クルルのおじさん 料理を楽しむ

東京五輪・開幕前夜

 

今日は7月22日、明日がオリンピックの開会式です。今日と明日が祝日になっているのを今週19日の月曜日(もともとの”海の日”の祝日)まで気が付きませんでした。情けないやら恥ずかしいやら。まあ、毎日のんびりした生活を送っていますから祝日であろうがなかろうが然程は影響ないことには間違いないのですが。

 

今月に入ってからは、やはりコロナとオリンピックのニュースが気になっています。嫌になる話が多いです。コロナの感染拡大は悪いほうの予想通り急加速していて専門家の話では「すでに第五派が進行している」由。東京および周辺の首都圏全域での感染の拡大は目を覆いたくなるほど。

コロナ禍のなか五輪の運営は益々難しくなっていますが、全く論外の不祥事が続いています。「五輪直前、新たな試練」の報道も。19日、開会式の楽曲制作の担当が辞任。過去、学生時代に障害のある生徒にいじめをしていたことに批判が続出、組織委員会が方針を転換して謝罪に追い込まれたとか。また、明日の開幕を控え今日22日になって開会式のショーの責任者・デイレクターが解任されたとの報道。昔、売れない時代にナチスドイツによるユダヤ人虐殺を揶揄するコントネタをしていたことが問題になったと。組織委員会の脇の甘さはいかがなものかと、もうこれは「試練」云々のレベルを超えていると思います。

そう言えば、女性蔑視発言で大会組織委員会の会長を辞任した森元総理がIOC会長のあのバッハさんの歓迎会に出席したそうです。そのことを記者から質問をされた政府官房長官は「元総理の立場で参加されたと聞いている」と説明をしたとか。

19日の日経記事では「米紙ワシントン・ポストは17日の記事で東京五輪について『完全な失敗に向かっているように見える』と論評するコラムを掲載した」と報じられていました。世界に対する歓迎を示すはずであった「おもてなし」の心は「偏狭で内向きな外国人への警戒」に変化したと論評しているそうです。原文を読んだ訳ではありませんが、受け取り様によっては日本人に対する一方的な非難のようにも感じてしまいます。日本の行政乃至は五輪の運営に対する論評なのかを明確にして記事にしてほしいモノだと残念に思いました。

 

宮城、茨城、静岡県以外の会場では無観客での開催となりました。宮城県では「復興五輪」へのこだわりからお客さんに来てもらうべしとの判断をされた由。県内でも意見が分かれており、知事と市長との意見の差、溝も大きいとか。サッカー会場は最大一万人を収容することになり三県のなかでは収容者数は宮城が最多となるそうです。感染拡大に繋がらないように祈りたい。

 

参加選手のほうも大変のようです。選手については連日の検査に加え、立ち入り先や移動手段を厳しく制限して外部との接触を断つ「バブル方式」が採用されています。一方、海外からの大会関係者は多くが一般のタクシーを利用しているとか、選手と接触する警備や輸送関係者への対応もマチマチとか、「バブル方式」の有効性が懸念されています。競技が盛り上がるにつれてフアンが会場周辺、街に集まることも十分に考えられ、さまざまな事態を念頭においてきめ細やかな対策が求められると。「感染を封じて五輪の安全な運営を」(日経7/15社説)。

 

 少しは明るい話題も報じられていました。「復興五輪、パリで発信」の記事。次のオリンピック、2024年五輪の開催都市パリで、東京五輪の開会式の直前に福島を中心に宮城、岩手の三県の食材をPRするイベントが開かれるそうです。コロナ禍で沈滞する「復興五輪」の理念を海外に発信する、被災地支援に取り組んでいる二つの団体の共催です。

もともとの今回のオリンピックの開催の意義「復興五輪」。地味な活動だと思いますがアピールしてもらえれば嬉しいなあと思います。

この記事の隅っこに嫌な記事が掲載されていました。国民感情を逆なでするような残念な記事。「韓国選手団は独自弁当、福島県産の食材を懸念」。韓国のオリンピック委員会である大韓体育会は、選手村近くのホテルを借りて韓国選手団の弁当を用意する給食センターを設置するそうです。韓国では福島第一原発事故後、福島を含む日本の8県産の水産物輸入禁止措置を続けており、一般市民の間でも依然として福島県産の安全性を心配する見方が根強いからだそうです(以上、7/20、日経・夕刊)。

 

五輪の競技運営そのものにも課題が山積しているようです。感染者が出た場合「失格」ではなく「棄権」扱いになるとか。濃厚接触者と認定された場合の取り扱いはどうなるのか、まだあいまいな点も残されている様子。決勝進出チームで感染が発生するケース、クラスターが発生するケース、もうこれは悪夢であろうと。

  

今晩、サッカー一次リーグで日本と対戦する予定の南アフリカチームでは、選手に三人の感染者、多数の濃厚接触者が出ています。試合が出来るかどうかが心配されましたが、幸いに試合は成立することになりました。

日本のサッカー代表チームは事前の強化試合で金メダル候補のスペインと引き分け。期待が高まっています。同じく、男子バスケも強化試合で世界ランク7位のフランスを破っており、これも大変に期待が高まっています。 開会式前に始まった予選会では、女子ソフトボールが二連勝。女子サッカーは強豪カナダと引き分けスタート。選手、関係者がコロナ禍に巻き込まれないように引き続き試合に臨めますように。

 

今回の五輪は、改めて「オリンピックは何のため」ということを問いかけているように思います。日経7/15付けの春秋欄に一つの問題提起がされていました。

「コロナ禍ではほぼ無観客の開催となる東京大会も、テレビの放映権料が入るからIOCの腹は痛まないと聞く。・・・開催国に負担を強い、自らは肥え太るIOCビジネスが限界に来ていることは自明だろう。・・・そんな中で開く大会が五輪貴族たちに改心をもたらすなら、いささかの救いはあるが---」。主旨はこの通りだと思いますが、あのバッハ会長に「改心をもたらす」なんてことはあり得ないことでしょう。

先ほどのワシントンポストの記事にも「(無観客の)会場や納税者負担で『東京都民はなぜ、誰のためにこの犠牲を払うのかを自問自答している』」と記載がありました。

 

ちょっと観点が違うかも知れませんが、何日か前の日経新聞の記事に「学生アスリートの報酬承認。NCAA独禁法違反で完敗」という記事がありました。全米大学体育協会NCAA)が学生がスポンサーをつけるなど肖像権を使って報酬を得ることを承認した、というものです。最初はアマチュアリズムとプロ化の議論なのかと思ったのですが、全くそうではなく「NCAAのビジネスモデルは無給の学生アスリートを使って多額の収益を得ている=独禁法上の深刻な問題」という争議であった由。

  

オリンピックがアマチュアリズムから乖離して商業化に大きく舵を切ったのは1984年のロスアンジェルス大会です。スポンサー契約、TV放映権、プロ選手の参加。カール・ルイス選手の陸上4冠がそれを象徴すると言われています。IOCが「オリンピック・ブランド」の商売を確立した大会。その前の1980年のモスクワ大会はソ連のアフガン侵攻に異議を唱えてアメリカのジミー・カーター大統領がモスクワ大会への参加をボイコット。政治の問題、人権の問題、人種の問題を経て、1984年ロス大会では商業化の問題が発生した(商業的には大成功!であった)。「オリンピックは参加することに意義がある」というのが死語になった大会という意味では大変な変わり目の大会であったと言われています。 

 

今回の運営の仕方の経緯を見ていて一日本国民としてイライラが募る一つの原因は「五者協議」。大会組織委員会、都市・東京都、日本国、それとIOC国際オリンピック委員会)、IPC(国際パラリンピック委員会)の五者協議。開催国側=委員会、都市、国の主体性が見えなかった。オリンピック・ブランドビジネスを確立しているIOCの意向に振り回されているだけだった様に感じられます。何やら、巨大IT企業と国家との関係に近いような。両者に共通する変な違和感を持って見てしまいました。 

 

20日、たまたまですがアマゾンの創業者ジェフ・ペソスさんら四人の有人宇宙飛行が成功。宇宙”旅行”の時代ですね。上空、たかだか80-100㎞の高さだそうです。平地で言えば、車でせいぜい1-2時間の距離かと。地球の引力というのが凄まじいパワーであることを実感します。人間というのは地球の表面に張り付いて生活している生き物なんですね。宇宙からみたらコロナとかオリンピック騒ぎしているのはどんな風に見えることやら。先駆者はレスペクトしたいですが、巨大組織が国家の枠から離れた活動でフェアな取り組みに繋がることを期待したいものです。

 

 

スポーツの大きな効用は感動を与えてくれること。スポーツ(観戦)大好きなクルルのおじさんとしては、選手・チームが十分に力を発揮して感動を与えてくれることを祈るばかりです。

  

 

あまり楽しい話題ではありませんでしたので最近のスポーツの楽しい話題を二つ。 

その一。大谷翔平選手。

大リーグのオールスター戦。ホームラン・ダービーで第一シードで出場しました。大リーグのホームラン・ダービーで第一シードですよ。さらにオールスタ―ゲーム本戦。ルールの変更までなされて”一番指名打者+先発投手”で出場しました。一昔前の「良きアメリカ」を思い出しました。選手同士もお互いをレスペクトして親交を深めている。久しぶりに良い景色でした。その素晴らしい景色の中心が大谷選手だというのに痺れました。

 

その二。照ノ富士関、横綱に昇進。

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照ノ富士関、大関陥落の時のブログです。膝、糖尿病、内臓疾患に苦しみ大関の地位を失い番付を転がり落ちた。27歳で第二の相撲人生が始まり序二段からの復帰。千秋楽の大一番には大きな声援が飛んでいましたが白鵬の気合が勝りました。文字通りのケンカ相撲、白鵬の闘争心の凄まじさに驚きました。横綱の品格を問われる以上に闘争心が全面に出ていたと思います。

 

大谷選手の活躍、大相撲の大一番、いずれも観客の大声援が場を盛り上げていました。観客のいないスポーツとは。TVで観戦する無観客のオリンピック。改めて何の為のオリンピックかと思ってしまいます。

