

なんと店内ではなく店の前の通りにあるそのお店の看板の台の上に鍵が置かれてあったそうです。誰が置いてくれたものやら。また、お店の方に僕の電話を伝えていた訳では無かったのですが、先方の電話にはこちらの電話番号が自動的に記録されていて(これは飲食店では良くありそう)、結果的には僕が当日の夜と翌日の昼に二回電話を入れていたのが幸いして、鍵を見つけた時に(二回電話を入れてきた)この人であろうと推測して僕に電話してきてくれた様です。奇跡としか言いようがありません。

 

新京・伏見店。御園座の東側の筋を入った直ぐの処です。ラーメンはドラゴン先生のお墨付き、勿論、旨い。ツマミにはゲソカラ(ゲソのから揚げ)が名物。僕のカギはこの看板の台の上に置かれていたとか。僕の推理は全く外れで、どうしてお店の外で落としてしまったのは全く分かりませんが、お店の方の丁寧・親切な対応、カギを台の上に載せてくれた方の「善意」に感謝、感謝です。

 

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昔のブログで同じく「鍵」を描いた記事がありました。これも懐かしいです。

 

 

おまけです。水墨画「竹」です。

  

昨年からの宿題、「新年を寿ぐ」がテーマでした。僕は水墨画の基本教材とされている四君子「竹」「蘭」「梅」「菊」の「竹」を練習していたので「竹」を見てもらいました。仲間、先輩が暖かく講評してくれました。嬉しい限りです。

 

 

2024年、年明け

大変な年明けになってしまいました。ちょうど、長男のマンションでカミさんと二人だけで留守番をしている時でした。緊急地震速報のブザーが鳴り響くのとほぼ同時に震度4の恐ろしさを感じました。能登半島地震。現地、最大震度7

長男は一時帰宅していた嫁さんを病院に送りに行っている途中でした。小雪ちゃん、司くんも一緒に。クルマの中では揺れは感じることが無かったそうです。子供達が恐がらないで済んだのが何よりだったと思いました。

地震発生後一週間以上経過したのに、まだ被害の全体が把握できていない状態が続いています。一昨日から冬将軍の到来、輪島市珠洲市などで道路の復興の遅れ、停電・断水、孤立状態が伝えられています。死者は202人に、この内6人は災害関連死(日経1月10日、朝刊)。お祈りするしか無い、堪えられない状態です。

 

お陰様で長男の嫁さんはその後、無事に退院することが出来ました。まだ体力の回復には時間が掛かりそうですが、一家四人の平常の生活に戻りつつあります。里帰りしていたお母様も一昨日(1月8日)帰って来てくれました。

 

長男が宿直勤務で不在の時、じじ・ばば二人で小雪チャンと司くん二人の世話をしましたが、思ったよりもスムーズに出来ました(カミさんがほとんど全部やってくれたから)。二人も状況をそれとなく理解してくれている様で僕からすると大変に良い子で、小雪チャンはすっかりとお姉さんの役割を果たしていました。僕が活躍したのは二度だけ。小雪チャンと司くんを連れて三人で買い物に、上手くいったので翌日にもう一度近所の公園に遊びに行きました。一人で二人を見ているのは大変でしたが、一緒に楽しい時間を過ごすことが出来ました。事故も無く二人を無事に長男夫婦に引き渡せたことでホッとしています。

 

駄句です。

   元旦や二歳の影は五メートル   孔瑠々

 

 

新年のNHK俳句です。一月、第一週は夏井いつきさんの「凡人からの脱出」。今回の兼題は「氷」。冒頭に「兼題の誤解」の解説がありました。番組では兼題として季語の「氷」が設定されているのですが、この「氷」の捉え方を誤解した投稿が多かったと。即ち、季語としての「氷」ではなく、テーマ、言葉として「氷」を詠めば良いと誤解した投句が多かったそうです。たくさんの季語を例にとって説明されていました。「氷」「蝉氷」「スケート」「滝氷る」「氷柱(つらら)」「氷雨」「氷菓」「氷水」「花氷」「流氷」「薄氷(うすらい)」「氷嚢(ひょうのう)」。

この中で兼題「氷」にOKな季語、言葉は最初の二つ「氷」と「蝉氷」だけだそうです。「スケート」「滝氷る」「氷柱(つらら)」は冬の季語ですが「氷」とは別な(独立した)季語。「氷雨」も別な季語で夏、冬ともに使われるとか。「氷菓」「氷水」「花氷」は夏の季語。「流氷」「薄氷(うすらい)」は春の季語。「氷嚢」に至っては無季、季語では無い。

「蝉氷」とは蝉の翅(はね)の様に透き通って薄い氷のことだそうです。「氷」の傍題。綺麗な表現ですねえ。今回は、これが一番面白かったです。

 