五輪に参加しているアスリートさん、一人ひとりが、コロナに邪魔されずに日ごろの鍛錬の成果を無事に発揮してくれますように。

 

 

話が変わってNHK俳句、7月第三週です。お付き合い頂ければ嬉しいです。第三週、司会は中田喜子さん、選者は岸本尚毅さん。ゲストには”なぞかけ芸人”のねずっちさん。「整いまいした・・・、その心は・・・」のフレーズを思い出しました。今月のテーマは「俳句と夢」。赤尾兜子の句が紹介されていました。昭和18年、兜子18歳の初期の作の由。

 

   蚊帳に寝てまた睡蓮の閉ずる夢   赤尾兜子

 

(註;蚊帳は難しい一文字の漢字でした)

テキストを見ると漱石の句が載っていました。

 

   或夜夢に雛娶りけり白い酒   夏目漱石

 

(あるよゆめにひなめとりけりしろいさけ)

漱石30歳の時の句だそうです。一年前に鏡子夫人を娶っていたとか。ちょうど日経新聞の朝刊の小説、伊集院静の「ミチクサ先生」がほぼ最終章。寺田寅彦芥川龍之介が亡くなった漱石先生の思い出を語り合っているところでした。漱石というのはやはり大変に魅力的で楽しい方だったんですねえ(この週のNHK俳句とは何の関係もありませんが)。

今月の兼題は「蚊帳」。特選三句です。

 

一席   蚊帳の中明日の剱岳の地図披く   

二席   キューピーと寝たるはしかの蚊帳高し

三席   蚊帳ゆらす山から田へのかよいかぜ

 

面白いと思った句です。

     今しがた殿急変の蚊帳を剥ぐ

 

選句の発表のあとは岸本教官の「添削道場」です。岸本さんは「添削」で評価が高い先生なんだと理解するようになりました。司会とゲストの句、それと投句の中から一句を「添削」されています。

 

投句から   幼子の頬っぺに蚊帳の押し模様  

教官添削   幼子の頬なる蚊帳の押し模様

 

   蚊帳吊るや繕ひあとは豆絞り   中田喜子

   蚊帳吊るや当てたる継ぎは豆絞り   教官添削

 

   蚊帳の中着てる浴衣は加賀友禅   ねずっち

   蚊帳に透け加賀友禅の浴衣かな   教官添削

 

加賀友禅は「蚊が悠然」のなぞかけ(駄洒落)です。”蚊帳に透け”という上五はなかなか出てこない言い方だと皆さん感心されていました。やはりプロの添削という感じがしてきますね。因みに、投句の「頬っぺ」を「頬なる」にしたのは「幼子」ですでに”可愛らしさ”は出ているので重ならないようにとのことでした。  

 

駄句です。

   明日開幕五輪はコロナに耐えうるか   孔瑠々

   二回目を終えた集まり生ビール   孔瑠々 

 

おまけの料理は省略です。面白い写真が撮れませんでした。また、次回に。

 

追伸;サッカー、日本男子は初戦を勝利しました。それから今週は「写真」も無しです。次回は準備したいです。お休みなさいませ。

 

 

 

 

 

7月の「100分de名著」

 

7月12日、東京は4度目の「緊急事態」となりました。沖縄は「緊急事態」が延長されます。来月の8月22日まで。発令時としては最長期間の6週間となります。埼玉、千葉、神奈川、大阪では「まん延防止等重点措置」が継続となり同じく8月22日まで延長されます。

7月23日から開催される東京五輪を見据えて7月8日に決定されたものですが、この決定を受けて東京五輪は東京の全会場を無観客とすることが決まりました。次いで、神奈川、埼玉、千葉の3県の会場でも無観客が決まりました。これで五輪会場の8割が無観客になるそうです。その後、さらに北海道、福島でも無観客とすることが発表されています。福島で「無観客」になったことで当初の「復興五輪」の意義は一段と薄れてしまいました。

ガタガタ・ボロボロの状況だと思いますが、菅首相は8日の記者会見ではワクチン接種が進んでいることを強調しているようです。「本格的な接種が始まって2か月余りで累計回数は5400万回を超えた」。「7月中には人口の4割が少なくとも1回接種できる見通し」、また「希望する65歳以上への2回接種は7月中に完了する」等々をアピールしています。

 

一方、自治体からはワクチン配給に支障が生じているとの声が多く報じられており、接種受付の一時停止が多く報道されています。相変わらず何が原因で支障が生じているのかは理解出来る説明がありません。政権にとっても頼みの綱のワクチン接種のはずですから、もう少し丁寧なフォローアップが不可欠だと思いますが。

 

緊急事態下では飲食店に酒類提供の一律停止が求められていますが、その見返りになるはずの協力金の迅速な支給、更には、先渡しの仕組みは残念乍らいずれもスムーズに進んでいないようです。この施策そのものに妥当性があるのか、関係者からは反発や疑問の声が益々強くなっています。

 

隠れ家のある愛知県は、お陰様(?)で「まん延防止」が11日に解除されました。12日からは県独自の「厳重警戒措置」が始まっています。如何に”厳重警戒”するのか不案内ですが、名古屋市の飲食店は夜9時までの営業が認められ酒類の提供も閉店まで可能になるとのこと。緊急事態下にあるお店とお客さんには申し訳ない気がしますが、ワクチン接種二回終了後の元気なお年寄りはソロソロ仲間の集まりを再開しようとの動きが出始めています(僕のことです)。ある意味極めて正常な反応かと思っていますが、まだ接種を受けることが出来ていない若い現役世代の方々に感染が拡大しないように十分に注意してやらないとバチが当たりますね。

 

 

久しぶりに”100分de名著”を見ました。ボーヴォワールの「老い」がテーマ。講師はあの上野千鶴子さん。一回目の放送を見て面白かったのでテキスト本も書店で買ってきました。

 

 以前、上野千鶴子さんの本の事を書いたブログです。

kururupapa.hatenadiary.jp

 

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(読み返すと自分の無知を曝け出しているようでかなり恥ずかしいですが・・・。懐かしいものですね。)

 

関心を持ったのはボーヴォワールに対してなのですが、一回目の放送とテキストを見て確認しましたが彼女は1908年の生まれ。僕の大好きな神谷美恵子さんは1914年の生まれですから6歳の年少さん。ほぼ同世代の女性版”知の巨人”として、またまた神谷さん繋がりとして興味を持ちました。

 

ボーヴォワールの代表作は「第二の性」、それと今回テーマの「老い」。「第二の性」は1949年、彼女が41歳の時の著作ですが、上野さんに言わせると「性差は運命でも生物学的なモノでなく、社会的に構築されるもの」「老い(の問題)は個人の問題ではなく社会の問題である」というのがボーヴォワールの主張であると。上野さんご自身も多々影響を受けている様子で彼女も著書で「女の解放に不可欠なのは女の努力ではなく社会の変化だ」と主張したし「(社会問題として)女性のことだけでなく『社会的弱者』に共通する問題として高齢者や介護問題を研究するようになった」とのことです。

 

一方の神谷さん。自分の使命(召命)として、社会的弱者であるハンセン病患者さんの”看護”に終生を捧げる活動を続け、その活動を踏まえて「生きがいについて」等の人間一人ひとりの心の問題についての著作を残しています。一人の女性として妻として母としての生き方を貫き通した生き様であったと理解しているのですが、同世代人としてのボーヴォワールさんのそれと比較すると、当時の”女・知の巨人”と言ってもおかしくないお二人の活動振りの対照的なことがはっきり分かるような気分になって、一層、神谷さんへの興味を強くしています。

 

番組の司会はアナウンサーの安部みちこさんとタレントの伊集院光さんですが、伊集院さんが良いですねえ。冴えてます。上野さんからはいろいろなボールが飛んできますが、それにたじろぐことなく核心を突いた反応をしていました。心配なのは彼かなり太り過ぎでないかと。ゆったりめのシャツを着ていますがそれでもお肉が溢れています。老婆心ながら健康に是非とも注意して欲しいものです。

上野さんは相変わらず頭の良さそうな切れ味鋭いお話振りですが、この方は話を伺うよりも書かれたものを読む方が素直に入っていける感じがしています。文章は分かり易いし文字では嫌味は感じないで済むのでずっと説得力があるように思います。

テキスト本を読みながらも次の放送も楽しみにしたいと思ってます。

 

  

7月12日、夜のNHKニュース、世論調査結果では内閣支持率が発足来の最低の33%に下落、支持しない率は46%と逆に最高になったとか。ワクチン接種とオリンピックに賭けているように見える政権に対して、普通は周到な準備をしてから賭けに出るはずのものが、準備無しで根拠のない勝負に出ているような恐ろしさをみんなが感じ始めた結果なのかも知れません。

 

 

ガラッと話が変わりますが、NHK俳句です。7月の第一、第二週です。僕の備忘録として書いています。お付き合い頂ければ嬉しいです。

 

第一週は司会が武井壮さん。選者は片山由美子さん。ゲストに日本文学研究者のロバート・キャンベルさん。キャンベルさん、俳句歴はすでに10年以上で「仙歌」という俳号も持たれています。今週のテーマは「オノマトペ」、モノの様子を表す擬声語(擬音語)、擬態語です。新鮮な表現、意外性のある表現が求められると。例句として、

 

   きらきらと松葉が落ちる松手入れ  星野立子

 

テキストにも面白い句がありました。

 

   へなへなにこしのぬけたる団扇かな   久保田万太郎

 

(きらきらの二つ目の「きら」、へなへなの二つ目の「へな」は、繰り返し符号「く」で記載されています。縦書きの時は「く」が使えますが、横書きの時は「へ」を使うのですかね。調べてもよく分かりませんでした)

さらに”オリジナルの音”を創り出して俳句に使っている例として、

 

   ラレレラと水田の蛙鳴き交す   山口誓子

 

オノマトペを使う練習を司会とゲストのお二人にやらせていました。武井さんの句も〇を頂いていましたが省略して、キャンベルさんの句です。

 

   しゅるしゅると隅へと消えつ青蜥蜴   仙歌

   しやましやまと卵白溶いて夏の空   仙歌

 

「しやましやま」が大好評でした。話振り、言葉使いともに日本人よりも日本人の様な方です。今月の兼題は「向日葵」。特選三句です。

 

一席   向日葵やテレビには空爆の街

二席   向日葵の途方に暮れて立ちており

三席   向日葵や選挙ポスターみな笑顔

 

面白いと思った句です。

 

     向日葵や孫のやうなる研修医

     向日葵や鉄棒が嫌ひだった頃

 

オノマトペ」の話も面白かったし「向日葵」も良い句がたくさん紹介されて楽しい30分でした。

 

第二週です。司会は岸本葉子さん、ゲストは俳優の古館寛治さん。選者は鴇田智哉さん。「句のひとみ」がテーマですが、今月は「移動する『句のひとみ』」。三人が自分で撮った映像をベースに句作して紹介していましたが、あまりピンと来ませんでした。省略します。今月の兼題は「蝉」。特選三句です。

 

一席   落蝉の草に戻せば歩き出す

二席   蝉取って認められたき大人かな

三席   蝉の殻見え隠れして二つかな

 

面白いと思った句です。

 

     蝉をさわれた一九九〇年

     みんみんの声べとべとと松林

     向日葵の満満と種宿しけり

 

最初の句は「七六六」になるそうです。「みんみんの」句、「向日葵」の句は、第一週で取り上げても面白かったような。「向日葵」の句は選者の提出先を間違ったのでしょうね。最後の最後にゲストの古館さんが「自分も”蝉”の句を詠みたかった」と一句紹介されました。

 

    仰向いて「これで終い」と蝉の言う   古館寛治

 

今回はこの句が一番面白かったですね(「これで”しまい”」です)。

 

 

おまけの駄句です。

 

    二回目を終えて一服夏料理   孔瑠々

    留守にして紫陽花の挿し木枯れもせず   孔瑠々

 

 おまけの料理です。

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先日、留守宅で久しぶりに料理した”取れたてローズマリー”(の香り)のトマト煮が上手く出来たので、隠れ家でも作ってみました。勿論、ローズマリーも加えて。上出来。ソースが美味しかったので、翌日に残りものに麺を合えてみました。パスタが無かったので頂きモノの”備中岡山手延べ極細うどん「絹ひめ」”を加えました。美味しかったです(トマトの色がもう少しキレイだったのですが残念)。2021年7月12日、料理と撮影。

 

 

 

今年も半分過ぎました

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名古屋市千種区、千種図書館です。大変にお世話になっています。今日も三冊返却して、また、三冊借りました。後ろには東山植物園が広がっています。僕の散歩コースの一つです。2021年7月3日、撮影。

 

 

7月になりました。今年も半分、終わったことになります。6月20日に緊急事態は(沖縄を除く9都道府県で)解除され、21日からは東京や大阪などの7都道府県で「まん延防止等重点措置」が適用されてます。7月11日までです。僕は愛知と神奈川を生活のベースにしていますが両方とも仲良く?適用範囲になっています。6月21日からはワクチンの職場接種も本格的に始まりました。現役世代への接種が加速することが期待されています。高齢者の一回接種終了が5割に迫っているとか、2回完了した人は1千万人を超えたとか、ここに来てスピードアップされていることの報道が目立つようになったと感じます。案の定、世論調査での内閣支持率は素直に上昇したようです。

 

一安心?も束の間、今朝(7月3日)のニュースでは、首都圏での新規感染が増加傾向にあること、感染者は20歳代が一番多くなっていること等々から専門家が「一都三県では第5波の入口に来ている」と厳しく注意するコメントをしていました。ワクチンの継続供給にも支障が出ていて、接種スピードアップの決め手になりそうであった企業での職場接種の新規受付は6月25日から一時休止、今朝のニュースでは一部自治体でも新規予約の受付を一時停止せざるを得ない状況であることが報じられていました。

 

感染力の強いインド型(デルタ株)の比率が急上昇している中での東京オリンピックパラリンピックの開催が迫ってきました。海外からの選手団の来日も増加しています。「平和の祭典」が「コロナのまん延」に繋がらないことを祈りたい気分です。

 

 

相変わらず、千種図書館にお世話になっています。最近読んだ本です。

鶴見俊輔伝』、新潮社、2018年12月第二刷。著者は黒川創さん、1961年生まれ。お父さんが京都べ平連・事務局長をされていた方で、ご本人も「思想の科学編集委員の方です。

図書館の書架で目に入ったので”神谷美恵子さん繋がり”で読んでみました。鶴見俊輔神谷美恵子さんとの思い出・追憶を書いたモノは読んでいました(「神谷美恵子の世界」みすず書房編集部編)。いわく「神谷美恵子は聖者である」と。その中にも記載されていましたが、1938年の夏、アメリカ留学の時に現地で彼女と会ったこと(この時は前田美恵子さんですね。俊輔は16歳で日本では全くの不良学生であった由)。その時の美恵子さんの印象がそれはそれは強いものであったそうです。美恵子さんは俊輔がまだ若いグレていたころに影響を与えた一人であったように感じます。その後、1960年の日米安保の年、俊輔が発起人になって「アイゼンハワー米大統領の訪日は適切でない」という声明をアメリカ留学生グループ12人の連名で出したこと、その中に神谷宣郎、美恵子夫妻も加わってくれたこと等々もこの『伝』の中に記載がありました。

 

鶴見俊輔は1922年生まれ、美恵子さんよりも7歳年少。お互いの父親が一高~東大の同級生で盟友とも言える関係であったそうです。俊輔の母親の父は後藤新平。”超ブルジョアの家に育った人”です。若いころはその家柄への反発もあり不良じみた生活をしていた由。戦後は1945年には、26歳で最年少の京都大学助教授に就任。「思想の科学」を創刊し編集・執筆、1965年代には「べ平連」(ベトナムに平和を!市民・文化団体連合)を立ち上げた。「べ平連」、小田実、なんて今の若い人はご存知ないですかね?。

 

美恵子さん繋がりで面白い発見です(興味ない方には全く面白くも何とも無いとは思いますが)。俊輔はアメリカではハーバード大学プラグマティズムの哲学を学びますが、1941年12月に日米開戦。戦況の悪化に伴い1942年6月に交換船で帰国することに。この時期、俊輔は所謂卒論を書いていたのですが、3月にFBIに連行され留置場での拘留生活をしていたそうです。卒論は留置場でのトイレで作成を続けたと。交換船には日本の大使、公使等々、社会的身分の高い階層から俊輔のような留学生までが乗船。船内では社会階層別に部屋割りがなされていたそうです。美恵子さんの父親(前田多門)もこの船に乗っているのですが、当然、大使クラスの方と同じ最上級の部屋に。俊輔は最下層の第六階級の部屋に入れられたそうです。同じ階層の部屋には後に美恵子さんのダンナになる神谷宣郎氏もいたと。また、ハーバー大で大変に世話になり影響を受けた都留重人ご夫妻もこの船に乗っていたそうです。都留重人さんというと僕らの世代では「サムエルソン・経済学」でお世話になった先生ですが、俊輔の10歳年長さんでありました。俊輔にプラグマティズムの研究をするようにアドバイスをしたのが都留さん、また、卒論が認められ学位授与が決まったことを伝えてくれた(交換船のなかで)のも都留さんであったそうです。帰国後の「思想の科学」の立ち上げの際にも「都留重人の教えに負うところが大きい」と俊輔自身がコメントしています。

 

ハンセン病との関わりについてもたくさんの記載がありました。そのうちのいくつか。「思想の科学」の繋がりから、詩人、大江満男さんと付き合うことに。大江さんの家に全国の療養所から寄せられていた詩稿を「ハンセン氏病者の歌」として雑誌「芽」に掲載(この雑誌は第二次「思想の科学」に相当するモノ)。この時、俊輔はそれぞれの詩の作者に「芽」に掲載することの承諾を求める手紙を書いた。多くの方との文通がなされたそうです。これが切っ掛けで長島愛生園の志樹逸馬さん(詩人、文筆家)との交流も始まり園内誌である「愛生」に関わるように。同園での「文芸祭」に掲載する選考作業を足かけ15年間も続けたそうです。エライですね。志樹逸馬さんは「思想の科学」の研究会員でもあったと。1959年に42歳で死去。

俊輔が結婚するのは1960年ですが、その新婚旅行に長島愛生園を訪問したそうです。志樹逸馬さんの奥さんはまだ島で生活されておられた。逸馬さんのお墓参りをして在園者の皆さんたちも二人を待ち受けてくれていたそうです。

俊輔はこの後、鬱病に苦しむことになりますが、前述の通り、1965年には「べ平連」の活動も。晩年まで、執筆、シンポジウム、講演活動を続けて、2015年、93歳で死去。戦後の日本を代表する思想家と言われています。

 

 

今朝(7月3日)のNHKニュースで白熱授業のサンデル教授のインタビューが流されていました。コロナ禍での「正義の問題」について。競争原理に基づく勝者と敗者の区分け。いずれも「自己責任」という風潮に対して”全ての労働に尊厳がある”との故キング牧師の言葉を引用しながら現在の問題を指摘していました。サンデル教授はハーバード大ですから俊輔の後輩になりますね。

 

神谷美恵子さんの”思いやりの心”、”寄り添う心”の大切さが改めて問われている時代になっているように思います。今少し、美恵子さんの研究(勉強)を進めたいと思っています。

 

 

話が変わりますが、立花隆さんが逝去されました。1940年生まれ、80歳。「田中角栄研究」のインパクトが凄かったですが、戦中、戦後生まれの方が次々と亡くなられるのが何やら寂しい限りです。立花さんは僕より10歳年長さんですが、年齢を重ねるごとにほぼ同時代人のように感じておりました。この世代の方々の考え方、生き方に対しては最近、改めて強い関心を持つようになっています。