脱ボン、特選句のなかで面白いと思った句です。

脱ボン   丁寧に氷割り行く遅刻の子

特選句   厚氷ぽこんと抜けばみづの息

 

駄句です。

   蝉氷二歳の靴に踏み割られ   孔瑠々

(後で調べたら僕が持っている角川の歳時記には「蝉氷」は載っていませんでした。季語は難しいですねえ)

 

1月7日(日)、ピアノサロン「心音」の第二回「おさらい会」。長男宅に寝泊まりしているカミさんも参加してくれました。僕も含めて4人の演奏。演奏順はくじを引いて決めることになっています。ほぼ全員が最初に弾きたがる(早く弾き終えて楽になりたい)から。「心音」先生のお友達の先生の生徒さん(先生の同級生とか)が一番手、川上ミネさん作曲の「アンジェラ」を。二番手は「心音」先生のお弟子さん、園長先生をされている方でピアノ経験者(この四人の中では一番、お上手)シューベルト即興曲・作品142-3主題を。二人とも練習の時にはノーミスであったのがやはり本番では大変に苦労されていました。

三番目が僕。ジョルジュ・オーリックの「ムーランルージュの歌」。やや練習不足ではありましたが、隠れ家を出る時にはとにかく適度な緊張感と集中力を維持して、楽しく演奏するようにと自分に言い聞かせて臨みました。結果はボロボロ。何度も詰まってしまいました。昨年の一回目の時は手の指が震えているのを感じましたが、今回はそれ以上に全身が固まっていたように。気持ちが空回りしていたのかも。途中から居直り状態で”どうにでもなれ”(ちょっとオーバー)と思ったら、最後だけはちゃんと弾けたように思います。最後が先生の旦那さん。マンシーニの「ひまわり」、僕らの世代には大変に懐かしい曲。僕の失敗が尾を引いたのか旦那さんも苦労されていました。

とにかく全員、無事に(曲を最後まで)弾き終わりました。先生も「生徒を見守る自分の方も力が入りました」とホッと一息。終わった後は恒例の新年懇親会。緊張感から解放されてビール、ワインの美味しいこと。普段から盛り上がりますが、この日は殊の外、皆さん饒舌になっていました(多分、僕が一番はしゃいでいた)。これだけの人に聴いていただける機会があるのは本当に嬉しい、有難いことだと改めて感じました。先生に感謝、感謝です。

次の「おさらい会」も楽しみにして、今週のレッスンからは新しい曲に挑戦です。

 

今日のお昼は鯱城学園・園芸科、四班の新年食事会です。一人、ご家族がコロナ感染となり、ご本人は元気なのですが念のために欠席されることになりました。被災地でコロナ感染が確認された避難所もある由、感染症のリスクが高まっています。被災地だけでなく、我々の日常の中でも、まだまだ、油断は出来ません。

 

おまけです。

1月6日(土)、千種区東山動植物園。長男と小雪チャン、司くんの四人で。切符売り場は長蛇の列、新春から大変な混みようでした。象さん、虎さん、キリンさん、カバさんを見て二人とも大喜び。楽しい写真がたくさん撮れました。

 

一日も早く復旧に向けての動きが始まります様に。苦難を乗り越えて何とか良い一年になります様に。心よりお祈りしております。

 

 

 

名古屋の年末

名古屋の隠れ家で年末年始を過ごすことになりました。初めてのことです。長男のお嫁さんが体調悪くして入院することになり、お嫁さんのお母さんは早くから年末年始は里帰りする予定を組んでいたので、急遽、僕のカミさんが助っ人で名古屋に来て、小雪ちゃん、司くんの世話をすることになりました。カミさんはお嫁さんのお母さんと入れ違いに12月28日に名古屋に来て長男のマンションに寝泊まりしています。

神奈川の自宅用に頼んでおいたおせち料理セットを隠れ家に転送してもらったり、頂きモノの果物、野菜とか、名古屋に滞在中の衣類等々を宅急便で送る手配をしたり、カミさんの方もバタバタしたようでした。

幸いに僕の隠れ家と長男のマンションは地下鉄の駅一つだけの近い所なので、僕がお手伝いに行くのにも便利です。30日、31日は僕もお泊りに行くことになっています。長男は勤務医で、年末から年始にかけて宿直勤務が何日か入っているため。年末年始でも働いている郵便配達の方、地下鉄・電車の運転手の方等々、日常のインフラを維持して頂いている方々は大変だと思っていましたが、勤務医さんもやはり大変な仕事のようです。皆さんに感謝、感謝です。

 