因みに、今は姜尚中さんの『在日』を読んでいます。姜さんは1950年生まれですから、僕と同じ歳です。この本は姜さんの自伝です。「在日」と「祖国の分断」を抱えながら日本名を捨てて「姜尚中」を名乗る決意をした経緯が赤裸々に描かれています。読みながら僕も自分の育った時代環境を思い出しています。この本にも「ハンセン病」(および、その患者さん)のことが出てきます。美恵子さん研究の参考にもなりそうです。

 

 

来週の月曜日、7月5日にワクチン接種の二回目を受ける予定です。一回目はお医者さんから言われた通り、肩が重い状態が丸一日続きましたが、その後は普通の状態に戻りました。二回目も特段の副作用が無いことを祈りたいです。

 

 

 

NHK俳句、6月第四週。第四週は「NHK俳句部」。先生は櫂未知子さん、級長は塚地武雅さん、今月の生徒は櫻井紗季さん。今まで通り生徒さんに宿題十句。お題は「短夜」「夏の月」「泉」「ハンカチ」「夏料理」「蛍」「夏木立」、それと自由題。先生から8点(10点満点)を貰った生徒さんの句で面白いと思ったものを紹介します。

 

   冷奴自慢の皿に乗せにけり   塚地武雅

   注連縄の堂々たるや夏木立   櫻井紗季

   手のひらにゆらり収まる蛍かな   いとうまい子

   縁台に寝転びてみる夏の月   田中要次

 

先生の厳しい指摘がありました。「蛍」というとかなりの人が「暗闇」「闇夜」「夜の川」を詠みたくなるそうです。”つきすぎ”、ありふれた連想の句は取らない、取れないとのことでした。天邪鬼の僕は、その人にとって新鮮な発想であれば遠慮すること無く詠めばよかろうと思いますが、これが素人の発想なんでしょうねえ。

 

 

今月の季題は「ハンカチ」(汗拭い)。季語としてハンカチは汗を拭くものだそうです。悲しくて涙を拭く、手を拭く、モノを包む、膝に広げるというのは季語としては不適切のようです。

 

今週の大賞は、

 

   牧場は遠くまで空汗拭ひ

 

面白いと思った入選句です、

 

   さ緑の雨の匂いや汗拭ひ

 

「さ緑」という言葉が先生、級長、生徒さんからも評価されていました。

 

続いて、「俳句二歩めに」のコーナー。初心者が勘違いしがちな季語について。「枝豆」は夏だと思いやすいがこれは秋。「あまざけ」は寒い時と思いがちだがこれは夏の季語であると。説明を聞くと分かるのですが、当時(かつて季語の季節を決めた時)と、すでに時代感覚が変わってきている、ずれてしまっているモノがあるように感じます。不易流行?。どう折り合いをつけていくのが正しいのでしょうかね。

 

最後は特別編で、生徒の櫻井紗季さんが気になっていた句(数年前にNHK俳句コンクールの一席に選ばれた)、

 

   青梅や考え直すきっかけに

 

当時女子高校生であった作者の心の内を、同年配の紗季さんがずっと気になっていて、その作者に当時の気持ちをインタビューで語ってもらうという新しい試みのようでした。今は社会人として活躍されている作者ですが、高校生の当時は「明日を迎えるのが恐いという時期があった」由。その気持ちを投句したのが一席に選ばれたことで「自分を肯定して生きていこう」という気持ちになれたそうです。なかなかに面白かったです。

 

 

おまけの料理です。

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留守宅の庭の草むしり、植え込みの剪定をしました。 植えたことも忘れていたローズマリーが立派に育っていて良い香りを漂わせていました。切った枝を日陰干しました。よし!料理に使おうと。カミさんの指導の下にイロイロ調べて「鶏モモ肉とナス、タマネギのトマト煮」を。”取り立てのローズマリー”の香りが良かったです。留守宅では久しぶりのクルルのおじさん料理でした。2021年6月29日、料理と撮影。

 

おまけの駄句です。

 

   植え込みの強剪定や俄か雨   孔瑠々

   夏の朝雑草取りを二人して   孔瑠々 

 

  

京都トレイル、東山コース・完結編

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京都、大岩神社の大鳥居です。堂本印象画伯が奉納したもの。京都一周トレイル、東山コースのFルート「伏見・深草ルート」上にあります。通常の鳥居とは異なり、女神、兎、鳥、毘沙門、地蔵等々が彫り込まれている堂本画伯の作品です。この大鳥居はトレイルルート上にありますが、大岩神社本殿の横には同じく堂本画伯作の小鳥居がある由(こちらには立ち寄りませんでした)。この神社はかつては心の病、結核等の難病治癒に霊験あらたかとのことで多くの参拝者で賑わったそうですが、近年は信者も減り神社庁に「廃神社届」が出されているそうです(京都山岳連盟トレイル委の資料より)。

 

 

6月12日、土曜日、予定通り東山コース/Fルートを踏破しました。伏見桃山駅から伏見稲荷駅へ、東山コースの完結編です。今回のルートは今まで歩いた中では一番高低差が少ないコースです。ピークが大岩山展望所で標高が166m、ルートの全長は約10㎞です。

収まりを見せ始めているとは言え緊急事態下ですから終了後の反省会は外でやることは考え難い状況でありました。コースのイメージ(=それほどの難コースではなさそうだ!)と反省会をドラゴン先生のマンションで”家のみ”とすることを決めて、そこから逆算して出発時間を決めました。

 

僕は朝、名古屋の隠れ家から出発。”京都市内の移動はバスが便利である”というのが漸く実感できるほどバスにも慣れて使い勝っても良くなってきました。集合時間ちょうどにドラゴン先生のマンションに到着。今回のもう一つのテーマ・関心は、ドラゴン先生のマンションです。今年の年明けから全面改修工事を開始して4月に工事終了、一部、手直し等々も済んで全面完成した状態になっているとのことでした。ご家族以外では僕がお泊り客の第一号(多分)。

ドアを開けて中に入るともうこれは全く別な部屋に入ったような。ドラゴン先生の次女さんが企画・立案してお友達の建築家に頼んで設計してもらったそうですが、いやはや、かつてのボロマンション(失礼)が一流ホテルのスイートのように生まれ変わっていました。先生もゆったりとくつろげる居間・書斎スペースに甚く満足している様子。そりゃそうであろうと思います。僕の部屋(僕がいつも使わせて頂いている部屋)もスッキリとしています。クローゼットから新品の寝具を出して直ぐに寝ることが出来る準備を整えてから出発しました。

 

 

三条京阪駅までウォーミングアップを兼ねてゆっくりと歩き京阪電車伏見桃山駅まで。1時半ごろからトレイルスタートです。今までのルートと同様、今回のルートも京都の名所旧跡巡りです(特に前半がそうです)。Fルート起点の標識を過ぎると直ぐに「御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ)」の石灯篭と入口石段に”ぶつかり”ます。幅の広い歩道なのですが、その歩道を神社の灯篭と石段が完全に塞いでいる。通行する人は石灯篭の後ろを回り登って石の階段を通り越すか、はたまた、車道に出るしかない。幸いに車の往来はそれほど多くなかったので車道を選びました。道路を整備・拡幅する時に、由緒ある御香宮の門を後退させる訳にはいかなかったのであろうとのことです。

 

いつもはドラゴン先生が携帯の道案内ソフトを駆使して山のなかでも詳細な登山ルートを検索出来ていたのですが、何故か今回はそのソフトが起動せず。僕が持参していたFルートマップを使ってのトレイルとなりました。起点F-1からF-35までが表示されていますから、まあ何とかなるだろうと。

”低い山でも登山は舐めたらアカン”と、いつも頭には入っているのですが、なかなかその通り出来ないモノです。もともと京都トレイルの標識は小さくて見落としがちになることは承知していましたが、今回もいきなり道に迷いました。乃木神社から桓武天皇陵に向かうべきところをそのまま通り越して大変な大回り、明治天皇陵を経由することになってしまいました。案内資料には「明治天皇陵から京都南部の展望は素晴らしい。(眼下に見下ろす)正面参道の230段の石段は圧巻である」と記載されています。本来のコースを行くとなだらかな道を辿って天皇陵に至るはずのものが、大回りした挙句になんとこの230段の石段の真下に出てしまいました。

この石段はトレーニング場所として有名だそうです。ちょうど筋肉モリモリの学生さんとおぼしき二人組がランニングシャツ・ショートパンツの完全トレーニングスタイルでこの階段を駆け上がろうとしていました。”途中休まないで一気に頂上まで駆け上るのかしら?”、年寄りおじさん二人組は一歩づつゆっくりと足を運びました。途中には10か所の踊り場が設けられていますので、その都度、休憩をいれながら。半分くらい来たところで件の二人組が下りて来ました。彼らも下りは歩いています。目があって挨拶、苦笑いです。”お互いにアホなことしてるなあ”という表情が出ていましたので気さくな会話が弾みました。「この階段を10回!往復する」そうです。近くで見れば見るほど下半身の筋肉が凄いのですが、立ち止まって話をしていると両足の膝、太ももが小刻みに震動しています。痙攣状態。「これが快感ですわ」と筋肉二人組。おじさん二人組は感心するやら驚くやら”ようやってるなあ”と呆れておりました。なんとか頂上まで到着。なだらかなノンビリコースのはずが、この石段のお陰で一気に体力を消耗。時間も大幅に超過。まだ全体の二割ほどしか歩いていません。

 

気を取り直して出発、桓武天皇陵を通り越し伏見桃山城をチラッと見てドンドンと先に進みました。今日のピークの大岩山展望所に到着。遥か大阪の高層ビル群、あべのハルカスがぼんやりと望めます。晴れていれば淡路島まで見えるとのことでしたが、この日は曇り空で残念ながら分かりませんでした。この後は下りになります。冒頭の写真の大岩神社を経由して旧大岩街道に。古くは深草少将が山科の小野小町のもとに夜な夜な通ったとされる街道です。このルートはFコースとは別途に「深草トレイル」と呼ばれています。昔の人は歩くのが早かったのでしょうね。

 

いったん下山して名神高速道路を横切り、再度、稲荷山方面に登り途中から稲荷奥社へのルートをたどれば踏破完了、と先が見えてきたのですが、名神を横切る辺りで再度、標識を見失いました。市街地をうろうろ、下手をすると線路沿いに伏見稲荷の駅に出てしまいそうになる。”これではトレイルにならない、単に道路歩きになってしまいそう”です。とにかく山の方に向かい畑仕事をしているおじさんに道を聞きつつ辛抱強く足を進めました。どこにいるのか分からない状態が続きましたが、ふと気が付くと、見つけ難いはずのFコースの標識が目に入ってきました。”普段の行いはそれほど悪くはなかったか”。今回はルート取りは知らないうちに僕の担当になっていましたので一安心しました。普段、いかに先生(の道案内ソフト)に頼り切っていたか。やはりマニュアルを大切にして事前の準備をしておくことの大事なことを痛感しました。漸く本来のルートに戻り、勝手知ったる稲荷奥社に到着することが出来ました。予想以上に苦戦はしたものの無事に伏見稲荷駅に到着。これで東山コースを全て踏破しました。心配したほどの大幅な遅れにはなっていませんでした。

 

 

マンションへの帰路、街で人気の和菓子屋さんでドラゴン先生が今月の季節菓子「水無月」を買い求めました。相変わらず糖質制限に拘りながらも季節の和菓子は外せないという矛盾に満ちた楽しい性格です。更にマンションの近くの食材・総菜屋さんでおつまみを仕入れました。僕はこの辺りで体力消耗してバテバテの状態。買い物は先生に任せて休息、漸くマンションに辿り着きました。先生から”先に風呂でもシャワーでも”という温かい言葉に素直に従いシャワーを浴びさせてもらいました。スッキリ爽やか、食事の段取りを完了していた先生に”どうぞ、どうぞ”と勧めたものの”もうすっかり汗も引いたからまずはビールで乾杯しましょう”と。いやあ、シャワーを先に浴びて一刻も早く飲みたい僕にとっては最高に有難い話。感謝、感謝です。

今回も冷えたビールのなんと美味しいこと。大きな冷蔵庫の棚一段には全てビールが冷やされていました。ゆっくりと時間をかけて満足出来るまで反省会を堪能。先生が先に切り上げお風呂に向かいました。ジャグジーがついているそうです。僕は最後まで一人で反省会を続けて(飲み続けて)おりました。お陰様でその夜はぐっすりと気持ち良く眠ることが出来ました。

 

 

翌日曜日。前夜に相談して「お昼はゆっくりとカレーを食べてから解散しよう」と決めていました。軽く朝食のあと(朝食はドラゴン先生がキャベツとトマトのサラダを準備、更に、マンションの隣にあるコンビニで総菜パンを手当てしてくれました。またまた感謝ですね)、先生はマンションの管理組合の総会に。僕はのんびりと読書。先生が目を通している「京都本」を読んでいました。

一時間ちょっとしてからドアが開いてドラゴン先生の明るい元気な声「xxさん(僕のこと)、お客さんですよお」。”お客さん?、なんのこっちゃ?”。続いて張りのあるもっと元気そうな女性の声「うわあぁっ、すごいキレイやわ。エエわねえ。同じマンションとは思えへんわぁ」京都弁まる出し(京都だから当たり前か)。管理組合で委員をされている女性お二人がご来場。お一人は存じている方でした。

 

4月のブログ再開の記事のときに、立命館大学での「長島愛生園」展示会の事を記載しましたが、この企画の実質的な運営の責任者がこの方(以降、T女史にします)。展示会を見学した際に、入口で世話係をされていて旧知のドラゴン先生が足を運んでくれたことを喜んでいらっしゃいました。僕もその時に簡単に挨拶させていただきました。

”そっか、同じマンションの住民であった”。僕が部屋に居ることもあり、わざわざ、お二人を連れてきたそうです。お二人はもっぱらリノベーション完了後のマンションがどんな風になっているのかに大変なご興味。女性お二人の逞しさで隅から隅まで観察して良く出来ていることに驚愕し、絶賛していました。

ドラゴン先生が名ホストぶりを発揮、美味しいドリップコーヒーを上手に入れ、更には取って置きのお菓子も出してきました。女性陣の喜びよう!。管理組合のこと、長島愛生園のこと、秋の長島ツアーのこと等々を話しているとあっという間に時間が過ぎました。長島愛生園での出来事を風化させないように毎年長島ツアーが続けられているのですが、最終9月のツアーにドラゴン先生が二人分申し込んでくれていて、同じ日にT女史も参加されるということでした。また、楽しみに一つ増えました。

 

(4月の記事を埋め込んでおきます) 

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女性陣が帰ったあと、ちょっとだけ部屋の整理をして退去準備を完了。お昼近くになっていましたので、いざ、待望のカレーライスを食べに出発。京都大学病院の東側道路の反対側にあるカレー屋さんです。小さなカウンターだけのお店。コロナ対策を徹底しているので一度に入るのは半分に抑えて。食事中以外はマスクを着用、食事中は会話をしない=黙食を徹底。入る時には席の準備が整うまで10分程度待たされました。待っている間に女将さんが表に出て来て注意事項を丁寧にかつきっぱりと説明します。

ドラゴン先生はカツカレーを辛口で、ご飯は少な目、サラダ付きを注文。僕も同じく、但し、ご飯は普通盛り。この店のご飯はサフランライスです。これも名物です。一番奥の席に座りました。目の前が厨房ですが、透明のアクリルで隔てられています。辛さが旨い!。食べ始めて直ぐに思い出しましたが、”そうだ、この店のご飯の量はけっこう多かった”。無言のうちにカレーの美味しさを堪能。最後はかなりお腹がいっぱい状態でしたが完食。勘定を済ませて外に出る時、大将と女将さんがお二人揃って「お待たせしてすみませんでした、対策に協力して頂いてありがとうございました、また、いらっしゃってください」と丁寧に挨拶してくれました。気持ちの良い対応です。ドラゴン先生は先代の大将(今の大将のお父さん)の時から通っているお客です。”サフランライスの味、カレーの味・辛さ、共に変化していない”と喜んでいました。

京都トレイル、次回はいよいよ「北山ルート」に挑戦することになるかもしれません。鍛えておかねば・・・。

 

 

ちょっと長くなりますが、6月のNHK俳句、第二週、第三週のまとめです。僕の備忘録です。

 

NHK俳句、6月第二週。司会は岸本葉子さん。選者は鴇田智哉さん。ゲストにアーティストの井上涼さん。Eテレ「びじゅチェーン」の作詞・作曲・歌唱・アニメ映像を手掛けている方。全く存じておりませんでした。涼さんの作品の「睡蓮ノート」が放映されていましたが確かにインパクトのある方です。テーマは「句のひとみ」で今月は「目」を主題にしたお話でしたが今回はイマイチ興味を持てませんでした。今月の兼題は「蛾」です。特選三句です。

 

一席   蛾の止まる電信柱むずかゆい

二席   太陽の大きなハンコ夏来る   (これは自由題です)

三席   壁の蛾の間近に壁を見て居りぬ

 

涼さんの「睡蓮ノート」が印象に残りました。それから西東三鬼の「目」の句、

 

     右の眼に大河左の眼に騎兵   西東三鬼

 

を涼さんがイメージしたイラストが面白かったです。

 

 

第三週は司会が中田喜子さん、選者は岸本尚毅さん。ゲストは加賀翔さん、この方も存じていませんでしたが、お笑いコント「かが屋」の方とか。有吉さんの影響を受けて写真と俳句を楽しんでいる方です。

 

今月のテーマは引き続き「俳句と寓意」。戦争など重たいテーマを詠うときに寓意は効果的であるとのお話でした。

 

   死は易く生は蝿にぞ悩みける   森鴎外

 

鴎外、日露戦争の陣中での句とか。寓意の例として適切なのかよく理解出来ませんでした。次の句はテキストに紹介されていたモノです。「冷戦」の時代の作品だそうです。

 

   ピーマンの青き拳や核戦争   田川飛旅子

 

俳句は多様であると。テキストには「ときには観念的な理屈っぽい句に挑戦されてはいかがですか!」との岸本教官のコメントが面白いと思いました。今月の兼題は「蝿」、特選三句です。

 

一席   蝿打ちて蜘蛛宥したる夕餉前  (中七;くもゆるしたる)

二席   芍薬の硬き蕾に月の蝿

三席   影を追う照明器具の中の蝿

 

ゲストの加賀さんの句、自由律の句です。

 

    洗い終えたまな板に蝿   加賀翔

 

岸本教官が添削して五七五に変換していました。

 

    洗い終へてそのまな板に来る蝿   岸本教官・添削

 

加賀さんが得意げに自由律俳句を説明していたのはやや興醒めでしたが、この句の場合は添削しない方がよいだろうなあと思いました。

 

駄句です。

    

   六月や伏見桃山曇り空   孔瑠々

   六月の二百三十段に膝笑ひ   孔瑠々

   六月やサフランライスカツカレー   孔瑠々

 

 

おまけの料理です。

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左;焼きカレー。卵がキレイに焼けなかった。味はまあまあ合格でした。また、やってみようと思います。2021年6月14日、料理と撮影。

右;最近よくやる料理です。あさりとキャベツ炒め煮。美味しいです。2021年6月16日、料理と撮影。

 

紫陽花の株分け、剪定、挿し木をしました。 

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仲間から戴いた紫陽花が終わったので、剪定をして挿し木をしました。一鉢に四株植えられていたのでそれぞれを四鉢に分けました。頂戴した鉢は昨年のこの時期に挿し木をしたものだったと聞きました。一年であんなに見事な“隅田の花火”が咲いてくれたら嬉しいですね。上手く育ってくれるかなあ。2021年6月21日、作業と撮影。

 

 

女性の活躍、その2.