毎日の新聞広告を見ていると年末の大売り出しの広告がたくさん入っているのに改めて驚きました。スーパー、各種専門店はモチロン、普段は目にしたことが無い柳橋中央市場の広告まで。「一般の方、大歓迎。少量でも卸価格!」と。「鮮度抜群」「品数豊富」「卸価格!」が歌い文句。僕の理解では普段は土曜日だけが一般の方の入場も許可されている市場(いちば)です。一、二度、見学方々冷やかしに行って、保存出来るもの、日持ちするものを買ったことがあります。単身者には量が多いのがネックになりますが、活気があって楽しくお値打ちの食材の買い物が出来たことを覚えています。

昨29日、何かオモシロい食材があれば、と足を運んでみました。柳橋中央市場名古屋駅から近い、ミッドランドスクエアのすぐ裏(東側)にあります。東京で言えば八重洲に築地の市場があるようなものかと。10時頃に到着したのですが店によっては既に完売状態。それでもお客さんは大勢いてごった返していました。確かに広告にも「売切次第終了」と書いてある。カニ、エビ、マグロ、飛騨牛等々、高額の大きなブロックものが飛ぶように売れていました。何か買って帰ろうと思いましたが、手のかかるものは嫌がられるだろうと。プラプラしていると場内食堂でお寿司パックを売っていました。

 

  

 

司くんはまだお寿司は食べないようですが小雪チャンはマグロ、ホタテ、イクラ、ネギトロなどは食べると聞いていたので、このお寿司パックを買って長男マンションへのお土産にしました。結果、大好評。さすが柳橋の生鮮市場、久しぶりに美味しい握り寿司を堪能することが出来ました。長男は嫁さんのお見舞いに子供達と一緒に行ってきたそうで「元気を取り戻していた、子供達も喜んでいた、本人も子供達の顔を見て更に元気を貰っていた」と喜んでいました。長男もお嫁さんが元気でいてくれることの有難さを再認識した様子。

 ”そう言えば、カミさんは重い病気にかかったり入院したりしたことは無かったなあ。僕は全く何もイエのことをしなかったなあ" と昔を振り返ってしまいました。長男とややシンミリと話すなかで「無事これ名馬」と口が滑り、横からカミさんに睨まれました。「最大級のホメ言葉(のつもりである)」と言い訳しておきました。感謝するしかないですねえ。

 

 

NHK俳句です。本年最後の番組です。第四週は「語ろう、俳句」で選者は高野ムツオさん、今回も「句会」です。メンバーは俳人の小野あらたさん、田中亜美さん、レギュラーの中西アルノさん、ゲストには芸人の古坂大魔王さん。懐かしいピコ太郎さんです。今週の兼題は「靴」、前回に続き無季語の兼題です。点数の多い順に、

5点   靴下の丸まっている暖炉かな   あらた

4点   向き合っている靴と靴虎落笛   ムツオ

3点   凍土踏み焦土を踏みし靴遺る   亜美

3点   陽だまりの冬菫や靴は新しき   アルノ

0点   冬の靴雪踏みしめる無音音   大魔王

という結果になりました。

「靴下」の句はアルノさんが「日常の些細な”アルアル”を詠めている」と「特」、他の方も全員「並」を付けて取っていました。作者のあらたさんが「NHK俳句は『可愛らしさ』が足りない、と感じていた。小さくて可愛い句を作りたかった」と解説。やはりプロの俳人は凄いなあ、と感心しました。それにしても「あらた」さん、良い名前ですね。

ムツオさんの「虎落笛=もがりぶえ」、大魔王、アルノさんは知らなかった言葉だったと。亜美さんの句、ムツオさんから「主張し過ぎている。しかし重いテーマを17音で表しているのは凄い力量」と。アルノさんの句、「冬菫や」の「や」がプロ俳人から評価されていました。「中七の『や』」というそうです。

大魔王さん、0点でやや寂しそう(悔しそう)でした。「無音音=むおんおん」、無音という音(おと)を表現したかったと。ムツオさんから「『冬』、『雪』の重複」、さらに、あらたさんから「踏みしめる、と書けば”靴”も不要になるかも知れない」と鋭い講評がされていました。今までの句会で「0点」は初めてのこと。最低1点は付くようにムツオさん辺りがこころ配りしているのかと穿った見方をしておりましたが、そんなことは無さそうでした。今回も大変に楽しい濃い内容であったと思います。

 

特選三句です。

一席   新しき雪靴まづは手を入るる

二席   人形のよごれぬ靴よ雪催   (雪催=ゆきもよい)

三席   ストーブの前に家族の靴揃ふ

 

 

今日30日の午後から二泊三日で長男のマンションにお泊りに行きます。カミさんが子供達の世話、家事をするのをお手伝いに行くのですが、気持ちは単に小雪ちゃんと司くんと遊ぶために行く様なもの。紅白歌合戦は見れないかも知れません。隠れ家で録画しておこうかと思います。

5年日記の昨年のところを見ると「(大晦日の)夜から熱っぽくなった」との記載がありました。苦しい年明けでした。

新年は7日が「おさらい会(ピアノの発表会)」です。今回は元気に「おさらい会」を迎えたいと思います。長男のお嫁さんもその頃には完全回復していることでしょう。今回のおさらい会には4名が登場予定になっています。緊張が増します。お泊りの時にも小雪チャンのピアノを借りて練習しなきゃあと。

 

おまけです。

  

井上先生の作品を額に飾りました。彩色している作品もあります。『新年を寿ぐ』に相応しい、晴れやかで良いですね。裏打ちをしていません(皴がチト気になります)。改めて裏打ちの練習をしてから失敗しない様に先生の作品の裏打ちしてみたいと思います。

 

今年一年、お付き合い頂きありがとうございました。皆さま、くれぐれも健康にご留意され、お元気で新年をお迎えくださいます様に。

 

 

犬も歩けば

   

陶縁会水墨画クラブの講師、井上昭彦先生の作品です。オリジナルを何枚か分けて戴きました。

戴いた作品の中で、一番、気に入っている作品です。表情が何とも面白い。

 

12月16日(土)の水墨画クラブの例会、井上先生が久しぶりに教室に顔を出されました。ほぼ三カ月ぶり。体調を崩されていてしばらく休養されていました。大きな荷物を抱えて来られました。先生が今までに和紙、画仙紙に描かれた作品ですが(裏打ちはされてはいません)習作というのでしょうか何枚あるか分からないほど。紙の厚さが15㎝ほどになる作品の束が三つほどありました。「家の整理をしている。捨てるには忍びない。クラブの皆さんがよければ貰って欲しい」と。会員からすればまさに宝の山です。時間の許す限り一枚づつ拝見して”欲しい”と思うものを何枚か頂きました(次回以降も先生の作品を鑑賞させて貰って欲しいものを頂くと言う有難い状態が続きます)。

 

この日の講習は「人物画」「自画像」だったのですが、先生が講評をしてくれました。久しぶりに先生の歯切れの良い講評を受けて皆さん、大喜び。僕はこの週から全体の講習とは別に基礎練習をさせてもらうことにしていました。先輩とのレベルが違い過ぎるので、一人で基礎練習したものを持参して、それを皆さんから講評してもらおうと。先生が親切に目を通してくれました。筆の動かし方、調墨の仕方、「葉っぱ」の描き方、先輩達も先生と一緒になって指導してくれました。実技の指導は初めてのことでした。有難いことです。基礎が出来ていないことには話にならない、ということを痛感しました。

この日は嬉しいことが重なりました。先輩の一人が水墨画の教科書を持って来てくれました。”かつて自分が基礎を練習をした時に役に立った本”との事。水墨画の教科書本は無数に出版されているのですが、”なかなか良い教科書には巡り合えない。自分が独習した時にお世話になった本”、とのことでした。その通りだと思います。僕も本は好きなので既に何冊かの教材を持っていますが、なかなかシックリくる本には巡り合えていません。”これがいいなあ”と思う本があるのですが、これはかなり古いもので、入会した時にクラブの会長からその本の中身の抜粋コピーを頂いたもの。本の名前、執筆者、出版社が分からず、探すに探せない状態です。良い教科書に巡り合うというのは難しいことだと思います。

 

翌、17日(日)。朝から机に向かい、先生から教えてもらった描き方を練習し、先輩から頂いた本を読み、「竹」に挑戦。水墨画の画題で「四君子」と言われていますが、「蘭」「竹」「梅」「菊」を描くのが基本のキとされています。「四君子」の中で、先輩から”「竹」を練習してみるのが良かろう”とアドバイスを頂いたので、早速に試してみました。結果は見るも無残。竹の「幹」「枝」「葉」、丁寧な解説が書かれているのですが、いざ描いてみると全く似て非なるもの。一時間半ほど格闘しましたが、全く歯が立たず。お手上げです。

諦めの良さは僕のとりえの一つ、気分転換に散歩に出かけました。いつもの平和公園から千種区図書館を経由して買い物して帰ろうと。急に寒くなったり、季節外れの暖かさだったり、相変わらず、異常なお天気が続いていますが、散歩するには気持ちの良い時節です。図書館には借りていた本の返却に立ち寄りました。

千種区図書館では数カ月に一度(多分)、古くなった本を持ち帰り自由で処分してくれる時があります。決まった日時では無いようで、今までにも、タマタマ、足を運んだ時に「リサイクル図書」が提供されていて何冊か頂いたことがありました。不定期にやっていると思いますが、そのタイミングが図書館を訪れた人はラッキーなことかと。本の好きな人には面白い企画だと思います。この日が、その「リサイクル図書」の日でした。