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永良部の百合の花、4題。名古屋でお世話になっている方、仲間達に球根をお裾分けしたら、皆さん、丁寧に育ててくれています。神奈川の留守宅でも毎年、豪華に咲いてくれます。撮影は5月末から6月10日まで。まだ暫くは楽しませてもらえそうです。

 

 

6月6日、全米女子オープン選手権で笹生優花(さそう・ゆうか)さんが優勝しました。先日のマスターズ松山選手に続いて快挙としか言いようがない!。それも日本人同士のプレイオフを制しての優勝。さらに大会史上最年少での優勝。すごいこと尽くめです。興奮しました。

レイオフを戦ったのは畑岡奈紗さん。最終日、畑岡選手は6位から出てスコアを伸ばし、2位から出た笹生選手と通算4アンダー280で首位に並びプレイオフになったもの。3ホール目に笹生選手がバーデイーを奪い勝利。笹生選手は19歳、畑岡選手は三歳年上の22歳。笹生選手は最年少優勝なのですが、主催者によると19歳11か月7日で、2008年に優勝した韓国の朴仁姫選手と”日”まで同じ史上最年少での優勝になるそうです。最年少記録で年月日まで同じというのも面白いことですね。

 

笹生選手はフィリピン生まれ。お父さんが日本人、お母さんがフィリピン人。小学生低学年でより良い練習環境を求めてフィリピンに移住し、お父さんに鍛えられたそうです。両足首に重りを付けて走ったりサンドバッグを叩いたりのトレーニングを積んだそうですからゴルフ版・女性版の「巨人の星」ですかね。現在は日本とフィリピンの二重国籍を持っており、国際大会ではフィリピン代表としてプレイ。今年の東京五輪ではフィリピン代表としてフィリピンに全競技を通じて初めての金メダルをもたらすホープとして期待されていると。当然、フィリピンでもメディアで大きく取り上げられ、メジャートーナメントに優勝した初のフィリピン人選手として報道されているそうです。英語、日本語、タガログ語の三か国語を使いこなすことが出来るとのことで、これから益々世界の舞台での活躍が期待されます。

 

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前回の女性の活躍のブログです(マスターズの松山選手も凄かったですね。MLBでは連日、大谷翔平選手が頑張っているし。コロナ禍の楽しい話題です)。

 

普段であれば、早朝に起床してテレビに齧り付くか、録画を撮ってじっくりと観るかするところなのですが、残念ながら”WOWOW”は契約しておらず。全てWEB、TV、新聞のニュースで知るのみ。映像は見ることが出来ませんでした。放映権の縛りがあるからでしょうが、いやあ何とも残念なことです。今回の放送が切っ掛けになってWOWOWに加入する人が増えるかも知れませんが、僕はまあ止めておこうと思っています。”放映権”というのも考えるとややこしい難しい問題を孕んでいますねえ。

 

 

”放映権”は関係ありませんが、メディアとの関係で少し前に残念なニュースがありました。女子テニスの大坂なおみ選手が四大大会の全仏オープンを途中棄権。5月30日の同一回戦を勝った後、テニスの四大大会では義務付けられている記者会見を拒否したのが発端。ルールに沿って罰金を科せられ主催者からは今後の出場停止処分の警告も出された直後の対応でした。大坂選手は自身のうつ病を告白すると同時に「大会を邪魔する要因になりたくない」として棄権を表明したもの。

記者会見の拒否に対しては批判的な意見が多く見られたように思いましたが、うつ病の告白に伴い同情する声や今後の運営の仕方についてもいろいろな意見が出ているようです。

 

大坂選手のインタビューはシャイな表情ながらも愛嬌があってウイットに富んだもので大変に人気があったし、「BLM」については積極的な発信もしていただけにかなり意外な感じがしました。病気にもメデイアにも負けないように、潰れないように、そして、潰されないように、早い復帰を期待したいものです。 

 

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以前のなおみ選手のブログです。これにも書いていましたが、大坂選手も日米の二重国籍でしたが、2019年10月に22歳の誕生日を迎えるに際して日本国籍を選択して必要な手続きを行ったそうです。

 

 

東京オリンピックは7月23日に開会の予定ですが、6月2日の衆院厚生労働委員会で、尾身会長(政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の会長さん)が「いまの状況でやるというのは普通はない」と発言して以降、騒がしくなっています。尾身さんはその後も衆参両院での同委員会でも警鐘を鳴らし続けている様子。首相は9日の党首討論東京五輪パラリンピック開催に改めて意欲をしめしているそうです。ワクチン接種はここにきて急速にスピードアップして進んでいるようですが、感染の抑え込みが何かにつけての前提になっています。

 

 

五輪の開催を中止する際の賠償問題について面白い意見が日経に掲載されていました。6月9日付け「経済教室」の「私見・卓見」のコーナー。この欄は投稿者の意見を紹介しているコラムです。

お題は「五輪中止、日本に賠償義務なし」。投稿者は立教大学名誉教授(民法)、角紀代恵さん。骨子は、

・東京都、日本オリンピック委員会IOCと結んだ契約(開催都市契約2020)には「IOCが本大会を中止する権利を有する」とあるが、この文言はIOCが中止の判断をしても(IOCは)損害賠償義務を負わないという点が眼目である。日本側に中止の権利が無いと明記しているわけではない。

・日本側が中止を決めたとき、IOCは日本側に開催を強制できるか⇒民間団体であるIOCにはそのような執行力はない。また、当事者がその気にならなければ実現できない契約は、その実現を強制できないとされる。

・損害賠償の有無は開催都市契約に沿って判断されるが、この契約には日本側が一方的に破棄した場合の賠償責任を明記していない。

・このような場合には、その契約が準拠する法律に基づいて判断され、この契約はスイス法を準拠法と定めている。

・スイス法「大陸法」では契約を履行しないことが「債務者の責めに帰すべからざる事由」による場合は、損害賠償の義務は負わないとされている。

・コロナ禍は日本の責めに帰すべき事由とは考え難い。よって、契約法の立場からは、仮に中止を判断しても日本が賠償義務を負うことはないと考えるのが妥当だろう。

 

以上ですが、素人目にも分かり易い論点だと思いました。賠償責任云々の法律論だけで判断できる問題ではなくなっているとは思いますが、これ程に社会的、政治的な問題になっている五輪・パラリンの開催ですが、入口(出口かな?)のところの論点はよく分かるように説明責任を果たしてほしいモノだと思います。

 

 

話題を変えて、NHK俳句、6月第一週です。引き続き、僕の備忘録として書いています。お付き合い頂ければ嬉しいです。司会は武井壮さん。選者は片山由美子さん。ゲストには、俳優の篠井英介さん。篠井さんは日舞藤間流師範。今回の兼題は「浴衣」でしたがその浴衣姿で登場。背筋がピンと伸びていて着こなしも勿論、颯爽とした浴衣姿でした。

 

今回のテーマは「比喩」。片山さんが俳句を作り始めた頃「”ごとく”俳句に名句なし」と教えられたそうです。一方では名句にも多々”ごとく”は使われており、今回は、良い”ごとく”とダメな”ごとく”の勉強です。有名な作品の紹介から。

 

   白酒の紐の如くにつがれけり   高浜虚子

 

番組では司会の武井さんが実際に白酒を注いでその様を見せていました。なかなか「紐の如くに」とは詠めないでしょうね。テキストに載っていた同じく虚子の句です。この句は凄いなあと思います。

 

   去年今年貫く棒の如きもの   高浜虚子

 

もう一句、僕の好きな軽舟さんの句が載っていました。

 

   死ぬときは箸置くように草の花   小川軽舟

 

俳句では陳腐な例え、聞いたことがあるような比喩、近すぎるものはダメだと。「意外性が欲しい、飛躍が欲しい」とのお話でした。出来るかどうかは疑問ですが、理解は出来ました。

 

今週の特選句です。

 

一席   浴衣着て浴衣の妻を駅に待つ 

二席   浴衣着てますます似合ふ眼鏡かな

三席   一門の通し稽古や染浴衣

 

面白いと思った句です。ゲストの篠井さんも取っていました。

 

     はじめての浴衣を見せに隣の子

 

投句には旅館の浴衣「宿浴衣」を詠んだ句が多かったそうですが、これは夏の季語にならないそうです(また、これは寝巻であり本来の浴衣では無いとの篠井さんの指摘も)。  

 

駄句です。

   えらぶゆり咲いて仲間を結び付け  孔瑠々

   梅雨晴れ間三十度超は厳しかろ   孔瑠々

 

 

今週末は、いよいよ京都トレイル、東山コースの残されたコースを目指します。次回は「完結編」を書けることを楽しみに。

 

おまけの料理です。

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棒ギョウザを作りました。市販の皮を二枚、三枚つなげて。具をたくさん入れて作るのが簡単と説明があったので。具は挽き肉にキャベツ、ニラ、ニンニク、ショウガを練り込んで。ポン酢、ギョウザのタレで頂きました。美味しかったのですが、反省点としては、やはりギョウザは一口サイズがヨロシイようです。見た目もそうだし、食べた時の食感、味にも影響するように感じました。そう言えば、納豆の大豆の大きさも大粒、小粒いろいろとありますが概して小粒に人気があるようですね。2021年6月7日、料理と撮影。

 

 

6月、緊急事態が継続

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アジサイ、三題。左;隠れ家の「隅田の花火」、中:隠れ家から駅に行く途中の道路の植え込み、右;農園へのバス停近くのビルの植え込み。梅雨の時期、この花は良い風情ですね。道路上の植え込みが丁寧に手入れされているのを見ると感心と感謝です。2021年6月1~2日に撮影。

 

 

5月28日に緊急事態の延長が発表されました。6月20日まで延長となったのは北海道、東京、愛知、大阪、京都、兵庫、岡山、広島、福岡の9都道府県。それに5月23日に加わった沖縄を併せて10都道府県で6月20日まで緊急事態が継続します。

首相は記者会見で””ワクチン接種は6月中旬以降は1日100万回接種できる体制が整う””と表明したそうです。感染者の増減と時の政権に対する支持率はキレイな相関関係がありますから政府も必死の対応をしているのでしょう。しかし、日本でのワクチン接種は先進諸国とは比較にならないほど遅れていますが、そのことで支持率が大幅に落ち込むことが懸念されていたにも関わらず全く対応が進まなかった訳ですから、逆に言えば、この国の行政の指揮命令系統および業務遂行能力に大きな欠陥があるように感じて怖くなってしまいます。

 

5月下旬は神奈川の留守宅に帰っておりました。昨年、最初の緊急事態が宣言された時には出来るだけ移動しないように心掛けましたが、最近は自分の判断で動いています。””緊急事態慣れ””ということになるのか、はたまた、””要請””に対する””自己責任””の兼ね合いか。(経済)活動と感染抑制の両立への個人的な挑戦か。そもそも””不要不急””の判断をするのは本人しかいないだろうという天邪鬼な性格のなせる処かも知れません。

 

 

留守宅でものんびりと時間を過ごしていましたが、珍しく、カミさんが””観たい映画がある””と言い出しました。それも二本。吉永小百合さん主演の「いのちの停車場」とサーロー節子さんの「ヒロシマへの誓い」。調べたらそれほど遠くない映画館で上映されていたので散歩と散策も兼ねて出かけました。

 

「いのちの停車場」を上映していたのは以前に「ボヘミアン・ラブソデイ」を観たシネマコンプレックスでした。

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(これも懐かしい記事。2019年2月だったんですねえ。)

 

 

この映画は現役の医師で作家の南杏子さんという方の同名小説の映画化。文字通り「いのち」をテーマにした映画です。吉永小百合さん初め演技派の俳優さんが多数出演しています。涙無しには見られないように作ってあるのですが、その思惑通りボロボロ泣いてしまいました。最後は「安楽死」がテーマなのですが、これは僕にはやや重過ぎました。大変なインパクトがありましたから問題提起としては大成功だと思うのですが、映画ではもう少し救いを感じるように脚色してもらえれば良かったのではと思いました。

 

 

翌日、二本目を見に行きました。「ヒロシマへの誓い---サーロー節子とともに---」。小田急新百合ヶ丘駅の近くにある川崎市のアートセンターで上映されています。川崎市アートセンターは市の施設ですからコロナには十二分の対策を取られての上映でした。

2019年製作のドキュメンタリー映画ですが『核兵器禁止条約』発効を受けて緊急ロードショー決定!と書いてあります。概要はパンフレットの記載が分かり易いと思いますので抜粋します。

 

「2021年核兵器禁止条約が発効する・・・その大きな原動力となったサーロー節子の原点を探ったドキュメンタリー。13歳で被爆してその後の人生の大半をカナダで暮らし核兵器撲滅のための生活を続ける節子・・・広島出身で被爆二世である竹内道(タケウチ・ミチ)・・・二人は偶然にも広島女学院の卒業生・・・節子が何を見たのか、その後の彼女の人生がどう変わっていったのか、本作品のプロデューサーでありナレーターを務めるミチの眼を通じて・・・」。

 

節子さんの活動ぶりが素晴らしいですね。旦那さん、カナダ人のジム・サーローさんの表情の良いこと。長い間、節子さんがソーシャルワーカーを地道に続けることが出来ているのもこの旦那の支えがあったからと感心します。ICANを代表してのノーベル平和賞受賞スピーチは大迫力でした。

 

ミチさんはニューヨーク在の方ですが、祖父様が広島日赤病院の初代院長です。当時、広島日赤で空襲の被災者を介護している時に一緒に生活していた家族(ミチさんの母様)共々に被爆されました。ミチさんは映画制作時は国連NGO活動をされているようです。

 

節子さんとミチさんはパンフの通り広島女学院高校の卒業生ですが、うちのカミさんのお友達が同じくこの高校の卒業生。先輩であるお二人の活動に共鳴し協力しているそうです。改めてこのドキュメンタリーを一人でも多くの方に見てもらおうと運動をしていてカミさんにも是非見て欲しいとご案内を頂いたものでした。

 

二日続けての映画三昧でしたが、両方ともに見応えのある作品でした。足を運んで良かったと思っています。やはり映画は映画館で見るのが楽しいと改めて思いました。

 

 

5月最終週のNHK俳句です。自分の備忘録として書いています。お付き合い頂ければ嬉しいです。第四週は「初心者向けNHK俳句部」で、司会が塚地武雅さん、俳句部顧問・先生は櫂未知子さん、部員に田中要次さん。三月までと構成がやや変わりましたが生徒・部員は同じ。いとうまいこさん、櫻井紗季さんも毎月交代で登場するとのことでした。宿題が出されているのも今までと同じ。司会の塚地さんも含め部員が宿題の句を詠んで提出。季題は「初夏(夏はじめ)」「南風」「夏野」「レース」「祭」「郭公」「バラ」それと自由。

 

   黒猫のレースに透けて影和し   田中要次

 

要次さんが最高得点で初めてのトップ、感激していました。””「和む」とは詠むが「和し」と読むのは稀有だ””と辛口の未知子顧問の評。顧問からの赤ペン無しの句でした。

 

新しい宿題も出されていました。与えられた下五に対して上五と中七を作句するもの。今回、与えられた下五は「薄暑かな」。

 

   踏切の暫し開かざる薄暑かな   マネージャー

 

正規の部員四名を差し置いて黒子(番組スタッフ)の俳句部”マネージャー”の句を顧問が取っていました。確かに風情のある句かと。

今月の兼題は「レース(レース編む)」。女性の季語かと感じましたが、面白い句が沢山ありました(要次さんの句もそうですね)。

 

   鳥の名を付けし土地なりレース編む

   猫に膝暫し預けてレース編む

   レース着て一瞬青き風となり

   レース着て仏蘭西いろの風を飼う

 

今月の大賞です(この週は特選・一席と言わないで大賞といいます)。

 

   居留地の海の匂ひやレース着る

 

「レース編む」は夏の季語ですが、これと対照的に「毛糸編む」という冬の季語があるそうです。テキストに「毛糸編む」の例句がありました。

 

   毛糸編む娘をとほく見てをりぬ   佐藤郁良

 

確かにそう言われれば季節が感じられるように思います。

 

駄句です。

 

   夏場所にまはし打つ音ひびきおり   孔瑠々

   トマトこんなにたくさん三百円   孔瑠々

 

 

6月1日、緊急事態の延長初日。東京、大阪での営業制限は緩和されています。東京都の映画館で吉永小百合さんが「いのちの停車場」の上映、映画館の再開の挨拶をしているのがニュースになっていました。”そうか、神奈川県は「緊急事態」ではなく「まん延防止地域」だから映画を観ることが出来たのか”、改めて気が付きました。能天気なことです。それにしても吉永小百合さん、何をしても絵になる方だと思います。僕たちの世代からの””永遠のアイドル””(古い言い方でしょうが)ですね。

 

おまけの料理です。

 

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左;小松菜炒め。厚揚げとショウガ、卵。最初作った時に色が不足していると感じたのたので、今回はニンジンを加えました。もう少し多く入れても良かったかと。

右;ブロッコリーのノリ炒め。シラス、油揚げ、竹輪を加えて。これは僕のブロッコリー料理の定番ぽくなっています。2021年5月末~6月初め、料理と撮影。

東山・平和公園コース、踏破

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「隅田の花火」の鉢植えを頂きました。隠れ家の玄関に置きました。なるほど、花火のようにポチポチと咲き始めてきました。上の階の住人の方が理解のあるご夫婦で「(通行に)邪魔になるどころか毎日、花を楽しませて頂いている」と喜んでくれています。有難い限りです。2021年5月16日、撮影。

 久しぶりに駄句です。

 

   鉢植えの隅田の花火梅雨に咲き   孔瑠々

 

 

5月15日、ドラゴン先生と京都一周トレイルの東山コースの残されたFコースを歩いてコース完全踏破を達成しよう!と思っていたのですが、緊急事態宣言の延長と拡大を受けて素直に中止・延期としました。二人とも反骨精神旺盛な年ごろですので””この時期だからこそ実行しよう!””という気持ちがあったことは確かなのですが、冷静な大人?の判断です。

 

折角、予定を空けていた週末だったので(僕の方は最近ほぼ何も予定が無い日が多くなっていますが、現役のドラゴン先生はまだまだ週末も忙しく活動をしています)””遠征が無理ならせめて「反省会」だけでも””と考え、いつものお店に電話を入れたのですが「アルコールを提供出来ない、かつ、夜の閉店時間にも厳しい縛りがある状態では、お客さんに申し訳ないので今回の宣言期間中は店を閉める」とのことでした。「食事だけでよければお二人のために(お店を)開けますよ」と優しい有難いオファーは頂いたのですが、お酒を飲まないで””反省会””は出来るはずも無く残念ながら諦めることにしました。

 

さて、どうするか。ーーー外で飲めなきゃ家で飲めばよい。どうせ飲むなら体を動かして(運動して)から飲む方がお酒は美味いーーー。お酒大好き人間の創造力の逞しさだと自分でも感心しましたが””脚下照顧””いつもウオーキングを楽しんでいる二つのコースを一気に踏破することを考えつきました。そして、その後に、”家飲み”反省会を隠れ家でやればよい!。

 

このブログでも何度も記載していますが、名古屋市千種区の僕の住んでいる地域には平和公園一万歩コースと東山公園一万歩コースという隣接する素晴らしいウオーキングコースが整備されています。

平和公園というのは、戦後の大規模な区画整理事業で市内にあった279ヶ所のお寺の墓地約19万基を移転し、その周辺を緑豊かな公園にしたものです。広大な園内には桜の名所もあり、また、一角には東山動物園で飼育されているコアラのためのユーカリが植林されています。このコースは一周が約6.5㎞。そして、東山公園のほうは東山動植物園の外周を取り囲むように整備されている公園です。こちらは一周が約6.2㎞。それぞれ一周すると一時間半ほどかかります。今まで何度も回ったことはありますが、両コースを通して歩くのは初めての試みになります。

 

 

午後一時に地下鉄東山公園駅で集合。打ち合わせした訳ではありませんが、二人とも京都トレイルに行くときのスタイル。特に足元の安全は大切ですから軽登山用のしっかりした靴を履いていました。なんといっても安全第一です。緻密なドラゴン先生は「遭難の心配は無いと思うがコンパスも準備してある」と。