”なんかオモロイ本、あるかいなあ”と見ていたら・・・水墨画・・・の文字が目に入りました。”おや珍しい、こんな(水墨画の)本が「リサイクル図書」に出されるとは”。手に取ってみると、かなり古い本で頁綴じも部分的にはバラバラ状態になっている。頁を捲ってみてドキドキしてきました。見覚えがある。

”おや、まあ、これは、あの本や”。

 

山田玉雲 著。「水墨画基礎入門」秀作社出版。平成元年1月初版、平成11年12月新装版の本でした。

急ぎ帰って中を見ました。僕の持っていたコピーはこの本の前半中心の一部でした。「四君子を描く」という章もありました。「蘭、竹、梅、菊を四君子という・・・絵を学ぶ最初にこの四君子の描法が基本とされ、蘭が曲線、竹が直線、梅と菊は曲線と直線との組み合わせ・・・運筆を学ぶ者の基本」と。

”ナルホド、まずは「竹」=直線から練習せえ、という意味か。先輩は鋭い指摘をしてくれているんやなあ”と素直に感心しました。もう一度、筆をとってみましたが、やはり全く歯が立たずでした。

 

 

NHK俳句です。12月第二週、選者は山田佳乃さん。ゲストは作家の岩下尚史さん。今週の兼題は「薬喰」。「『薬喰』とは寒中に体力をつけるために獣の肉を食べること。獣肉色が禁じられていた時代、寒の内に限り、鹿や猪の肉は血行を整える薬であると秘かに食されていた」「密やかな食だったので、猪は山鯨、兎は鳥と」(テキストの解説から)。番組で紹介された句です。

   裏山に行って戻って薬喰   星野高士

 

テキストにあった面白い句です。

   旨酒のことに吉野の薬喰   小島健

   上物の熊と誘はれ薬喰   茨城和生

 

特選六句の中で面白いと思った句です。

   美しく肉たたまれて薬喰い

特選三句です。

一席   胃の中の猪呑みたがる薬喰

二席   仕留めたる漢を上座薬喰   (漢=おとこ、と読む)

三席   もうゐない月の兎や薬喰い

 

駄句です。

   目一杯食べた言い訳薬喰い   孔瑠々

毎年2月に「猪鍋」をやっています。年甲斐もなく何時も食べ過ぎてしまう。来年は「猪鍋」の20周年です。きっちゃんは今からイロイロと準備に余念がありません。楽しみなことです。

 

第三週です。選者は村上鞆彦さん、ゲストは女優、タレントの柴田理恵さん。村上さんのテーマは「人生を詠う」。今回は「病、看護」です。理恵さんは富山にいらっしゃる94歳のお母さんの介護で東京と往復する生活だとか。

番組で紹介された句です。

   当て所なく師走の街に座り込む   小山正見

作者は、認知症を患った妻との暮らしを俳句に詠み、句集に纏めた。その中の一句とのことです。

テキストにあった句です。泣けます。

   短日や襁褓に父の尿重く   相子知恵   

(襁褓=”むつき”と読む(「おむつ」のこと)、尿=”しと”と読む)

 

今週の兼題は「ストーブ」、特選三句です。

一席   雨に濡れし少女の匂ふ暖炉かな

二席   吾も犬も猫も老いたり暖炉燃ゆ

三席   ストーブや我が顔広く平らなる

テキストにあった村上さんの句です。

   ストーブに手を揉み知らぬ者同士   鞆彦

 

 

おまけです。陶芸の先輩が貸してくれました。

『生誕100年記念、ルーシー・リー展 ~静寂の美へ』。ルーシー・リーは1902年生まれ、イギリスの代表的な陶芸作家。先輩はこのルーシーさんの大のフアンで、彼女の作品に憧れて陶芸に励んでいるそうです。

この本の中に掲載されているルーシーの作品です。

 「うつわ」「フォルム」がルーシー作品のキーワードの由。先輩は僕の眼からは”達人”の域に達している方で、このようなフォルムの作品を多数作っていますが、まだまだルーシーさんの器の線は出せないと。 

 

   

いつの日にか、こんなキレイな器を作ってみたいもんだと思います。

 

急に寒さが厳しくなってきました(といっても「平年並み」とのことですが)。気候、気温の変動のブレ幅が大きすぎるのは厳しいものがあります。皆さま、くれぐれもご自愛下さいませ。

 

半世紀

12月5日、火曜日。阪急西宮北口駅の駅ビルに集合。久しぶりに大学のゼミの同期会に参加してきました。ゼミの同期は15人ですが、今回はそのうち7人が参加。ゼミの同期会のことは何度もこのブログに記載していますが、コロナ禍の期間に15人の同期生のうち、お二人が他界されています。

 