”このコースで遭難してレスキューを呼んだらTV・新聞に取り上げられてしまう。””年寄り二人が公園で遭難!救助隊が出場、無事救出””、これは悪夢や。二度と名古屋の街を歩くことが出来なくなろう”。

最初からバカ話をしながら、まずはコンビニで飲み物を確保して早速に歩き始めました。初めて僕が道案内役。平和公園コースからスタートしました。正規のルートから脇道に逸れて散策出来るようになっていて、脇道に行くと予想以上の急勾配の山道があるのですが、今回は”遭難を避けるため”、また、両コースを通して歩くので体力の消耗を少なくするため、ひたすら教科書通りのコースを歩きました。30分経過したら休憩をはさみ水分の補給もしながらいつも以上に慎重に歩きました。休憩を兼ねて途中のアクアタワーに立ち寄り、最上階から名古屋の市内の展望を楽しんだりしました。アクアタワーは専ら災害時のための給水塔です。地上約40mの展望室からは東側に猿投山、西側に名駅の高層ビル、南側に東山公園スカイタワーが望めます。

 

猫が洞池に差し掛かった時、周辺の地形をみた先生が「これはため池である」と指摘。実際に反対側に行った時には、その向こう側(今は閑静な住宅街になっています)が大きく下り傾斜になっていることを発見。”まるでブラタモリの気配になってきた”。今迄何回も歩いていて何も気づかなかったことがやや情けないような。そういえば木曽三川の遠足の時に”尾張の地形は東高西低である”ことを学習したことを漸く思い出しました。 

 

kururupapa.hatenadiary.jp

 (懐かしの「大人の遠足」です。2019年8月だったんですねえ。)

 

 

どちらが案内役か分からなくなりましたが、グチャグチャ話しているうちに平和公園コースを終了。東山公園駅に戻り駅の反対側=南側に広がる東山公園コースに向かいました。こちらの方がすこし距離は短いのですが起伏がやや厳しいところもあり自然を満喫できます。東山コースの半分を過ぎたころになるとやはり両コースを続けて歩くというのが結構足腰に負担が掛かることを実感し始めました。途中、ショートカットできるポイントがありましたので(お元気とは言え僕よりも年長さんに少しは気を遣って)それとなく提案をしたのですが、意外にも(予想通りかな?)凛々しいご返事。

「両コース続けて正規のルートを完全に踏破する」ことへの強い拘りがありました。やはり酒飲みは美味しく飲むための努力を惜しまない!。ゴール近くになってくると早くビールを飲みたいがためか足取りが早くなってきたような気がするくらいでした。エサがぶら下がっていると頑張ろうとするのは動物の血のなせる業なのでしょう。

 

ゴール到着後、隣の駅の星ヶ丘まで足を運び三越のデパ地下でお買い物。お互いに好みのツマミを仕込み、我が隠れ家に向かいました。隠れ家での”家飲み”反省会です。申し訳ないことに、隠れ家に向かう道がかなりの急坂になっています。言わば最後の難関。買い物のあと、気分はもうマンションに戻って”ビールで乾杯””に浸っていますから、さすがのドラゴン先生も一旦気を緩めた弱みか、想定外の難関に体力を大変に消耗した気配でありました。ブツブツと文句が出ましたが、それでもなんとか無事に隠れ家に到着。

午後1時頃から歩き始め隠れ家に着いたのが5時半ごろでした。休憩・見学と買い物に一時間として約3時間半ほど歩き続けたことになります。ドラゴン先生の万歩計は2万4千歩となっていたそうです。

 

 

隠れ家での”家飲み”反省会です。まず、コロナ対応の基本動作をしっかりとやりました。什器備品は準備しておきましたから買ってきた食べ物をテーブルに並べて早速に乾杯です。いやあ、ビールの旨いこと。

鶏のから揚げ、野菜の煮物、サラダ、拘りの豆腐等々、バランス良いおつまみです。糖質・ご飯を云々する以外は好みは結構似通っているかと。冷蔵庫に残っていた僕の自慢の「煮卵」と頂き物の「新じゃが(小)の甘辛煮」をアテに出してみました。両方とも美味しい、美味しいと喜んで食べて頂けましたが、一言付いてくるのが面白い処。「普段は煮卵は食べない」とか。ゆで卵の作り方にうるさいのは以前記載した通りですが、後で先生が「世界一美味しい煮卵の作り方」という本を買って喜んでいたのを思い出しました。その時に、咄嗟に思い出して突っ込んでおけば良かった、と大反省。河村市長の話、神谷美恵子さんの話等々を楽しく歓談。家飲みで反省会が楽しめることが分かりました。居酒屋文化を支えてきた僕たち世代が”家飲み”を楽しむことを覚えてしまったら、この先、コロナフリーの日常に戻った時でも世の中の景色が変わっていることもありうるのでしょうかね。

 

遅くまで盛り上がってしまい、先生の帰路が心配。「名古屋は東から西になだらかに下り傾斜であるから、自然の勾配に従ってゆっくりと歩いて帰ることが出来そうだ」と冗談とも本気とも分からない発言まで飛び出す始末。(ちなみに先生のマンションは栄と伏見の中間、隠れ家から歩けば3-4時間はかかろうかと思われます)。かつて先生の弟子には、名古屋から蒲郡まで夜を通して歩いて帰った猛者(僕はアホやと思いますが)もいたそうですから、あながち冗談とは思えず少しは心配したのですが、10時過ぎのラインでは「無事に帰宅。早い機会に京都の東山・Fコースに行こう」と連絡がありました。一安心。ちゃんと地下鉄かタクシーを利用されたようです。京都遠征にはやはり緊急事態の解除が待たれます。ワクチンの接種も大きなファクターになりそうです。皆さまも引き続きくれぐれもご自愛くださいませ。

  

 

ちょっと長くなりますが、簡単に5月のNHK俳句のまとめです。僕の備忘録です。お付き合い頂ければ有難いです。

 

第一週、選者は片山由美子さん、司会は武井壮さん、ゲストには石原良純さんが登場。いつもながらよくお話される方です。「見直し『俳句の常識』」のテーマで今週は「季重なり」を取り上げていました。「原則、季語は一句に一つだが時には許されることもある」ということでした。例句として、

 

   女郎花少しはなれて男郎花   星野立子

 

を説明したり、司会とゲストのお二人に○✖のクイズ形式で解説していましたが、どういうのが許されるのか良く分かりませんでした(例句の読みは、女郎花=おみなえし、男郎花=おとこえし)。 今月の兼題は「葉桜」。特選三句です。

 

一席   葉桜や石のベンチのしづかなる

二席   葉桜のささやきの下バスを待つ

三席   葉桜や新人研修最終日

 

面白いと思った句です。

 

     葉桜や単身赴任また一年

 

 

第二週、選者は鴇田智哉(ときたともや)さん。司会は岸本葉子さん。ゲストは加藤諒さん。テーマは「『句のひとみ』になって読む」で今月は「切り替わる『句のひとみ』」というもの。前回もそうでしたが、この選者、鴇田さんの視点は面白いなあと思います。例句として、

 

   渡り鳥みるみるわれの小さくなり   上田五千石

 

鳥を見上げていた目が、突然人を見下ろす目に切り替わった。視野がくっきりと一転していると。もう一つ、例句。

 

   チューリップ喜びだけを持ってゐる   細見稜子

 

この句は、

●チューリップ。その花は喜びだけを持ってゐる。

●チューリップ。私は喜びだけを持ってゐる。

の両方に読むことが出来るが、視点の切り替わりが面白いと。

今月の兼題は「罌粟の花」、特選三句です。

 

一席   手を打って罌粟の花びらみな散らす

二席   ゆっくりと脈打つ罌粟の花の丘

三席   ポピーいつどこから飛んできたのです

 

ケシの花というのは一晩で散ってしまう一日花とのことでした。

 

 

第三週、選者は岸本尚毅さん、司会は中田喜子さん、ゲストは渡辺江里子さん。渡辺さんはお笑い芸人、阿佐ヶ谷姉妹のお姉さん。テーマは「俳句と想像力」ですが今月のテーマは「俳句と寓意」。例として、

 

   夜の蟻迷えるものは弧を描く   中村草田男

 

を紹介していました。番組では触れていなかったですが、テキストの次の句の解説が面白かったです。

 

   物いへば唇寒し秋の風   芭蕉

 

虚子は「道徳的な寓意を含んだ句のごときは・・・むしろ(俳句の)脇道に逸れたモノである」と手厳しく評したそうです。一方、加藤楸邨は「人が去って一人にかえると、気をたかぶらせて話したことがたまらないさびしさを生み出してくる」そんな人間の孤独を詠んだものと鑑賞したそうです。

今月の兼題は「蟻」、特選三句です。

 

一席   一期生植ゑたる松を蟻の列

二席   あはれ吾子ありのすさびに蟻を踏む

三席   花びらに加ふる蟻の重さかな

 

中田さんの句を岸本教官が添削していました。

 

     空高く仁王の足の蟻二匹   中田喜子

 

添削例その①   青空や仁王の足を蟻二匹

   その②   青空や仁王は足に蟻二匹

 

上5は「や」で一度切る。「の」→「を」、さらに「は」「に」で動きを感じさせるとか。岸本教官の添削指導が丁寧、親切で良いですね(原句を尊重すれば上5は「空高し」が良いと思いましたが)。

  

 

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タカト画伯の絵です。ゴジラのDVDを見た後だったので怪獣対決か!と思いましたが、ワニ、熱帯魚、恐竜とのことです。構図、線のタッチと色使いが素晴らしいと思いました。爺バカです。2021年5月の作品。

 

 

おまけの料理。

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調味料は””塩””のみ。鶏もも肉スナップエンドウ、ネギの組み合わせで旨味と甘味が引き出されて美味しいと。何かの料理本(多分、「きょうの料理」)で見つけたのでやってみました。塩は普段まず使っていませんが、今回は指示通りに使用しました。美味しかったです。これでスナップエンドウは全て使い切りました。2021年5月12日、料理と撮影。