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亡くなったうちのお一人、D君のことを記載したブログです。今回の集まりには、D君の奥様がわざわざ食事の場所に出向いて来てくれました。入り口でゼミの同期生一人ひとりに丁寧に挨拶をされました。奥様とはこの「二人展」の時にご自宅にお伺いして以来のこと。お元気にされていることを大変に嬉しく思いました。更に驚いたことに僕のブログを読んでくれていました。昔小さい時には、僕のピアノの先生のご自宅のすぐお近くにお住まいであった由。名古屋のご出身とは全く存じませんでした。円頓寺商店街のお祭りの話等々、ローカルな話題を共有出来て大変に楽しい時間を過ごせました。自分のブログを読んでチョットでも楽しい時間を過ごして頂いている読者の方がいらっしゃることが分かって嬉しくなりました。

もう一人のS君はこのブログを書いた翌年早々に亡くなりました。S君も芦屋市在の方で、ゼミの同期会の世話役をずっとやってくれていました。D君、S君、共に地元神戸在のお二人が亡くなったことになります。

 

コロナ禍での制約が一段落して今年の6月に東京在の同期の集まりを持つことが出来ました。”同期会を再開しよう、その際にはやはりD君、S君のお墓参り、そして出来れば先生のお墓参りをしよう”ということで意見が一致しました。今回の世話役をしてくれたKⅯ君が残りの同期生13人全員と連絡を取ってくれました。急な用事、体調の不良等で二人が直前に不参加となりましたが、それでも7人の参加となりました。

そのうちの一人W君は卒業後、今回が初めての参加。僕も含めてみんなと再会するのは大学最後のゼミの集まり以来ということになります。僕は意外とすぐに分かったのですが、顔カタチ、お互いの変わりようにしばらくは「あー、うー、エー(おまえ、誰や?)」状態。お昼からではありますが、すこしアルコールが入った辺りから漸く参加者全員、大学四年当時に戻っての会話となりました。

W君が言い出しましたが「大学卒業して以来『半世紀』ぶりの再会である」。僕たちが卒業したのは1973年(昭和48年)ですから、間違いなく今年は卒業後『半世紀』であることを改めて認識しました。同時に、四年前には高校卒業後『半世紀』と言っていたなあ、ということを思い出しました。

 

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昔のことを懐かしがっているとフケてしまいそうで心配になりますが、2019年の「高校卒業、半世紀」のブログです。素直に懐かしいです。

 

この日は昼食後、KM君の完璧な手配で芦屋市霊園のS君のお墓、住吉霊園のD君のお墓、そして同じ霊園にある先生のお墓参りを無事に済ますことが出来ました。次回の集まりは、今回、急な用事で来れなかったN君の地元岐阜にて開催することになりそうです。半世紀を越えたお付き合いが続くことを祈りたいです。

 

 

NHK俳句です。12月、第一週は夏井いつきさんです。「凡人からの脱出」。今月の兼題は「おでん」。急に寒くなってお酒飲みにはいい兼題です。お馴染みになった「凡人パーツ」ですが、今回の「おでん」の凡人パーツは「コンビニ」とのことでした。僕らの世代にはかなり意外。「おでん」→「赤ちょうちん」「屋台」「熱燗」「愚痴」が昭和20年代世代の凡人パーツかと。「おでん」「コンビニ」の脱ボン句です。

   いいとこに置くなあコンビニのおでん

   コンビニのまだ空っぽのおでん鍋

同じく脱ボン句を例にとって作句の練習方法の紹介がありました。

原句   実験室煌々コンビニのおでん

この句の上5(=場所)を置き替えてみる、さらに中7の前半(煌々)を置き替えてみる、そうすれば「おでん」「コンビニ」でも脱ボン句が生まれる、とのご指導。司会の柴田さんがその通りに実践した句です。

   高架下くぐってコンビニのおでん   柴田英嗣

面白い試みであると思うのですが、どうもシックリこない。詠みたい気持ちをまずは大切に句にすることが大事なことだと思うのですが。夏井さんのご指導は適格であると思いますが、何かテクニカルな観点からのウエイトが大きすぎるなあと感じてしまいました。

特選句の中で面白いと思った句です。

   喪服の背囲む屋台のおでんかな

   竹輪麩を対岸に遣る関東煮

 

駄句です。

   おでん酒食ってかかるは新入社員  孔瑠々

「半世紀」ほど前、新入社員の時にはおでん酒で酔った振りして先輩に食ってかかっておりました。随分と生意気な厄介な新入社員であったろうと。

 

 

神奈川の自宅に戻りました。今日は男の料理教室です。今年、最後ですから忘年会も兼ねての「食友会」。前回、メニューの希望を聞いてくれたので季節柄、忘年会に合うだろうと「ローストビーフ」をお願いしたら、先生が聞き入れてくれました。

今日の料理は「手巻き寿司」「エビ入りのシーザーサラダ」そして「ローストビーフ」です。

 

先生にお願いした手前もあり、今回は「ローストビーフ」に集中しました。実はローストビーフは居酒屋ヒデさんの得意料理の一つ。密かに自分でもやってみたいなあと思っておりました。フライパンで調理しましたが、先生のアドバイスは「出来るだけ触らない(動かさない)こと」。とは言え、レシピには”何回か肉をころがす”とも書いてあり、この辺りの兼ね合いが難しいかと。

班の仲間と手分けして調理するのですが、案の定「xxさん、動かし過ぎ」と注意されました。アルミホイルで包み寝かせた後で、一人当たり約100gに均等に分けるのにどうすれば良いのか悩みました。大きなブロックが二つ。僕の班は8名ですから、このブロックを一切れ100g見当に切るしかないかと思ったのですが、それでは(小さな)ステーキのようになってしまう。肉の厚さは5mm程度の薄切りに、ということなので二つの大きなブロック肉をとにかく何枚もの薄切りにしました。レシピには無かったのですが、先生が準備してくれた蒸かしジャガイモと水菜をそれぞれのお皿に敷いて、その上に5-6枚づつ均等に見えるように乗せていきました。タレをたっぷりとかけて完成。先生から「薄く切るのが上手に出来ました」とお褒めの言葉を頂き大喜び。味も大満足。お昼からビール、ワイン、日本酒で盛り上がりました。

 

   

ご参考までにレシピを添付しておきます。年末の子供たち、孫たちとの食事会の時にメインメニューとして準備してみようかと。上手く出来るかな?。

 

 

仲間

名古屋市熱田神社の近くにある白鳥公園の紅葉です(11月28日、撮影)。「あほ桐会」四人組で紅葉散策に行きました。

この日はあいにくの曇り空、風も強かったですが、公園の秋の景色を楽しむことが出来ました。

   

この公園には以前に鯱城学園の園芸科の課外授業で訪問したことがありました。あほ桐の仲間にイロイロ説明が出来るだろうと思っていたのですが、授業で聴いたことはほぼ完全に忘れていました。自分の記憶の悪さ加減が心配になって、隠れ家に帰ってブログを振り返って見たのですが更にビックリ。”あの課外授業は何年か前のことだった”と思っていたのですが、たった一年前、去年の11月25日のことでありました。ブログに公園のイワレのことを書いているのに、築山が「御嶽山」、水の流れを「木曽川」、池を「伊勢湾」に見立てていること等、全く覚えていませんでした。情けない!(「四阿」を「あずまや」と読むのだけは覚えていました)。

 

この日は白鳥公園を散策した後、栄の市民ギャラリーでの「名東陶芸クラブ・作品展示会」に付き合って貰いました。この日が展示会の初日です。受付当番でC班(僕の所属する班です)の班長さんと練り込みの作り方を指導してくれた大先輩がいてくれたので時間を掛けて諸先輩の作品の解説をして貰いました。やはり解説を聞きながら作品を鑑賞するのは勉強になります。

紅葉奏でる白鳥公園を散策し陶芸の展示会を見てから早めの夕食に。この日はテリーさんに紹介してもらった新栄にある「うお浜」を予約しておきました。伊勢から直送される活きの良い海の幸を廉価で提供してくれる美味しくて評判のお店です。ドラゴン先生、きっちゃんもお連れしたことがあります。皆さん喜んでくれたので、是非、あほ桐の仲間にも機会を設けて行って貰おうと思っていました。

ここでまたビックリ。なんと仲間の一人が「うお浜」の旦那さんと家族ぐるみのお付き合いをしている間柄でした。開店早々に到着、まだ、他にお客さんは来ておらず。普段は忙しく奥の厨房で仕事している旦那さんが暖簾越しに僕の顔を見て出て来てくれました。「XXさん(きっちゃん)と別な機会にお会いしましたよ」と。”へえっ、世の中、狭いもんやなあ”と思っていたら、続いて入ってきた仲間の一人を見て今度は旦那さんがビックリ。「ええっ、○○さんと△△さんはお知り合いだったんですかあ」。

突き出し、サラダ、お刺身、煮物、浜焼き、アラ煮、炊き込みご飯、いつもながらの美味しいお料理とお酒を堪能しました。アラ煮とご飯は食べられなかったので「お持ち帰り」に包んでくれました。旦那さんのお人柄も含めてホントに良いお店です。

 

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昨年の「白鳥公園」の記事です。「ツワブキ」が「艶蕗」も忘れていましたねえ。懐かしい記事がたくさんありました。

「やきものワールド」は今年も行ってきました。

「ピアノのお皿」を作って喜んでいた時でした。この後、先生がこのお皿をご自宅の玄関入口の壁に埋め込んで飾ってくれました。ムチャ嬉しかったです。改めて、その出来栄えが情けないやら、申し訳無いやら。もう一度「ピアノのお皿」には挑戦したいと思っています。二回目のおさらい会(発表会)の予定もして頂いています。一年が早いなあ。先日は、おばあちゃんとの旅行から戻ってチョット疲れていたので予定していたレッスンをドタキャンしてしまいました。次の日曜日には気合を入れてレッスンに臨まねば。

 

 

NHK俳句です。11月第四週は「句会」です。選者・主宰は高野ムツオさん。句会のメンバーには俳人の西村和子さん、堀田季何(きか)さん。ゲストメンバーにエッセイスト/コラムニストの能町みね子さん、そしてレギュラーの中西アルノさん。能町さんは大の相撲好きで有名な方。「俳句は小学校以来」とかなり緊張した表情でした。

今週の兼題は「手」。いままでは季語が使われていましたが、今回からは無季の兼題となりました。点数の多かった順です。

5点句   弱い手が物書き冬の夜が動く   能町みね子

4点句   雪霏霏と線量測る手に力   堀田季何

3点句   木枯の星にも繋ぐ両手あり   高野ムツオ

2点句   冬隣拳ひらけば何もなし   西村和子

1点句   ほうたるの包む手の中は小宇宙   中西アルノ

 

5点句には高野さんが特選、他の三人が並選を入れて作者が丸わかりの状態。能町さんが「大変な評価を頂いた」と恐縮して喜んでいました。4点句には能町さんと中西さんが特選。「雪霏霏(ゆきひひ)」は「雪が絶え間なく降り続くさま」だそうです。初めての言葉でした。3点句には西村さんが特選、能町さんが並選。西村さんの読みが面白かったです。「これは作者が涙して星を見ているので星が滲んで見えている」。作者の高野さんが「そんな受け止め方が出来るとは作者の自分は考えていなかった。鑑賞をして貰い良い句になった」と。西村さんの句に対しても本人の意図以上の講評があり「俳句は選者に育てられる」と西村さんの言葉。メンバーが良かったこともあり大変に楽しい番組になっていました。高野さん、西村さん、共に俳句界では大御所的な存在だと思いますが、やり取りを聞いていると良い仲間だなあと楽しくなります。ちなみに能町さんは「尾崎放哉、大好き」だそうです。

 

今週の特選三句です。

一席   両の手が銀河にとどく肩車

二席   手に蓋をして団栗は宝物   (団栗=どんぐり)

三席   スケートの手解きや手を取り合うて

一席、二席の句は良い句ですねえ。感心しました。

 

 

おまけの料理です。

   

左;レンコンとゴボウのキンピラの残りモノで焼き飯を作りました。美味しかったです。このお皿、使い方が難しいなあ、と思っていたのですが意外に合っている様に。右;レンコンのチリチリ焼きと砂肝とブロコリーのオイル煮。左のお皿は名東区のお祭りで陶芸クラブのバザーで買ったもの。11月26日、27日、料理と撮影。

 

今日、11月30日は久しぶりにイロイロとあった一日でした。

午後は、楽陶館・研究Ⅽコースの説明会がありました。当初の発表では、仲間の一人が抽選に漏れてしまったのですが、辞退者が出て復活当選することが出来てみんなで大喜び。12月14日から全12回のコースです。

楽陶館での説明会のあと仲間には栄の市民ギャラリーに足を運んでもらい名東陶芸クラブの展示会を見てもらいました。楽陶館のOBの方が名東陶芸クラブに多数在籍されているので、それぞれに知り合いが多く、皆さん旧交を温める良い機会になったようです。

展示会のあとは陶芸の仲間と別れて、久しぶりにきっちゃん、しんちゃんとの飲み会でした。先ほど、ほろ酔い気分で帰宅して、再度、パソコンに向かっています。きっちゃんは「猪鍋」の仲間、しんちゃんは僕の隠れ家の玄関にいる狸の置物の前のご主人なのです。と言っても分からないでしょうから、昔のブログを埋め込んでおきます。

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前回の飲み会の時にしんちゃんも陶芸を嗜んでいることが分かったのです。お互いに作品自慢をして大変に盛り上がりました。その時の話を受けて、今日は、しんちゃんが自分の陶芸作品を飲み屋さんに持参して見せてくれたのです。プレゼントすると言ってくれたので、しんちゃん自慢の作品の中から三点を有難く頂いてきました。

何れも手びねりの作品。なかなかに渋い出来栄え。高台もキレイに作られています。次回の飲み会には僕の作品を見せることになりました。新学期の作品作りに励みになります。益々、気合を入れて臨みたいと思います。

 

仲間に感謝、感謝の11月でした。明日からもう師走です。急に寒さが厳しくなってきています。体には十二分に注意したいと思います。皆さまもくれぐれもご自愛下さいませ。